音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年03月09日
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テーマ: 洋楽(3395)




 1985年に 『ピクチャー・ブック』 でデビューしたイギリスのバンド、シンプリー・レッド(Simply Red)。ミック・ハックネル(Mick Hucknall)率いるこのグループの3枚目のアルバムとなるのが、1989年発表の『ア・ニュー・フレイム(A New Flame)』である。

 第三作目ということでレコーディング・アーティストとしての落ち着きや余裕も出てきた頃だが、考えてみれば、ハックネルはまだ29歳(ぎりぎりとはいえ、20歳代!)。本盤はどちらかというと、少し売れ筋路線(メジャー志向)に走ったようなところがあり、普通だったらこういうのを機にファンは離れていきそうなものだが、そうならなかった。本作はシンプリー・レッド初の全英No. 1アルバムとなり、さらには、これを大きなステップとして次作の 『スターズ』 がさらなる売り上げを記録することになる。シングルとしても4曲(1., 2., 3., 9.)がカットされ、うちハロルド・メルビン&ブルーノーツのカバー9.「二人の絆(イフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウ)」は、全米シングルチャートの1位(全英では2位)を獲得した。

 “オシャレ”というのがよくシンプリー・レッドを形容するのに用いられる言葉だが、半分正しく、もう半分は誤解を生じさせる言い方のような気がする。ブラコン風、ソウル風などのテイストを取り入れたサウンドは80年代半ば頃からの音楽界には満載だった。“受けるんだから(=売れるんだから)それ風にしとけ”みたいな風潮も結構あったのだろうと想像する。けれども、シンプリー・レッドのそれは、こういう世間の雰囲気に対してあまりに本格的だったというのが本当のところではないかと思う。ミック・ハックネルのヴォーカルはUKソウルの中ではずば抜けて本格的で、ソウルフルだった。

 ヒット曲になったことで9.が目立つが、この他には、2.「ア・ニュー・フレイム」や6.「ターン・イット・アップ」、あるいは10.「イナフ」といったあたりは結構、上で述べたような本盤の本質を表しているように思う。また、7.「涙のチューン(ラヴ・レイズ・イッツ・チューン)」は、曲・演奏・ヴォーカルともにシンプリー・レッドの本領発揮の名曲。こういうのを聴かされると、“参りました! ハックネルよ、あんたは天才だ”としか言葉にならないのは、筆者のボキャブラリーが足りないせいなのか、はたまた、聴き込み具合が足りないのか…。



[収録曲]

2. A New Flame
3. You’ve Got It
4. To Be With You
5. More
6. Turn It Up
7. Love Lays Its Tune
8. She’ll Have To Go
9. If You Don’t Know Me By Now
10. Enough

1989年リリース。





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Last updated  2012年05月26日 15時15分35秒 コメントを書く


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