音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年12月26日
XML
テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ




 ベニー・ゴルソンの音楽生活45周年を記念して作られたアルバムは、『永遠のブラウニー(Brown Immortal)』または『Remembering Clifford』の名称で90年代後半にリリースされた(なお、別のタイトルがついてはいるが、これら2枚の内容は同一)。アルバムの内容は、ベニー・ゴルソンに縁のあるミュージシャンに捧げた曲をゴルソン率いるセクステット(六重奏団)が演奏するというものだが、上記いずれのアルバム・タイトルを見てもわかるように、その目玉となるのはクリフォード・ブラウンに捧げた追悼曲である。

 この曲の邦題は「永遠のブラウニー」だが、原題は「Brown Immortal」。直訳すれば「不死のブラウン」、少し意訳すれば「ブラウンは死せず」といったところだろうか。

 無論、ベニー・ゴルソンにクリフォード・ブラウンとくれば、先に紹介した名曲 「クリフォードの想い出」 が思い浮かぶ。ブラウン夭折の翌年(1957年)にゴルソンが作曲し、当時新星トランペッターとして登場したばかりのリー・モーガンによって演奏された曲である。

 今回の「永遠のブラウニー(Brown Immortal)」は、それから40年を経た1997年のものである。作曲者・演奏者であるゴルソン自身はもう60歳代後半になっている。ブラウニーの死から40年以上が経過し、ファンがブラウニーをいくら"伝説化"や"神格化"しようとしても、ゴルソン本人にとってみれば、若くして亡くした友人というイメージの方が強かったのではないかと推測する。この曲は、その昔の友人に対して包み込むような優しいメロディで始まりながらも、気がつくとブラウニー的な旋律のソロ部分に突入し、演奏の最後は必ずしも悲しみを感じさせないような締めくくりに仕上がっている。

 一言でいうと、「クリフォードの想い出」が悲しみに暮れた感傷的な曲調であるのに対し、この「永遠のブラウニー」は昔を懐かしみ優しい微笑みとともにブラウニーを追悼するといった印象を持つ。前者を一度解体し、40年後に再構築して出来上がった、第二の「クリフォードの想い出」。それがこの「永遠のブラウニー」であり、若くして逝ってしまったブラウニーに対し、生き残って70歳目前まで年を重ねたゴルソンという状況があったからこそ生まれてきた曲と言えるだろう。40年前の「クリフォードの想い出」に勝るとも劣らない名曲だと思う。



[収録アルバム]
Benny Golson Group / Brown Immortal(永遠のブラウニー) (1997年)


Benny Golson (ts), John Swana (tp), Ron Blake (ts), Mike Ledonne (p), Peter Washington (b), Joe Farnsworth (ds)
録音: 1997年3月






【Aポイント+メール便送料無料】 ベニー・ゴルソン / 永遠のブラウニー[CD]






にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ 人気ブログランキングへ banner09<br />






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013年07月23日 21時01分28秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Free Space

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
      ↑        ↑
ランキングサイトに参加しています。よろしければクリックで応援お願いします!
      ↓        ↓
人気ブログランキングへ



↓相互リンク↓

ちょっと寄り道 [音楽の旅]




Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: