音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年07月11日
XML
テーマ: 洋楽(3395)

代表曲・代表作だけではもったいないフリーの存在

 1969年にデビューし、短い期間を駆け抜けて姿を消した英国バンド、フリー(Free)。当初のメンバーはポール・ロジャース(ヴォーカル)、ポール・コゾフ(ギター)、アンディ・フレイザー(ベース、キーボード)、サイモン・カーク(ドラム)をオリジナル・メンバーとするが、1971年に解散することとなる。その当時、問題は山積であった。ロジャーズとフレイザーの意見の相違、コゾフのドラッグ問題(結局1976年に26歳で死去)、英国内はともかく、特に米国ではまったく伸びないレコードセールス…。

 実際、アメリカではこのバンドは過小評価され過ぎというか、あまりに注目されなさ過ぎと言えるように思う。ハードロックの礎を築いたなどというのはあくまでいろんな評価のうちの一つに過ぎず、本質はそういった“過渡期”的なものではなかったと個人的には思っている。ブルース・ロックから様々に展開していく音楽の一つの完成形と言ってしまえば、思い入れが強すぎるだろうか。

 とにかく、上のバンド解散の後、翌1972年になって発売されたのが通算5枚目となる『フリー・アット・ラスト(Free At Last)』だった。“ヤク中のコゾフを何とかしようとメンバーが再び合流”といった背景でできた作品と言われるが、これを本当に最後にしようという意図は明確だった。フリーという命名の元になったバンド名(アレクシス・コーナーの60年代後半のバンド名)をそのままアルバム表題とし、収録曲はいずれもメンバーの共作という形。オリジナル・メンバー最後の作品としての緊張感と気迫に溢れている。

 聴きどころとなりそうな曲をいくつか挙げてみたい。冒頭の1.「キャッチ・ア・トレイン」は、彼ららしさが詰まっていて、ロジャーズとコゾフのヴォーカルとギターはまさにこのバンドのいい部分が全開のナンバー。3.「マジック・シップ」は、個人的には曲として本盤でいちばんのお気に入り。そして、ラストを飾るのが、文字通りの9.「グッドバイ」というナンバー。全部名曲とは言わないけれど(若干、中だるみっぽい曲もないではないように思う)、世間の評価に比べ、比較的聴きどころのある盤だと思う。

 その後、山内テツ(山内哲夫)とラビットことジョン・バンドリックを加えてフリーはもう少し続くことになるが、ベースのアンディ・フレイザーを含む作品はこれが最後となった。そして、先頃(2015年3月)、そのフレイザーが62歳で亡くなった。遅ればせながら、ご冥福をお祈りしたい。



[収録曲]

1. Catch a Train
2. Soldier Boy

4. Sail On
5. Travellin' Man
6. Little Bit of Love
7. Guardian of the Universe
8. Child
9. Goodbye

1972年リリース。

*2002年のリマスター時にはボーナストラックが6曲追加。





【メール便送料無料】フリーFree / Free At Last (Limited Edition) (リマスター盤) (輸入盤CD)【I2015/4/7発売】(フリー)





  下記ランキングに参加しています。
  お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします!


にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ 人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015年07月11日 20時42分34秒
コメント(2) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:フリー 『フリー・アット・ラスト(Free At Last)』(07/11)  
Voyager6434  さん
今晩は☆

日本では山内テツが加入した事で 名前が広く知られた印象があり
レイジーのデビューシングルを ボールロジャースが書く
などという話が出る程、メジャーなバンドだったと思うのですが

世界的には 評価が違うのですね
日本でもコアなファンも多かった様に思います

そういう方に言わせると、
バンドの入り口は 「ポール・コゾフのビブラート」だそうでw

ドラックにのめり込むほど ビブラートが絶妙によれる とか
ファンはそれが堪らなかったとか
コアな先輩諸氏にそんな話を散々聞かされて来て 敷居の高さを見せ付けられたバンド
という イメージが 個人的にも強く(笑)

案外、そんな「通」好みな空気が漂っていた事が
今ひとつ 世界的大成功に繋がらなかった理由だったのかもと

思ったりもしましたw

クラプトンもテクノブームの時にレイドバックなアルバムを出して
セールス的に失敗するなど

時代の要求無視なサウンド、というスタンスも
成功につながらなかった理由だったのかもしれませんね~(・∀・)

応援クリック☆



(2015年07月14日 01時14分07秒)

Re[1]:フリー 『フリー・アット・ラスト(Free At Last)』(07/11)  
andale  さん
Voyager6434さん

コメントありがとうございます。

「オール・ライト・ナウ」は世界的ヒットなわけですが、どうも米での人気に関しては、
フリー→失敗
バッド・カンパニー→成功
というイメージがしてなりません。

おっしゃるように、時代の要求に合わせることがなかったんでしょうね(でも、個人的には、時にそういう姿勢が新しい時代を切り開く原動力でもある、なんて思ったりもします)。
(2015年07月14日 06時01分20秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: