漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2008.05.10
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カテゴリ: 紫煙のゆらぎ







             在大阪インドネシア共和国領事 マスニ・エリザ氏




                紫煙のゆらぎ・マスニ領事来訪










バッハの小フーガG-moll が鳴る。

ヴァルキューレの騎行は大げさで、はた迷惑で、あつかましいヤツと勘ぐられはしないか?

プッッイーニの歌劇、ジャンニスキッキの私のお父さん、
はとても美しい曲だが何処を探しても見つからない。


とどのつまりがこのト短調フーガに落ち着いた。


午後2時ごろ携帯電話が鳴る。

      「スラマッシァン玉地です」

在大阪インドネシア領事館からの電話だった。

今からすぐ領事がアトリエへ行きます。いいですか。
いいもなにも、もう今から出発するのだろ。



たいていの普通人は僕のアトリエに絶句する。

椅子を勧めても座らず、関淳一さん同様ぽっぺんぽっぺんを吹き鳴らす。

ガムラン・ゴング・クビヤールのウガ~ァルで
レゴン・ラッサムの出だしを僕がしばきまわす。

カメラ好きの兄ちゃんはしきりと空シャッターを押しまくる。


額ぢゅう部屋だらけ。隙間も無い雪崩のようなびちびちの作品群。
毎日毎夜個展会場に居るような雰囲気だ。

8 x10のオリジナルをスライドビューワァーにのせて
ローデンシュトッックのルーペで覗くと驚嘆の叫びが。



岩稜にへばりつくオラン、記念写真を撮影している3人のオラン。



イマゴンという世界最大のボケ珠がかもしだすにじみと流れと異様なまでの、
妖魔妖艶のユリアティ。

**「紫煙のゆらぎ・あぶすとらくと」妖魔妖艶のユリアテイを参照して下さい



コンピューターの中身を隅から隅まで見る事は出来ないが、
ピンクローズの幽玄のアブストラクト・ダブルデライトのサリ・核を
美しいと僕は感じてこう見えたからこのように表現した。

わいせつと感じる人の心にはわいせつが有るからだ。

ダリやピカソのキュビズムは何故か?
この1枚のレッドローズを見てくれ。

**「紫煙のゆらぎ・あぶすとらくと」冒頭のフォト 参照

これは本当に薔薇で、僕にはファインダァーの向うから、
彼女たちが呼びかけた声が聞こえたからシャッタァーを落としたのだ。

奈良東大寺二月堂の修二会の「爆炎吼ゆ」「華炎落つ」「ほむらの回廊」
全て一目で彼ら全員が理解した。

      「これはフィロソフィーだ」

と若い副領事の一人が言った。

僕も、このフイロソフイーが、写心になり、篆刻になり、漫画になり、
これらとんでもない難解怪悪文集「紫煙のゆらぎ」に結実したと確信している。

僕はエセだと言われても、フィロソフィァアーで在ると公言してはばからぬ。

マスニ領事は僕の目をじっと見ていた。

冒頭の集合写真で彼が手に持っているのは、手塚治虫先生の最高傑作
「火の鳥・未来編」初版本。

死ぬ事のできない苦しみと絶望、その彼方にある宇宙生命体への融合の、
永遠の命への浄化と昇天。

**「紫煙のゆらぎ・大阪サンフランシスコ姉妹都市提携50周年 四」参照


      「玉地さんの話を聞くといい本だ、インドネシアで出版できないだろうか」


インドネシア語訳での出版を望むなら、手塚プロダクションへご同行しても良い
と申し上げた。



何故、僕がバリ島プリアタンの北の王宮の王妃の言葉を通じて、
シィヴアの実声を聞いたのか。


**「紫煙のゆらぎ・大阪サンフランシスコ姉妹都市提携50周年 六」参照

      「タマヂィ、バリに恩返しをしなさい」

そして、何が起ころうとしているのか。

鳥インフルエンザの壊滅的な危機と僕の命。

その後にバリを再認識してもらえる為の方策は何か。

僕が楽しみ喜びつつ創るものたちが、僕の周りに喜びと楽しみとして流れ出すなら、
全てを捨てて皆にもらってもらおう。

それが僕と領事館の間で交わされたアグリィメントだろ。

どの途僕は、あっちがわへ持っていけないのだから、
両国民が良好な友好関係を作るのに必要なら使ってね。


作品群を見るために椅子にも座らず、ただただ驚きのまなざしが続いていた。
ほぼ2時間ほど立ちっぱなしの立ち話。

マスニ領事はうれしいドリアンのような香りのする、紫煙ゆらぎのモトを1箱僕にくれた。

トリマカシ。

領事館のナンバープレートをつけた車が帰ったのは5時ごろだった。


さぁ。
3本めに火をつけよう。

ゆらがせ終ったら関西ドイツ文化センターのイベントへと出かけよう。


もう時間が無い   








                               玉地 俊雄

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最終更新日  2009.08.06 16:08:24


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