お隣さんの国：韓国からの手紙

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2007/04/20

塾が好まれるワケ

(32)

テーマ：韓国！(17277)

カテゴリ：韓国の習い事

社会問題になっているが、全く解決する兆しが見えない。

学歴社会ということもあるが、やはり、公教育が充実していないことが一番の原因ではないかと思う。

小中学校に、プールはモチロン、体育館さえないので、スイミングスクールに通わせなければ、一生カナヅチのままである。

跳び箱も、マット運動も、テコンドー教室などに通わせないと、やってもらえない。

小1の授業は、文字や数の概念を知っていることが前提で始まるし、
いきなり楽譜を渡されて、家で歌の練習をして来いという宿題も出る。

高学年になると、習ってもいないポスターを描いて来いというような宿題も出るし、
英語で家族新聞を作れという、英語塾に通ってないと無理な宿題も出る。

廃品利用で工作をして来い、という宿題が出た。
学校でやったらいいようなことを、韓国の学校では宿題に出す。
「親が手伝え」という意味なのか？
今でもよくわからないのだが。

はんらは、親が宿題を手伝うなんて、意味が無いと思っていたので、コーちゃん一人にやらせた。
できた作品は、かなりひどい出来だったが、小2なんだもん、仕方ない。
「一人でよく頑張ったね」
と褒めてあげて、学校に持って行かせた。

ところが！
この作品、作り直しを命じられて、突っ返されてしまったのである。

ビックリなはんらは、すぐ学校の担任の先生のところに、駆けつけたよ～！！！

「先生、この作品は、上手には出来てませんが、コーちゃん一人で一生懸命に作ったもので。。。」
と説明を始めようとしたところ、担任の先生は、ものすごーくめんどくさそうに
「ああ、そうですか、いいですよ、お母さんがそれでいいなら。」
とおっしゃったのだった。

いや、はんらが言いたいのはそういうことではなくて。。。

「そこに置いてってください」
と、めんどくさそうに続けて言うので、はんらは、こりゃ、この先生と、教育のことについて、子供のことについて、話し合うのは無理だと悟ってしまったのだった。

この先生は、一番ハズレな先生だったが、その他の学年の先生方も、ちょっと似たり寄ったりな人が多かった。

コーちゃんは、小さい頃、軽い自閉傾向もあり、学習障害もあったため、はんらは毎年毎年、担任の先生を訪ねて行き、いろいろ相談しようとしたが、どうも先生方の反応はイマイチ。

「別に問題は無いですよ」
「お母さんが韓国語が出来ないから、当然でしょう」
という言い方を、毎年された。
それで、相談は終わりだった。。。

確かに、コーちゃんには回りに迷惑をかけるような症状はなくて、ひたすらおとなしかったから、先生にとっては何の問題も無かったのかもしれない。

でも、当時通っていた、ピアノ教室やテコンドー教室の先生方は違った。

ピアノ教室では、社交性のないコーちゃんに、どうしたら友達ができるか、不器用なコーちゃんがピアノを弾けるようになるにはどうしたらいいか、などを、先生方がいつも集まって相談してくださり、はんらが様子を見に行くと、いつも数人の先生方が、
「コーちゃん、今週はこんなことが出来るようになりましたよ」
とか
「コーちゃんには、こういう面もありますね」
とか、詳しい話をたくさんしてくれ、また、はんらの言うことにも、よく耳を傾けてくださった。
コーちゃんのことを、よく観察して下さってるなあと思った。

テコンドーの館長やコーチもそうだった。
はんらは、しょっちゅう、テコンドー教室を訪ねたが、いつも大歓迎して、親の知らないコーちゃんの姿や、良い点、悪い点などたくさん話してくださり、はんらを励ましてくれたものだ。

どの先生方も、熱意に溢れているように見え、また、親の言うことによく耳を傾けてくれた。

今、コーちゃんが通っている漢字教室は、週3回の授業で、1ヶ月の月謝が13万ウォンである。

最初は高いと思った。
が、この先生、漢字検定前になると、毎日勉強を見てくれ、土日までも見てくれる。

点数が伸びないと、検定の1ヶ月くらい前からは、日曜日には、朝の9時から夜の10時までも面倒を見てくれる。

昼御飯、晩御飯、間食も食べさせ、上手に休憩も取らせながら、とにかく合格点に達することが出来るよう、ものすごい熱意で見てくれる。

で、食費も、追加料金も、一切取らない。
ジャジャンミョンの出前を取ったり、カレーライスを作ったりしながら、子供たちに食べさせ、とにかく1発で合格させようと、先生は燃えてらっしゃる。

朝の9時から夜の10時まで、というと、子供たちが可哀想なんじゃないかと思ったりもしたが、夜10時に帰宅した時、コーちゃんは超明るい。

一体、どんなふうにしてるのか、とても疑問だが、友達と楽しく勉強してるらしい？
家では、勉強机の前に5分と座っていられないコーちゃんが、どうして漢字塾では、13時間も座って？いられるのだろう？？
一体、何をしてる？？
ホントに勉強してるのか？
でも、この漢字塾は、毎回ほとんどの子供たちが1発合格していることを見れば、かなり勉強もしているらしい。

検定が終わったら、今度は先生がパーティーを開いてくれる。
チキンやピザを取って食べさせてくれ、カラオケに連れて行ってくれたり、トランポリンに連れて行ってくれたり、自腹を切って、半日、子供たちを遊ばせてくれるのだ。
親からは、一切、追加料金などを取らない。

小学校卒業したときも、豚カルビのお店に子供たちを連れて行ってくれたり、それはそれは可愛がって下さる。

月謝は高いが、はんらはこの漢字教室の先生に大満足しているし、他のお母さん方も、この先生を絶賛している。

公教育の機関にも、こういう先生はいらっしゃるのかもしれないが、非常に運がよくなければ、一生出会えない。

が、塾にはこういう先生方がとても多いのだ。

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