漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2008.05.05
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カテゴリ: 紫煙のゆらぎ






     走るバイクから飛び降り走りに走って撮影に成功した落日奇跡の色彩。
       撮影・著作権所有者 玉地俊雄  NIKON F2 .NIKKOR 35mm.












               紫煙のゆらぎ・落日奇跡の色彩















ここウブドのテガランタン村の僕の定宿の子猫には名前がまだ無い。
僕がTama という名を差し上げた。

以来呼び捨ての Tamaji とTama の呼び捨てが更にひどくなってしまった。

この子猫は木登りをする。相当高いところまで登る。そして、
下向きに一気に駆け下りてくる。

蛇をかじったり、鶏を脱猫のごとく追い回すが、


本当に空を飛ぶ鶏なのである。

木の上に数羽の鶏が、枝をつかんで座っているの写真がまだ撮れていないのが少し残念だが、これは本当の本当なのである。

いやホント。

ある夜、その鶏のサバき焼きが振舞われた。
いつものどのこかが一羽居なくなったのがつらいけどおいしい。

「硬い」

鶏のコツが口の中にこぼれた。

側でにゃあこらとくれくれ叫び続ける Tama に、まあコツだけど食ってみるか、
とほんの小さなコツつぶをひょいと放ってみた。

おかしい?

いつもならどんな小さな端物でも、


拾い上げて庭にでも捨てるか。

つまんでみてびっくり。

僕の歯が欠けていた。

旅行傷害保険、くだんのすがぁ~さんではないが、こんな事で保険が降りるのだろうか。

保険には3ポイントほどの小さな、細かい、読めば読むほど逃げ道だらけの、


ホントに保険金は出るのだろうか? かなり心細くなってきた。


ところで、この村からウブド王宮プリサレンアグンまでは遠い。
徒歩テクで約40分、バイクなら5分。

その日はあまり気が乗らず、定宿に電話して、
いつも Rp 10.000 で送り迎えしてくれる木登りの達人・猿人ナンガ氏に
バイクで迎えに来てもらった。

落日直前の風は少し冷たくもあり熱帯ではあるが、
海面より800mほど標高差があるここウブドでは、夜は凄く寒いときがある。


あれっ?

突然、大気と、空と、水田の水と、落日の色彩が、
少しだけ濃いオレンジとレッドの少し中間に変化をし始めている。

槍・穂高連峰を大縦走した時でも、めったに、たまにしか撮影できなかった色彩の変化が、
ピークに達するのは後2分後だっ。

ナンガ氏にバイクを止めてもらい、飛び降りて走りに走った。

あそこの、やる気の無い婆さんのよろず菓子屋の手前のあの場所。

バイクで走る事のほうが早いという気持ちを失って、
何故か自分の足で確実なあのポイントへとの心が僕を走らせた。

どんぴしゃのタイミングとフレームアングルと色彩。

15mmならモット凄いのに、しかし、主題が別の主題に変化するから35mmで良い。

これもめったに無いものに仕上がった。
ペンタックス67改とディスタゴン50mmだったら持つて走れなかっただろう。


次回はこの道の先にあるやる気の無いよろずやのような駄菓子屋の御婆さん。











ウブドの達人


                           玉地 俊雄

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最終更新日  2009.08.06 16:00:49


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