“仕事”前のレストランでの朝食シーン、マドンナの“ライク・ア・ヴァージン”にまつわる論争や、ウェイトレスにチップを渡したがらないピンクの流儀について、タランティーノがしゃべり出したら止まらない性分であるなど ストーリーに関係ない"雑談"に埋め尽くされたタランティーノの流儀と、揃いの黒のスーツ、70年代のポップスで始まる。 ●タイトル 直訳すれば「貯水池の犬」となりますが、“どんな意味だろうと、ヤツらにはレザボア・ドッグスがピッタリだ”とタランティーノ監督は 自信たっぷりに断言したかと思うと、“なんとなく雰囲気で”とはぐらかすことも。真相はフランス語の発音が苦手なタランティーノが、ルイ・マル監督の“Au Revoir, les Enfants”(邦題「さよなら子供たち」)を自分流に“レザボア・ドッグス”と言い換えてしまったのが始まりだそうです。
●発砲の謎 ジョーがオレンジに、エディがホワイトに、ホワイトはジョーに向けて、銃口を突きつけます。そして、一斉に発砲するシーン。そして、三人ともに撃たれてしまいます。状況から考えて、エディ撃たれることはあり得ません。ファンの間でも議論されているこの謎には、有力な2つの答えがあります。1つは影に隠れたピンクが発砲したという説(ポール・A・ウッズ著/“KING PULP The Wild World of Quentin Tarantino”より)。もう1つはエディに撃たれたホワイトが、身体をずらしてエディを撃ったという説(ジェイミー・バーナード著/“Tarantino by Tarantino”より)。これだと、ホワイトが2発、発砲したことになる…。