音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2016年01月11日
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テーマ: 洋楽(3405)




 イギリスのバンド、ピンク・フロイド(Pink Floyd)は、独自の幻想性や抽象性をもったサウンドで大きな影響を与えたプログレッシヴ・ロックの雄。一般的なイメージとしては、そうした“プログレ”イメージが強いかもしれないが、彼らのデビュー作となった1967年の本盤『夜明けの口笛吹き(The Piper at the Gates of Dawn)』は、そうしたイメージからは少し離れている。どちらかと言えば、“プログレ”ではなく“サイケ”、つまりは“サイケデリック・ロック”の作品という方がしっくりくる(実際、発売当時の邦題には『サイケデリックの新鋭』とあったとのこと)。

 当時のピンク・フロイドは、シド・バレット(Syd Barrett)を中心とし、本盤制作時には既に薬物中毒と精神的な病が進行しており、苦心の末に何とか完成させたものの、その後、シドはバンドを脱退せざるを得なくなり、ソロ活動を経て引きこもり状態となってしまう(2006年に60歳で死去している)。その意味では、シド・バレットの世界が展開されている唯一のピンク・フロイド盤であり、後のピンク・フロイドの作品群との作風の違いはバンド・メンバーの構成の違いにある。

 とか何とか言って、筆者は若い頃にこれを初めて聴いたとき、後のピンク・フロイドのサウンドからの連想が強すぎて、そのせいか期待外れな感じがしてその良さがいまいち理解できなかった(その時はシド・バレットのソロ作もまだ聴いたこともなかった)。それから長い時を経て、今では2007年再発のモノ&ステレオ(一般にはステレオ版が広く知られているが、シドが最終ミックスをしたのはモノ版だったらしい)を聴き比べたりなどしながら、ようやくその良さがわかりつつある気がする。同じ1967年のサイケデリックの名盤としてはビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』があるが、本盤制作中のピンク・フロイドの様子を見に来たポール・マッカートニーが“彼らにノックアウトされた”と語ったとされる。それほど、当時のサイケデリック・サウンドの最先端を行っていた。

 後々のピンク・フロイドの独特のサウンドは筆者もお気に入りだが、本盤だけは“別モノ”なわけである。収録曲のほとんどを作ったシド・バレットが“見た”、“崩壊寸前の世界”が形に留められたという、ありきたりかもしれないが、そんな言葉でまとめられるのがこの作品の特徴だと思う。



[収録曲]

1. Astronomy Domine (天の支配)
2. Lucifer Sam (ルーシファー・サム)
3. Matilda Mother (マチルダ・マザー)

5. Pow R. Toc H. (パウ・R・トック・H)
6. Take Up Thy Stethoscope And Walk (神経衰弱)
7. Interstellar Overdrive (星空のドライブ)
8. The Gnome (地の精)
9. Chapter 24 (第24章)
10. Scarecrow (黒と緑のかかし)
11. Bike (バイク)

1967年リリース。





[CD] ピンク・フロイド/FOREVER YOUNG::夜明けの口笛吹き





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Last updated  2016年01月11日 21時10分01秒 コメントを書く
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