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ブルーアイ氏はウイリアム氏とリチャード氏、そして女の子と共に母屋の方に戻ります。客間に行きますと、そこにはすでにアリス、ミルキーが待っていました。客間は非常に広くて純和風。障子がいくつも並んでいました。そしてとても静かです。ブルーアイ「これはこれは!よくまいられたアリス殿、ミルキー殿!」そう言って、ブルーアイ氏はニンマリと笑いました。さきほどまでの気迫迫る表情はどこにもありません。アリス「それでアイデアの方はお浮かびになりましたか?」ブルーアイ「いや、それが……、厳しい修行を続けたのだが、さっぱり何も思い浮かばん!」アリス「そうですか。大変ですねえ。ところでミルキーさんが監督さんのためにケーキを作って来たそうです。」ブルーアイ「ほう!ミルキーちゃんが?ついにケーキが作れるようになったか?」ミルキー「うん、監督タンがアイデアが浮かばなくて大変だと思ったから。ミルキータン、がんばって作って来たんだよ。これ食べて元気出して!」ブルーアイ「かあーーーーー!!これはありがたいなあ!ミルキーちゃんが手作りでケーキを作ってくれるなんて!泣けてきちゃうよ!」ミルキーが作って来たケーキはウイリアム氏とリチャード氏にも渡されました。全員に一個ずつ行きわたりました。でも……、よく見ますとなんだか形がいびつです。ブルーアイ「ほう。これはまたなんとも言えない形で」ミルキー「さあ、食べて、食べて!」ブルーアイ「では、いただきます。パクッ!」ミルキー「どう?おいしい?」ブルーアイ「……………………。」ブルーアイ氏は目を閉じたまましばらく動きません。ミルキー「……………………。」そして……、ブルーアイ「……ムシャムシャムシャ、実にうまい!」ミルキー「ああ、良かったあ!ミルキータン、初めて一人だけで作ったから心配してたんだよ。どんな味になったのか。」ウイリアム「ではわたくしもいただきます。」リチャード「わたしくも。」パクッ!パクッ!ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ウイリアム氏はだんだんと顔が真っ赤になって行きます。リチャード氏もそうです。そしてついにリチャードはそのくちばしの間から炎を吹きました。リチャード「ぶはあああああああああああああああああああああああ!!」ウイリアム氏もウイリアム「うっぷ!うっぷ!ぐええええええええええええええええええええええ~~~~!!!」しかし、ブルーアイ氏は涼しい顔です。ブルーアイ「いやあ、実にけっこうなお味で。パクパクパク……、」一方ウイリアム氏とリチャード氏はその場でのたうち回っていました。ウイリアム「ぐええええええええええええええええええ~~~~!」リチャード「水!水ぅ~~~~!」するとブルーアイ氏が、ブルーアイ「おお!ひらめいたあ!」そう言って席を外します。そして簡易の机に座って、そこにあったノートパソコンに打ち込みます。カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……。アリス「監督さん、良いアイデアが出来たのですか?!」ブルーアイ「ああ!ひらめいた!ミルキーちゃんのおかげだ!」ミルキー「やったーーーーー!」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……。ウイリアム「でっ、ではあの厳しい修行はいったいなんだったのだろうか?」リチャード「ぐええええええええええええええええええええ~~~~!」THE END
2014.05.08
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ザザーーーーーーーーーーーーーーー!!落差30メートルを水が落ちて来ます。それが身体に当たった瞬間、相当な負担となります。しかしブルーアイ氏は微動だにしません。じっと滝に打たれ続け、それをこらえているようです。ブルーアイ「……………………。」こうしてブルーアイ氏はしばらく滝に打たれていたものの…、ブルーアイ「……………………。うむ……………、うむ……………、うむ……………、ひらめかん!!」と言いました。ウイリアム「思い浮かばない?」チャード「ではいったいどうすれば?」ブルーアイ「しからば!」ブルーアイ氏は胴着の腰に捲いた黒帯を今一度締め直しました。そして今度はクルッと向きを変え、流れ落ちる滝に向かいました。それからまるで滝に戦いを挑むような姿勢を取りました。その後……、ブルーアイ「たあああああああああああああああああああああああああ!!」ウイリアム「いったい何を?」ブルーアイ氏は滝に挑みました。滝の水を思いっきりけりました!ブルーアイ「たあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ウイリアム「こっ、これは?!」ブルーアイ「てい!てい!てい!てい!!」今度は拳撃です。ブルーアイ「たあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!やああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ウイリアム「監督!いったい何を?」ブルーアイ「これが!これが原作を産み出す秘策だああああああああああああ!!」そう言ってブルーアイ氏が滝に向かって攻撃を繰り返します。リチャード「まさかこれが?『不思議の国のアリスとニセアリス』の原作を産み出すやり方だと言うのか?」ウイリアム「そんな……?激しすぎる!」ブルーアイ「どりゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!きええええええええええええええええええええええええええええ!!!」ブルーアイ氏は滝に向かって何度も何度もキックやパンチを繰り出しました。その姿は真剣そのものです。圧倒的なその気迫にウイリアム氏とリチャード氏は声も出ません。ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ブルーアイ「きええええええええええええええええええええええええええええ!!!」ブルーアイ「はぁはぁはぁ………。」しばらくしてブルーアイ氏は体力を使い切ったようで、滝への攻撃を一時中断しました。ブルーアイ氏の肩からは湯気が立っているようでした。ウイリアム「それで監督、アイデアの方は浮かびましたでしょうか?」ブルーアイ「……………………。」リチャード「浮かびましたでしょうか?」ブルーアイ「いや……、まったく浮かばん!」ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ザザーーーーーーーーーーーーーーー!!その時です。女の子「ご主人様あ!」あの女の子が呼びに来ました。先ほど座禅の監督官をしていた女の子です。女の子「はぁはぁはぁ………。母屋の方に……、お客様が見えておられます!はぁはぁはぁ………。」ブルーアイ「何?お客?今、大事な所で手が放せん。帰ってもらうしかないな。ところで……、いったい誰が来たのか?」女の子「はい、アリス様とミルキー様です」ブルーアイ「うむ。では会おうか。」ズデッ!
2014.05.07
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ウイリアム「それにしてもここは本当に都心から少しだけ腫れた郊外ですか?まるで異次元空間に迷い込んだみたいです。」リチャード「本当に”森”の中に来たみたいに思えますね。」ウイリアム「まったく信じられません!こんな場所がこんな都会の中にあるとは?」ブルーアイ「うむ。ここから『不思議の国のアリスとニセアリス』や『森のクマさん物語』が生まれた。森の中のシーンはだいたいここで浮かんだ!」ウイリアム「なるほど!そうですか?」ウイリアム氏はなっとくしました。辺りは本当に奥深い森の中に来たような感じで、小鳥のさえずりさえ聞こえますし、清水の川が流れているような音も聞こえました。ブルーアイ氏は森のようになった急斜面の中に入って行きます。裸足で辺り一面にある落ち葉の中を足早に走って行きます。ブルーアイ「ほっ!ほっ!ほっ!」それはまるで森の中を天狗が走るように見えました。ウイリアム「あっ、監督!ちょっと待ってください!リチャード「ぜんぜん追いつけない!はぁはぁはぁ………。」一方、ウイリアム氏とリチャード氏はまったくその移動速度に追いつけず、息が切れました。そしてブルーアイ氏はなんと滝が流れている場所に着きました。辺りは岩肌であり、ここに落差30メートルはあろうかという本格的な滝がありました。水量もけっこうあります。そして滝の周りには深い水のたまり場がありました。その周りにある岩場でブルーアイ氏は立ち止まり、滝の流れを見つめました。ブルーアイ「……………………。」やがてウイリアム氏とリチャード氏もブルーアイ氏に追いつきました。ウイリアム「はぁはぁはぁ………。」リチャード「はぁはぁはぁ………。」ウイリアム氏とリチャード氏は息切れがパンパないです。ウイリアム「はぁはぁはぁ………。かっ、監督は息切れしないんですか?」ブルーアイ「うむ……、」ブルーアイ氏は静かに目を閉じています。また瞑想でしょうか?ウイリアム「アイデアの方は浮かびましたか?」ブルーアイ「ふう……………………。いや。」ウイリアム「すると…………、どうすればよろしいので?」ブルーアイ「他の方法でアイデアが浮かぶようにする。」ウイリアム「他の方法と言いますと?」ブルーアイ氏は岩の上を進み、滝のちょうど真下にある岩場まで行きました。そしてなんと滝に打たれました。ブルーアイ「かあああああああああああああつ!!」この滝は落差約30メートル。かなり激しい感じで水が身体に当たり、水しぶきが発生しています。ウイリアム「監督!これはいったい?」ブルーアイ「うむ、このようにしてアイデアが浮かぶのを待つのだ!!」ウイリアム「なんと?!!『不思議の国のアリスとニセアリス』のアイデアはこのような激しい修行の中から生まれたと?!」ブルーアイ「そうだ!」ウイリアム氏もリチャード氏もこれにはただただ驚いていました。ブルーアイ「はあああああああああああああああああああああああ!!」
2014.05.06
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ウイリアム氏はなんだかよくわからなかったので、その女の子のことを不思議に思いました。しかし見ると、ブルーアイ氏はすでに目を閉じて深い瞑想に入っていました。そこでウイリアム氏とリチャード氏も同じようにします。リチャード「……………………。」リチャード氏は雑念を捨て、瞑想の世界に入ることに成功したようです。しかしウイリアム氏は……、ウイリアム「(はあ~~~~~~~~。監督は次の新作のアイデアがまだ浮かばないんだ。するとスケジュール的にはきつくなるなあ。今の撮影スケジュールで大丈夫かなあ~~~?)」リチャード「……………………。」ウイリアム「(はあ~~~~~~~~。でも次の作品もまた大変だろうなあ。ニセアリスさんがまた何かトラブルを起こさなければいいけど。はあ~~~~~~~~。心配だなあ)」ウイリアム氏の方は雑念でいっぱいでした。いったん雑念が浮かびますと、次から次へと他の雑念も浮かんでくるのです。ウイリアム「(はあ~~~~~~~~。ウサ子さん……、はあ~~~~~~~~。ボクがこんなに想っているのに!ああ、切ないなあ!だって撮影がいそがしくて、撮影以外ではまったく会えないからなあ)」女の子「かああああああああああああああああつ!!」バシッ!ウイリアム氏は棒で肩を叩かれました。ウイリアム「あっ!痛い!本当に痛い!」ウイリアム氏はかなり慌てました。すると、瞑想の姿勢から微動だにしないブルーアイ氏が、目を閉じたままこう言いました。ブルーアイ「修行が足りんな。もっと集中すべし!」そこでウイリアム氏は姿勢を正し、また瞑想に入ります。ウイリアム「……………………。」しかし、人一倍心配性なウイリアム氏のこと、またしても邪心、いえ、心配事が浮かんで来ました。ウイリアム「(はあ~~~~~~~~。ウサ子さん。あのドラマに出演する前は普通に会えてたのになあ。今じゃ、会ってしゃべるのは撮影の時だけになっちゃった……、最初の頃の2人の関係は良かったなあ。あの頃の2人にはもう戻れないのかなあ?はあ~~~~~~~~。)」女の子「かああああああああああああああああつ!!」バシッ!ウイリアム「いでえええええええええええええええええええええ!!!」ブルーアイ「うむ、邪心を捨てるがよい!おぬしの頭の中は邪心でいっぱいのようだ。」確かにその通りだとウイリアム氏は思いました。そこで邪心を捨てるべく、再び瞑想に入りました。ウイリアム「むむむむむ……、」しかし、その後もウイリアム氏は集中出来ず、女の子「かああああああああああああああああつ!!」バシッ!女の子「かああああああああああああああああつ!!」女の子「かああああああああああああああああつ!!」女の子「かああああああああああああああああつ!!」パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!ウイリアム「いでえええええええええええええええええええええ!!!」そのためブルーアイ氏もけっきょく集中できませんでした。ブルーアイ氏は目をカッと見開きました。ブルーアイ「……………………。何も浮かばなかった!しからば……、」ブルーアイ氏は立ち上がりました。そして足早にその部屋を後にします。ウイリアム氏とリチャード氏も慌ててその後を追います。ブルーアイ氏が向かった先、それは建物から出て、すぐ裏手の方にありました。なんとこの辺りは木が生い茂った急斜面があり、それは”山”のようになっていました。ウイリアム「なんと!ここも敷地内なのですか?監督の私有地ですか?」ブルーアイ「うむ。修行に使っておる」
2014.05.05
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ウイリアム「へえ~~~~。するとあの原作はこのような修行の中から生まれたのですか?」ブルーアイ「そうだ!これは私独自のやり方ではあるが、こうすると良いアイデアが浮かんで来るのだ!」リチャード「なるほど!では今日は我々は監督に原作の作り方を教わりに来ましたので、ご教授願います!!」ブルーアイ「うむ。よろしい!私がどのようにして原作を創り出すか、たっぷりとお目にかけよう。その目でとくとご覧になるがいい!ただ、”見学”するだけでは今ひとつ真剣にはならないだろう。そこで私は今回この訓練を公開する一方で、その中で”本当に次の作品を書く”ことにしている。そのアイデアを生み出すのだ。今日は君たちもいっしょにその修行に参加したまえ!そして君たちも『不思議の国のアリスとニセアリス』の原作を生み出すのだ!」ウイリアム「はい。わかりました!」リチャード「わかりました!」ブルーアイ「ではこれから別の場所に移動して、そこでアイデアをねる!ついて来たまえ!」ウイリアム・リチャード「ははっ!」監督のブルーアイ氏に案内されて、ウイリアム氏とリチャード氏は敷地内をかけ足で移動します。そして母屋と言われる建物の中へ入りました。そこはまるで古いお寺のような感じでした。古さがある一方で、なんだか重厚さもあります。とにかくここはいくつもの建物が通路でつながっている感じです。そこである部屋に通されました。そこは木の板張りの床に、座禅を組むような場所があり、そこに硬いざぶとんが何枚も並んで敷かれていました。ウイリアム「監督、ここでいったい何を?」ブルーアイ「うむ。ここで今から”座禅”を組む。座禅を組み、瞑想を行う。そしてアイデアをねるのだ!」ウイリアム「座禅を組み、瞑想を?それでアイデアが生まれるのですか?」ブルーアイ「『不思議の国のアリスとニセアリス』はこのような修行の中から生み出された。君たちも身をもって体験したまえ!」そう言ってブルーアイはざぶとんの上に座ってあぐらをかきました。ウイリアム氏とリチャード氏それにならいます。するとそこに修行僧のような服装をした女の子が一人入ってきました。まるでミルキーみたいな身長です。その手にはよくテレビなどで見かける長い棒(警策)を持っていました。ウイリアム「監督!あちらの方は?」ブルーアイ氏は座禅を組み、目を閉じたままそれに答えます。ブルーアイ「うむ。彼女は私の協力者であり、私がこの”家”に来る前からここにすんでおられた方だ。ここではいつも彼女が座禅の監督を行う」ウイリアム「はあ。」
2014.05.04
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奥には広い敷地が開けていました。その敷地は石ころが敷きつめられ、その中に木造の建物が建っていました。石で出来たこま犬や灯籠などもありました。ウイリアム「やはりここは神社かお寺なのかなあ?」すると建物の裏手の方から柔道着を着た男性が、ランニングをするような感じで現れました。?「オッス!オッス!オッス!オッス!オッス!オッス!」男性は髪の毛が伸びて長髪になっていました。そしてヒゲを生やしていました。それはまるで仙人のような風貌でした。顔を見る限り誰だかわかりません。?「たあーーーーーーーーー!!」その男性はウイリアム氏とリチャード氏の前で立ち止まり、おもむろに拳撃を繰り返しました。?「たあ!!たあ!!」ウイリアム「あのう……、あなたはいったい?」?「よく参られたウイリアム殿、リチャード殿。待っていたぞ!」ウイリアム「え?え?!するとあなたは……、監督?」ブルーアイ「いかにも!」ウイリアム「え~~~~?!いったいどうしたんですか、そのかっこう???」ブルーアイ氏は撮影現場にいる風貌とはまったく変わっていました。目の前の人物があの撮影現場でいつも指示を飛ばしていた監督とは思えません。まるで山の中に住んでいるような風貌です。ブルーアイ「『不思議の国のアリスとニセアリス』の原作を書くためにいつもこうして修行している。このような修行をするとアイデアが出て来るのだ。私の創作スタイルはいつもこうだ。それに今、アイデアにつまっててね。次回作のアイデアがまだ出ない。そのアイデアを生み出すにはこういった修行を行う必要があるのだ」
