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2026年07月08日
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・・・Tony Waag's Tap City パート2です。

(ニューヨークのダンス公演レポート)
(Tap City2026(NYタップダンス・フェスティバル)②

Tony Waag's Tap City
- The New York City Tap Festival
    a 25th Anniversary Celebration

トニー・ワーグ’s タップ・シティー
 - ザ・ニューヨーク・シティー・タップダンス・フェスティバル
   25周年記念式典

2026年5月19日 - 24日
Joyce Theater ジョイスシアターにて上演

Founding Artistic Director  創設芸術監督 Tony Waag トニー・ワーグ


・・・前回続きです。


 次は、"Tribute to Bill "Bojangles" Robinson"(「ビル・”ボージャングル”・ロビンソンに捧ぐ」)、振付、ダンサーは、デュウィット・フレミング・ジュニア(DeWitt Fleming Jr.)です。
 彼はこの公演のリハーサルディレクターも務めています。

 音楽は、"Swanee River"(スワニー河(故郷の人々))、スティーブン・フォスター(Stepeh C. Foster)作曲、1851年の有名なフォークソングです。

 デュウィットは世界的なタップダンサーで、長年ブロードウェイでパフォーマーと振付家として活躍しています。
 Riverdance(リバーダンス)、Cirque du Soleil(シルク・ドゥ・ソレイユ)のフィーチャー・タップダンサーとして世界中をツアーし、グラミー賞受賞アーティストのアリシア・キーズ、ウィントン・マルサリス、ボビー・マクファーリンと共演しています。

 直近では、ブロードウェイの「ア・ワンダフル・ワールド」(A Wonderful World)でタップダンサー&振付家としても出演しました。
 チタ・リベラ賞に2度ノミネート、ブロードウェイ・ワールドのダンサー・オブ・ザ・ディケイド賞、ATDFフーファー賞、ニューヨーク市のフロー・バート賞を受賞しています。


DeWitt Fleming Jr. ((c)Amanda Gentile)

 デュウィットはボージャングルが低い4段の階段のセットを使ってタップ・ダンスをするStair Danceの振付を見事に再現していました。
 4段の階段が左右に合体しているセットが、舞台真中に置かれていました。
 この階段を昇り降りしながらタップを刻み、階段の側面も使って足でけって音を鳴らしたり、ジャンプして木の階段の空洞を響かせたり、様々な音色を出してリズムを刻んでいました。
 スタンダードなジャズに乗って、複雑なステップのリズムタップも披露しました。


 ビル・”ボージャングル”・ロビンソン(Bill "Bojangles" Robinson)は、「タップダンスの神様」と呼ばれ、彼の誕生日5月25日はアメリカの「National Tap Dance Day」となっています。ダンサー、タップダンスの名手、振付家、歌手、俳優で、現代のタップダンスの基礎を作ったと言われています。
 ご両親を早くに亡くしたビルは6歳からタップダンサーとして働き始め、様々なカンパニーで巡業していました。1920年代にボードヴィル、1930年代に映画で活躍しました。


 前回のパート①で紹介しましたコパセティックス(The Copasetics)は、ビル・”ボージャングル”・ロビンソンが埋葬されて7日後の1949年12月5日に、彼を尊敬する音楽とタップのアーティスト達がボージャングルの記憶を保存していくために、「社交的で親しみやすい慈善クラブ」として組織されました。

 会員は、組織の前文に記載されているように、「友情を促進し、クラブ内の人格を強化するために全力を尽くすこと」を誓いました。クラブのモットーは「すべてがコパセティック!」(“Everything’s Copasetic”)というボージャングルの表現で、(全て順調、OK)という素晴らしいものでした。
(The Copaseticsの活動は、→ ATDO → ATDFへと受け継がれていきました。)




↓ "Swanee River" · Paul Robeson



 次は、"Blue Skies"、振付&ダンサーは、カレブ・タイチャー(Caleb Teicher)、ネイサン・バグ(Nathan Bugh)で、ペアで踊りました。
 音楽は、"Blue Skies"、Irving Berlin作曲(1926年)、"In Walked Bud"、Thelonious Monk作曲(1947年)です。

