漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2008.05.09
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カテゴリ: 紫煙のゆらぎ



       紫煙のゆらぎ・ニヒト!ヒツプホップ



ギリヤーク尼ヶ崎。
このお爺さんの路上パフォーマンスを、
偶然アメリカ村の三角公園で見た時は驚いてしまった。

地を這うようにのたうち、彷徨う白塗りの手と、体と、
表情の訴えかける目の流れは絶句に値していた。

僕の上半身は彼の動きを追いかけて、ギリヤーク爺さんの心の深遠を探ろうとしていた。

つらい。

救いを求めて空を掴もうとする様な心と体。

凄い人生をそこに見た。

白虎社。

維新派。

全て際物、色物、ゲテモノに近いのだがテーマと主張が存在感を提示していた。

関西ドイツ文化センターが主催した、第7回 日本ヨーロッパ文化交流デイ 
DANCEFEVER 第一部「2nd ID」E-Motion / ドイツ を見て驚いた。

関西ドイツ文化センターでの前評判に期待して見に行ったのだが
とんでもない期待はずれだった。

大掛かりなる路上パフォーマンスの域を出ないヒドイ舞台だった。

その動きは繰り返しと軽業とこけおどしに徹して、中国雑技団のようだった。


ドイツではこの日本人グループが大受けしているらいしのだが、理解できなかった。

マイケルジャクソンのバッド。
スリラー。
マドンナのヴォーグ等の映像は音を消しても観賞に耐えうる。

ジョルジュドンとモーリスベジャールのボレロやアッダァージョも


「ヒップホップは僕の人生だ」

と、この日本人は言っていた。

音とビートを取り去ってしまえばお笑いになってしまう。

突然彼らはその危険な領域に踏み込んだ。
力と強靭な肉体のはじける様なスピードと動きを止めた、男女の対峙。

レ・ルシフィールドには似ず、非なるもの。

セルゲイプロコフィエルのバレエ、ロミオとジュリエット。

ティルボルトの死の次にジュリエットのプリ・マドンナをくっつけ様としても
彼らにはそれが出来ていなかった。

力の余韻が体中からびちびちと音をたてて噴出している。

音の合間に ニヒト!

さらに音の合間に デァェメルォェンク!


右後頭部に鈍痛が来て1時間を待たずに席を蹴って退場した。
あまりに早い退席に入り口の女性が驚く。

「どうされたのですか」
「いやちょっと気分がすぐれなくて」

気分のすぐれない僕に

「よろしかったらご感想を記入していただけませんか」

気分のすぐれない僕になんて事を要求するのだ。

「本当のことを書いていいんだね」と念を押してから、頭痛のしていた僕は、
彼女に椅子を譲ってもらって書きはじめた。


ポップアートが一時期もてはやされた事があった。ヒップホップやレゲエなどは、
単なる色物・キワモノ・ゲテモノだからいずれ忘れ去られる時が来る。

マドンナのヴォーグ。
マイケルジャクソンのバッド・スリラーの多くの才能の結集体や、
ジョルジュドンとベシャールを到底まったく遠く及ばず超えては居ない。

モーッァルトのように、ゆらぎ、たゆたい、美しく哀しい、涙と感動を誘い出す芸術とは、
決然と異質である事を承知の上でやっている事は理解しよう。

しかし、涙と感動は無い。

アフリカ・タンザニアの凄い音楽オォレィカリフラァイァアー。
ズールー・ジャイブ・ブラック・マンバーソなどとは比べられない、
ひと時のはやりやまいのようなヒップホップは生き残れない。

バリ島ウブドのユリアティやビダニ。
プリサレンアグンで毎夜催されるレゴンの数々は you tube にある。

千倍も優れている。








社団法人日本漫画家協会参与              

                               玉地 俊雄

you tube ***** balitamaji ( 日本語版 ) *** sakamotoakane ( English )
http://plaza.rakuten.co.jp/balitama/








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最終更新日  2008.10.03 09:37:41


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