2014.05.03
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----------------------------------------------------------------------------------------------------作者注:最初の投稿時に、番号の打ち間違いで1回分の文章が抜けてました。後半にそれを足しました。----------------------------------------------------------------------------------------------------リチャード「はい、みなさま、こんにちは。もうそろそろ夏が近づいて来ましたね。日中はかなり温かくなって来ました。外に出た時や外で作業する時には熱中症に充分お気を付けください。また日射しの強い日には水分補給をお忘れなく。……さて、本日は『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズの原作者兼総監督であるブルーアイ氏に密着します。ブルーアイ氏が『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズをいかにして生み出して来られたのか、そのドキュメンタリーをお届けします。」ウイリアム「ブルーアイ氏がいままで『不思議の国のアリスとニセアリス』の全ての原作を手がけられてきたわけですが、その原作がいったいどのようにして生み出されたのか、我々スタッフにも謎の部分がありました。と言いますのも、ブルーアイ氏は主にご自宅で原作を発案され、それをご自宅で原稿として書かれるのです。ですので私たちはその制作風景を直に見た事はありませでした。そこで今回はブルーアイ氏の制作現場であるご自宅にお邪魔する許可をただきました。またいかにしてあの『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズの原作を生み出しているのか、その過程を全て公開する許可も得ています。ですので今回はあの『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズの原作がいったいどのようにして生み出されたのか、そのメイキング映像をたっぷりとお届けします。」2015年6月5日、都内某所。リチャード「ええと、地図よるとこのどうやら辺らしい。監督がお住まいになられているのは。」ウイリアム「ここは都心から少し離れた郊外なんですが、意外と静かな所ですねえ。そして自然がけっこう多いです。木が生えている所がたくさんあります。都心から少し離れただけでこんな所があるなんて、本当に信じられません。家と家は密集しておらず、この辺はまるで田舎みたいな感じですねえ。」リチャード「○○○○○○番地○○○……、ちょうどこの辺りですね。」ウイリアム「すると……、あれですか?」その日、監督を訪ねたウイリアム氏とリチャード氏の目の前に巨大な建物が見えてきました。豪邸です。しかも普通の豪邸2つ分ぐらいの大きさがありそうな感じです。実に巨大で、それでいて非常に高級そうな建物です。リチャード「うそ?すげーーーー!でっけーーーーー!」ウイリアム「さすが監督ともなるとこういう豪邸に住めるんですねえ?」リチャード「あそこを見てください!敷地内にプールもあります!それも3個も!」ウイリアム「こっちにはテニスコートもある!それに敷地内の庭には人工の川が流れているようです。そこに野外の休憩所や小さなログハウスまで建てられてありますよ。まったく良い環境ですねえ!シナリオを書くには絶好の場所です!」そこへなんと真っ黒なリムジンがやって来ました。そして大きなガレージのシャッターが自動で開きます。グイイイイイイイイーーーーン!リチャード「たぶん監督が帰って来られたんでしょう!」ウイリアム「行ってみましょう!」ウイリアム氏とリチャード氏はかけ足でリムジンのそばまでやって行きました。リムジンは車庫に入る前にいったん止まりました。そしてドアが開きました。そこから下りて来たのは……、なんだかすごく太っている大男でした。まるでショーに出るようなハデなスーツを着てます。そして少し酒臭いです。どうやらリムジンの中で飲んでいたようです。つまり……、この方はブルーアイ氏とはまったくの別人でした。ウイリアム氏とリチャード氏はその場を立ち去りました。リチャード「おかしいなあ。地図がまちがっていたのかなあ?確かにこの辺りなんだけど。」先ほどの豪邸の横には森のようになった、木々が生い茂る場所があるだけです。ウイリアム「……………………。」よく見ますとその前には門があり、塀でその辺りが囲まれていました。でもそこに木々がおおいかぶさっていて、門も塀も良く見えなかったのです。そしてその奥には……、どうやら神社のような建物があるようです。ここの敷地はいったいどこまであるのかよくわかりませんが、どうやらその全体が塀で囲まれているようです。そして奥は広いスペースになっているようにも見え、そこに建つ建物は非常に古い木造のようでした。そしてよく見ますと、手前にはまるで神社の鳥居のような赤い物体が建っています。何気にそのぶっとい柱を見ますと、そこに表札がかかっており、書かれている名前を見ますと「青目」となっていました。ウイリアム「青目?は?まさかこれは……?」リチャード「あれ?すると……、こっちなの?監督のご自宅って……。」そこ以外には考えられません。周りには平地があるだけですから。ウイリアム氏とリチャード氏の2人はそこの門を開けて中に入ります。すると石を敷きつめて出来た細い道があり、その先に先ほど見た神社のような建物がありました。ウイリアム「はあ~~~~~~。いったいここは?」ウイリアム氏とリチャード氏はその石の道を通って奥へと進みます。まるで山の中に建てられた神社かお寺のように見えます。そこは都心から少し離れた場所とは思えないほど木々が生い茂っていました。
2014.05.02
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ブルーアイ「はい、カアッーーーーーート!!どうしたの?ウイちゃん!セリフ違うじゃん!」ウイリアム「すいません」ブルーアイ「どうしちゃったんだよ?!いつもはこんなNGなんか出さないじゃないの?!こんな単純なシーンでさあ!」ウイリアム「すいません」ブルーアイ「すいませんじゃないよ!いったいどうしたんだよ?体調悪いの?」ウイリアム「いえ、そんなことありません」ブルーアイ「じゃあ、後1回で取り終えたようよ!1テイクでさあ!できる?」ウイリアム「はい。できます」ブルーアイ「よっしゃ!ウイちゃんを信じて、後1回行くからね!」すると……、ウイリアム氏は小声でなにかボソボソと口ごもりました。ウイリアム氏は拳を握りしめながら独り言を言っているようです。ウイリアム「告白してやる!告白してやる!きっとウサ子さんに告白してやる!それも一生記憶に残るようなやり方じゃないとダメだ!勇気を出すんだウイリアム!ウサ子さんのことが真剣に好きなんだろ?今が残された最後のチャンスだ!」しかしその声はクレーン上にいるブルーアイ氏にはまったく聞こえません。その時です!マネージャー「あのう監督、ウサ子はこれで失礼させて頂きたいのですが?」ブルーアイ「え?」マネージャー「次の番組収録がありますので」ブルーアイ「え?え?」マネージャ「テレビのバラエティーの出演があるんです。”まんま御殿”に」ブルーアイ「え?でもあのう……、それじゃあ撮影が。」マネージャ「大変申し訳ないんですが、撮影は次回と言う事で。」そしてマネージャーはウイリアム氏をキッとにらみました。ウイリアム氏は何も言い返せません。ウイリアム「……………………。」ブルーアイ氏も撮影が遅れたのはウイリアム氏のNGのせいなのであまり強く言い返せませんでした。次の収録は他の会社の別番組です。その番組にウサ子さんが出演できないとなると、大きな問題が起こります。ここは黙って行かせるしかありませんでした。マネージャー「じゃあ、ウサ子ちゃん、次の収録場所へ向かうから!早くして!」ウサ子「でもマネージャー、ここの撮影は終わっていません!」マネージャー「そんなの後で撮り直しするから!今は次の収録が優先!撮影はその後!」ウサ子「でもその後って……、”まんま御殿”の収録が終わった後は、地方でライブがありますから。」マネージャー「とにかくそんなの後!撮影なんていつでもできるじゃない?それはスケジュールが空いた時でいいから!」ウサ子「でも……、」マネージャー「ウサ子ちゃんに取っては今が一番大切な時だよ!一生”売れっ子”で居続けられるか、”一発屋”で終わるか。これで決まるようなもんだから!」ウサ子「……………………。」けっきょくウサ子は何も言い返せませんでした。そしてなかば無理矢理マネージャーに連れて行かれました。ブルーアイ「……………………。」ウイリアム「ああ、ウサ子さん………、あなたはもう遠い世界に行ってしまったんだね…………。うう……、グスッ!グスッ!」その日の夜、ウイリアム氏は自宅で枕を涙で濡らしたらしいです。THE END
2014.05.01
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『桃ニセアリス』 撮影スタジオブルーアイ「ではこれからウサ子さんとウイリアムさんのシーン行きます!え?何?……………………。ウサ子さんがまだスタジオ入りしてない?え?アイドルだからいそがしい?まいったなあ、『桃ニセアリス』の放送以降、ウサ子さんはすっかり売れっ子になってしまった…。」ウイリアム「すみません、もすすぐ到着すると思いますので!すみません!」ブルーアイ「いやいや、助監督のあなたがあやまることないですよまあ、待ちましょう。ウサ子さんが到着しないと撮影できませんから。」しばらくして息を切らせながらウサ子がスタジオに入って来ました。ウサ子のマネージャーもいっしょです。ウサ子「すみません~~~~!遅れましたぁ!」ウサ子は素直にあやまりました。ウイリアム「はっ!ウサ子さん!」ウイリアム氏は0.1秒という素早さでウサ子の方を振り返りました。 ウサ子「すぐにメイクしてきますから!」そう言ってウサ子とマネージャーは共にメイク室の方にかけ足で向かいました。ウイリアム「……………………。」しばらくしてウサ子がメイク室から戻って来ました。完璧なメイクです。ウサ子は今ではすっかり人気アイドルの一員になっていました。今のウサ子はまるで宝石のようにキラキラ輝いて見えました。ウイリアム「……………………。」なんだかウイリアム氏の様子がおかしいです。いつもと違います。非常に真剣な眼差しでウサ子を見つめていました。ウイリアム「……………………。」その後、ウイリアム氏とウサ子はセットの中に入ります。ブルーアイ「じゃあ、鬼ガ島でのシーン行きます。ウイリアムさんが捕らわれていたウサ子さんを救い出します。そして2人が再会するシーンです。ウサ子さんは”まあ、あなたが助けてくれたのね?”のセリフ。それに対してウイリアムさんは”はい。ボクがあなたをお救いしました!”では、用意はいいですか?リハーサル行きます。はい!アクション!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ウサ子「まあ、あなたが助けてくれたのね?」ウイリアム「うう……、うう……、ううううううううう……、」ウサ子「あの……?」ウイリアム「ううううううううう……、」----------------------------------------------------------------------------------------------------ブルーアイ「はい、カッーーーーーート!!どうしたの?どうしたの?ウイちゃん!いつもの君らしくないじゃないの?NGなんかほとんど出したことないのに!セリフも出てこないじゃん!」ウイリアム「すいません、監督」ブルーアイ「すいませんじゃないよ!ウイちゃん。セリフなんていつもスラスラ出て来るじゃない?!じゃあ、もいっぺん行くよ!」ウイリアム「はい。お願いします。」ブルーアイ「はい!アクション!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ウサ子「まあ、あなたが助けてくれたのね?」ウイリアム「うう……、うう……、ううう……、実は……、ボクは以前からウサ子さんの事が…………。」----------------------------------------------------------------------------------------------------
2014.04.30
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そしてサンドバッグ相手にレッドゴブリン「とうとうとう!どりゃああああああああああああああああ!!!」ドカッ!ドス!ドカッ!ドス!ドス!ドス!ドス!ブルーゴブリン「でやああああああああああああ!てやてやてやあああああああああああああ!!」ドカッ!ドコッ!ボコッ!ドガア!ドコッ!サンドバッグは今にも破裂しそうです。ウイリアム氏とリチャード氏はビビりました。ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ニセアリスも少しビビってましたが、こう言い放ちました。ニセアリス「フン!あんなのがどうだと言うんだ?脳みそまで筋肉のヤツはいらん!必要なのは繊細な演技力だけだ!そしてアタシのような美貌!」ウイリアム「……………………。」ウイリアム氏は口をあんぐり開けて……、呆れていました。『桃ニセアリス』 本編撮影風ブルーアイ「はい!ミルキーさん、ニセアリスさん!リハーサル行きますから!ミルキーさんがカゴの中に閉じ込められているシーンです。それを桃ニセアリスがちょっとからかいます。ミルキーさんが閉じ込められているオリを鉄の棒でガンガン叩きます。ではいいですか?アクション!!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ミルキー「出して!ここから出して!」ニセアリス「ひひひひひひひひひ!」ガンガンガン!ミルキー「きゅあああああああああああああ!!」ニセアリス「ひひひひひひひひひ!」ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!----------------------------------------------------------------------------------------------------ブルーアイ「カァッーーーーーート!!ちょっといじめすぎなんだな。叩くのはもっと軽くで良いんだ!やり過ぎは良くない。もう少し押さえて!」ニセアリス「つい力が入ってしまうんだ。日頃の恨みで。」ミルキー「……………………。」ブルーアイ「いいからもう少し押さえてください。では今のテイクをもう一度!はい、アクション!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ミルキー「出して!ここから出して!」ニセアリス「ひひひひひひひひひ!ひひひひひひひひひ!あはははははあはははははは~~~~!」ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ガンガンガン!ミルキー「きゅあああああああああああああ!!」ニセアリス「ひひひひひひひひひ~~~~!!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ブルーアイ「はい!カァッーーーーーート!!ニセアリスさん、イメージ悪すぎです!」ニセアリス「なんだよ、それ?!!」ブルーアイ「そこまでやっちゃうとイメージが悪くなりますよ」ニセアリス「いったいどういうことだ?」するとすかさずミルキーが、さげすむような感じでこう言いました。ミルキー「わからんのか?つまり素の自分が出ているってことだよ!」ニセアリス「なんだと?ゴラア!!」
2014.04.29
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『桃ニセアリス』本編撮影スタジオ。女性「きゃああああああああああああ!ブルーゴブリン様あ!結婚してください!」女性「きゅああああああああああああああああああああああ!」ニセアリス「……………………。」ニセアリス「なんだよ、あれは?」ウイリアム「はあ、一般のファンの方たちです。ブルーレイを予約された方を招待したんですよ。”スタジオ見学”がブルーレイの予約特典だったんです。」ニセアリス「なんであっちの”端役の悪役ども”の所にだけファンは行くのか?」ウイリアム「さあ~~~~?あの2人が人気だからでしょうか?(サラリと)」ニセアリス「アタシが主役だろ?『桃ニセアリス』の?」ウイリアム「まあ、一応そういうことになってますが……、」女の子「レッドゴブリン様ああああああああああ!」女の子「きゃああああああああああああああああ!!」女の子「レッドゴブリン様、ハグしてください!」女の子「壁ドンお願いします!」ニセアリス「く~~~~うううううううううう!アタシが主役だあああああああああああああああああああああああああ!!」ウイリアム「大きな声を出さないでください。ファンの方たちがビックリされておられます!」ニセアリス「はぁはぁはぁ………。『桃ニセアリス』ではアタシが主役なんだあああああああああああああああ!!ヒロインなんだあああああああああああああああ!!」するとファンの女性たちが冷めた目でニセアリスの方を見ました。ウイリアム「(小声で)ちょっとちょっと、ニセアリスさん!そんなこと言うとまたイメージが悪くなりますよ。みなさん役どころのイメージで役者さんたちに会いに来ているワケですから。」ニセアリス「やかましいわーーーー!アタシを見ろーーー!アタシだけを見ろーーーーーー!!」女の子「何?あれは?」女の子「”桃太郎”じゃない?」女の子「桃太郎なんて大根役者。興味ない」ニセアリス「ぐおーーーーーーーーーーー!誰が”桃太郎”じゃい?!”桃ニセアリス”だあああああああああああ!間違えるんじゃないぞーーー!」ウイリアム「ニセアリスさん、ここは押さえて、押さえて!ファンの方たちとケンカしちゃいけません!それはこの業界のタブーです!」
