音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年08月18日
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テーマ: Jazz(1978)
カテゴリ: ジャズ




 グラント・グリーン(Grant Green)は、1935年(1931年説もあるが、どうやら真相は1935年生まれとのこと)、セントルイス出身のジャズ・ギタリスト。ルー・ドナルドソンの紹介でブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンと出会い、1960年からニューヨークで吹き込みを開始する。1979年に43歳で亡くなるまで、年代とともに異なるスタイルを取ったが、とりわけ60年代前半を中心にブルーノート・レーベルで主にバップ・スタイルの好盤を多く残している。そうした作品群の中で、『グラントスタンド(Grantstand)』は比較的よく知られた一枚で、ブルーノートでの4枚目となる作品である。

 本盤の演奏上の特徴は二つある。一つは、ユセフ・ラーティフ(Yusef Lateef)という個性的なテナー奏者の参加である。ユセフ・ラーティフというのはムスリム名で、本名はウィリアム・エマニュエル・ ハドルスンといい、実際にはテネシー州生まれでミシガン州デトロイト育ち。18歳で高校を卒業する頃には地元デトロイトの実力者になっていたという。この人のサックス演奏は朗々として実に味わいがある。息もつかせぬ豪快なプレイというわけでも、進歩的な得意なフレージングというわけでもないところが、かえって本盤の雰囲気にマッチしているように感じる。なお、本盤では2.「マイ・ファニー・バレンタイン」の冒頭で聞こえてくるように、フルートも担当している。

 演奏面でのもう一つの特徴は、オルガン奏者ジャック・マクダフとの組み合わせである。半年前に吹き込んだデビュー作(『グランツ・ファースト・スタンド』)以来のオルガン入り編成で、この時期のオルガンはある種の“旬”の時期を迎えていた。それは80年代以降、再評価され、こってりとしたソウル・ジャズのイメージへとつながっていくが、本盤を聴けば、彼のオルガン・プレイが実にツボを押さえたものであったことが、本盤を聴けばわかる。1.「グラントスタンド」のようなアップテンポの曲調のものよりも、2.「マイ・ファニー・バレンタイン」や4.「オールド・フォークス」のゆったりした雰囲気の中での抑え気味でいて、出る所は出るプレイにその実力のほどが窺える。

 最後に、話をグラント・グリーン自身に戻そう。彼のギター演奏は、いかにもテクニシャンぶりを見せつけるという感じではない。むしろ、素朴でシンプルな感じがするのだが、この印象はどこから来るのだろう。きっとその理由は、シングル・トーン主体のスタイルにある。つまり、ギターを弾いているのに、なぜかその演奏が“ギター的”というよりも“ホーン的”に響く、そういう意味で面白いギター演奏だと思う。


[収録曲]

1. Grandstand
2. My Funny Valentine
3. Blues in Maude's Flat



[パーソネル・録音]

Grant Green (g)
Yusef Lateef (ts, fl)
Jack McDuff (org)
Al Harewood (ds)

1961年8月1日録音。





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Last updated  2012年08月18日 14時40分43秒 コメントを書く


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