全43件 (43件中 1-43件目)
1
大学に戻り、本来希望する分野ではないチームに配属され、しかも年齢(学年)の割には後輩が配属されていないために、全ての雑用が私に廻ってくる。まあ、覚悟していたことだから、ブツブツ言いながらも仕事はこなしている・・・つもり。でも、数ヶ月に一度廻ってくるという、抄読会。何処の医局でもあると思うが、要は最新の英語論文(の要旨)をみんなに読み聞かせ、知識を深めようという物。臨床に直結するような、あるいは自分の興味の持てる分野の英文ならいくらでも(と言うわけではないが)読む気がするのだが、今は本来希望しないチーム。ただでさえ興味がない上に、更に全くと言っていいほど興味のない『移植』をテーマにして抄読会で発表しろ、と無理難題を押し付けられた。『臓器移植』腎移植は、昨年もいろいろとマスコミに取り上げられていましたね。肝臓移植は歴史が古く、うちの大学でも隣の『科』が一生懸命になっています。消化管や内分泌の移植はまだこれからかな?心臓移植や肺移植が最近は話題なんでしょうか?今所属しているのは『肺』チームなので、要求されているテーマは『肺移植』です。全く興味はごいざいません!京都大学付属病院など、すでに多くの病院が移植を看板にしています。そこに、今から名乗りを上げるつもりなんでしょうか?新しい分野を確立することが全てではないと思います。良くも悪くも、専門性が問われる時勢です。すでに移植を得意分野としている病院があるのですから、そちらに任せておくのが良いと思います。つまらない(いわゆる)『ミス』をいかに無くしていくか、ということが今の医療社会に要求されているわけですから、新分野を開拓することは非常に危険だと思います。それよりも何よりも、うちの大学、医局の特色をもっと充実、発展させることが大事だと思います。こんな事を書いていて、つくづく自分は大学という場所にそぐわない人間だと自覚させられてしまいます。
2008.04.16
コメント(0)
発熱、咳嗽、出血急に発症したものは誰だって驚きますし、困ります。そんなときは、迷わず救急に来てください。でも、時間が経ってから来院されると困るものがあります。1.『昼にやけどした。 その後は何も気にせず遊んでいた。 夜中になって、やっぱり気になるから診てほしい。』遊ぶ暇があったら、早くに来てほしいです。また、熱傷にも軽傷-重傷があります。初期段階で適切な処置をしないと、治りが悪かったり、跡が残ることがあります。2.『母(あるいは父、養父母、高齢者)が2~3日前から具合が悪そうだった。 食餌も取れていないようだ。 昼は仕事で忙しいので、なかなか連れて行けなかった。』と言って、夜間救急を受診されます。お仕事、ご苦労様です。共働きで大変なのでしょう。でも、その間、お母さんは自宅で一人だけですか?昼間に悪化していたらどうします?もしかしたら、帰宅したときには息してないかもしれませんよ?不幸な転機をとったときに、家族の反応のなかで、下記の二つのパターンがあります。A.『もっと早く連れてきてあげれば良かった。』本当にそう思っていますか?事情はいろいろお有りでしょうけれども、残念ながら結果は一つしかありません。B.『何とかならないのか?』たいていの医療現場では、迅速且つ適切な処置がされていると思います。結果に結びつかない原因の一つとして、初期治療の遅れがあります。上記(1、2)のように救急でない方が夜間救急を利用されると救急外来は混雑する一方で、各病院、飽和状態にあるのかもしれません。その結果が昨今、救急車のたらい回し事件を引き起こすことになります。救急外来を利用される方々のご協力が必要です。
2008.02.27
コメント(1)
昨夜は遅くまで大腸癌の新規(といっても保険適応になってから半年くらいたちます)抗癌剤の研究会に参加していました。FOLFOX や FOLFIRI をただやるだけではなく、副作用を考慮して OPTIMOX1 というやり方があって、さらに OPTIMOX2 も検討されたが、どうやら OPTIMOX1 に軍配がある・・・などなど、最新情報を改めて講演を聴くと納得させられます。ネット上では、私は『消化器癌治療の広場』をよく参考にしています。新規抗癌剤というのは アバスチン®(ベバシズマブ)です。今はやりの“分子標的薬”で、抗癌剤というよりは抗癌剤補助薬ですね。実際に、単独ではあまり効果は得られず、FOLFOXなどと併用して効果がある薬です。ただし、重篤な副作用があるために使用可能病院が限られている(もう解除されたかな?)くらいです。癌がみるみる縮小していく、夢のような抗癌剤が次々に開発されていますが、日本ではなかなか認可が下りないのが現状です。しかし、どんなに優れた抗癌剤でも、やはり『縮小・維持』が限界であり、根治にはまだまだ至りません。『癌とのつきあい方』が大切ですね。一昨日までは雪風がひどかったですが、昨夜は風もなく、深々と雪が降っていました。そして、今朝は綺麗な雪景色の完成です。
2008.02.15
コメント(0)
HPに乳癌のページを追加しました。あくまでも概略だけです。今まで、ホルモン療法は約5年間とされてきましたが、10年間投与でよりよい結果が得られる、という国際報告が出たようです。日本で一般的になるにはもうしばらくかかりそうです。臨床・病理乳癌取扱い規約第15版科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン(1) 〔2007〕科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン(2)科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン(5)乳がん診療ガイドラインの解説
2007.12.26
コメント(1)
便秘というと、皆さんは何日ほどでない状態を許容しているのでしょうか。私は普段の入院患者さんでは丸2日間出ていなければ3日目に下剤を処方するようにしています。外来でもほぼ同じで、3日目には下剤を飲むように進めています。弁が出なくなって、何日くらい我慢、というか「私、便秘だし。」と言って居られるのでしょうか。そして、嘔気嘔吐がなかった場合、食事は取り続けるのでしょうか。確かに、消化管は口から肛門まで(基本的には)1本の管ですから、水道のように上から詰めれば下から出る、と言う風に考えがちです。でも、人間の腸管はある程度までは風船のようにのびて、内容物を貯留できますので、多少通過が悪くても「詰め込むこと」はできます。ですので、「便秘だけど食べなくちゃ!」とがんばることも出来てしまうのです。先日の患者さんは、2週間便が出ていなかったそうです。市販の下剤と浣腸を使っていたけれども出てこず、それでもいつかは、と思いご飯も普通に食べていたようです。そして、ある日吐いてしまい、病院でレントゲン写真を撮ると腸閉塞と診断されるわけです。腸閉塞の原因にはいろいろありますが、大腸癌、ヘルニア(脱腸)があり、手術既往のある人では癒着が多いと思われます。しかし、腸閉塞はある日突然出現するわけではなく、徐々に症状が増悪していくものです。最近、便の出が悪い、便が細い、下痢が続く、等の時には一応注意した方がいいと思います。一度、受診されることをお勧めします。レントゲン写真、あるいはCT、チョット我慢すれば大腸内視鏡をすることで、上記の疾患の有無は解りますから。なんか、傍テレビ番組「本当は怖い家庭の医学」みたいな表現になってしまいました。しかし、2週間ため込まれた腸管の手術は大変なんです。膨れあがった腸管は、ただではお腹の中には戻りませんから・・・(このつらさ、わかる人には解ります?)