2014.04.28
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ブルーゴブリン「当時は主に悪役とかチョイ役を探してらしたんですね。それでそのオーディションに行ったところ、面接の人たちがぼくらを見て”この作品はファンタジーです。筋肉はいりません”って言われたのを今でも覚えています。」ウイリアム「え~~~~、そうですか?これは驚きです!」レッドゴブリン「それでまあ、これは絶対受からないなと思って家に帰って、また料亭の皿洗いのバイトに戻ったんですね。それから2週間ぐらいしてからでしょうか?ブルーアイ監督から直で電話がかかって来て、”良いバイトがあるんだけど、やってみないか?”って言われて。」ウイリアム「そのバイトって言うのが悪役の鬼の役だったんですね?」ブルーゴブリン「そうです。」ウイリアム「当初、悪役を引き受けることに抵抗はありませんでしたか?」レッドゴブリン「まったくないですねえ。ぼくら貧乏でしたから仕事に選り好みできない状況でした。(笑)仕事があるだけでも嬉しかったです。」ブルーゴブリン「それに最初はチョイ役的な扱いでしたから。セリフもそんなになくて、”かかって来な!”とか”おぼえてろ!”とか”食っちまうぞ!”とかそんなものしかありませんでした。(笑)」レッドゴブリン「だから悪役を演じる事に抵抗はまったくありませんでした。たぶんあっと言う間にぼくらの出る分の撮影が終わって……、という認識しかありませんでした。」ウイリアム「ではそれから監督に気に入られて?」レッドゴブリン「そうですね。撮影を重ねるごとにセリフが追加されて行くんですよ。そして出番もどんどん増えて行きました。そして気付いたら重要な役どころになってたんですねえ。(笑)」ブルーゴブリン「そうそう。当初は”ぼくらいつ死ぬんだろう?”とか、”どんなやられ方をするんだろう?”とか、それぐらいしか考えてなかったですね。”悪役なので、突然やられて、それで終わり”って思ってました」ウイリアム「ではお二人の演技が監督に気に入られたということでしょうか?」ブルーゴブリン「まあ、そうでしょう。監督は直にはおっしゃらないのでよくわかりませんが。(笑)」ウイリアム「もしも今後『桃ニセアリス2』が出るとしたら、今度も鬼の役をやってみたいですか?」レッドゴブリン「鬼の役でも良いですけど、今度はヒーロー側の方をやってみたいですね。」ウイリアム「本日はどうもありがとうございました」
2014.04.27
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ウイリアム「ただいま、スタジオは異様とも言える雰囲気に包まれています。大変な熱気で、まるでコンサート会場に来たような雰囲気があります。女性たちのお目当てはレッドゴブリンさんとブルーゴブリンさんです。お二人は『ハンサムでありながらマッチョな役者さん』にもう5年連続で選ばれています。」ブルーゴブリン「押さないで!押さないで!一人ずつね!」女の子「きゃああああああああああああああああああああああ!」女の子「ブルーゴブリン様ああああああああああああああ!」ウイリアム「同社作品の『桃ニセアリス』や『南極ストーリー』では主に悪役を演じられたお2人ですが、女性たちにはアイドル並の人気があります」『桃ニセアリス』メイキングレッドゴブリン氏、ブルーゴブリン氏インタビュー。女性たちにもみくちゃにされるレッドゴブリン氏とブルーゴブリン氏。これでは本日予定されていた『桃ニセアリス』メイキングのインタビューを撮ることができないので、場所を変えて、控え室でメイキング映像の撮影となりました。ウイリアム「え~~~~、それではレッドゴブリンさんとブルーゴブリンさんのお2人にお越し頂きました。ではこれからお2人に作品についていろいろとお伺いしたいと思います。」レッドゴブリン「おっはーーーー!みなさん!レッドゴブリンです!」ブルーゴブリン「おっはーーーー!みなさん、おひさしぶり!ブルーゴブリンです!」ウイリアム「え~~~~、まずですねぇ、すでにご存じの方も多いと思いますが、実は最近、お二人は”お笑い芸人”としてもテレビ・ラジオ・インターネット配信などで活躍されています。え~~~~、お二人のコンビ名は?」レッドゴブリン「”ライザーレモン・エレキテル漁業共同組合”です!ブルーゴブリン「そしてボクが”ライザーレモン・エレキテル漁業共同組合 BG”、彼が”ライザーレモン・エレキテル漁業共同組合 RG”と言います。」ウイリアム「お二人はコンビでコントや漫才をやられているそうですね?」レッドゴブリン「はい、そうです。」ウイリアム「どうしてまたお笑い芸人を目指そうと?」レッドゴブリン「いやあ、ぼくら本当は学生時代からお笑い芸人を目指してたんですよ。」ウイリアム「え?役者志望じゃなかったんですか?」レッドゴブリン「ええ。ぜんぜん役者志望じゃ無かったですね。(笑)最初は芸人としてテレビに出るのが夢でしたから。でもこれが売れなくてねえ。(笑)」ブルーゴブリン「気持ち良いぐらいサッパリ売れませんでした。(笑)」ウイリアム「では最初からそのような赤鬼と青鬼のイメージで?」ブルーゴブリン「いえ、これはたくさんあるネタの中のひとつだったんですよ。だから別に赤鬼・青鬼だけじゃなく、たとえば”ウラシマタロウ”なんてのもネタにありました。ボクが”亀”をして、彼が”ウラシマタロウ”をするんです。」ウイリアム「え~~~~?それは意外ですね!」レッドゴブリン「だからぼくら別に赤鬼・青鬼のイメージに固執していたわけじゃないんです。」ブルーゴブリン「でもあの当時、ぼくらは全然売れない芸人なので食うに困って。芸人じゃなくて、普段は料亭の皿洗いのバイトをしてそれで食いつないでいました。」レッドゴブリン「それである日、『桃ニセアリス』っていう作品でバイト募集してたんで、そこに応募したんですよ。」
2014.04.26
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『桃ニセアリス』ブルーレイ・DVD発売記念。ブルーレイ・DVD特典映像 『桃ニセアリス』 メイキング都内某所『不思議の国のアリスとニセアリス』撮影所美術班撮影スタジオ(特撮スタジオ)そこには水をはった大きなプールが用意されていました。そのプールのかたわらには”波を発生する装置”や”風を起こす巨大な送風機”、あるいは”スモーク発生機”なども置かれていました。そしてそのプールの中に”漁業組合の男たちの大和”の模型が浮かんでいました。模型と言っても全長5メートルぐらいもある大きな物です。ニセアリス「あれ?これって全部CGじゃないの?」メイキング映像として、ニセアリスは美術スタッフの仕事を紹介するため、ウイリアム氏と共に特撮スタジオを訪れていました。ウイリアム「CGの部分も多いですが、このように遠景に”漁業組合の男たちの大和”が浮かんでいるシーンはミニチュアで撮ることもあるんです。その方がリアルな映像が撮れるんです。海の感じが実にリアルなります。」ニセアリス「ほう!」ウイリアム「模型の方も美術スタッフが精密に製作したモデルが使われます。なんと3Dプリンターを駆使して作ったものです。だから以前の時代のミニチュア製作に比べ、制作時間が格段に短縮されました。時代ですねえ!」ニセアリスはその”漁業組合の男たちの大和”の模型をそばにあった棒の先で突いてみました。チョイチョイ!ブクブクブクブクブクブク……、ウイリアム「あああ……!沈んだあ!大変だ!」タッキー「模型が水槽の中に沈んだぞ!」美術スタッフ「わああああああああああああああ!」『桃ニセアリス』 スタジオ見学会。ここは『桃ニセアリス』の本編撮影スタジオです。今、ここには巨大な鬼ガ島のセットが組まれていました。そしてそのスタジオにプロレスラーのような肉体を持つ役者さんが入って来ました。赤鬼(レッドゴブリン)役の”レッドゴブリン”さんと青鬼(ブルーゴブリン)役の”ブルーゴブリン”さんです。2人とも身長は軽く2メートルを越えていました。ウイリアム「実生活でのお2人はその悪役のイメージとは違って紳士です。そして今日は特別に見学を許された一般の方も大勢いらっしゃってます。そのほとんどが若い女性です。」女性「きゃああああああああああああ!レッドゴブリン様あ!」女の子「ブルーゴブリン様あ!こっち向いて!」女子高生「サインをお願いします!」学生「写真撮らせて!」レッドゴブリン「じゃあ、一人ずつ並んで!順番にね!」女性「きゃああああああああああああああああああ!!!」女性「きゃああああああああああああああああああ!!!」
2014.04.25
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ブルーアイ「はあ~~~~~~~~。なんだ、結局イタズラ電話だったな。最後には”建物に爆弾をしかけた”ってなんて言ってたけど。建物中探したが何も見つからなかった……、」タッキー氏も同じく疲れた表情で帰って来ました。タッキー「いやあ、まったく参りましたねぇ。やはりイタズラ電話ですよ。それに電話の相手は”録音”でした。あらかじめ録音しておいた物を私たちに聞かせたんです。」ブルーアイ「まあいい。この件はケーサツに連絡してくれ。後のことは彼らに任せよう。我々は一刻も早く撮影に戻らないと!あれ、みんなどうしたの?」すぐさまウイリアム氏が監督の所に飛んで来ました。ウイリアム「あの、監督!ミルキーさんがアサルトライフルで雪だるまを撃つシーンってありましたっけ?」ブルーアイ「はあ?アサルトライフル?」すると、それに気付いた謎の監督代行がすぐに逃げました!サササササササ!リチャード「あ~~~~!逃げたぞ!監督代行が逃げた!誰か捕まえて!」ブルーアイ「監督代行だって?なんだ、それは?」ウイリアム「じゃあ、監督代行って、あなたが頼んだものじゃないんですね?」ブルーアイ「知らないなあ?ところで……、問題児のニセアリスさんの姿が見えないが?」ミルキー「さては……?」リチャード「こんな感じでスタジオではいつもハプニングばかりです。『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズ制作の苦労がわかって頂けましたでしょうか?これで今回の特典メイキング映像を終わります。」THE END
2014.04.24
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監督代行「それとも……、監督に逆らうって言うのか?助監督くん?」ウイリアム「うう……、いえ。」監督代行「よろしい!では少し台本を変更する。まずは”人形”にアサルトライフルを持たせろ!」ウイリアム「アサルトライフですか?本作は子供向けファンタジーです。アサルトライフルはちょっと……、」監督代行「子供向けゲームでもアサルトライフルは登場するな?あん?」ウイリアム「はあ……、」監督代行「登場するな?!」ウイリアム「まあ、登場する物もあるかも知れませんが。」監督代行「道具係!!」インコ「はいはい、ただいま!」ウイリアム「あれ?タッキーさんは?」インコ「アサルトライフルをお持ちしましたあ!」監督代行「ではそれを悪役どもに渡して!」ミルキー「あっ”悪役ども”???」するとインコは不敵な笑いを浮かべつつ、ミルキーにアサルトライフルを手渡しました。ズシッ!ミルキー「え~~~~?何これえ?超重いんだけど?!こんなの持てないよ!聞いてな~~~い!」ウイリアム「待ってください!こんなシーンは原作にはなかったはずです!」監督代行「監督の意向だ。少しばかり路線を変更する。」リチャード「少しばかりって……、これじゃ大幅変更もいいところだ!」監督代行「いや。大筋では変更しない。ちょっとばかり映像にアクセントを付けるだけだ。」リチャード「アクセントって?それじゃあ何もアサルトライフルなんか使わなくても!他の方法でアクセントを出せばいいじゃありませんか?」ウイリアム「それにこのシーンは後のシーンとどう整合性が取れるんですか?たぶんつじつまが合わなくなると思いますよ。」監督代行「いちいち、やかましーーーーーわ!!」ウイリアム「なんと?!スタッフに向かって”やかましい”ですって?!」監督代行「監督の言う事は絶対だ!逆らうなら……、今すぐ降板させるぞ!」ウイリアム「くくくく!」監督代行「じゃあ、シーン行くぞ!雪だるまの軍勢が雪原から侵攻して来る。それを”人形”がアサルトライフルで向かえ撃つ!」リチャード「待ってください!それっていったい何のシーンですか?」監督代行「”人形”の心の奥底に潜む残虐性を表すシーンだ!」ミルキー「ひえええええ~~~~!ミルキータン、そんなことしないよぉ!」監督代行「雪だるまたちは撃たれてコナゴナになる!しかし大丈夫、それは全部CGだ!」ミルキー「ミルキータン、CGだってそんなことしないモン!」監督代行「いいから撃て!血も涙もいらない!雪だるまヤロウを撃ちつくすんだ!オマエの本性を見せろ!」ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ウイリアム氏とリチャード氏が「なんだかおかしいな?」と感じた時、監督のブルーアイ氏がすごく疲れた表情でスタジオに戻って来ました。
2014.04.23
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タッキー「そっ、それが……、よくわからないんですよ、私では。相手の方が何を言っておられるのかさっぱりです!でも相手の方はそうとうあわてたご様子です。申し訳ありませんが、監督の方で直接相手の方に聞いてもらえませんか?電話はここの事務所にかかってます。」ブルーアイ「しかたないなあ…。じゃあ、悪いけどみんなちょっと待たせといて。すぐ戻るから。」ウイリアム「わかりました」監督のブルーアイ氏はゴンドラを降り、タッキー氏と共に現場を離れました。ウイリアム「……………………。」リチャード「……………………。」ミルキーは「これで撮影は中断かな?」と思いました。すると、入れ替わりにでっかいサングラスを付けたなんだかよくわからない人物がスタジオに入って来ました。その人物の服装は、オーバーオール。ストライブの入った長袖のシャツ。頭には大きな野球帽。手には黄色いメガフォン。そして、でっかいサングラスと深くかぶった帽子のせいで顔はわかりませんでした。ウイリアム「誰ですか?あなたは?」撮影現場にはよく不審者が入って来るのです。ファンの人とか雑誌社の人とか。中には撮影用機材を盗みに来る人だっています。ウイリアム「ここはスタジオです!関係者以外は立ち入り禁止です!まず身分を明かしてください!」?「イエ~~~~イ!アタシは”臨時監督”だよ!ヨロシク!」そう言ってその謎の人物が手でシャ!と敬礼するようなポーズを取りました。ウイリアム「ええ?!りっ、臨時監督?」?「そうだ”!今から”監督代行”だ!撮影を任された!」ウイリアム「え?監督代行?でも監督からは何も聞いておりませんが?」監督代行「そのブルーアイ監督から監督代行を直接任されたんだよ!さっそく撮影に入るぞ!」ウイリアム「いや、しかし……、撮影と言いましても……、」監督代行「チミはいったい現場を何年やってるんだ?このシーンを早く撮り終えないと後のスケジュールに支障が出る!納期までに間に合わなくなるぞ!」ウイリアム「いや、でも……、」監督代行「でももへったくれもない!!期限が迫っているからこそブルーアイ監督から監督代行を任されたんだよ!さっそく撮影に入るぞ!」ウイリアム「でも……、」監督代行「チミは”助監督”に過ぎない。監督の命令には従うのが助監督だ。アタシは”監督代行”、つまりブルーアイ氏がいない時はアタシが”監督”だ!チミはアタシの命令に従わなくてはならない」ウイリアム「はあ。」なんだかその監督代行というのは、言葉や態度が芝居がかっているように見えました。監督代行「でないと今すぐ助監督を解任するぞ!」ウイリアム「……………………。わかりました。ではご指示を」監督代行「よろしい!最初からそう言えばいいんだよ!これからはニセアリス嬢を主役とする!」ウイリアム「え?ちょっと待ってください!」監督代行「”人形”のヤツは……、まあ”悪役扱い”だ!」ウイリアム「そっ、そんなあ?!」
2014.04.22
