音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年11月29日
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テーマ: Jazz(1968)
カテゴリ: ジャズ




 どうもジャズ(概してモダン・ジャズ)の聴き手というのは、保守的になりがちに思う。そんな中で、いかにも“後世受け”しそうな人は敬遠されるということが起きる。ドン・ウィルカーソン(Don Wilkerson)という人もそんな一人なのかもしれないと思ったりすることがある。

 ドン・ウィルカーソンこと、ドナルド・ウィルカーソンは、生まれこそルイジアナだがすぐにテキサス州ヒューストンに移り、“テキサス・テナー”という呼称にまさしく合致する演奏を繰り広げたテナー奏者である(1932年生まれ、1986年没)。テキサスにやってきたレイ・チャールズの目に留まり、彼のバンドに参加したことからそのキャリアが始まり、やがてキャノンボール・アダレイから声がかかり、リバーサイドで初リーダー作(筆者は未聴)を録音。その後、ブルーノートと契約し3作を残すが、麻薬の不法所持で逮捕され刑務所行きとなる。

 本盤『シャウティン(Shoutin'!)』はブルーノートでの3枚目で、最初のオルガン・トリオとの演奏盤。上述のような経緯で刑務所送りになった後の彼は、ヒューストンでプレイしていたそうだが、1986年に54歳で亡くなってしまった。何とも皮肉なのは、その死と入れ違うように、ロンドンのクラブシーンで“再発見”され、再評価が進んだという点。特に本盤はオルガンをバックにした演奏ということもあり、この再評価の流れの中で受け入れられやすかったのではないかと想像する。

 実際、本盤の演奏は“ダンサブル”とも形容できるかもしれない。軽快でありながら粘度のあるテナー演奏が耳に残る1.「ムーヴィン・アウト」なんかはその典型だろう。アップテンポのブルースである2.「クッキン・ウィズ・クラレンス」は“べったり”なテナーが炸裂し、それを受けて途中で展開されるグラント・グリーンのギター・ソロ、ジョン・パットンのオルガン・ソロもいい緊張感を継続させている。4.「ハッピー・ジョニー」もオルガン・トリオ+テナーという編成を活かしてのスリリングな演奏だが、やはり吹きまくりのテナーが中心となっている。個人的に意外と好きなのが6.「スウィート・ケイク」で、シンプルなブルース・ナンバーをリラックスした雰囲気で演奏しているのだが、やはり粘度の高い、いわゆる“テキサス・テナー”的な演奏が、彼らしさをよく出していて、しかもオルガン演奏ともマッチしている。




[収録曲]

1. Movin' Out
2. Cookin' With Clarence
3. Easy Living

5. Blues for J
6. Sweet Cake


[パーソネル・録音]

Don Wilkerson (ts)
Grant Green (g)
John Patton (org)
Ben Dixon (ds)

1963年7月29日録音。






Don Wilkerson / Shoutin 【CD】





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Last updated  2013年11月29日 06時41分52秒 コメント(1) | コメントを書く


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