2007.10.17
コメント(0)
外科医の修練として、上司の判断の基(?)に執刀手技のレベルアップが要求されます。今までの執刀は、基本的に開腹歴のない人の手術でした。あるいは、上腹部歴のある人の下腹部手術、もしくはその逆です。詳細は書きませんが、今日は上部消化管切除歴のある人の、残存上部消化管癌の執刀でした。再手術って、いわゆる教科書に手術方法は記載されてないんですよねぇ。癒着もさることながら、前回手術で解剖学的位置はがらりと変わっているし、血流維持(血管確保)も制限されるし。かといって、癌手術としての根治性を犠牲にするわけにはいかないし。難しぃ~-------------------------------------おそらく医療を受ける側からすれば『医療の質と安全』、そしてそれらの『維持』を要求します。でもよく考えると、これらは相反する、実現し難い事であることに気づきます。確かに『上手な』先生に手術をしてもらえば、安全・確実に治療が行われます。でも、その先生も歳をとります。また、どれだけその先生の助手を重ねても、それは『助手としての実力』がのびるだけで、『執刀医としての実力』は結局のところ皆無です。いざ『上手な先生』がいなくなったら、そこにいるのは『助手しかしたことのない先生』です。つまり、医療の質が『維持されていない』という結果です。------------------------------------------------------「こんな患者さんを任されて良いのだろうか?」と不安になりながらも、逆にこのような経験を積んでいかないと上手くはなれないんでしょうね・・・でも、その不安を患者さんに悟られないようにするのも外科医の努めでしょう。執刀を了解して下さった患者さんに感謝です。
2007.09.19
コメント(0)
研究会の後、慌てて病院に戻ってきました。なんと、術衣(使い捨て)のポケットにスマートメディアを入れたままゴミ箱に放り込んでしまった!うっきゃー今日(もう昨日ですが)は緊急手術だったので、私の脱ぎ捨てた術衣は幸いにもゴミ袋がまだ残ってました。ふぅ~手術場にはよけいなものを持ち込んでは行けませんね
2007.09.14
コメント(0)
たまたまネットサーフィンしていたら、とんでもない事(?)が解りました。第55回心臓病学会なんと、学会の最中にディズニーを廻る事も可能なようです。(勿論、学会にフル参加したらそんな余力はないはずですが・・・)とても珍しい事と思いましたが、「ディズニー」「ホテル」「学会」で検索すると、意外とヒットします。今度はそんな学会に行ってみようかしらん
2007.09.08
コメント(0)
先週、夏休みに入る前には手術予定は週1~2件程度だったはず。でも、休みから帰ってきたら予定表には毎日予定が入っていた。そして一週間が一日ずつ経過していったのだが、何故か一日に2件手術している・・・今日も2件目の手術を終えてやれやれ・・・、と思っていたら救急からお誘い緊急内視鏡だそうな。詳細はプライバシー保護のため書けませんのが、なんとか今夜は内視鏡でしのげました。でも、来週中に手術が必要そうです。因みに、来週はすでに10件の手術予定が入っています。ということは、これが11件目になるかも・・・外科スタッフ、手術室スタッフ、みんなバテバテです。病棟も次々とICUが埋まっていき、ICUを退室する部屋も無くなってきました。当然、病棟スタッフもバテバテです。嵐が過ぎ去るのが先か、スタッフが壊れるのが先か!?
2007.09.07
コメント(0)
今日の朝、何事もなく家を出て、午前中の業務をこなしていたら・・・今日は当直だった家に帰ってからあれしよう、これしようと考えていたのにぃ
2007.09.04
コメント(0)
昨日は24時間当直。救急外来で診たのはほんの数人だけでした。でも、朝から呼吸困難、胸部不快感、不穏、嘔吐・・・全部、院内発生です。CT、ポータブルレントゲン撮影など、検査技師さんには非常にお世話になりました。手術室に行くことがなかったのが幸いでしたね。夜には末期患者を見送り、やれやれと寝付いた2時間後に交通事故で起こされ、処置がすんだ後にさてもう一眠り・・・のつもりが1時間後に指を切った患者がきて、止血縫合。お願いだから寝かせて・・・さて、今日からしばらく上司が休暇なので、外来は私一人。先週、患者さんの来院を間引いていたようでしたので、そんなに来ないと踏んでいたのですが、、、こういう時に限って、いつもは2-3ヶ月に1度の来院の人が調子を崩してやってきます。それとは別に新患もやってきます。当然、自分の最新患者さんがそれなりにいるわけです。本当は午前中に病棟回診もする予定だったのですが、完全に午後になってしまいました。こんな日があと何日続くんだろう。今日はまだ月曜日(×_×)
2007.08.06
コメント(0)
一般病院の手術予定ってどうなってるんだろう?曜日限定で、朝から2~3件くらいでしょうか。前の病院では月水金は朝から手術。火木は午前が上司が外来で私は病棟。午後は(下っ端なので)他のgroupの手伝い。結局、毎日手術場にはいましたが、火木はそれほど疲れる事は有りませんでした。休みって大事ですよね。今の病院、手術の曜日は限定されていません。かわりに、毎日外来があります。午後からの手術ですので、大抵は1件だけです。来た患者さんから適当に手術の予定を入れていきますが、その時は程良く間が空いていたりします。でも気がついたらその隙間はどんどん埋まっていきます。おかげで、3週間後は全く予定が無いハズだったのに、2週間後はほとんど空いていない・・・。それでも昨年は中休みみたいな日が大抵あったのですが・・・今年に入ってからは、気がついたら来週は「毎日」手術予定が入ってます。先週、今週は特に酷い。因みに、今週は月:膵癌(PD)術後の胃癌+緊急PTGBD火:腹腔鏡下ヘルニア+緊急痔出血*緊急虫垂炎水:膵癌(PD)+緊急血管造影木:直腸癌(LAR) (略語説明は省きます)ようやく明日はヘルニア+TCF。少しは楽です。TCFなんて、内科でやってくれると助かるんですがねぇ。世間は夏休みですねぇ。が、「出来れば手術は長期休暇の取れるときに・・・」なんて人もかなりいると思います。つまり、我々はむしろこの時期が忙しい!?