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ウイリアム「アリスさんとミルキーさんが『枕ウォーズ』の主役なんです。悪役のニセアリスさんは後の方でまとめて撮影しますから」ニセアリス「なんだと?”悪役”だあ?今、”悪役”つったか?!」ウイリアム「いえ、まあ、そのう……、今回に限り”悪役扱い”ということで。」ニセアリス「”悪役扱い”???なんでアタシが悪役なんだよ?!」ものすごく大きな声を上げるニセアリス嬢。顔が真っ赤です。はげしく興奮しています。ちなみに劇中のニセアリスは顔を真っ赤にして興奮することはほとんどありません。クレーン上のゴンドラからその様子を見ていたブルーアイ氏。ブルーアイ「……………………。」でもこのやり取りはいつものことなのできれいさっぱり無視して、そこから指示を出します。ブルーアイ「じゃあ!アリスさん、ミルキーさん、リハーサル行きます!」それを聞いたニセアリス嬢、振り返り、監督のブルーアイ氏をにらみつけます。ニセアリス「ジーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」しかしブルーアイ氏はカメラからの映像をモニターで見ています。そこにはアリス、ミルキーが映っているのみです。ニセアリスはまた無視されました。ニセアリス「ぐおおおおおおおおおおおお!!!!!」大きなうめき声を上げるニセアリス嬢。ウイリアム「(あちゃ~~~~!こりゃなんかマズイ展開だなあ?)」心配するウイリアム氏。ブルーアイ「ではミルキーちゃんから演技お願いします。枕を投げてください!」ミルキー「はあい、かんとく!えい!」ボム!まるで始球式をする女の子のようです。枕はまったく前に飛ばず、ミルキーの1メートル手前に落ちました。ミルキー「あ~~~~あ!」ブルーアイ「あ~~~~!いいよ、いいよ!そんな感じで!かわいく撮れてる!」ミルキー「そうかなあ?」ブルーアイ「それに枕は全てCGで飛ばせますから、飛ばなくても気にしなくていいよ!」アリス「良かったですねえ、ミルキーさん。この枕、投げてもあんまり飛びませんから」ミルキー「うん。でもこれでミルキータン、表情の演技に集中できるよ!」撮影はものすごく楽しそうです。それを見ていたニセアリス嬢は…、ニセアリス「ぐああああああああああああああああああああああああああああ!!」奇声を発してスタジオから飛び出しました。ウイリアム「……………………。まあ、いいか。嵐は去った。」ところが、しばらくしてから大道具の係のタッキー氏が血相を変えてスタジオに飛び込んで来ました。タッキー「監督!お電話が入ってます!」ブルーアイ「え?今いそがしいんだけど?」タッキー「とても大事な用件だそうで。至急とのことです」ブルーアイ「誰から?」
2014.04.21
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ブルーアイ「ではこのシーンではみなさんに枕投げによる雪合戦をしていただきます。まずアリスさん、ミルキーさんが雪原で枕を投げるシーンを集中して撮ります」ミルキー「ここが雪原?割と狭いんだけど?」ウイリアム「スタジオですからしかたありません。いくら広いスタジオを使用しましても南極の大雪原のようにはなりません。ですが、作品中ではここは広大な南極の雪原になります。後はまたブルースクリーンでCG合成されます。」ミルキー「ひゃあああああああああああ!今回も合成なの?」ブルーアイ「はい!それじゃ大道具の係の人!人工雪を降らせて!!」タッキー「わかりました!」タッキー氏が特殊な装置を操作しますと、セットの中にチラチラと小雪が降り始めました。ミルキー「わあ!アリスタン、見て!雪だよ!」アリス「ええ、本物の雪ですね、ミルキーさん」ミルキー「きれいだなあ。でもこのスタジオを出ると、外は”夏”だけど」アリス「まあ、それを言うと雰囲気が出ませんわ、ミルキーさん!」ブルーアイ「そうです。ここはあくまで南極なんです!それを忘れないように!」ミルキー「ねえ、アリスタン、寒いよ!帰りにラーメン食べたい!」アリス「確か、撮影が終わったらここで温かいおそばが出ると聞いています」ミルキー「それ早く食べたいなあ!」アリスとミルキーは撮影の合間におしゃべりをしていました。とても楽しそうです。それをはたから見ていたニセアリス嬢……、ニセアリス「……………………。」ふてくされたような態度と表情でした。おもしろくないようです。ミルキー「アリスタン!見て見て!ほら!本当に雪でかたまりが作れるよ!雪だるまもできるね!」アリス「ええ、そうですね。」ミルキー「キャア!キャ!キャ!♪~~」ニセアリス「……………………。」ニセアリスは助監督のウイリアムを大声で呼びました。ニセアリス「おーーーい!助監督!助監督!」しかしそんな事には慣れている助監督、基本無視です。ウイリアム「で、そこの部分に”堀”があるから!そう、コートの外にグルリとね。ここはそういう設定なの。でも現場では堀は掘れないから後でCGで付ける。」リチャード「わかりました」ニセアリス「お~~~~い!助監督!おーーーい!おーーーい!」ウイリアム「じゃあ、雪だるま役の子役の人を呼んでください。雪だるまは後で全てCGに置き換えますから。」リチャード「わかりました。」ニセアリス「ゴラア!助監督!さっきから呼んでるだろ?コノヤローーー!」ウイリアム「いったいなんですか?」ニセアリス「アタシの出番はまだか?」
2014.04.20
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ニセアリス「いいから!アタシを出演させろ!そうすれば間違いなく売れる!売れるとわかっている作品には予算が下りるはずだ!」ウイリアム「いいえ、そんなのシナリオにありません!ニセアリスさんが新たに出る予定はないんです。(キッパリ)」ニセアリス「なんだとおーーー?!!」スタジオ内に入って来た監督のブルーアイ氏。険悪なムードが流れていたのにすぐ気付きました。ブルーアイ「はっ?!」そして険悪なムードが漂う方向に行ってみます。ブルーアイ「ちょっとちょっと!そこで何やってるの?」ウイリアム「はあ、スタジオ入りしたニセアリスさんがこのシーンに出演させろと。」ブルーアイ「え~~~~?!何言ってるの?ニセアリスさんは『森のクマさん物語』や『南極ストーリー』ではあまり出番はないんですよ!」ニセアリス「なんだよ?その言い方は?!そもそも『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズはアタシの知名度におぶさって始まったものじゃないか?」ウイリアム「また始まった。(ぼそっ!)」ニセアリス「そこ!何か言ったか?」ウイリアム「いえ!(ブイッ!)」ブルーアイ「はあ~~~~~~~~。ニセアリスさんは今度特典DVDで『桃ニセアリス』のメイキングが出ますから!そこでは”主役”ですから。」ニセアリス「チェッ!なんだよ?言う事はそれだけかよ?けっきょくアタシはお払い箱なんだ?!今じゃ、ジャマ者扱いだよ!ああ、『桃ニセアリス』の時はヒロイン扱いだったのに!あ~~~~!わかった!わかった!ここはそおいう人間たちの集まりなんだ!あ~~~~、わかった!人生勉強になるねえ!」ウイリアム「……………………。」ニセアリス「アタシはここでイスに座っておとなしく見学でもしてろってか?」ブルーアイ「ふう~~~~。」DVD特典映像 『南極ストーリー』メイキング都内某撮影スタジオ。今日は『南極ストーリー 枕ウォーズ』のシーンの撮影をしていました。アリスとミルキーが南極の平原にいました。ミルキー「アリスタン、ここ滑るぅ!」リチャード「しかし、ここは実は本物の南極ではないのです。本物の南極なんて環境が厳しすぎますし、遠すぎますので、とてもじゃないけど通常シーンの撮影のためだけには行けません。それに行くには砕氷船や飛行機が必要です。そんな厳しい環境では撮影自体もままなりません。だいいち撮影機材を南極に運び込むのさえ難しいです。また、役者さんたちが演じるには危険過ぎる場所でもあります。ですので本作ではスタジオの中に南極を再現し、ほとんどがそこで撮影されました。セットの中は比較的低温にされ、本物の氷がはっていました。しかし実は都内での撮影ですので、過酷な撮影が終われば、すぐに家に帰れるという環境でした。それは役者さんたちやスタッフにとってはとてもありがたい事だったのです。」
2014.04.19
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DVD特典映像 『森のクマさん物語 南極編』メイキング都内某撮影スタジオ。ニセアリス「はあ~~~~。こんな正月から撮影かよ。寒いなあ~~~~。寒っ!」ウイリアム「ニセアリスさんは『森のクマさん物語 南極編』本編でのカットはありませんので、すぐに終わりますよ!」ニセアリス「何だと?今の言い方はなんだ?アタシに対する当てつけか?」ウイリアム「いえ、けっしてそのようなつもりでは……、」ニセアリス「『森のクマさん物語 南極編』や『南極ストーリー』じゃどうしてアタシがヒロインじゃないんだ?どうしてアタシの出番が少ないんだ?」ウイリアム「え~~~~、ですから南極ストーリーではニセアリスさんが出るような要素が少ないんですよ。」ニセアリス「なんだとーーー?!!」ウイリアム「ストーリー上、それはしかたのないことです!」その時、一際大柄な役者さんがスタジオに入って来ました。その方はあの世界的有名俳優の”あーのるどしゅわるつねっがー”氏よりもさらに大柄でした。それは『森のクマさん物語』でクマさんや白クマさんを演じた”クマ”さんです。実はクマさんはクマさん役と白クマさん役の2役を演じていました。『森のクマさん物語 南極編』は『不思議の国のアリスとニセアリス』と『南極ストーリー』とも世界観がつながっている作品です。スタジオにはその『森のクマさん物語 南極編』で活躍するメカニックの”特殊装甲車”のコクピットのセットが組まれていました。当然実物大です。さらにこのセットにはシミュレーション機能もついており、セットを傾けたり、振動させたりも出来ます。今回はリチャード氏が役者としてセットに入ります。『森のクマさん物語 南極編』では白クマさんが物語の主役ですが、リチャード氏が演じた役どころも準主役級でした。クマ「いやあ、このセットは本格的ですねえ。ボクはホントはSF映画に出たかったんですよ」クマさんは役柄同様、本当にマニアックな方でした。ニセアリス「おい!このシーン、アタシが出た方がいいんじゃないのか?」”見学扱い”のニセアリス嬢が横からちゃちゃを入れます。ウイリアム「そんなのシナリオにありませんよ!だいいち、このシーンはクマさんとリチャード氏が特殊装甲車で出発するシーンです」ニセアリス「その特殊装甲車って実物はどこにあるんだ?」ウイリアム「このコクピットのセット以外にですか?後は全部CGの予定です。背景に使う部分ぐらいは実物大セットとして作るかもしれませんが。この作品は非常に予算を食ってるんです。なかなか他に予算を回せません。実物大の車両を作っている余裕はないんです。」
2014.04.18
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ウイリアム「ではセリフなんですが、ニセアリスさんが”なんだよ、これは?食っていいのか?”。それに対してアリスさんが、”本当に食べられるのかしら?危険じゃないのかしら?”と言います。その後、ニセアリスがドーナツに手を伸ばし、”食えばわかる”と言います。」ブルーアイ「では用意はいいですか?はい!アクション!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ニセアリス「ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!うん!このドーナツいける!いける!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!」---------------------------------------------------------------------------------------------------- ブルーアイ「ダメダメダメダメ!カッーーーーーーーーート!ダメじゃない!ニセアリスさん!しょっぱなから食べちゃ!それにセリフはどーしたの?!」ニセアリス「ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!うめえ!うめ!手が止まらん!」ウイリアム「ダメですよ!ニセアリスさん!そんなに食べちゃ!本番撮影用のがなくなちゃうじゃありませんか?」ニセアリス「腹へってたんだ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!かたいこと言うな!」ウイリアム「ダメです!これ以上食べないでください!」ニセアリス「よこせ!」ウイリアム「これはお芝居用の物なんです!3時のおやつとは違うんですよ!」ニセアリス「いいからよこせ!」ブルーアイ「あああああ!もうムチャクチャだあ!」リチャード「だから、あの女優さんを使い続けるのは無理なんですよ。」ニセアリス「ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!ガツガツガツガツ!!」アリス「……………………。」THE END
2014.04.17
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ウイリアム氏が他の役者さんたちを呼びに行きました。そしてスタジオの片隅にイスを並べてインタビューが始まりました。ウイリアム「ではみなさん!ただいまより特典DVDに入れるインタビューを撮影します」アリス、ミルキー、由美、リチャードがイスに座っていました。ウイリアム「えーーとですね。では本作の撮影についてこれからいろいろお聞きしていこうと思います」すると、それをあざとく見つけるニセアリス。ニセアリス「おい!そこ!何やってるんだ?このアタシは?アタシはメインキャストじゃないか?このアタシにインタビューしないのか?え?」ニセアリスは顔を真っ赤にしてすごく興奮しています。えらい剣幕です。ブルーアイ「あ~~~~、あのニセアリスさん、これはあのーーー、あのですねえ。これにはワケが……、」ニセアリス「なんだよ?そのワケってのは?」ブルーアイ「え~~~~と、実は、次のお菓子を食べるシーンで使うお菓子が出来上がっています。ちょっとだけ食べて見てくれませんか?テストです。」ニセアリス「なんだと?」ブルーアイ「ささっ!こちらへ!」食い意地がはっているニセアリスはすぐについて行きました。ニセアリスという人は食べ物に弱いです。監督のブルーアイ氏の対応も手慣れたものです。ウイリアム「えーー、ではジャマが入らなくなったところで……、さっそくインタービューに移りたいと思います。ではまずアリスさんからお聞きしていきます。今回の作品では……、」ミルキー「えーーー?”インタビュー”ってなに?」アリスの発言する番なのに、ミルキーが質問をしました。これは実は掟破りの行為です。この世界ではやってはいけないことなのです。でもミルキーはまだ子供ですからわからなくてもしかたありません。ウイリアム「あーーー、あのうミルキーさん。順番に聞いて行きますから。ミルキーさんの番になったらお答えします。」ミルキー「え~~~~?ミルキータン、よくわからないんだけど?これの台本は?もらってないよ」ウイリアム「え?インタビューに台本はありませんよ」ミルキー「台本がなくてどうやってしゃべるの?」ウイリアム「えーーーと、ですね。インタビューというものは自分で考えてしゃべるものなんです」ミルキー「え~~~~?!」その後もミルキーにインタビューの説明をするだけでたっぷり時間を取られました。けっきょく1時間のブレイクタイムではインタビューがあまり撮れず、次のシーンに行くことになりました。ブルーアイ「では次のシーンは不思議の国のとある喫茶店でアリスさんとニセアリスさんがお菓子を食べるシーンです」ニセアリスも帰って来てすでにセット入りしています。そこはメルヘンチックな喫茶店の中です。まさにおとぎの世界の中に来たようです。その喫茶店のセットの中央にあるテーブルにアリスとニセアリスが座って待機していました。そこへウイリアム氏が台本を持って行き、アリスとニセアリスにセリフの確認をします。
2014.04.16
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---------------------------------------------------------------------------------------------------ウイリアム「あっ、あれが女王のお城?!」ニセアリス「早く進めよ!」ウイリアム「でも………、絶壁があって……、怖くて……、」ニセアリス「早く、行けよ!」ドカッ!ドコッ!ボコッ!ボキッ!ウイリアム「うわああああああああああああ!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ブルーアイ「ダメダメダメ!カッーーーーート!!ニセアリスさん!何やってるの?!」ニセアリス「なんかムカついた!」ブルーアイ「あちゃ~~~~。ダメだよ!けっちゃ!これはお芝居なんだから!本当にけっちゃダメですよ!」ニセアリス「アタシはリアル志向だと……、」その時、ミルキーが間髪を入れず、ミルキー「ちっ!ダメなヤツ!(ぼそっ!)」と、聞こえるような小声で言いました。ニセアリス「なんだと?」ミルキー「……………………。」ニセアリス「……………………。」目に見えぬ火花がちりました。なんだか険悪なムードです。そこで監督がすかさず休憩を入れます。ブルーアイ「はい!コーヒーブレイク!今から1時間ブレイクタイムとしますから!はあ~~~~~~~~。」由美「なんだよ?またかよ?あの2人いっつも何やってるんだ?」ウイリアム氏がセットから出てブルーアイ氏の所にかけよります。そして、ヒソヒソ声で話します。リチャード氏もそこにいます。リチャード「ダメですねえ、あのニセアリスという女優さん。いつもトラブルを巻き起こします。」ブルーアイ「かなわんなあ。」リチャード「これ以上あの女優さんを使い続けるのは困難ですね。性格に問題があります。」ウイリアム「しかし、だからと言っていまさら配役を変えるのも不可能でしょう。確かに彼女は『桃ニセアリス』という作品では一定の評価があります。」ブルーアイ「まあいい、今はとりあえずコーヒータイムだ。気分を落ち着かせよう。この問題は根が深い。後で我々だけでこの問題について会議を行う。」ウイリアム氏とリチャード氏がうなずきました。ブルーアイ「そしてすまないけど、この間に特典DVDに付ける映像を先に撮影しましょう。”インタビュー”です。至急数人集めて。」ウイリアム「ではアリスさん、ミルキーさん、由美さん、そして演出のリチャードさんを。」
