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五十歳で初めて子を授かった松坂熊吾は、病弱な妻子の健康を思って、事業の志半ばで郷里に引きこもった。再度の大阪での旗揚げを期しつつも、愛媛県南宇和の伸びやかな自然の恵みのなかで、わが子の生長を見まもる。だが、一人の男の出現が、熊吾一家の静かな暮らしを脅かす…。熊吾と男との因縁の対決を軸に、父祖の地のもたらす血の騒ぎ、人間の縁の不思議を悠揚たる筆致で綴る。
【中古】【古本】地の星/宮本輝
前作では敗戦後大阪で一旗あげるまでの話でしたが
今回は子供の静養のために主人公の故郷へ引っ越した後の話。
ここでも台風の目のようなエネルギッシュなお父さんの
周りにいろんな人が現れいろんなことが起こり
互いに影響されます。
まるで知恵の輪みたいに。
ここまでくると全部実話だとはなかなか信じがたく思えますが、
小説としては、面白い面白い。
次はどうなるんだろう?と推理小説ではないんだけれど
ワクワクドキドキ。
しかも失敗はするけどこのお父さんなかなかアイディアマンで
思い付きがすぐに形になり結果が出る。
ジェフリー・アーチャーのサクセスストーリーみたいに
スカッと気分よく読めます。(いや、失敗もあるんだけどね・・)
郷里では不倫ばかりして父親の違う2人の子供を持つ
お父さんの妹とお母さんがお父さんの世話で生活しています。
この妹・タネ、イライラします~。
小説では”頭は弱いが気はいい”みたいに書いてありますが
こういう種類の頭の弱さは社会の迷惑。
子供がかわいそう過ぎます・・。
狭い村社会、タネの不倫相手のことも、
未婚の母のタネの子供が誰の子供であるかも
村中が知っている。
この不倫相手がまたチキンで病気の奥さんを姑の言うまま
馬小屋に押し込めてそのまま死ぬのを待っています。
奥さん、浮気されて外に子供まで作られて
しかもそれを村中みんなが知っていて
しまいには病気になって馬小屋で死を待つばかり・・てか
旦那も浮気相手の女も自分が死ぬのを待ちわびている、なんて
このチキン呪い殺してくれよう!
タネ、オマエもだ!!
7代先まで呪ってやる~
と思っても当然でしょう。
この奥さんに関してはサラッとしか書いていないのですが
豪胆で情け深い人柄の(はず)のお父さん・熊伍も
なぜかこの可愛そうな奥さん(しかも自分の妹のせいで苦しんでいる)はデラ無視。
ここがちょっと 薄ら寒い
感じ。
その後、奥さんが呪ったのかどうか、
その不倫相手もその後事故で亡くなります。
しか~し!
タネ、全然めげない。ってか悲しんですらいない。
この話はこの小説のメインではないんですけれどこのあたりのエピソードがワタシ的に一番ひっかかるところだったので。
次作ではこの一家、どうなるのかな~。楽しみデス。
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