2007.07.26
コメント(0)
今BS-○で「○○が勧める○×△」(再)を見ていました。何でも、腎癌の患者の術前説明の現場で、別の病期が見つかって、急遽そちらの治療を行うことになった・・・これって?術前検査というのは、手術対象臓器がどれくらいの病態であるかを判断するほかに、他臓器に異常がないか、手術に耐えられるかどうか、を検査しているはず。それなのに、右腎臓の手術で「心臓が!」というならいざ知らず、左腎臓に障害があることに術前説明の時まで気づかないなんてあり得るのか?番組の中で先生自身が「・・・このまま右腎臓を摘出したら大変なことになる・・・」と言ってますけど、術前にこんなことを言われたら患者さんは大パニックですよ。番組を見る限りでは主疾患は右腎癌。併発疾患は(医者なら誰でもわかる)左水腎症で、追加検査で原因は尿管結石と判明。手術予定日には結石破砕術を施行して、数日後に腎摘出術をしたようです。尿管結石だったらから良かったものの、これが膀胱癌だったら、あるいは尿管腫瘍や左腎癌だったらどうしていたのか?。さらに、大腸癌の尿管浸潤だったら。言い出したらキリがありません。緊急現場ではなく、予定手術のテレビ撮影ですので、完全“生”ドキュメントということはないでしょうから、この番組の展開がどこまで真実かわかりません。疾患Aで治療予定であったのが、思わぬ疾患Bが発見され、疾患Aだけでなく疾患Bをも治療する!まるで先生はスーパーDrで、患者側からすれば非常にありがたく、テレビ受けの良い、視聴率のとれそうな番組になっていますが、医療者側からはこの上なく恥ずかしい、情けない内容です。先生はスーパーDrになりたかったのか?それとも、先生は放送に反対したが患者さんやTV局から是非にと嘆願され渋々OKしたのか?はたまた、TV局が一方的に放送してしまったのか?「昨日は人の上・明日は身の上」っと~
2007.06.13
コメント(0)
発熱には必ず原因があるものです。咽頭炎、鼻炎・副鼻腔炎、肺炎・気管支炎、胆嚢炎・胆管炎、胃腸炎、尿道炎・・・術後の患者だと創感染、縫合不全など癌の末期患者だと腫瘍熱なんていうときもありますが、これは他の原因が考えられないときに最終的にたどり着く除外診断の結果です。大抵、痰であったり尿であったりを検査すると原因がはっきりするんですが、中には何処を調べても原因が見あたらない事があります。来週手術予定の癌患者が先ほど発熱してしまいました。つい数日前まで術前検査をしてきた中で(手術目的病変以外の)明らかな異常所見は見あたりませんでしたし、今も救急時間帯で調べられる範囲では、原因不明・・・癌患者さんはできるだけ早く手術をしてあげたいのですが、発熱してしまっては、手術を延期せざると得ないかもしれません。
2007.06.01
コメント(2)
胆石症の患者さんが来ました。早期に退院してこないと仕事(アルバイト)がクビ(fire)になるそうです。身長160cm、体重76kg、年齢30代後半。CTでみる皮下脂肪は5cm以上。おなかの中も脂だらけ。アルバイト生活でどうやったらこんな体格になれるんだ胆石症手術はいわゆる『クリニカルパス』で進行していくのですが、その説明書を見ながら患者さんからこんな質問がありました。「『毎食後に歯磨きをしてください』と書いてありますが、その後にポカリ・スウェットを飲んだら歯磨きしなければなりませんか?」・・・おまえは幼稚園児か?失礼;患者さんに『おまえ』なんて言っちゃいけませんね。でもなぁ・・・他にも、「背中や肩が痛くなるので、いつもうつ伏せで本読んだりパソコンしてるんですが、ぜんぜん良くなりません。うつ伏せのほうが背中まっすぐになるんですよね?」今時そんな質問が来るとは思ってませんでした。肥満からくる拘束性肺傷害も認められます。「術後、人口呼吸管理が必要かもしれません。」というお話をさせてもらいましたが、「説明書どおりに1週間で帰れますよね」の一点張り。どうも全身麻酔や手術の危険性を解っていただけない・・・。腹腔鏡を入れるポートが届くかどうかがまず心配で、さらに気腹できるのか、癒着等で開腹手術に変更になったらどうしよう、術後はやはり挿管されたままなのか・・・。と、不安要素だらけの手術となりましたが、無事腹腔鏡手術で終了、抜管して病棟に帰ることができました。
2007.05.29
コメント(0)
また人工呼吸器外しが問題となっているみたいです。http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/070523jijiX969/前回の富山の件は院長と外科部長の『内輪もめ』と言わざるをえないし、今回は(まだ詳細はわかっていませんが)なんか警察の『点数稼ぎ』の様な気がしてなりません。このようなケースに関して『法・ルール』『ガイドライン』などが無いための問題とされていますが、本当に必要なのでしょうか?今回の2例、いずれも肝心な患者さん、家族が問題点として浮上していません。むしろ家族は『感謝している』と言っているじゃないですか。患者側と医療側で納得しているのであれば、それは少なくとも医療上の問題点では無いと思います。法律関係者が「法的には殺人だが・・・」なんて言うから、まるで医療事故のように扱われてしまっているんです。世間で問題となってる医療訴訟の半分以上は患者側と医療側での治療方針の食い違いであり、また治療(処置・手術・検査など)の合併症と本当の意味での『ミス』の混同です。いずれも患者側あるいは医療側が納得していないわけですし、大いに(法廷で)話し合って頂ければと思います。終末期医療、重傷医療においては人工呼吸器の装着に関して、常に医療側は迷っていますし、また患者側と十分に話し合いを持ってしても『お任せします』というのが現状だと思います。仮に1から99まで説明しても、100という状況が生じれば『聞いていない』となりますし、もしかしたら事態は1000にも10000にも膨れあがると思います。『お任せします』で10000あるとすれば、『患者(側)が口頭で拒否した場合』という条件を負荷するだけで100000000に、『患者(側)が文章で拒否した場合』を別の条件にすると1000000000000もの説明が必要となってしまいます。それを全て説明することは不可能といえるでしょう。法制化すると言うことはその全てを明文化してくれるのでしょうか?わたしは、患者側と医療側が納得しているのであれば、(全てではありませんが)そこに行政・法は関与すべきではないと思っています。全てではありませんが・・・・ここがまた難しいのですが・・・・
2007.05.23