2014.04.15
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タッキー「はいはいはい!ただいま!ただいま!」ブルーアイ「大道具は”タッキー夫妻”がやっています。お2人は以前のシーズンではタッキーとミッチー役で出演されていました。」タッキーとミッチーは2人で素早くウイリアム氏の身体にワイヤーアクション用のワイヤーを取り付けました。タッキー「はい、OKです!」ブルーアイ「じゃあワイヤー付けましたから!これでセットから落っこちる心配はありません。じゃあ今のテイク、もう一度行きます!はい!アクション!」---------------------------------------------------------------------------------------------------ウイリアム「あっ、あれが女王のお城?!」ニセアリス「早く進めよ!」ウイリアム「でも………、絶壁があって……、怖くて……、ブルブルブル~~~。」ニセアリス「早く、行けよ!」ドコッ!ウイリアム「うわああああああああああああ!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ブルーアイ「はい、カッーーート!!どうしたの?どうしたの?ニセアリスさん、そこ、けらなくていいですから!押すだけですよ!押すフリ!けっちゃダメですよ!」ニセアリス「けった方が画面にアクセントが出るんだよ!」ブルーアイ「そこはそんなに大げさにしなくていいですから!もう少し表現を押さえてください」ニセアリス「いや、できないなあ!」ミルキー「まったくもー!何年やってんだよ!この大根役者が!(ぼそっ!)」するとニセアリスはミルキーの方をにらみます。ニセアリス「……………………。今なんかつった?」ブルーアイ「あーーーーー、また始まっちゃった!そこ!ケンカしないでください!もう1回行きますから!やり直しです!ウイリアムさん、表情は押さえて!そこでそんなに驚く顔しなくていいですから。ニセアリスさん、絶対けらないでください!はい、いいですか?じゃあ、アクション!」
2014.04.14
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指示された方向には巨大なブルースクリーンがあるだけです。ブルーアイ「女王のお城は後でCGで合成しますから。」ミルキー「え~~~~?」ブルーアイ「セットは手前の岩と吊り橋の先の方だけですよ。後は全てCG合成します」ミルキー「え~~~~!何も無いんじゃ雰囲気出ないよ!」ブルーアイ「後はミルキーさんの演技力でおぎなってください!」ミルキー「ええ~~~~?!」ウイリアム「最近はCG合成が主流ですから。何もないブルースクリーンをバックに演技することも多くなりましたねえ」ブルーアイ氏はクレーンの上に取り付けられたカメラがあるゴンドラの中に入ります。ブルーアイ「はい、ではカメラテストを兼ねたリハーサル行きます!ではウイリアム氏が最初に吊り橋を渡ろうとしますが、下を見て、その高さが恐くて足がすくみます。そこをニセアリス嬢がウイリアム氏の背中を足で押し出すシーンです。」ウイリアム氏とニセアリス嬢が真剣に説明を聞いています。ブルーアイ「用意はいいですか?」ニセアリス「OK!」ブルーアイ「では、アクション!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ウイリアム「あっ、あれが女王のお城?!」ニセアリス「早く進めよ!」ウイリアム「でも………、絶壁があって……、怖くて……、ブルブルブル~~~。」ニセアリス「早く、行けよ!」グリグリグリ!ウイリアム「うわああああああああああああ!」----------------------------------------------------------------------------------------------------ブルーアイ「はい、カッーーート!ウイリアムさん、どうしたの?そこ、そんなに大声出さなくてもいいよ!ちょっと演技がオーバー過ぎる。」ウイリアム「だってニセアリスさん、ホントに靴底で押すんだもの!」ブルーアイ「ニセアリスさん、ダメじゃない。本当に押しちゃ!フリだけしてください!押すフリだけ。」ニセアリス「アタシはリアル思考の演技派だ。演技も常にリアルなんだよ。」ブルーアイ「だけどそれだと他の役者さんがケガしちゃうから。フリだけしてください」ニセアリス「だったら”吊り”で行けばいい!ワイヤーをかけろ!」ブルーアイ「しかたない!大道具の係の人!ワイヤーを用意してください!」
2014.04.13
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ウイリアム「……………………。ニセアリス嬢があんなこと言うのはいつものことなのです。けれどこの作品はひとえにアリスさんの演技力と知名度で……、」ニセアリス「そこ!なんか言ったか?!」ウイリアム「いえ……、」それからもぞくぞくと役者さんたちがスタジオにやって来ます。ブルーアイ「あっ、演出兼役者のリチャード氏がやって来ました。彼は演出のかたわら『不思議の国のアリスとニセアリス』のスピンオフ作品である『南極ストーリー』にも主演で出演しています。特に『南極ストーリー』は独自の世界観を持ち、かなりの好評を博した作品です。」リチャード「どうもーーーー、みなさん!”リチャード”です。南極ストーリーではコウテイペンギンのリチャードを演じてます!」ウイリアム「いやあ、リチャード氏の演技は最高でした。非常に評価が高いです。」リチャード「いやあ、それほどでも」ウイリアム「あっ、女子恒星役の”女子高生”さんが入ってこられました。彼女は出演回数こそ少ないですが、実は本作の脚本を担当されてます。」ブルーアイ「原作は私が書きます。それを脚色して脚本化するのが彼女の仕事です」由美「カントクーーー!そろそろ本番行こうよ!待ちくたびれちゃたーーーー!」ブルーアイ「わかりました!じゃあ、シーン 43-5用意して!2スタで取りますから!」第2スタジオここ、第2スタジオでは『不思議の国のアリスとニセアリス』の撮影準備が進められていました。準備が整うまでは役者さんたちはスタジオのすみに用意されたイスにこしかけ台本に目を通しています。スタジオには巨大な岩のセットが組まれていました。ブルーアイ「では”女王のお城が背後に見えるシーン”行きます!」セットにスモークがたかれました。いよいよ役者さんたちがセットの中に入ります。ミルキー嬢がセットに入りました。このセットに入るのは初めてです。断崖絶壁の上の方の部分だけ作ってあります。ですがセットとはいえ、床とは2メートル近い高低差があります。ミルキー「きゃああああああああああ!恐いよ~~~~!」アリス「大丈夫ですよ、ミルキーさん。これはセットですから。ちゃんと下にはクッションが置かれていますよ」助監督のウイリアム氏は今回のシーンでは出演しますので、代わりにリチャード氏が助監督兼演出としてメガホンを取ります。リチャード「では奥の方に”女王のお城”がありますから。みなさんあの辺を見てください。あの辺りです。」ミルキー「え?何もないよ?」
2014.04.12
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DVD特典映像 『不思議の国のアリスとニセアリス』メイキング2015年、都内某所撮影スタジオ。ブルーアイ「はい、みなさん、こんにちは。初めまして。私の名前は”ブルーアイ”です。今日は『不思議の国のアリスとニセアリス』がどのようにして制作されているかみなさんにご紹介しましょう。その裏側を全て見せます!私は『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズでは原作と総監督を担当しています。そしてこちらが助監督兼出演者のウイリアム氏ですなお、ウイリアム氏は助監督としてもそうですが、俳優さんたちのまとめ役でもあります。役者さんたちのリーダー兼マネージャーですね」ウイリアム「どうも、みなさん、こんにちは。『不思議の国のアリスとニセアリス』シリーズを見てくださってありがとうございます。シーズン1から同シリーズに出演してます”ウイリアム”です。役名は”ウサギのウイリアム”です。どうぞよろしく」ブルーアイ「彼はウサギのウイリアムとしても、『不思議の国のアリスとニセアリス』全シリーズに出演しています。初期メンバーであり、ずっと長く出演されている人でもあります。また役者と助監督を兼任するのはかなり大変なのですが、がんばってやってもらってます。おかげでこちらとしてはおおいに助かってます」?「おはようございます」ブルーアイ「あっ、今スタジオに入ってこられた方がアリス役の女優”アリス”さんです。あの方もシーズン1からずっとやってもらってます。あの方が本シリーズのヒロインです。」アリスは大きなサングラスにスカーフを付けて顔を隠してました。服装はアメリカ風の白くて薄いコートを着ていました。いつもあまり目立たない服装でスタジオ入りします。その後すぐにミルキー役の子役の”ミルキー”嬢が入って来ました。いつもアリスに連れられて入って来ます。ミルキー「はあい!監督!」ブルーアイ「はい、おはよう、ミルキーちゃん、今日も元気だね!」ウイリアム「役者さんたちはこれからメイク室に入って軽くメイクをします。」その後、由美役の”由美”が入って来ました。由美「はい、カントク、オッハヨー!」実生活の彼女は中学3年生。そして役どころとはちょっと違う性格の持ち主です。大人びた感じの女の子で、いつもクールです。今日もちょっとテンション低めです。ニセアリス「オッス!オッス!」ブルーアイ「そしてニセアリス役の女優”ニセアリス”嬢が入って来ました。彼女は他の作品では悪役を演じる事も多いです。白い縁に真っ黒いレンズのサングラスをかけ、いつもスター気取りでスタジオ入りします。」ニセアリス嬢はブルーアイ氏を見つけると、ニセアリス「監督!監督!監督!監督!ギャラアップしろ!ギャラ!あんなはした金じゃ、もうやっていけん!」ブルーアイ「いや、ギャラに関しては全て契約書に書いてあるだろう?あの通りだよ!今の所、アップはないよ!」ニセアリス「アタシの人気でここまでやってこれたんだろう?アタシの知名度がなければこの作品はここまでこなかった!だからギャラをアップしろ!」
2014.04.11
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そして、モグモグの分も取り分けました。そのモグモグはすでにキッチンの所に来ていました。片隅で待機していました。モグモグは自分の分があるので大喜びです。モグモグ「ピィ~~~~!!」ニセアリス「そんな”ペット”の分は後でいいから!!アタシの分は?」アリス「これはニセアリスさんの分です」アリスはニセアリスにも渡しました。ニセアリス「ちっちゃいなあ!もっとデッカイ塊をくれよ!」その切り分けた塊はみんなと同じ量がありました。とても大きな物でした。塊を受け取ると、ニセアリスはさっそくガツガツガツやり始めました。ニセアリス「ガツ!ガツ!ガツ!」ミルキーはまだ「いただきます」も言わない内から一人食べ始めたニセアリスを軽蔑しました。ミルキー「ジーーーーー!」アリスは最後にジョセフにも大きなケーキの塊を渡しました。アリス「どうぞ……………。」ジョセフ「ありがとう………………。」ミルキーが見ていますと、なんだかアリスはジョセフに渡す時だけ言葉少な目でした。それに、動作がまったくぎこちないです。渡そうとしたお皿が少しだけ震えていて、安定していませんでした。ミルキー「……………………。」アリス「ではみなさん!召しあがってくださいな!えんりょなさらないで!私の作った物ですから、うまく出来上がっているかどうかわかりませんけど。では、いただきます!」アリスが「いただきます」と言ったので、ニセアリス以外の全員が「いただきます」を言いました。ニセアリスはけっきょく「いただきます」を言いませんでした。テーブルの上にはまだケーキの塊が残っていました。アリスは残ったケーキをラップで包んで、冷蔵庫の方に持って行きました。ニセアリスがそれを、ニセアリス「あまっているならアタシが食う!」と、言いました。アリス「いえ、これはあまっていません!こちらはウサギさんの分です」ウサギさんは今日はお家にはいませんでした。昨日、仕事に出る前に仕事場で夜勤があることをアリスに話していました。そして、その後はどうやら、「ウサ子」という名のうさぎの女性に呼ばれて、その家に招待されたようです。呼ばれているのはかなり前からの約束ごとでした。アリスはそのことを充分理解していました。2月14日なので女性に呼ばれたのです。ミルキー「それにしても…………。」ニセアリス「ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!ガツ!」ミルキー「……………………。」ミルキーは女子恒星にそっと耳打ちしました。今回ニセアリスがしたと思われること全て話しました。女子恒星「ひどいですね!チョコレートを贈るのはそんな意味ではありません。」ミルキー「じゃあ、どんな意味?」女子恒星「え~~~~、まあ。チョコレートを2月14日に贈ると言うのは………、」冷蔵庫にウサギさんの分をしまったアリスは、ジョセフが自分の作ったチョコレートケーキを食べる様子をそっとななめ後ろから見ていました。アリス「……………………。」その後、ミルキーは女子恒星から2月14日に女性から男性へチョコレートを贈る本当の意味を教えてもらいました。THE END
2014.02.17
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女子恒星は一人一人にチョコレートを渡すことにしました。まずジョセフに渡そうとしました。女子恒星「こちらをどうぞ。ミルキーさんのパパさんですよね?」ジョセフはうなづきました。ジョセフ「はじめまして。”ジョセフ”と言います」ジョセフは実にさわやかな笑顔でそう言いました。そして手をさし出し、女子恒星と握手しました。すると、女子恒星は顔が真っ赤に光りました。女子恒星「こっ、こちらこそ、はじめまして…。」そしてジョセフは女子恒星からチョコレートを受け取りました。ミルキー「女子恒星タン、真っ赤に光ってるよ?!」その時、なんだか複雑な表情をアリスが見せたのにミルキーは気付きました。そんなアリスの表情はこれまで見た事がありませんでした。アリス「……………………。」そこへ……、ニセアリスが戻って来ました。すかさずミルキーが「ジーーーーーー!」とニセアリスの方を見ました。ニセアリス「アンだよ?」ミルキー「ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」ニセアリス「チッ!」それでもうニセアリスはわかったようです。ミルキーに全てバレてしまったのを。女子恒星がここに来ているので、メールのことも全てバレたと悟ったようです。ニセアリスは口笛を吹いてごまかしました。ニセアリス「♪~~♪~~♪~~」ミルキー「かあああーーーーー!!」それから再びケーキを移動させることになりました。アリスの号令でみんなでいっせいにケーキを乗せている板を持ち上げました。ミルキー「よいしょ!」そして慎重にケーキを移動させます。みんな力の入れ加減を調節してます。誰か一人でも力の入れ加減をあやまると、たちまち板は傾き、大変なことになります。みんなで力を合わせ、リビングにあるテーブルの上に無事そのケーキを置くことができました。ニセアリス「やった!!それにしてもでっかいケーキだなあ!食べがいがある!さっそく食おう!」アリスはナイフを持ってケーキを切り始めました。大きなケーキですので、一人分は多いです。アリスは切り分けます。そして、一人分ずつお皿に取り分けます。アリス「さあ、これは女子恒星さんの分ですよ!たっぷり召しあがれ。」そう言って女子恒星にケーキを渡しました。それは実に綺麗なケーキでした。その断面もとても綺麗です。たっぷりのクリームが3層にわたってサンドされていました。全体をチョコレートで包んでおり、とても美しく仕上がっていました。チョコレートは薄く均一にスポンジケーキをカバーしていました。ムラもシワもまったくありません。切り分けられた一人分のケーキの量は、普通のケーキと同じぐらい、いえ、それよりももっとありました。アリス「はい、これはミルキーさんの分ですよ!」アリスはミルキーにもわたしました。それは非常に大きな塊でした。ミルキー「うわあ!アリスタン、ありがとう!」ミルキーはとても喜びました。
2014.02.17