 カレブ・タイチャーは、リーダーとしてのパフォーマー、振付家、演出家、音楽的協力者、音楽主導のダンスと学際的コラボレーションのキュレーターとして幅広く活躍し、ベッシー賞を2回受賞(6回ノミネート)しています。
 カレブは多くのショー(SW!NG OUT, Counterpoint, Ear To The Ground, B-Z-Z-Z)を制作しています。
 グッゲンハイム美術館のWorks & Processのアーティスト・キュレーター・イン・レジデンスも務めています。
https://www.calebteicher.net/

 ネイサン・バグは、リンディホップとジャズダンスの世界有数の代表者の1人で、ベテランのソーシャルダンサーです。彼はジョイス・シアターのSW!NG OUTのクリエイター&振付家の1人です。
 スウィング時代の著名なフランキー・マニング(Frankie Manning)、ノーマ・ミラー(Norma Miller)、ドーン・ハンプトン(Dawn Hampton)などから直接学びました。
 1990年代からソーシャルダンスのリンディホップで活躍し、ILHC(国際リンディホップ選手権)などでソロジャズ、リンディホップ、チーム、招待、スローダンス、ミックス/マッチ部門で多数、優勝しています。
http://www.nathanbugh.com/

 カレブ・タイチャーとネイサン・バグは、タップではなくソフトシューズのスニーカーで出てきて、でもタップのようにステップを踏み鳴らしながら、時々はもってアカペラで歌いながら踊りました。リズム感も安定していて、スピードがとても速く、上手でした。

 カレブは実力派のタップダンサーなのですが、このようなソーシャルダンス、早い速度のリンディホップも上手に踊れるので驚きました。タップだけでなく様々な他のスタイルのダンスもマスターしていらっしゃいます。

 2人は手をつないでお互いに全身の体重をかけて引っ張り合って、遠心力を使ってすごく早いスピードでぐるぐると周っていました。
 右回り、左回りを入れ替えたり、スピード感のあるリンディホップのテクニックが見事で、すごいスピード感でお互いに手を引っ張り合ったままで向かい合いながら周り続けるところが多く、もし途中で手が離れたら吹っ飛んで床へたたき落ちてしまうのではないかとハラハラするようなスリル感があるダンスでした。
 2人ともベテランのダンサーなので、基礎がしっかりしていて、身体の重心が安定していました。
 速いスピードでスイング感が抜群で、歌もあり、とても楽しい演目でした。

Caleb Teicher & Nathan Bugh ((c)Amanda Gentile)

↓ Blue Skies · Ella Fitzgerald (1958)


↓ In Walked Bud · Thelonious Monk (1948)



 次は、第1部の最後、"Tribute to the Masters"で世界初演、振付、ダンサーは、Jason Samuels Smith(ジェイソン・サミュエルズ・スミス)です。
 このMasters(マスターズ)というのは、過去の様々な偉大なタップダンサーのマスター達へ捧ぐ、ということですね。
 音楽は、Medley Mash Up(様々な曲のメドレー)です。

 ジェイソン・サミュエルズ・スミスは、エミー賞受賞のタップダンサー、振付家、教育者、そして文化的リーダーであり、コンテンポラリー・ダンス界で最も影響力のある1人と言われています。
 1996年のトニー賞受賞ブロードウェイ作品、"Bring in 'Da Noise, Bring in 'Da Funk"(ブリング・イン・ダ・ノイズ、ブリング・イン・ダ・ファンク)の元プリンシパル・ダンサーです。
 マイケル・ジャクソンなど多くの著名アーティスト達とコラボレーションしています。

 ジェイソンはニューヨーク市でご祖父母の代からの芸能一家に生まれ、ご両親は伝説的なジャズダンス・マスターのジョジョ・スミスとスー・サミュエルズです。御祖母とお父様はKatherine Dunham Companyに参加していました。ハーレム・ルネサンスとアメリカの芸術に根ざした多世代にわたる血統を受け継いでいます。
 ご自身が独自のタップ・シューズを考案しています。
https://www.jsamsmith.com/