コメント(1)
最近、めっきり手術患者にお目見えしません。緊急患者は遠慮したいですが、何もないというのも世間体がわるすぎる・・・で、空いた時間を使って胃癌の復習をしていました。復習というと大げさだし、どちらかというと基本事項だけですけど。まあ、一応HPに医療関連サイトを設けているので、そちらの充実をかねて。そんなことを言っていたら、院内で腹膜炎患者発生また<あの>先生の患者らしい・・・診に行ってきまーす
2007.05.22
コメント(0)
と、朝6時に起こされました。昨日は当直だったんです。近所の飼い犬に咬まれたんですが、実はその犬、ワクチン接種されてい無かったらしいです。さて、困りました。とりあえずは切開、洗浄(デブリ)して・・・・それから・・・・狂犬病予防法により、狂犬病ワクチンの接種が義務づけられてから日本での狂犬病発症はかなり減って、というより撲滅されたに近い状態です。2006年に発症例がありますが、これはフィリピンで犬に咬まれたのが原因ですので、純粋に日本での発症とは異なります。ですので、飼い犬に咬まれたくらいではまず発症しないと考えて良いようです。(でも、断言は出来ませんので、一応近医を受診してくださいね)この予防法、義務化されているため罰則もあるのですが、実行されているんでしょうか?何でも、その犬は数年前から飼い主により放し飼いにされており、もしかしたら他にも咬傷の常習犯かもしれません。また、全国的にも摂取率は74%(H17)、75%(H16)と決して高くはありません。何とかしてもらいたいですね。さて、狂犬病の対処法ですが、1.とにかく傷を綺麗にすること!麻酔がなければかなり痛いですが、ブラシでゴシゴシこすりましょう。傷が深い時は傷の奥まで洗えるように、多少の切開が必要かもしれません。(大抵の外科系のDr.なら上手にやってくれると思います)2.ワクチン接種を。これは受傷後でも有効です。なお、厚生省のページで-----------------------------------------------------Q12. 日本国内で犬に咬まれました、ワクチン接種は必要ですか? 日本では狂犬病が清浄化されていますので、国内の犬に咬まれることで狂犬病を発症する危険性はほとんどありません。加害犬が飼い犬の場合には、Q13.を参考にして下さい。加害犬が飼い犬かどうか特定できない場合には、最寄りの保健所に届け出て状況等を説明して下さい。加害犬を2週間観察して健康状態に変化がない場合、以降の暴露後接種は必ずしも必要ありません。なお、海外から国内に侵入した動物に咬まれた場合は、状況によってワクチン接種を検討して下さい。------------------------------------------------------とありますので、まずは様子を見てみるのも有りかな?屋外環境での外傷ですので、「破傷風」のワクチン接種も良いかもしれませんね。
2007.05.17
コメント(0)
先日、大阪に行って来ました。聴いてきたものが偏っているだけかもしれませんが、最近話題の創傷治癒と腹腔鏡下手術が多かったような気がします。創傷治癒に関しては目新しいことは特にありませんでした。むしろ、この程度で発表できるなら自分でも演題を出せば良かったと後悔しています。も見てください。たまたま(?)虫垂炎の方が続けていらっしゃいましたので、腹腔鏡で手術させていただきました。カメラマンの立つ位置というか、手の位置というか、どうしても手術操作が制約されてしまうことがあります。本来そんなことがあってはならないのですが、硬性鏡ではどうしてもね・・・(昨日は軟性鏡を使いましたが、2日連続になったのと、明日胆嚢手術で使用予定だったので、今日は硬性鏡でした。)企業ブースには細い内視鏡(腹腔鏡・胸腔鏡)やハイビジョンのものまで展示されていました。うちの病院でも是非採用して欲しいのですが、内視鏡手術件数がどうしても少ないためと、とにかく高額であるため、私が勤務している間に変わることはないでしょう。
2007.04.17
コメント(0)
歓送迎会のシーズンです。当然、酔っぱらいが増えてきます。昨日は若い女性でした。すっころんで、頭皮をぱっくり。でも、酔っぱらっていて痛みはないみたいなんです。来院時は意識もはっきりしてないし。で、神経学的所見をとっていると急に起き出して「セクハラ野郎」と罵られてしまいました。冗談じゃないぞ、やってられるか吐きながら、呂律も回ってないし。でも暴れまくっているので四肢の麻痺はなさそう。一応、両親も迎えに来たし。帰ってよし因みに18歳です。身元確認のためカバンをみたらタバコも入ってました。この辺の取り締まりはどうなっているのやら。交通外傷では保険点数は(ある程度)自由化されていますが、飲酒による物も自由化して欲しいですね。さて、本来なら頭部外傷では頭部CTを撮影するんですが、これだけ暴れられると撮影は無理です。それでも後日何らかの異常が出たら「あの時検査しなかったからだ」と攻められるのは病院側です。よくTVの『救急24時』ドキュメントではどんな患者でも何とかして検査をしていますが、あれはスタッフがいるからこそ。うちみたいな病院では対応は無理です。救急隊にもこの辺を理解して欲しいです。なんにせよ、酒は飲んでも、飲まれるな
2007.03.19
コメント(0)
なんか久しぶりの更新です。普通は予定手術がいくつかあって、その合間に緊急手術が入ると、まぁ都合がいいわけです。では、予定手術が無いとどうなるのか。本当は暇なはずです。でも、今月は何か変。気がついたら受け持ち患者は全て緊急手術の術後となってしまいました。出所がみんな救急(外来)からだとまだ納得いくんですが、なぜか院内から送られてきたりもするもので・・・以前にも書いたかもしれませんが、最近医者(医療従事者)は知識が「専門」化を要求されるあまり、「専門外」が見過ごされがちになっているような気がします。多いのが循環器内科の先生で、「何でこんなの(心筋梗塞や狭心症)放って於いたの!?」と気が狂ったように声を大にして叫んで、報告が遅かった先生をしこたま攻撃する風景を見ます。もちろん怒る理由も解りますが・・・でもね「パンペリ(腹膜炎)」や「イレウス(腸閉塞)」を見逃しているのは他ならぬ循環器の先生が多いんですよねぇ・・・腹部症状でも致死的な事もあるんですよ、解ってます?こっちだって叫びたいけど、そんな事言っていても時間の無駄でしょう。どうもその辺で「循環器の先生って・・・」と思ってしまいます。といいながら、自分はどうなのかなぁ・・・人の振り見て、わが振り治せ ってか!?