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ミルキー「でもそう言われたよ!」女子恒星「いったい誰にそんなこと言われたんですか?」ミルキー「ええっー?!!女子恒星タンがそう言ったんじゃない?!」女子恒星「ええっーー?!私が?そんなこと言ってませんが?」ミルキー「でも……、女子恒星タンからそういうメールが来たんだけど!」女子恒星「え?メール?でも私がメールに書いたのは……」ミルキー「ちょっと待って!」ミルキーはあることに気付いていました。ミルキー「女子恒星タンはそのメールのハンドルネームに”女子恒星”って書いた?」女子恒星「え?書いてないわ。最近は”プラネッ子”っていうハンドルネームばっかり使ってるから!」ミルキー「じゃあ、やっぱり……、あれは女子恒星タンが書いた物じゃないんだ!!」女子恒星「ええっ?!」ミルキー「誰かが女子恒星タンになりすまして書いた物だったんだ!」女子恒星「ええ?私に?なりすます?」ミルキー「いったい誰が書いた物だろう?」ミルキーは気が付きました。ニセアリスが持っていたダンボール箱に。ミルキー「あれはもしや………、パソコン?そういえば………、なぜか返信が来る前にゾーキンがいっつも洗面所に行ってた!」ミルキーは腕を組んで考えます。ミルキー「そうだ………、洗面所の中から、パソコンで………、」そう言ってミルキーは洗面所の中を見回します。けれどパソコン関係はすでに撤収されたみたいで、何も残っていませんでした。証拠は持ち去られたようです。しかし……、洗面所の中に、なぜかインドアネット用のケーブルが引かれてあるのをミルキーは発見しました。それはそこに置かれていた洗剤が入っている大きな箱の向こうに隠されるようにして置かれていました。ミルキー「ムムッ!」そこへ……、アリスが呼びました。アリス「ミルキーさん!女子恒星さん!さあ、そろそろこちらへ来てくださいな!」アリスに呼ばれたのでミルキーと女子恒星はキッチンへ行きました。女子恒星はそこに置かれている大きなチョコレートケーキを見てとても驚いていました。女子恒星「うわあ!これはすごいですね!」女子恒星は本当に驚いていました。こんな大きなケーキにはめったにお目にかかれません。ミルキー「アリスタンはケーキを作るのが得意なんだよ!えっぺん!」ミルキーはまるで自分がそのケーキを作ったみたいに得意顔で言いました。女子恒星は自分の持って来た紙袋を開けて、女子恒星「私もチョコレートを持って来ました。簡単に作った物なんですけど……。アリスさんみたいにこんな豪華にはとても作れません。でも、よろしければこちらもどうぞ。」そこには……、小さなチョコレートが何個か入っていました。それは星をかたどったチョコレートでした。三日月型、お日様のような形(花のように星の回りに放射線が広がっています)、星形、流れ星の形(星に尾っぽが付いています)、お月様の形(クレーターがあります)などがありました。中にはうさぎが2匹、おもちを付いている物もありました。これはどうやら「月のうさぎ」の意味でしょう。そのメルヘンチックなチョコレートにミルキーはミルキー「うわああ!女子恒星タンって、女の子みたい………」どうやら「女性らしい」とミルキーは言いたかったようです。その女性らしい、かわいらしい感性にミルキーは少しがっかりしました。ミルキーはそんな物はまだ一人では作れそうにないからです。
2014.02.17
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ミルキー「え?おともだち?」ミルキーが走って玄関に行ってみますと……、そこになんと、空中に丸い物体が浮いていました。その丸い物体は上に毛糸の帽子をかぶって、それに長くて白いマフラーを下の方に巻いていました。マフラーが1メートルぐらい下の方に垂れ下がっていました。そしてその丸い物から腕のような物が伸びていて、その先には赤い毛糸の手袋をしていました。そしてその手にはかわいい紙袋をさげていました。ミルキー「はあ~~~~~~~~。女子恒星タンだ!!」女子恒星「ミルキーちゃん!遊びに来たの!良いかしら?」ミルキー「とうぜん!良いに決まってるじゃない!さあ、入って入って!」アリス「ひさしぶりですね、女子恒星さん!ちょうど今からケーキを切ろうと思っていたところなんですよ!さあ入って下さい!ケーキをお出ししますから!私が作った物ですが、よろしければ召しあがってみてください!」女子恒星はそれを聞いてにっこりと微笑みました。その様子を廊下からこっそりニセアリスが見ていました。ニセアリス「……………………。」それからニセアリスは急いで洗面所の方に行きました。アリス、ミルキー、女子恒星が玄関からお家の中の方に来ますと、ニセアリスは何かを洗面所から運び出すところでした。ミルキー「ムッ!」ミルキーがその様子を「ジーーーーー!」と見ました。ニセアリスが持っていたのは大きめのダンボール箱です。いったいその中に何が入っているのでしょうか?ミルキー「ジイーーーーーー!」ミルキーはそのニセアリスと目が合いました。ニセアリス「なんだよ?」ミルキー「なにそれ?」ニセアリス「なんでもいいじゃないか?!」そう言ってニセアリスは重そうなダンボール箱を持って物置の方に行きました。ミルキー「……………………。」そのすきにミルキーは女子恒星を洗面所に呼びました。そしてそこに入って内側から鍵をかけました。バタン!カチャ!ミルキー「女子恒星タン!」女子恒星「なあに、ミルキーちゃん、怖い顔して!」ミルキー「聞きたいことがあるの!」女子恒星「はいはい、なんでもどうぞ!」ミルキー「正直に言って!2月14日にチョコレートをわたすと、ホントに”けっとう”になるの?」女子恒星「ええ?決闘に?なるわけないわ!」
2014.02.16
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ニセアリスは片手でミルキーの襟首をつかんだまま、パソコンを終了させ、電源を切りました。そして……、ニセアリス「さあ!行くんだ!あのチョコレートケーキを運ぶ時がチャンスだ!最後のチャンスだぞ!絶対に”顔”に命中させろ!」ミルキーはそのままキッチンにつれて行かれました。アリス「ではみなさんでリビングルームでこのケーキを食べましょうか?キッチンよりもあちらの方が広いですから。」ニセアリスは大きなケーキを見て言いました。ニセアリス「くくくく!食べがいがありそうなケーキだな?」そしてニセアリスはミルキーを床に降ろしました。そしてミルキーの耳元にそっと耳打ちしました。ニセアリス「やるんだ!いいな?パパンを失っても良いのか?」ミルキー「ええ?!」ミルキーはドキドキしてきました。本当にそんなことしなくちゃいけないのか、ミルキーに取ってはまだ疑問でした。アリス「ではリビングの方に持って行きましょう!みなさんで下の”板”を持って頂けますか?ケーキの下に板がしいてあるんです。私が相図しますので、一斉に持ち上げてください。ゆっくりとお願いします。ケーキは崩れやすいですから。」これを乗せる大きなお皿がなかったのか、そのビッグサイズのチョコレートケーキは木の板の上に乗っていました。その板をそれぞれ、アリス、ジョセフ、ミルキー、ニセアリスが持つことになりました。でもモグモグは”手”がないのでメンバーから外されました。アリス「ではみなさん、力を合わせてくださいね!」その時、またニセアリスが小声でミルキーに耳打ちしました。ニセアリス「いいか、最後のチャンスだぞ!ケーキを思いっきり傾けて、ぶつけるんだ!」ミルキー「(ドキドキドキドキ…………、)」ミルキーはすごく緊張しました。ミルキー「(ああ!どうしよう?本当にこれ、ぶつけなきゃいけないの?)」するとその時、ピンポーン!玄関の呼び鈴が鳴りました。アリスたちはすでに木の板に手をかけていましたが…、アリス「あっ、みなさんちょっと待ってください。いったんやめます。誰か来られたみたいなので。」そう言ってアリスは玄関の方に向かいます。ミルキーは胸をなでおろしました。ミルキー「ふう!」すると、ニセアリス「なに緊張してるんだ?!落ち着いてしっかりやれ!しくじるなよ!アタシが”今だ!”って言うから、そしたら思いっきり板を傾けろよ!」ミルキー「……………………。」玄関に行ったアリスがミルキーを大声で呼びました。アリス「ミルキーさん!ミルキーさん!こっちに来てくださいな!お友だちがいらっしゃってますよ!」
2014.02.15
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***************************************************************************プラネッ子タン、最初に教えてもらった「2月14日にチョコレートを投げつける」っていうのはどういう意味なの?それに”けっとう”って? みるきたん ***************************************************************************すると……、ミルキーは突然自分の身体を持ち上げられました。見ると、ニセアリスがミルキーの身体を持ち上げていました。そして言いました。ニセアリス「何してるんだ?早くしないと手遅れになるぞ!!」ニセアリスは起きたようです。ミルキー「なにが手遅れになるの?」ニセアリス「”決闘”だよ!どっちかが倒れるまでやるんだ!」ミルキー「本当に2月14日のチョコレートでけっとうになるの?」ニセアリス「なる!」ミルキー「2人はせんぜんそんな風に見えないけど?」ニセアリス「間違いなく決闘になる。それは突然始まる!何の前触れもなく!」ミルキー「ホントなの?とてもそんなふんいきじゃないんだけど!」ニセアリス「いや、なる!ぜったいなる!間違いなくなる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!なる!」ミルキー「でも女子恒星タンに確認しないと!今メール送ったから!」ニセアリス「確認する必要はない!もう時間がない!」ミルキー「でも女子恒星タンからまた返信が来るよ!返信を読まないと!」ニセアリス「読む必要はない!時間がない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!」ミルキー「返信が来ると思うよ!」ニセアリス「返信は来ない!いままで来たのでもう十分だ!返信はもうない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ぜぇっーーーーーーたいにない!それよりも……、手遅れにならないうちになんとかしないと!あのチョコレートケーキを顔にぶつけるんだよ!ドカンとな!」ミルキー「ミッ、ミルキータン、一度アリスタンに聞いてみるよ!どうしてチョコレートケーキなんか作ったのか?あれはぜったいけっとうの意味じゃないと思うの!」ニセアリス「正直に話はずないだろう!”決闘”なんだもん!」ミルキー「……………………。」キッチンからアリスの声がしました。アリス「ミルキーさん!こっちに来てケーキを運ぶのを手伝ってくださいな!」物を運搬するのはいつもモグモグが担当していましたが、モグモグを見ますと柱にもたれかかったまま、モグモグ「グーーーー!グーーーー!」と、まだ寝ていました。
2014.02.14
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アリス「さっ、さあ、どうぞ!こちらへ!お家の中はちらかっていますが、どうぞ!」やっぱりなんだか……、とってもぎこちないです。ミルキーはもうジョセフを止める事ができないと思い、しかたなくジョセフを家の中に招き入れることにました。それにしても真っ黒ですごい車でした。ジョセフはアリスたちのいる家の敷地にその車を駐めました。そしてジョセフはアリスたちのいる家の中に招き入れられました。ミルキー「こっち!こっち!」ミルキーがジョセフの手を引いて行きました。ジョセフ「……………………。」なんだか、ジョセフもぎこちないです。現在、朝の7時40分、モグモグは……、柱にもたれかかりそのまま目を閉じて寝ていました。珍しいです。もしかするとモグモグは今日が自分の”お休み”の日だと思っていたのかもしれません。なぜならジョセフが来ることは前からわかっていましたし、お家のみんな今日は家の中にいるだろうと思っていましたから。誰かを背中に乗せて外に出ることや、買い物に行かされることはないだろうと思っていたのかもしれません。ジョセフ「……………………。」一方、ミルキーは気が気ではありませんでした。いつ決闘が始まるのかとドキドキしていました。ミルキー「……………………。」その時ミルキーは女子恒星から返信が来てないかと思いました。ジョセフからいったん離れて、ミルキーはパソコンの所に行きました。ニセアリスはニセアリス「ぐおおおおおおおおお!がああああああああああ!」まだ、リビングの床の上で寝ていました。ジョセフはアリスにみちびかれて、キッチンの方に行きました。その間にミルキーがパソコンの中のメールボックスを開けますと、女子恒星から返信が来ていました。***************************************************************************はいは~~~~い!おはよう、みるきたんさん。おひさしぶり!ところで、チョコレートケーキのお話だけど……、正直、お話が唐突すぎてわからないの。私がそちらに行くのは良いのだけど、「チョコレートをぶつける」ってどういう意味? プラネッ子***************************************************************************ミルキー「……………………。」なんだか変です。文章が。いえ、正確に言えば”文章のつながり”が。最初に送って来たメールと内容が食い違っているような感じです。それに……、女子恒星は「プラネッ子」というハンドルネームを使う事がありました。前のメールにはそのハンドルネームがありませんでした。ミルキー「これは……?」ミルキーはすぐにまたキーボードを打ちました。カタカタカタ……。
2014.02.13
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車の音がしました。外からです。アリス「あら?」その車の音がちょうどアリスたちがいるお家の前で止まったように聞こえました。アリスは恐る恐る玄関からのぞいてみることにしました。ガチャン!アリスは玄関の扉を少し開け、そこから外をのぞいて見ました。すると……、外になんだかわからない黒い車が駐まっていました。これまでの見た事もない車でした。それは、とても背が低くて、平べったくて、全体的に鋭い感じで、なんだかとても異様に見えました。それに……、恐ろしささえ感じました。その車のエンジンが切られたようです。無音になりました。その車の片側のドアが跳ね上がりました。アリス「は?」バタン!そして中から……、”ジョセフ”が降りて来ました。ジョセフは見るからに好青年、いえ、まだ少年で、とても美しい顔をしていました。まるで少女のようにも見える整った顔立ちです。青い目をしており、その瞳は限りなく澄んでいました。とてもやさしそうな目でした。ジョセフ「やっ、やあ。こんにちは。」さっそくジョセフは玄関の扉の隙間からのぞいているアリスの姿を見つけました。アリス「あっ……、」アリスは珍しく言葉につまりました。アリスは普段はかろやかにしゃべるのですが。アリスはしばらくジョセフを見つめました。ミルキーは玄関の扉の隙間から外を見てかたまっているアリスを見て、自分も外をのぞいて見ました。するとジョセフが外に来ているのが見えました。ミルキー「パッ、パパン?」ミルキーはジョセフが来て、もうマズいと思いましたが、久しぶりに見るジョセフの笑顔を見て、思わず玄関から出てジョセフの所に走り寄りました。ミルキー「パパン!」ジョセフ「ミルキー!」ミルキー「パパン!パパン!」ジョセフ「さみしかったかい?」まるで仔猫が主人になつくように、ミルキーはジョセフにすり寄りました。ミルキー「パパン!パパン!」ミルキーはジョセフの足に自分の頬をスリスリさせました。ミルキー「ああああああ………。」ジョセフはミルキーを抱き上げ、まるで猫をなでるようにミルキーの頭のてっぺんをなでました。ミルキー「パパン!パパン!」ジョセフは今日は正装をしてました。そのデザインはタキシードに似ていて、真っ白の生地に襟元は明るい水色をしていました。それはかなりハデな感じに見えました。今日のこの服装はいつものジョセフとはちょっと違うようです。ジョセフは普段はこんな服は着ないはずです。そしてジョセフは花を一束持って来ました。それをアリスにプレゼントしました。アリス「あっ、ありがとうございます。」アリスは花を受け取ったものの……、なんだかぎこちないです。
2014.02.12
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その大きな音にモグモグは口を開けて……、かたまってしまいました。その目は宙を泳いでいました。モグモグ「 ( ̄□ ̄;) ……………………。」ミルキー「モグモグ!今からパパンの所に行くよ!背中に乗せて!」でもモグモグは放心状態でした。モグモグ「……………………。」ミルキー「モグモグ!行くよ!さあ!」モグモグ「ピィ~~~~!!」ミルキー「用意して!とっても急いでるの!」すると先ほどのおもちゃのシンバルの音を聞いて、アリスが起きて来ました。アリス「ミルキーさん、どうしました?今の大きな音はなんですか?それにお父さんの所に行かれるんですか?」ミルキー「ビクン!」ミルキーは思わず身体が反り返りました。今のをアリスに聞かれていたようです。アリスは眠い目をこすりながら、アリス「どうしたというのです?こんな朝早くから出かけるのですか?わざわざ行かなくてもミルキーさんのお父さんは今日こちらに来られますよ。」今度はミルキーが口を開けっ放しにし、目が点になっていました。ミルキー「……………………。」アリス「ミルキーさん、どうしました?」ミルキー「……………………。」アリス「ミルキーさん?」ミルキー「……………………。ミルキータン、ちょっとパパンの所へ行ってくるよ!」アリス「でも今日ここへお父さんが来られるんでしょう?」ミルキー「あのね……、わからない!」アリス「わからない?今日来られるはずですが?」ミルキー「わからない!ミルキータン、ちょっとパパンに話したいことがあるの!」どうもミルキーがわけのわからないことを言っているとアリスは感じました。ミルキーはなんとかモグモグの背中に乗っけてもらおうと思いましたが、今日のモグモグは眠いのかぜんぜん行こうとしません。そのモグモグが突然外の物音に気付きました。モグモグ「ピィ~~~~!!」ブルルルルルルルルル!