 ジェイソンは過去にTap Cityに何度も出演していたので覚えていますが、久しぶりに舞台で拝見すると、すっかり貫禄が出ていました。ヒゲをたくわえていて、スーツ姿で、黒いサングラス着用でした。
 ニューヨーク生まれの都会っ子ならではのとても自然体な方です。

 ジェイソンは強靭な肉体でアスリートのような運動神経で、体力とパワーがあり、力強いメリハリの利いた音で早打ちで、リズムタップが得意です。

 途中からバンドの演奏が始まり、伝統的なスタンダードのジャズ曲が使われていましたが、すごい早打ちの超絶技巧でパワフルで激しいリズムタップを、結構長い間、披露しました。彼はタップでつま先もけっこう使います。
 とても見ごたえがあり、第1部のトリを飾りました。さすがの実力です。

 彼のタップダンスのパフォーマンスは、40代後半の現在も20代~30代の頃と変わらず今もパワフルで素晴らしいです。リズムタップはエネルギーが有り余っている若者のダンサーがパワフルにダンスバトルを繰り広げるイメージがあります。これだけの激しいタップの実力を今でも保つためには、日々練習の努力を続けていらっしゃるのですね。

Jason Samuels Smith ((c)Amanda Gentile)

↓ "Bring in 'Da Noise, Bring in 'Da Funk"(1996年、トニー賞受賞)



 休憩をはさんで、第2部です。
 "Endless"、振付はAnthony Morigerato、ダンサーはJohn Manzari, Anthony Morigerato, Jessee Robinsonの3名です。
 音楽はJ.S. Bach, Kareless、舞台セットはAndrew Pate Desigです。

 アンソニー・モリジェラート(Anthony Morigerato)は、国際的に活躍しているタップダンサー、プロデューサー、監督、教育者、映画製作者、エミー賞ノミネート振付家です。
 彼はニューヨークを拠点とするダンス、映画、演劇の会社であるAM Dance Productionsの創設者であり、現在エグゼクティブ・プロデューサーを務めています。
 2014年にOperation:Tapを設立し、タップダンスコミュニティのためのプラットフォームを提供しています。 
 2011年、アンソニーは1分間で最多タップ音を出した世界記録(1,163回)を達成し、現在も破られていません。
https://www.amtapdance.com/

 ジョン・マンザリ(John Manzari)はダンサー、歌手、俳優、振付家です。
 Funny Girl (OBC)、White Christmas (TUTS)、Anything Goes (MUNY)、The Tap Dance Kid (Encores!)、Bzzzなど多数の舞台に出演しています。
https://www.johnmanzari.com/

 ジェシー・リー・ロビンソン(Jessee Robinson)はカリフォルニア出身のニューヨーク市を拠点とするダンサー、振付家です。”Sole Defined”出演や、Lisa La Toucheと共演など。
https://www.jesseeleighrobinson.com/

 大がかりな舞台セットで、舞台真中に四角い板が浮いていてずっと回転している、回転台を使っていました。
 照明を暗く落とした中で、電飾が内蔵されている様子で板が時々光ったり点滅していて、客席から観ていると目がまぶしかったです。ダンサー3名はその板の上に乗ったまま踊っていて、板は至近距離だとさらに電光がまぶしいため目を保護するための黒いサングラスを着用していました。
 静かな曲に乗って、3人で回転台の板の上に立ち、踊りました。とても息が合っていて、振付も揃っていました。回転し続けている板の上に3人で立って、落ちないように、ぶつからないように、身体の重心を安定させてタップダンスを見事にし続けていました。


John Manzari, Anthony Morigerato, Jessee Robinson ((c)Amanda Gentile)

John Manzari, Anthony Morigerato, Jessee Robinson ((c)Amanda Gentile)

 次に、司会のトニー・ワーグが客席の一番前の辺りに登場し、Tap Cityの歴史について、最初はどのように2001年から始まったのか、などのストーリーを話しました。前出の演目の大掛かりな舞台セットを片付けて次の演目が始まるまで、客席の辺りでMCをして、上手くつないでいました。


 次は、"Experts from "The Kitchen" Soles of Duende"です。
 振付、ダンサーは、Amanda Castro(Tap)、Arielle Rosales (Flamenco)、Brinda Guha (Kathak)の女性3名のダンストリオです。
 音楽は、Soles of Duende Ensemblesです。
 生演奏で、ミュージシャンはRyan Stanbury(トランペット、音楽ディレクター)、Andrew Jagannath(電子ギター)、Okai Musik(パーカッション)です。
https://www.solesofduende.com/

