本盤『シングズ・アー・ゲティング・ベター(Things Are Getting Better)』は、1958年の録音だから、『サムシン・エルス』と同年の作品。より正確に言えば、『サムシン・エルス』が1958年3月に吹き込まれ、その年の10月に『シングズ・アー・ゲティング・ベター』が録音されている。さらに広い文脈から見ると、キャノンボールが伝説的に、ジャズ界に颯爽と姿を現したのは1955年で、その後、亡くなる1975年までの数十枚リーダー作の中では、わりと初期の演奏。冒頭で述べた"ファンキー"なイメージはもう少し後に定着する。