2014.02.11
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そしてミルキーはパソコンの前に正座して返信を待ちましたが……、ミルキー「……………………。」ニセアリスのイビキが聞こえるだけで返信は来ませんでした。ニセアリス「グーーーーーー!グーーーーーーー!」ミルキー「どうしよう?どうしよう?」モグモグ「ココココココ!」そこへ……、モグモグが起きて来ました。でも半分寝ぼけています。少し歩いて来て……、コテン!コケけました。コケてなお、そのままの体勢で居眠りを始めました。モグモグ「スウーーー、スウーーー、」ミルキー「……………………。」その様子を見たミルキーは手を打ち鳴らしました。ポン!ミルキー「そうだ!パパンを足止めすればいい!パパンが来るのを明日にのばしてしてもらおう!」そしてミルキーはモグモグに言いました。ミルキー「モグモグぅ!パパンの所まで乗っけてってよ!」モグモグは一度起き上がりましたが…、今度は家の中の柱にもたれかかり……、そのまま目を閉じてしまいました。モグモグ「スウーーー、スウーーー、」ミルキー「モグモグぅ!大変なんだよ!今日パパンに来てもらったら困るんだよ!なんとかしてよ!」モグモグ「スウーーー、スウーーー、」ミルキー「ねえねえ!モグモグ、パパンの所までつれってよ!大急ぎで!」モグモグ「スウーーー、スウーーー、」そこでミルキーはモグモグの身体を揺すってみました。ユサユサユサ……、モグモグ「スウーーー、スウーーー、」ユサユサユサ……、ユサユサユサ……、ユサユサユサ……、モグモグ「スウーーー、スウーーー、」ユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサユサ……………………。しかし、モグモグは起きませんでした。今日に限ってどうしたというのでしょうか?ミルキー「もう!」そこでミルキーはシンバルを持って来ました。これは”おもちゃ”ですが、一応金属で出来ていてそれらしい音がします。ミルキーはモグモグの耳元でそれを思いっきり打ち鳴らしました。ミルキー「せーーーーの!」ズシャーーーーーーーーン!モグモグ「ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」
2014.02.10
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そして日付けが変わり……、ついに”2月14日”になりました。ミルキーは朝起きて、キッチンに行ってみました。すると、なんと……、アリスはエプロンをしたままキッチンでイスに座った状態で寝ていました。どうやら疲れて眠り込んでしまったようです。ミルキー「アリスタン?」アリスがつっぷして寝ていたそのキッチンテーブルには……、ケーキのような物が乗っかっていました。ミルキー「?」でもミルキーの身長だと、その一部が見えているだけです。そこでミルキーはイスに登り、その後テーブルの上に乗ってみました。すると……、テーブルの上には超でっかいチョコレートケーキが置かれてありました。それはやわらかそうで、しかも超ビッグサイズのチョコレート色のスポンジケーキでした。サイズはなんと直径1メートル以上もありました。アリスはこれまでにもみんなのためにいろいろなケーキを作ってくれましたが、こんな大きなサイズの物はこれまで見たことがありませんでした。ミルキー「(こここ、これはでっかいケーキだ!こんなのとてもぶつけられない!だいいち、ミルキータンにはもちあげられないよ!)」ミルキーは困りました。それになんだかとっても豪華なケーキです。作るのにとても時間がかかったと思われます。だからアリスが今眠り込んでいるのです。おそらく明け方まで作っていたのではないでしょうか?表面の生クリームによるデコレーションの細かさはハンパではありません。ミルキー「(どうしよう…、これ作るのにとても時間がかっていそうだけど……、こんなのをアリスタンの顔にぶつけてもいいのかなあ?)」ミルキーは困り果ててしまいました。今は朝の7時頃です。ミルキー「女子恒星タン、もう起きていないかなあ?また相談してみよう!」ミルキーはキッチンを出て、リビングに行きました。そこにあったパソコンで女子恒星にメールしてみました。カタカタカタ……。***************************************************************************おはよう、女子恒星タン。アリスタンが作ったチョコレートケーキだけど、とってもデッカいの!ミルキータンひとりじゃとても持ち上げられないよ!それに、こんなの、アリスタンの顔にぶつけられない!いったいどうしたらいいの?そうだ!女子恒星タン、うちに来てよ!そしてチョコレートケーキを投げつけるのを手伝ってよ! みるきたん***************************************************************************
2014.02.09
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ミルキー「…………。困った時は女子恒星タンに聞くのが一番…。」よくわからないので、もう一度メールを書いて、詳しく聞いてみようと思いました。***************************************************************************ねえねえ、女子恒星タン、あした、ミルキータンのパパンとアリスタンがけっとうするかもしれないの!どうしたらいいの? みるきたん***************************************************************************そう書いて送信しました。するとニセアリスがたっぷりの笑い顔で、ニセアリス「ん~~~~!返信はなんて言って来るかな?!フッフッフッ!」と言って笑いました。そしてニセアリスはまた立ち上がりました。ミルキー「あれ?どこ行くの?」ニセアリス「髪をとかしに行くんだよ!このアタシの美しい髪を!」そして……、また、洗面所に行ったようでした。すると、それから少しして返信が返って来ました。***************************************************************************あのね、そのチョコレートをアリスタンの顔にぶつける と良いよ。ほら、テレビの番組の中の罰ゲームなんかで、”ケーキを顔にぶつける”っていうのがよくあるじゃない?あれと同じようにするの。アリスタンがそのチョコレートを相手に渡そうとした時にアリスタンの顔にそのチョコレートをぶつける。すると”決闘はできない”っていう決まりがあるの!方法はそれしかないよ! 女子恒星***************************************************************************ミルキーはミルキー「へーーー!そうなんだあ!」と思いました。ミルキー「助かったよ、女子恒星タン!さすが、女子高生だけあってよくしっているね!この通りにすれば良いんだね?」そこへニセアリスが帰って来ました。ニセアリス「相談出来たか?」ミルキー「まあ。」ニセアリス「おそらく顔に”チョコレートをぶつける方法”をアドバイスしてくれたんじゃないのか?」ミルキー「ええーーー?どうしてそれを?」ニセアリス「それが決闘を止める唯一の方法だからさ!誰だって知ってる!」どうやらミルキーは2月14日にチョコレートをわたす意味を知らないようです。
2014.02.08
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そこでミルキーはリビングに戻りました。すると……、ニセアリスがじゅうたんの上に寝っ転がって、しかもお腹をかかえて笑っていました。でもミルキーが戻って来たことに気付いて、すぐに笑うのをやめて起き上がりました。そして……、急に”マジメ”な表情をしました。ニセアリス「……………………。」ミルキーはなんだかやっぱりだまされたような気がして来ました。ミルキー「ジーーーーーー!」ニセアリス「なんだよ?うたがってるの?」 ミルキーはコクンとうなずきました。するとニセアリスは「カタカタカタ!」とキーボードを打ちました。***************************************************************************おい!このわからず屋に言ってやってくれ!2月14日に送るチョコレートは決闘を意味するって!いわゆる”挑戦状”だって言ってやってくれ!***************************************************************************すばやくそう打って、その文章を先ほどのアドレスに宛てて送信しました。ニセアリス「ポチッとな!」ミルキー「……………………。」そしてまたニセアリスは「ちょっとトイレに行ってくる。」と言ってその場で立ち上がりました。ミルキー「え?またトイレ?さっき行ったんじゃないの?」ニセアリス「どうせすぐにはメールは返って来ないからな!」そしてニセアリスがまた洗面所に行き、そこから帰ってくる前にメールが返って来ました。***************************************************************************nそれは”挑戦状”の意味です。大変ですね。そっちでは誰かチョコレートを用意してますか?チョコレートを渡すのを止めないと、明日大変なことになりますよ。 女子恒星***************************************************************************nミルキー「はわわわわわわわわ~~~~!!」ミルキーはそのメールを読んで震えました。ミルキー「女子恒星タンが言うんだからホントのことだ!」ニセアリスがトイレから戻って来ました。ニセアリスは画面のメールを読んで、ニセアリス「ほうらみろ!アタシの言ったとおりじゃないか?」と、自信たっぷりにドヤ顔で言いました。ミルキーは深刻な表情になりました。ミルキーは頭の中でミルキー「(あした、アリスタンとパパンが決闘?ああ、どうしたら良いんだろ?)」と思いました。そこで女子恒星にメールを打とうと思いました
2014.02.07
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ニセアリス「ウソじゃないよ。ホント!ホント!ホント!ホント!ホント!ホント!ホント!ホント!」ミルキー「ウソだよおおおおおおお!!」ニセアリス「じゃあ、ヤツに聞いて見たら?」ミルキー「やつ?」そう言って、ニセアリスはパソコンでメールボックスを開きました。そこでニセアリスはミルキーのお友だちの”女子恒星”へメールを送れるようにメールアドレスをコピーして”送り先”に入れました。ミルキー「はあ?」ニセアリス「ウソだと思うなら”星”に聞いてみろよ!」ミルキーのお友だちの女子恒星は実は”星”でした。”恒星”です。でも年齢が高校生ぐらいなので、会話内容はまるっきり女子高生のような感じです。そのミルキーのお友だちの女子恒星に聞いて見ろとニセアリスは言うのです。確かに女子恒星ならミルキーにウソは言わないでしょう。ニセアリスはすでに送る文章を用意していました。ニセアリス「『2月14日にチョコレートを送る事は、その相手と”決闘する”、”どちらかが倒れるまで戦う”という意味だよね?』これでいいな?」それをニセアリスが送信ボタンを押して送りました。ミルキー「あ?」ニセアリス「じゃあ、アタシはちょっとトイレに行ってくるから。メールだからどうせすぐに返信は来ないよ!」そう言ってニセアリスは立ち上がり、洗面所の方に行きました。しばらくして返信がありました。そしてすぐにニセアリスが帰って来ました。***************************************************************************その通りです。2月14日にチョコレートを送ると言う事は、”決闘”を意味します。 女子恒星***************************************************************************ミルキー「はわわわわわわ~~~~!アリスタンがけっとう?」ミルキーはその場を立ち上がり、いそいでキッチンに行きました。ミルキー「ねえねえアリスタン!!あしたけっとうするの?」今度はアリスが驚きました。アリス「ええっ?!決闘ですか?明日?どうして私が決闘するのでしょうか?」ミルキー「しないの?アリスタン?」アリス「ええ、しませんよ。いったい誰と決闘すると言うのですか?」ミルキー「ミルキータンのパパンと決闘しないの?」アリス「え?どうしてミルキーさんのお父さんと決闘しなくてはならないのでしょうか?誰がそんなこと言いましたか?」ミルキーは「女子恒星タンが言ってた」と言おうとしましたが……、何かの間違いのような気もしましたので言うのをやめました。もし間違いだったら大変です。
2014.02.06
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しばらくしてからミルキーがリビングルームの方に戻って来ました。すると……、ニセアリスがしらじらしくも、ミルキーに聞こえるようにこう言いました。ニセアリス「やれやれ2月14日にチョコレートを送るなんてなあ!」ミルキーがニセアリスの方を見てみますと、ニセアリスはじゅうたんに寝転びながらインドアネットでニュースを見ていました。ミルキー「……………………。」ニセアリス「こりゃ大変な事になるなあ?!」ニセアリスはモニターの方を観ながら独り言を言っているようです。カレンダーが床にワザとらしく置かれていました。ミルキーはなにげにそれを見ます。明日、ジョセフがここに来るのですが、それが”2月14日”でした。ミルキー「……………………。」ニセアリス「毎年、2月14日には大勢の人間が行方不明になるよなあ。なになに、やはりチョコレートが原因か?この犯罪の影にチョコレートあり!」ニセアリスがひとりでブツクサ言ってますが…、それがミルキーはとても気になり始めました。ミルキー「……………………。」今度はミルキーが聞き耳を立て始めました。ニセアリス「2月14日にチョコレートを送るのは、いわば決闘状を送るようなものだ。」ミルキー「……………………。」ニセアリス「2月14日にわざわざチョコレートを送る人間の気が知れない。どうしてそんなことをするかな?どうしてそんなに決闘をしたがるかな?」とうとうミルキーは気になってしかたなくなりました。それでニセアリスに聞きました。ミルキー「なに?その話?」ミルキーが少し乱暴なしゃべり方で聞きました。すると、ニセアリスは心の中で「いっしっしっしっーー!!」と笑いました。でも、そんな風には見せずにニセアリスは、ニセアリス「誰か明日チョコレートでも送るヤツがいるのか?そうなりゃ、明日は”戦争”だけど?」と、言いました。ミルキー「せんそう?」ミルキーは驚きました。ミルキーはまだまだ子供ですのでニセアリスの言う事を半分信じていました。ニセアリス「ああ、戦争だ。どっちかが倒れるまで戦う。いわば”決闘”だ!」ミルキー「そんなバカな!アリスタンとパパンがけっとうするはずないよ!」ニセアリス「はああ、明日、チョコレートをジョセフのあんちゃんに送るんだな?チョコレートを送るって言うのは”決闘する”っていう意味さあ!」ミルキー「ウソだよ!」ニセアリス「2月14日にチョコレートを送る時はそういう意味があるの!!」ミルキー「ウソだよ!」
2014.02.05
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ニセアリス「あれは”人間”じゃないよぉ~~~~!単なる”おもちゃ”だよぉ~~~~!ペット!玩具!トイ!だから、もうそろそろ替え時だよぉ~~~~!」それを聞いて、アリスは怒りました。そして…、実はミルキーが近くまで来ており、その話を聞いていました。ミルキー「……………………。」アリスは物影に隠れるようにして立っていたミルキーの姿に気付きました。アリス「ミルキーさん!ニセアリスさんの今の言葉は気にしないでくださいね!全部”デタラメ”ですから」ニセアリス「デタラメとは何だよ~~~~?!”真実”だよ、真実!まぎれもない事実だよお!」するとミルキーは首をふり、、ミルキー「ううん、アリスタン、だいじょうぶ。ミルキータンはあんな”いそーろー”の言葉なんか気にしないから!」すると、ニセアリス「誰が”いそうろう”だ?!ゴラア!」とニセアリスが言いました。アリス「はあ~~~~~~~~。」お家ではこのようないざこざが絶えません。これはひんぱんに起こることです。何かあるたびにミルキーとニセアリスの間でこのようなことが繰り返されます。そこでアリスはそれに関わるのを止めて、再びお菓子作りの方に集中しました。 ミルキー「アリスタン、そのお菓子、ミルキータンのパパンに出すの?」アリス「ええ、そうですよ。」ミルキー「でもどうしてチョコレートなの?」すると、アリスはめずらしく、緊張しているようでした。アリス「ええと、どうしてって……、ミルキーさんのお父さんにお菓子を召しあがってもらおうと思ったんですよ。」ミルキー「はあ~~~、パパンにね?でもミルキータンのパパン、お菓子の中で一番チョコレートが好きだったかな?」アリス「ま、まあそれはわかりませんけど……、」実はこの会話を地獄耳のニセアリスが聞いていました。キッチンから離れた場所で聞き耳を立てていたようです。そして、またしてもよからぬイタズラを考えついたようです。ニセアリス「うししししーーーーーー!!こりゃ退屈せんわ!」