 ダンサー達3名はとても明るくてパワフルで、それぞれタップダンス、フラメンコ、カタックダンスという違う種類のダンサー達が集まって、足で床を踏んで音を出しながら踊るという共通点を生かして融合しています。
 ルーツの国が違うダンスの形式を3人が持ち寄って、それぞれの違いと個性を生かしながら融合していいて、とても興味深い活動です。アイデアが素晴らしいです。この3名は各ダンス分野でそれぞれが実績があり、活躍している方々が集まっています。

 アマンダ・カストロ(Amanda Castro)はプエルトリコ系アメリカ人で、ベッシー賞受賞、多分野で活躍するアーティストで、リズムに根ざしています。
 最近では、ブロードウェイの"Gypsy"の副振付家、"Jelly’s Last Jam" (by Dormeshia Sumbry-Edwards and Edgar Godineaux)に出演しています。
 Urban Bush Womenの元プリンシパル・ダンサーで、"Singin’ in the Rain" (Kathy Selden役), ”42nd Street”(Jared Grimes’ ensemble)、 ”West Side Story”のAnita役など、主要なミュージカルに出演しています。
 Soles of Duendeの共同創設アーティストであり、著名な振付家Justin Peck(NYCB), Julio Monge, Caleb Teicher, Michael Heitz, Francesca Zambelloなどとコラボレーションしています。
https://www.acastrodance.com/

 アリエル・ロサレス(Arielle Rosales)はベッシー賞にノミネートされたパフォーミング・アーティストで、フラメンコ、打楽器、演劇、インプロビゼーションを織り交ぜています。振付家、教育者でもあります。
 テレビ番組のThe Today Show (NBC)、Good Morning America (ABC)、そしてNokiaやTargetの全国CMにも出演しています。
 Flamenco Vivo Carlota Santanaの元アーティスト・イン・レジデンスです。
 Soles of Duendeの共同創設ダンサー、Batalá New Yorkのバンドメンバーでもあります。
https://www.ariellerosales.com/

 ブリンダ・グハ(Brinda Guha)はニューヨーク市を拠点とする南アジア系アメリカ人アーティストで、ベッシー賞にノミネートされ、ジャージーショアとコルカタにルーツを持っています。
 彼女が積んできた訓練は、カタック、マニプリ、フラメンコ、そして現代のハイブリッド形式に及びます。
 2010年、Kalamandir Dance Companyを共同設立し、オリジナルの長編作品でDixon PlaceやDancewaveでのレジデンシーを獲得しました。
https://www.kalamandirdanceco.com/
 ブリンダはCESD Talent Agencyに所属し、Kalamandir of NJ(カンパニー&ダンススクール)を主宰し、Ailey Extensionの教員を務め、Soles of Duendeの共同設立者でリードアーティストでもあります。
 プロデューサー、キュレーターとして、女性の神聖さや女性主導の組織を称える季節ごとのライブアートプラットフォーム「Wise Fruit NYC」を設立しました。
https://www.brindaguha.com/


 この作品は、音楽も生演奏なので迫力と熱気があり、パーカッションが響いて盛り上がって良かったです。
 タップダンスとフラメンコはシューズをはき、カタックダンスは裸足で足首に鈴をつけていました。
 3人で、セリフをしゃべりながら真中を向いて集まって踊り、中心に何か鍋を置いて料理しているようなパントマイムをテーマに繰り広げていきました。
 一人ずつ順番にソロで踊るところも長く、3人でそれぞれ別の振付で踊っていました、。
 ダンスバトルもあり、激しくて速いスピードでお踊るシーンもありました。

 人種のるつぼであるニューヨークらしいカンパニーで、素晴らしい活動だと思いました。


Amanda Castro(Tap)、Arielle Rosales (Flamenco)、Brinda Guha (Kathak)
((c)Amanda Gentile)


・・・レポートは次回に続きます。





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最終更新日  2026年07月08日 19時31分31秒
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