2007.02.19
コメント(0)
(今日はちょっと細かいです。用語など詳細希望の方はメールしてください)最近は定時手術がめっきり少なく、ちょっと退屈していた節もあるのですが、でも緊急手術はいやですね。手術そのものよりも術後の経過がかなり危険になります。上部消化管穿孔:胃潰瘍や十二指腸潰瘍の穿孔が多いですね。早期であったり軽度であれば保存的(点滴)加療で治るのですが、中には手術になる例も。本日はそんな胃潰瘍穿孔で緊急手術となりました。最近は潰瘍穿孔でも、大網充填といって腹腔内の組織を使って孔を埋めるだけの手術が主流です。今時、胃潰瘍で胃切除はやりすぎでしょうか?でも、取れた胃を見てみたら、潰瘍の手前が鉛筆程度に狭窄していました。仮に大網充填で手術を終えたとしても食事ができなかったかもしれません。結果オーライ!?術後がもっと心配。術前WBC14000 ⇒ 2800 Hb13 ⇒ 15 ちなみに Fe6患者さんは真っ青ですが、私も真っ青です・・・久しぶりにactiveな日々になりそうです。
2007.02.07
コメント(3)
隣県で内視鏡認定資格のためのセミナーが開講されるため、ちょっとドライブしてきました。あいにくの雨。途中みぞれも・・・・。でも、結局積もることはありませんでした。雪のない1月なんて信じられないさて、セミナーですが、我々外科医としては「超音波内視鏡検査(EUS)」や「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」を事細かに説明されても、正直困ります。知識としては必要かもしれませんが、自分たち(外科医)がすることはまずあり得ないでしょうし・・・。今は未だ「講習会参加」で済んでいますが、これが「経験が必要」になってくるのでしょうか?すると外科医は「内視鏡学会」の「認定医・指導医」などには成れなくなるでしょうから、おそらく誰も学会には所属しなくなるでしょうね。内視鏡室から外科医が居なくなる。外科医は手術に専念できるので非常にめでたいことではありますが、きっと(消化器)内科医は忙しくなるでしょうね・・・
2007.01.27
コメント(0)
そろそろ大学で研究をしなければならないようです。大学を卒業した時と入局を決める時、大学在住の先輩方は年齢を問わず、口を揃えて「大学院で博士号を取ることが大事」と言っていた。でも、最近は『学者』としての『知識』よりも『医者』としての『技量』が問われます。つまり、世の中では『博士』であることより『専門医』であることが求められます。それでも、看板や名刺の『(医学)博士』の有無で他人はその人を判断します。きっとこの習慣が悪いんだろうな・・・。
2007.01.14
コメント(0)
大きい病院だと午前中に胃癌、午後に大腸癌、など大きい手術が2件入ることもあると思いますが、忙しい日=手術日は大抵隔日ですよね。うちは午前中は外来、午後は手術。予定が入れば毎日でも手術があるし、無いときはとことんヒマだったりします。今日はヘルニア、胆石。そして緊急でイレウス。各々は大したことはない(と言っていいのかなぁ・・)はずなのに、流石に手術が3件続くと疲れます。
2007.01.10
コメント(0)
1/4 当然仕事始めです。平和な1年の始まり~と思っていたのですが、いきなり来ました。急性虫垂炎まあ、『チョロアッペ』でしたが、患者さんはそれでも痛いんですよねぇ腹膜炎でなくて何よりです。今年も仕事、がんばるぞー
2007.01.04
コメント(4)
ここ数週間、週明けの緊急手術が続いています。3週間前は虫垂炎疑いの腸炎:病院、主治医によっては手術をしていたかも・・・。2週間前は虫垂炎:大腸と虫垂が変位していたため傷が大きくなりました。1週間前は憩室炎穿通:病院、主治医によっては手術をしなかったかも・・・。 若い女性でしたが、大腸切除が必要な状態でしたので傷が大きくなりました。以上全てが月曜日!昨日は急患が来なかったのでラッキーと思っていたんですが、今日になって来てしまいました・・・十二指腸潰瘍穿孔:病院、主治医によっては手術しなかったかも・・・。いずれも腹腔鏡が活発に行われている病院であれば、腹腔鏡手術をしたかもしれません。でも、当院は今のところ開腹がメインになってしまいます。手術件数が多くなれば必然的に腹腔鏡手術も多くなるのでしょうが、近所に大病院があると必然的に患者さんはそっちに流れてしまいます。------症例数が少ないという評判 → 患者さんは不安になる ↑↑ ↓ ますます症例数が減る ← 症例数の多い病院に行く------悪循環ですね・・・実はこの悪循環は患者さんだけでなく、医療スタッフにも同じ事が言えます。------症例数が少ない → 経験が得られない ↑ ↓スタッフの減少 ← 症例数の多い病院へ行く------ただ、こちらはシステムを改善すればいいはずなのですが、こういうときに限ってシステムは上手く機能しません。------症例数が少ない → 経験が得られない ↓ 症例数の多い病院へ行く ↓ × 経験を積んだスタッフが 症例数の少ない病院で指導を行う ↑ ↓ (症例数の少なかった病院で) ← ← ← ← 症例数が増える------まあ、理屈では何とでも言えるんですが、現実は上手くいきませんね。
2006.12.26
コメント(0)
最近手術が少なくって。。。しかも、4月からの緊急手術もかなり少ないです。あっても、その日の救急担当の先生が主治医=執刀医なもんだから、なぜか患者をひかない(これはこれでラッキーなんだが)執刀は皆無。腕が落ちる・・・で、今日久しぶりにアッペ(急性虫垂炎)が来ました。最近は検査精度が良くなって、(アッペに関しては)以前より『何でもかんでも手術』ということはなくなってきました。でも逆に身体所見がはっきりしているのに検査所見に乏しい場合、抗生剤で治療(いわゆる『ちらす』)されることがあります。今回もCTでは『小腸の炎症』は指摘されいましたが虫垂は大丈夫だろう・・・と。でもおなかはかなり痛がる。手応えは間違いなくアッペです!!・・・開腹してみたら、まるまる太った、今にも破けそうなアッペが出てきました。やれやれ・・・。CTを見直してみましたが、どうも『小腸の炎症』と思われた物がまさに腫大した虫垂だったようです。まだまだヒヨッコなので大それた事は言えませんが、やっぱり自らの手でつかんだ身体所見が一番重要だと感じされられた一例でした。患者さんに感謝
2006.12.01
コメント(1)
11月9日(木)~11日(土)まで学会で広島に行きます。(これだけで、何の学会か解ってしまうかも・・・)今のところ無謀にも車で行こうと考えています。基本的には勉強です。でも、『マツダミュージアム』だけは絶対に行って来ようと思ってます。広島で何かのOFF会でもあれば参加してみようかなぁ・・・って、平日だし無いか・・・(誰か誘って!??)
2006.10.31
コメント(0)
土曜日に御祓いに行って来たことをみんなに言ったら「本当に行ってきたの~。」と驚かれてしまった。確かにそんなもので事態が変わるとは思ってないけど、なんかコウじっとしていられなかったし・・・では行ってきた効果はあったのか?もっとひどいことになった。イレウス手術をした患者が胆嚢炎を起こしてしまった。食事もしていないのに何で????とりあえずドレナージして・・・所詮、御祓いの効果なんて期待した私がバカでした。Nsの一人がぼそっと・・・「あそこの縁結びは御利益無いらしい。むしろ離別率が高いよ!」だって。もうあそこには行くもんか!