2014.02.04
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ガチャガチャガチャ…、お家のキッチンから物音が聞こえていました。ここはアリスたちがくらしているお家です。正確にはウサギさんの持ち物です。でも不思議の国にやってきたアリスはここに住まわせてもらってます。どうやらアリスがキッチンで何かしているようです。ミルキーがさっそくその物音を聞きつけ、キッチンの方にやって来ました。するとアリスがかわいいエプロンを着けて、キッチンで何か作っているようでした。ミルキー「ねえねえアリスタン、なにやってるの?」アリス「ちょっとチョコレートのお菓子を作ろうと思っているんです。」ミルキー「ふうん。どうして?」アリス「だって明日ミルキーさんの”お父さん”がお家に来られるでしょう?」ミルキー「ああ、”パパン”ね!」ミルキーは自分の父親だけは”パパタン”とか”ジョセフタン”とか言いません。「パパン」と言います。不思議です。しかしジョセフはミルキーの本当の父親ではありません。だってミルキーは”人間”ではなく、実は”お人形”だからです。でもジョセフがミルキーを作ったので、”父親”と言えばそうなのですが、正しくは”製作者”になります。ミルキーはアリスについてくる前はジョセフに育てられていたようで、その意味では本当の父親と言えるかも知れません。そして今ではほとんど人間の女の子と見分けがつかないミルキーですが、もともとはジョセフに作られたお人形でした。でもミルキーはジョセフのことを”父親”だと考えています。ジョセフは自動人形やカラクリ機械を作る職人でした。そして女王のお城に努めていました。お城の中でお店も開いていました。でも父親と言いましても、ジョセフはすごく若くて、アリスと同じ年ぐらいの少年でした。そのジョセフが久しぶりにミルキーを訪ねて来ることになったのです。アリス「~~~~♪」アリスは鼻歌を歌いながらキッチンでいそがしそうにお菓子を作っていました。気分がとっても良いみたいです。そのミルキーがリビングの方に戻って行きますと、入れ替わりにニセアリスがキッチンに入って来ました。ニセアリス「ほう、あのジョセフのあんちゃんが明日来るんだって?なんで?」アリス「たぶんミルキーさんのことが心配で、顔を見に来るんだと思います。しばらくぶりですから。」ニセアリス「いやいや、ついに”やっかい者”をひきとりに来るんじゃないのかな?」アリス「はい?”やっかい者”?」ニセアリス「そうそう、やっかい者!ペット!いそうろう!」アリス「まあ、ニセアリスさん!そんなことを言ってはいけません!」ニセアリス「もう引き取ってもらおうよーーー!飽きたよ!あんなの!別のに代えてもらおうよぉ~~~~!あんなの相手にしてても退屈なんだよぉ~~~~!」 アリス「まあ!なんてこと言うんですか?!ミルキーさんは”人間”なんです!それにもううちの家族も同然です。取り替えはできません!」
2014.02.03
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ミルキーと由美には本当のことは説明されなかったものの……、ニセアリスの指示によって動きました。ミルキーと由美がお外に出て来て、ミルキー「わあ、きれいなお星さま!」と言いました。するとお家の中から、アリス「ミルキーさん!由美さん!おいしい夕食ができましたよ!今日は4種類のサラダと野菜の炊き込みご飯です。それにミルキーさんの好きなアップルパイも用意しました。アイスキャンデーもありますよ。」ミルキー「はあい!」そしてミルキーと由美はお家の中に入りました。その時ミルキーはワザと玄関扉を閉めませんでした。しばらくしますとお庭のミニハウスがガサゴソと音を立てました。そして……、バン!とひときわ大きな音を立てて、ミニハウスの扉が開きました。小人「がはははははははーーーーー!!」”小人”はまたも雑草を編んだような”ミノ”を着ていました。それを着たままで移動する姿はまるでマリモのように見えました。開いたお家の玄関扉からは光が漏れてました。小人「ぐははははははは!」小人は立ち上がりました。そして腰に両手を当てて高笑いしまた。そして玄関扉に向かって走り始めました。すると……、ズボッ!ニセアリスは一撃で”小人”を捕らえました。”小人”にすっぽりとアミを被せたのです。さすがに外しませんでした。ニセアリスとウサギさん、それにモグモグはミニハウスの反対側に潜んでいたのです。
2012.06.19
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ニセアリス「これで注文は回避された。危険は去った。」アリス「……………………。」……こんなことがあって、アリスはあきらめました。これ以上”小人”を飼い続けるのを。アリス「はあ~~~~~。」ガチャ!その時、玄関が開きました。驚いて玄関の方に行きますと……、そこにはウサギさんがいました。ウサギさんが仕事から帰って来たのです。もうそんな時間になっていました。アリスはウサギさんにこれまでのことを話そうと思いました。でもその前に……、お風呂から上がったミルキー、由美、モグモグに豪華なプリンを出してダイニングで食べさせました。ミルキーたちが聞くようなお話ではないと思ったからです。そのプリンは、冷蔵庫のプリンが”小人”に盗られたのでアリスが作ったとてもおいしいプリンでした。アリスはウサギさんとニセアリスにもプリンを出します。そしてそれをリビングの方に持って行きました。ニセアリス「ガツガツガツ!」ニセアリスはプリンをかき込みます。いつもニセアリスだけ大食いですので、別の容器に大きな物を作って入れてありました。そしてアリスはウサギさんに今日あったことの全てを話しました。ウサギ「……そうですか。これではもう飼い続けるのはムリでしょう。”小人”はウソをつきますので、もう手に負えません。高額な買い物のこともどうしようもありません。今回は回避されましたが、いつまた勝手に注文されるかわかりません。……………こうなったらしかたありません!山に捨ててきましょう!ほっておけばどんどんイタズラもヒドくなりますよ!いいえ、これはもう”イタズラ”と言えるレベルではありません。”犯罪”です!」アリス「……………………。ミルキーさんに犯罪は見せられません。」ウサギ「わかりました。では!」ニセアリス「山に捨ててこよう!!」そう言ってウサギさんとニセアリスは立ち上がりました。アリス「山に捨てて……、小人さんは一人で生きていけるのでしょうか?」ウサギ「野生動物の多くは野生の森の中で生きていけます。あの”小人”はもともとは山で発生した生き物です。しかし……、あのようにいったん人の手によって品種改良されたものはどうなるかわかりません。」アリス「……………………。」ウサギ「それにあの”小人”は人間に飼われることにすっかりなじんでいますので、野生の厳しさの中で生きていけるかは疑問です。」アリス「……………………。」ウサギ「でも……、それが自然の”さだめ”です。後は小人自身でなんとか生き延びてもらうしかありません」ニセアリス「そうそう!後は自分の力だけで生きてもらおう!」”小人”にとって厳しい環境になることはアリスにも充分予想できました。でもアリスはもう反対することはできませんでした。ニセアリスとウサギさんはそっと玄関扉を開けました。もう外は日が落ちていました。ウサギさんとニセアリスは手に大きなアミをもっていました。それはニセアリスがいつもモグモグを追いかけ回していた時に持っているアミでした。一度”小人”をつかまえたアミでもあります。そしてモグモグもニセアリスに指示されて外へ出てきました。背中にはニセアリスが乗せた木製の箱がありました。これはインドアネットのケーブルをしまっていた木箱で、鍵もかかる物です。そしてみんなは音を立てないようにミニハウスに近づきます。
2012.06.18
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そしてまた別の商品の詳細説明のページが開きました。***************************************************************************『キャッスルハウス』小人さんが住める豪華なお城です。こちらは大型商品となります。2トントラックでの発送になります。中は広く、小人さん10人でも住める広さです。中はエアコン完備で、夏は涼しく、冬は温かくて快適です。客間あり、シアタールームあり、シャワールームあり、トレーニングルームありでとても豪華です。お値段は今回”通販限定特別価格198万ゴールド”となります。限定5セット限りとさせていただきます。お早くご注文ください。なお、トレーニングルームの中のスポーツ用品、客間などの電化製品は別になります。商品には含まれません。さらに別売りの増築ブロックを買い足せばもっと広くなります。***************************************************************************アリス「198万ゴールド?」アリスは驚きました。ニセアリス「ちょっとしたキャンピングカー並みの価格だな?」それが”買い物カゴ”のリストの方に移されました。アリス「ちょっと待ってください!こんな物を注文されたら………。」さらに……、その『キャッスルハウス』に入れると思われる豪華な家具も次々と買い物かごに入れられました。それはまるで装飾品のような家具です。食器棚、鏡台、テーブルにイス。本棚。テレビ台、みんな高額でした。それから電気製品も買い物カゴに移されます。大型液晶テレビ、最新パソコン、それから最新ゲーム機『プレプレ3』『プレプレステーションポータブル』など……、それらは全て新品です。ニセアリス「買い物カゴの合計金額はすでに320万ゴールドを越えた!!」アリス「320万ゴールド!!」そして『注文画面』進みました。アリス「は?」次に住所が打ち込まれました。さらに受取人は『その住所に建っているミニハウスの中の小人』と記載されました。ニセアリス「ヤツめ!どうやら本気で注文するようだ!」アリス「やめさせてください!」ニセアリスはケーブルの入った木箱を開けるため、鍵を取り出しました。***************************************************************************『おいでませ!インドアツーハン!』ご注文されるお客さまへ。ご注文はこれでよろしいですか?まだ注文は確定されていません。注文事項をよく確認し、全てよろしければ”決定ボタン”を押してください。それで正式に注文したことになります。***************************************************************************アリス「えーーーーー?!ニセアリスさん!早くしてください!注文されてしまいます!」ニセアリスはすばやくインドアネットのケーブルを抜いて接続を切りました。すると外のミニハウスの方から、小人「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!」と……、とても大きな叫び声がしました。
2012.06.17
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次々とコメントが書き込まれていきます。今ミニハウスの中で”小人”が何をしているのか手に取るようにわかりました。アリス「……………………。」ニセアリス「コイツが”コソドロ”の真の正体だ。わかっただろう?」アリス「……………………。」ニセアリス「”ウソつき”なんだよ!ヤツの言う事を信じるな!」アリスはめずらしく両手にこぶしを作りました。そのこぶしは震えていました。そしてアリスは立ち上がりました。アリス「注意してきます!」そう言ってミニハウスに行こうといました。そこへ、ニセアリス「待った!!」ニセアリスが待ったをかけました。見るとさっきの画面がまた別の物になっていました。それはインドアネット大手通販サイト、『おいでませ!インドアツーハン!』のページでした。アリス「は?」何か商品を検索しているようです。「ペット用品」のカテゴリーに行きました。さらに「小人」のページに行きます。そこにはたくさんの商品が並んでいました。”小人”用のペット用品が写真入りで並んでいました。***************************************************************************『ゆりかごベッド』あなたの大切な小人さんがお休みになるベッドです。外側は編み込んだバスケット状のもので、中はちょうど小人さんが寝転がった時、身体がすっぽり収まるサイズです。フカフカの羽毛のクッションも中に入っています。とても気持ちが良い物です。あなたの”小人さんの安眠をお約束します。***************************************************************************そして、そのベッド、お値段は3600ゴールドでした。その商品名がクリックでリストの方に移動しました。アリス「は?!やめさせてください!これを買われてしまいます!」ニセアリス「まだ大丈夫だ!これは”お買い物カゴ”に商品を入れただけの状態だ。まだ実際の注文はしていない。気に入った商品のリストを作成しているだけだ。本当に注文するには”支払い画面に進むボタン”を押し、そこに住所と受け取り人の名前を入力する。そして”決定ボタン”を押せば注文完了となる。」アリス「……………………。」
2012.06.16
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アリス「なんとかなりませんか?こんなのをミルキーさんが見たら……、」アリスはお部屋の中を見回しまたが……、ミルキーはいませんでした。しかし……、お風呂場の方からは反響した水の音や話し声がします。由美とモグモグの姿も見えないため、いつものようにいっしょにお風呂に入っていると思われました。次に”小人”は他のページを検索して探しているようでした。そして”由美の持っているホームページ”も探し出され……、***************************************************************************『ユミの心情』***************************************************************************ユミは普段は無口ですが、ネット上ではけっこうおしゃべりでした。そのユミが普段思っていることをこっそりつづったホームページが『ユミの心情』です。 ***************************************************************************今日は一日中雨。湿気があってゆううつだな。お外ではかたつむりさんが元気に大きな葉っぱの上を移動していたよ。雨の日にはワタシはゆううつになるのに、かたつむりさんは元気になるのね。人にゆううつをもたらすだけの雨と思っていたのに……、違うんだ。人によって感じ方がいろいろあると思った。 ユミ***************************************************************************そこにも同様の書き込みがされました。***************************************************************************”妨害者コバンザメ”「がははははははははははははは!!なんだ?こりゃ?こんなホームページ!なめてんじゃねえぞ!!インタラポンタラ書いてんじゃねーーーーよ!やめちまえ!!こんなホームページ!」***************************************************************************アリス「まーーーーーーーーーーーーーーーー!!」***************************************************************************”妨害者コバンザメ”「ひゃ~~~~はははははははは!!のほほんと何書いてるんだ?もういいかげん、やめろよ!ホームページをやめないのなら……、オマエの住んでる家に火をつけてやるぞ!!ひゃーーーーーーははははは!オマエの住んでる家はわかっている!表の砂場の横に小さなお家があって、そこにかわいい小人さんが住んでる家だろう?」***************************************************************************
2012.06.15
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