音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年10月22日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 1966年のイギリス映画『アルフィー』の音楽をジャズ界の巨人ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)が担当したもの。とはいえ、実際の映画では、別の奏者のテイクが使われたと言うから、要するに、映画用の音源とは別にニューヨークでミュージシャンを集め、独自のアレンジでスタジオ作として吹き込まれたものよいうことのようだ。

 ロリンズは1930年ニューヨーク生まれで、既に1950年代に数々の名作( 『サキソフォン・コロッサス』 、『ニュークス・タイム』、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』など)を残し、圧倒的人気を確立していた。華々しいこれらの時期に比して、その後のロリンズは苦悩の時を迎えたのであろうか、50年代末には自らの音楽を見つめ直すべく一時活動を停止する。そして、60年代に入ってからはアヴァンギャルド的なアプローチの作品を作ったかと思えば、本作のような映画音楽も手がけた。さらに付け加えれば、60年代末からはヨガや東洋哲学にも傾倒し、またも音楽活動を休止している。

 そんな経緯を何十年も経った今から見ると、このアルバムが作られた1966年の段階で、既にロリンズのピークは過ぎ去ってしまっていたのかもしれない。したがって、このアルバムの存在は、ただ単にロリンズ絶頂期の演奏だけを楽しみたいのであれば、別段、最適盤になるという類のものではない(とはいえ、筆者は本盤のロリンズ節も好きなのだけれど)。むしろ、もう一人の主役とでもいうべき編曲者のオリヴァー・ネルソンとの組み合わせを楽しむための1枚と捉えるのがいいのかもしれない。

 オリヴァー・ネルソン(この人物については 『ミート・オリヴァー・ネルソン』 および 『ライヴ・フロム・ロサンジェルス』 の項を参照)という人は、サックス奏者であると同時に、優れたアレンジャーであった。本盤では、そのアレンジャーとしての手腕が存分に発揮されている。

 “ジャズはとっつきにくい”などと思う向きには、本盤なんていい入口になり得るようにも思う。別に初心者向け盤とか決めつけるわけでもないのだが、とっつきやすい盤であることは確かだと思う。その理由は、サックス奏者(ソニー・ロリンズ)が主役でありながら、この人物がアルバム全体を統率しているのではないところにあるのだろう。オリヴァー・ネルソンとの組み合わせを楽しむ盤、と上で述べたのは、ロリンズだけを集中して聴くのではなく、そのアレンジ(よって演奏の総体)にも注目がいくことになるからである。





[収録曲]

1. Alfie’s Theme
2. He’s Younger Than You Are
3. Street Runner With Child
4. Transition Theme for Minor Blues or Little Malcom Loves His Dad
5. On Impulse
6. Alfie’s Theme Differently


[パーソネル・録音]

Oliver Nelson (arr., cond.)
Sonny Rollins (ts)
Jimmy Cleveland (tb)

Phil Woods (as)
Bob Ashton (ts)
Danny Bank (bs)
Frankie Dunlop (ds)
Walter Booker (b)

Kenny Burrell (g)

1966年1月26日録音。







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Last updated  2013年07月10日 01時33分20秒 コメント(1) | コメントを書く


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