2006.08.07
コメント(1)
先日「イレウス祭り」が行われました。一人は術後10日でのイレウス(70歳)。もう一人は術後50年のイレウス(90歳)。二人の結末は分かれました。70歳の方はNGtubeにしかなっていなかったのに、イレウスは改善。本日より流動食が始まりました。普通食に戻れるにはまだかかりますが、その間にまたイレウスにならないようにと祈るばかりです。なんと、90歳の方はイレウス管が回腸に入ったあたりからピクリとも動かない。イレウスも改善しないまま1週間が過ぎました。・・・本日手術となりました。イレウス管のすぐ奥で腸が狭くなっていました。今回の腸閉塞の原因はこれですね。でも、他にも前回の手術創にベッタリと腸がひっついており、さらにはその腸は一塊りの“団子”になっていました。・・・残念ながら狭くなった部位から団子まで、かなり広範囲の小腸を切除しました。けど、こんな状態がほんの2週間ほど前に起こり始めたとは思えません。きっと今までも時々痛かったのでしょうが、高齢者は疼痛閾値が高いのか、あるいは脳梗塞のために痛みとして訴えられないのか。また、周囲の人も「今日はあまり食べないねぇ」といって気付かれるのが遅くなっていったのか。年齢を考えると、出来るだけ侵襲は大きくしたくないのですが・・・ある程度の癒着であれば“癒着剥離”を行うことで腸切除を免れたり、あるいはあえて狭い部分のみを切除して団子はそのまま、という方法もあります。けれども“団子”になった腸を食事がスムーズに通過するとはとても思えず、今回狭い部分だけをとってもきっとすぐに今度は“団子”が原因の腸閉塞になって再々手術が必要になる可能性がありました。この辺の判断って難しいですね。とりあえず、二人とも「イレウス」は解除されましたので、今後の順調な開腹を祈るばかりです。
2006.08.03
コメント(1)
そういえば、誰かがブログで「イレウス祭り」なんて書いてたなぁ。そんなお祭りは参加したくないな~と思っていたのに、今はまってます。一人は遙か50年も前に手術をうけたという90歳。先週入院して、週末に鼻から胃までの管(NGtubeといいます)を入れた。それほど腹部の痛みがあるわけではないが、レントゲンで改善が見られない。今日腸まで届く管(イレウス管)を入れました。出来れば手術は避けたいのですが・・・もう一人は10日前に手術をした70歳。一度は食事を始めたのですが、便が出ず、吐いてしまった。検査の結果やはりイレウス。イレウス管を入れたんですが、肝心な腸に管が入っていかない。ほとんどNGtubeの状態にしかならなかった。(具体的な質問はご遠慮ください)こちらも手術して間もないので、出来れば再手術は避けたいところです。ちなみに、同じ「イレウス(腸閉塞)」といっても、程度によって治療方法が違います。保存的加療 軽症:絶飲食でよくなります。 中等症:NGtubeやイレウス管でよくなります。保存的加療で改善しない場合 重症:手術で腸閉塞の原因を除去します。緊急:腹膜炎、腸穿孔(孔があくこと)、腸壊死(血流不全などで腐ること)では緊急に手術が必要です。今回の二人は中等症から重症に向かいつつあります。何とか改善して欲しいです。捕捉:厳密には「腸閉塞」=「イレウス」ではないと言われていますが、日本ではほぼ“=”です。
2006.07.24
コメント(2)
王監督が胃癌の手術を無事終えたのは何よりです。さて、今回の腹腔鏡手術ですが約9時間、出血量は72mlですか。大変ですね。確かにすぐに歩き回れるくらい侵襲の少ない手術ですが、9時間はかかりすぎのような・・・だって、開腹手術ならおそらく3時間で済んだ手術でしょう。3日もあれば大抵は歩き回れます。おそらく傷の快復が問題なのでしょう。開腹手術になればおそらくは20cmくらいの傷は付きますし、腹膜(というか筋膜)が運動に耐えられるようになるには1ヶ月くらいかかるでしょうから。スポーツ関係者としては死活問題になるのでしょうね。でも、「監督」業ですよ。現役の「選手」じゃないんだからそこまでこだわらなくても。どうせ前半戦もあと数試合で終わるわけだし、ゆっくり休めば良かったのに・・・話は戻ります。9時間はやりすぎでしょう。胃全摘だとそれくらいかかるのかな?全摘は見たことがないので解りません。大学ですから、センチネルリンパ節の切除方法を導入しているのか?リンパ節の病理迅速診断を行っていたのか?一般病院で行われている開腹手術ならせいぜい3時間でしょう。“低侵襲”が腹腔鏡手術の“うり”ですが、手術時間の延長というのは立派な“侵襲”だとおもいます。時間がかかる分だけ執刀医やスタッフ、そして待っている家族にストレスがかかります。どんな新しい技術でも習熟には時間がかかりますし、手術時間そのものもかかります。ですので、腹腔鏡手術も発案された当初なら時間がかかって当然なのですが、、、発案されてからかなり経過しています。それでも9時間かかったということは何か問題があったからではないでしょうか。(あくまでも個人的な推察です)術後早期退院、職場復帰もいわれていますが、早期退院=「病院から追い出された」と受け取る人も少なからず居ますので、あまりたいした違いではないようにも思えますし。地方だけですかねぇ。さて、外科医として気になるのは「再建方法」です。取った胃の代わりに何らかの腸管がつながれているはずです。術後合併症の少ない方法もいくつか考案されていますが、どれも一長一短のようですし。今後の王監督の感想が楽しみ(?)です。
2006.07.18
コメント(4)
急激な腹痛で救急(内科)を受診され、「今にも死にそうー」と悲痛な表情の患者さん。CTを撮ったら肝表面と十二指腸周囲に空気の存在を疑わせる所見が・・・「free airがありそうなんですけど・・・」と呼ばれてしまいました。夜中の12時。今さっき寝たところなのに。まさに一番眠たい時間です (T_T)zzz診察しても腹膜刺激症状がないんですよねぇ。CTの条件を変えて見ると、その影は脂肪の一部でした。ちゃんと診てくれよぉ。とりあえず、外科としてはめでたしめでたし。じゃあ、この痛みの原因は?まあ、憩室炎かな?さて、こんな激しい腹痛はいつ鎮痛剤を投与してもらえ(あげれ)ば良いでしょうか。昔は外科医あるいは専門医が診察するまでは痛みを取ってはいけないといわれ、その間患者さんは痛みにひたすら耐えるだけでした。しかし、今は患者さんが「痛い」といえば、その場で鎮痛するのが一般的です。救急の分野で腹痛患者に鎮痛剤を投与したときとしなかった時とで得られる所見と診断に違いが生じるか、という比較がされたことがあります。その結果、鎮痛剤を投与されることである程度の痛み(とくに安静時痛)が取れても、圧痛や反跳痛(腹膜刺激症状)は残るということでした。極端な話、痛みが消えるまで鎮痛剤を追加しても良いし、その追加量が痛みの程度を表し処置の重要性、緊急性を物語ることになります。内科、とくに循環器科や内分泌科にはまだ知られていないかもしれませんね。さて後日談です。患者さんは尿路結石症でした。最初free airといわれたから腸管疾患ばかりを気にしていました。その他膵炎、胆石症、(先日の)イレウス、時には子宮外妊娠や心筋梗塞もあり得るんですよね。腹痛って難しいです。ヾ(_ _*)
