音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年11月12日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 レッド・ガーランド・トリオは、ピアノ奏者レッド・ガーランド(Red Garland)を中心に、ベースにポール・チェンバース、ドラムにアート(アーサー)・テイラーという3人の取り合わせ。その由来は、マイルス・デイヴィスの第1次黄金クインテットであり、いわゆる“マラソン・セッション”などに該当する時期のリズム隊だったのがガーランドとチェンバースのリズムセクションであった(ドラムはフィリー・ジョー・ジョーンズ)。このガーランドのリーダー作ではドラムがアート・テイラーになり、マイルスのクインテットでは縁の下の力持ち的存在だったガーランドが主役としての役回りを存分に見せる演奏を繰り広げている。

 この3人で吹き込んだ数多くの作品の中では、『グルーヴィー(Groovy)』が超有名盤である。けれども、これに劣らぬ(というかむしろこれに勝るかもしれないと個人的には思う)1枚が、このトリオ最初の作である本盤『ア・ガーランド・オブ・レッド(A Garland Of Red)』である。ちなみに、これら2枚よりも後の録音としては、以前の記事で取り上げた 『キャント・シー・フォー・ルッキン』 もこのトリオの作である。

 スタンダードとして好まれる曲が多く収録されていて、ガーシュウィン・ナンバーあり(1.)、コール・ポーターあり(3.)、さらには、チャーリー・パーカーの曲(7.)も収められている。また、ビル・エヴァンスが愛奏した(例えば『ワルツ・フォー・デビィ』に収録されているのが有名)「マイ・ロマンス」(2.)や、ジョージ・シアリングでも知られる「九月の雨」も演奏曲に含まれている。本盤の特徴は、そんなヴァラエティに富んだ有名曲を、彼らの複数の側面・いろんな演奏でもってうまく1枚に凝縮している点にあると思う。

 レッド・ガーランドの悪口を言う人は“金太郎飴”(どこを切っても同じ顔、つまりどのアルバムを聴いても同じような演奏)というが、本盤は最初のリーダー盤ということもあり、結構起伏に富んでいると思う。時期的にはマイルス・デイヴィスのいわゆる“マラソン・セッション”の合間に録音がなされている。

 それにしても、正直なところ、このアルバムの切り抜き写真(?)みたいなジャケットにはあまり関心しない。文字色はそれなりに赤(レッド・ガーランドの名前の“レッド=赤”に因むのだろう)を使うなど工夫のあとは見られるが、どう見ても昔のジャズ界にありがちなダサいジャケットの典型だ。もちろん、何度もいろんな過去記事で述べてきたように、ジャケットの出来とアルバムの中身に相関性はない。けれども、売り上げや聴き手の個人的思い入れにはジャケットの出来は大いに関係するはずだ。これをご覧になった方々は、少なくとも本盤のジャケットのダサさに騙されずにいただければ、と願う。こんなジャケットでも、レッド・ガーランドを聴くなら最初の1枚に挙げたいぐらいの快盤である。




[収録曲]

1. A Foggy Day

3. What Is This Thing Called Love
4. Makin’ Whoopee
5. September in the Rain
6. Little Girl Blue
7. Constellation
8. Blue Red


[パーソネル]

Red Garland (p)
Paul Chambers (b)
Arthur Taylor (ds)


[録音]








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