2006.07.12
コメント(0)
腸閉塞あるいはイレウスという病気があります。腸管は言ってみれば口から肛門までのホース。ホースの出口が詰まればその入り口側はどんどんふくらんでいきます。それが腸閉塞という状態。では、ホースを詰まらせる原因は何か。ほとんどが手術の既往がある人で、術後の癒着が原因となります。腹部の手術をすると癒着は避けられず、それを100%予防する手段は今のところありません。では、手術を受けたことのない人はどうなのでしょう。食餌や腸炎による事がありますが、これらは経過観察で大抵良くなります。でも、なかには改善しない人もいます。では、その原因は?それは「ヘルニア」。いわゆる脱腸です。鼠径ヘルニアが有名ですが、あまり腸閉塞に至ることはありません。対して、高齢者の(なぜか)女性に多いのが大腿ヘルニアと閉鎖孔ヘルニア。大腿ヘルニアは診察(触診)で解ることもありますが、閉鎖孔ヘルニアはCTを撮らないとまず解らないでしょう。この「大腿ヘルニア」と「閉鎖孔ヘルニア」はある日突然やってきます。そして、ほぼ全例緊急手術が必要です。時には腸を切除する必要があります。今日はその「閉鎖孔ヘルニア」による腸閉塞に腹膜炎を合併した患者さんの緊急手術がありました。昼から定時の手術をした後だったので、もうクタクタです。腹膜炎のために腸を2カ所で切る必要がありました。何とか快復して欲しいです。
2006.07.11
コメント(2)
先ほどいろいろ書いたけど、「じゃあ、おまえの根拠は何だ!」と言われてしまうかも知れないので、参考HPだけ紹介しておきます。それは『国立がんセンター』http://www.ncc.go.jp/jp/index.html最新のデータは2005年版ですが、それほど大きく変わらないと思います。
2006.06.05
コメント(0)
抜粋・・・ がんによる死亡が32万5885人と、調査を始めた1899年以来最多にのぼったことが1日、厚生労働省の発表した05年人口動態統計でわかった。死亡総数は108万4012人で、前年より5万5410人の増。3年連続で100万人を超え、戦後では47年に次ぐ多さとなった。同省は高齢者数の増加に加え、インフルエンザの流行が影響したとしている。 死因で最も多いのはがん(30.1%)で、81年以降の連続1位。昨年より1.7%増えた。心臓病(17万3026人、16.0%)、脳卒中(13万2799人、12.3%)がこれに続き、日本人の三大死因と言われるこの三つで死亡者数の全体の6割近くを占めた。・・・一見、癌患者が増えていて、まるで普段の生活がどんどん悪化しており、健診や医療が役立たずな印象を受ける。とあるブログでは日本の癌医療に問題があるとまで書かれている。けれども、本当に日本の医療、医療経済が悪いのか?======================普通、トラックバックとは「賛成」「応援」など支持的な意見の時に使うのだろうが、今回は「反対」意見で使うことにする。決して気を悪くしないでほしい。======================まず、厚生労働省の発表文にもあるように、高齢者の増加を避けて考えるわけには行かない。残念ながら高齢者で発見される癌は進行癌であることが多く、さらには手術できないくらいに大きくなっていることも少なくない。むしろ最近では化学療法が行われることによって手術のできる程度に癌が縮小して、さらに化学療法を続けるなり手術を受けるなりして“助かる”場合がある。また、年々「癌患者」は増えているが、それは健診による早期発見が増えているからに他ならない。時には進行癌も発見されているが、その人は健診を受けて初めて自覚したわけだから、その人が症状を自覚する時期から比べれば“早期に発見された”とも言えるだろう。さらに、喫煙の問題がある。喫煙が肺癌、食道癌、咽喉頭癌などに関係しているのは昔から言われています。最近喫煙率が下がっている様ですが、患者さんの喫煙状況を見ている限り、一人あたりの本数が減っているとは思えません。また未成年の喫煙率、女性の喫煙率は増えています。これでは彼らの発癌率が今後上がるのは容易に想像できます。また、高齢者は確かに喫煙率が大幅に減っていますが、この中には「癌を指摘されたから止めた」人や「肺や心臓が悪くなったから止めた」人も含まれています。正直言って余命には関係しないかもしれません。最後に、緩和医療の存在です。一昔前までは医者も家族も「患者さんに一日でも長く生きてほしい“延命”」が中心に行われてきました。とにかく点滴をして、人工呼吸器をつけて・・・。長ければ半年くらいは“生かされていた”かもしれません。しかし今は「患者さんがつらくないように」という意見が多く、時には点滴を行わない場合もあります。鍼灸やマッサージが非常に有効である場合も少なくありません。しかし、延命は行われてないわけですから“生かされていた”時代と比べれば“早くに死に至る”結果になっているかもしれません。というわけで、トラックバックで言われている「・・・三大療法はいずれも免疫力を著しく低下させます。その結果が、がんによる死亡数が増え続ける事態になったの・・・」という考え方は完全否定はできませんが、そのような“根拠”はどこにもないと思います。また、「治療法も三大療法だけに限定しないで、鍼灸治療、マッサージ治療をはじめとする代替医療を取り入れるべきだと思います。」には無理があります。なぜなら、それらが癌に効く“根拠”が示されていないから。今世界ではEvidence Based Medicine(EBM)が非常に重要視されています。日本でもようやく取り入れられてきました。すべての治療において、例えば薬の選択、容量、投与回数、投与期間に至るまで様々な研究がなされています。手術方法においてもより侵襲の少ない方法、合併症の少ない方法、長期的に問題の生じにくい方法などなど。当然、それらが検討された結果淘汰されていった方法もあれば、今まで当たり前のように行っていた方法が人体に悪影響を及ぼしていたということもあります。「・・・私たちの日常生活を改善しなければなりません。今、表面に現れているがんを叩くだけの治療ではなく、長時間労働、食生活の乱れ、運動不足、過度のストレスなどがんを原因から絶つことが必要です。・・・」これは非常に重要なことだと思います。けれども、EBMの概念では、この“予防医学”にさえ根拠が必要なのです。「きっと良くなる」「きっと(病気に)ならない」ではダメなのです。私が思うに、いわゆる代替医療が表舞台に立つにはもっと“根拠”を示していく必要があります。それぞれの効果を理論立てて説明し、統計的に『有効』であることを。そしてそれらに『再現性があること』を。非常に難しいことかもしれませんが、条件さえそろえば100人ほどのデータでも統計的有意差を示せるはずです。
2006.06.05
コメント(0)
大変な一日+αでした。今の職場は土日祝日は24時間当直です。その時間帯はそれほど忙しくなかったんだけど、まさに時間が明けようとしたときに入院患者さんの下血で呼ばれました。入院時Hb9(この時点でそれなりの貧血ですが)だったものが、現在4!週末に痔出血を疑われて大腸カメラ(SF)をしましたが、疑わしい場所はあったものの、明らかな出血点が認められず、座薬にて経過観察となっていました。一旦下血は収まったようですが、今朝おむつの中には凝血塊が・・・。その『疑わしい場所』からの出血だろうと、緊急手術となりました。『疑わしい場所』は潰瘍を形成しており、ジワリジワリと血が滲んでいましたが、これがはたしてショックの原因になるくらいの出血源なのか?けれども他にはそれらしい病変は認めず、、、これでも出血が治まらないようなら、どこかの大腸粘膜からの出血ということになります。SFではなくCFが必要になるかもしれません。まずは経過を見守るだけです。『たかが痔出血、されど痔出血』(今回は正確に言うと『痔』ではありません)気をつけなきゃ・・・
2006.05.14
コメント(3)
仕事自体は普通に終わったのに、この時期は「レセプト」チェックという、いやーな仕事が有ります。転勤してから診た患者はそれほど多くないのですが、事務の方々がいろいろと重箱の隅をつついてくれるおかげで時には非常に面倒くさい事になります。今までは「担当医」であっても「主治医」になることは無かったので、レセプトはすべて上司が診ていました。よく「病名を忘れるな!」と叱られましたが・・・。でも今年からはどうも「主治医」になっているようです。今月の一番腹立たしい事務員のチェックはレントゲン撮影回数に対してコメントを要求されたこと。撮ったのはたったの3回です。1.術前:当然必要ですよね2.術直後:術後の無気肺は時に致命的です。ドレーンの位置確認は必要ですし、術野にガーゼなどを忘れていないかのチェックのためにも行われます。3.1病日:術直後と同様、無気肺や肺炎の早期発見が必要。腸管運動の確認、ドレーンの確認も必要です。どれも必要不可欠であり、さらにそれ以降は撮っていないにも関わらず、「3回撮った理由を記入してください」と言われた。本当なら退院前にももう1回くらい撮りたい位なのに、最近の早期退院の流れもあって、次の外来受診まで撮られていないのが現状です。彼らのマニュアルには「同一の検査を3回以上行った場合はその理由を記載する」とでも書いてあるのでしょうか?全くを持って疑問です。(そうはいっても、私は初めての経験。今までの上司も同じように苛ついていたでしょうね。)最近は医療費節約といわれて、ありとあらゆる検査・薬剤使用が制限されています。患者さんの中には「何も検査してくれない」「何も薬をくれない」と不安、不満が溢れています。もちろん、実際に必要のない検査や薬剤投与が行われていたケースもあるでしょうが、今の制限の仕方は異常です。医療費も大事でしょうが、もっと患者さんのcare/cureも考えて欲しいモノです。やれやれ、レセプトをチェックしてから外食に行ったのですが、まさに食事を終えたところに病院から電話。「右下腹部を痛がる男の子が救急に来てます。診てください。」と。4月の緊急手術で腸閉塞は何人か居ましたが、実はアッペは居なかったんです。ついに来たか~。微熱と軽度圧痛のみ。たまたま放射線科の先生が居たらしく、エコーをしてみると「虫垂は腫れてなさそう」。。。憩室炎かな。入院はしてもらいましたが、手術にはならなさそう。せっかく慌てて来たのに(*_*)食事ができただけマシか・・・
2006.05.01
コメント(4)
大学へ呼ばれたので行って来ました。理由は、学位論文のテーマについて。何となく「消化器」や「癌」でやりたいと思っていますが、テーマを決めろといわれると何をして良いのかさっぱり解りません。スタートラインにも立てていない・・・どうしよう・・・臨床的な事は少し考えていたのですが、「皆たいていは基礎研究をやっている」といわれ、やんわりと否定されました。ハハハ・・・何もしなければ教授がテーマをくれるらしいので、それに乗っかってしまうのも手なんですが、意地っ張りな私は素直に「お願いします」とも言えず・・・さっきから友人に電話しまくってます。今大学にいるヤツ、今度一緒に大学にもどるであろうヤツ、医局は違うけど今研究最中のヤツ・・・。やりたいことを決めてたヤツは居らず、現在研究中でも「教授にもらった」「先輩のお下がり」というのばかり。自分で決めることはかなり難しいみたいです。約1ヶ月の猶予をもらえましたが、どちらかというとお尻に火をつけられた感じ・・・。普段の診療の中で考えるのは大変ですが、がんばります
2006.04.28
コメント(1)
今の職場に来て初めての当直でした。昨夜は自転車で派手にこけた女性がなんと救急車で来院。ちょっと大げさなような・・・。ちょっと派手な擦過傷(いわゆる挫傷)だったのですが、よく診ると小石が埋まっている(*_*)以前はちょっとした傷は十分に洗浄してから縫合していたのですが、最近はパッチを当てるだけにしています。その方が綺麗になるから。夜は患者が来なかったので非常に平和でした。おかげで新しいドラマ『医龍』を堪能できました。マンガで一通り読んだのですが、キャストやストーリーが微妙に異なるので、今後の展開が楽しみです。『縫わなくても傷は治るの?』という人はぜひ私のHPやその参考HPを診てください。
2006.04.14
コメント(3)
初日から大きな手術+緊急手術のsetが2日続きました。こんな事って有るのかな?今日の緊急手術は執刀させていただきました。消化器の手術は実に1年ぶりなので、できればappeやherniaのような簡単な手術でリハビリをしてから、と思っていたのですが、「できるでしょ?」の一言で執刀することとなりました。新しい病院で指示の出し方も有耶無耶のまま手術へ。病棟の看護師さん、ごめんなさい!明日からもまだまだ手術が続きます。着任早々大変ですが、気合いを入れるのはもってこいです。
2006.04.04
コメント(5)
ささやかながら、日常における診療情報を紹介していきたいと思います。当然、昨今プライバシーが問題となっていますので、十分に配慮したいと思います。まずはHPを見ていただき、その内容に対して討論(!?)できれば、と思っています。また、何か記載希望が出てくれば、頑張ってみたいと思います。尚、現在受けている治療との差違に関しては責任は持てません。その辺は主治医とよく相談してください。
2006.02.22
コメント(1)
全43件 (43件中 1-43件目)
1