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2005年05月27日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
『モーリス』 (1987) MAURICE
製作国 イギリス
ジャンル 青春/ロマンス

<モーリス現象>とは?
イギリスの美しいホモセクシュアルな映画。 当時、ヒュー・グラント目当てで映画館に殺到した女性は多かったようです。(<モーリス現象>) ヒュー・グラントはこの頃から、優柔不断というか、美しくてちょっとフワフワした雰囲気ですね。コメディではなく、文芸作品でもしっかり存在感があるのですね。 デビューから2作目くらいのようだから、ほんとに若くて気品のあるヒュー・グラントでした。 「 いつか晴れた日に 」では、貴族の服が窮屈そうでしたが、こちらではそんな服装に悩まされてはいないですね。(←時代が違うから当たり前じゃね) 

ケンブリッチ大学でも名門中の名門、キング・カレッジ(フォースターもここで学んだ)の寮生モーリス(ジェイムズ・ウィルビー)はある日クライブ(ヒュー・グラント)から、”君が好きだ”と告白される。クライブはギリシアの古典的理想主義に憧れており、そのせいで同性愛にも興味をもっていたのいだ。ふたりはプラトニックで愛し合うが卒業後、ギリシア熱の冷めたクライブは結婚してしまい、モーリスは一人取り残される。 社会の抑圧、自己欺瞞、家族、最後には同性愛を肯定する生き方を選び自信を持つにいたれるのか。

●同性愛仕立ての恋愛映画
ストーリーを追うだけなら、それだけで終わる。しかし、このドラマの時代の背景、ヴィクトリア朝からエドワード朝へと移行した時の空気、(同性愛者)からの観点から見るとセシル・ビートンの自伝「ファッションの鏡」で書いている<名君エドワードの葉巻の香りに合わせて、にこやかに政治が行われたイギリスならば、オスカー・ワイルドも幸せになれたのに>という一文につきるだろう。

眺めのいい部屋 」「 ハワーズ・エンド 」で描いているのも、つまりこの二つの時代のぶつかり合いと融合だった。しかしエドワード朝は10年で終わってしまった。アイヴォリーの「ハワーズ・エンド」を見ると、彼はイギリスの保守と前衛が手をつないだ奇跡の時代としてエドワード朝をとらえていることが分かる。 彼のエドワード時代ものは、その時代への思慕であり、オマージュなのだろう。


●E・M・フォースターが「モーリス」を書き上げたのは、1914年、出版されたのは1970年だから、この小説が世に出たのは死後である。
しかし、この小説のあとがきの日付は1960年。フォースターはすでに80歳を超えていた。「モーリス」が運命的な経過をたどったのは同性愛の正当性を描いたからだが、80歳を向かえて、彼は社会にとっても、自分にとっても<時効>を見極めて、あとがきを残したのだろう。
しかし、結局生きている間に、これを発表することは無かった。1971年に出版されたが 日本では翻訳されず、フォースターといえば「インドへの道」「ハワーズ・エンド」を書いた作家ぐらいにしか理解されなかった。もし「モーリス」が1970年代に日本で出版されていたらかなり処遇が変わっていただろう。この国では死亡記事すらかかれなかった作家だから。

「モーリス」が日本で出版されたのはひとえにジェイムズ・アイヴォリーが映画化してくれたおかげである。この映画は美青年が出演したことで若い女性が映画館に殺到、<モーリス現象>と呼ばれた。映画の出来も素晴らしく、1987年のベネチア国際映画祭では銀獅子賞(監督賞)、主演男優賞(ジェイムズ・ウィルビーとヒュー・グラント)、音楽賞(リチャード・ロビンズ)を獲得している。

(参考資料:「映画と原作の危険な関係」 原作の映画化・作家・作品別ガイド)

監督: ジェームズ・アイヴォリー James Ivory
製作: イスマイル・マーチャント Ismail Merchant
原作: E・M・フォスター E. M. Forster
脚本: キット・ヘスケス=ハーヴェイ Kit Hesketh-Harvey
ジェームズ・アイヴォリー James Ivory
撮影: ピエール・ロム Pierre Lhomme
音楽: リチャード・ロビンズ Richard Robbins

出演: ジェームズ・ウィルビー  James Wilby
ヒュー・グラント  Hugh Grant
ルパート・グレイヴス Rupert Graves
マーク・タンディ Mark Tandy
ビリー・ホワイトロー Billie Whitelaw
デンホルム・エリオット Denholm Elliott
サイモン・キャロウ Simon Callow
ベン・キングズレー  Ben Kingsley
バリー・フォスター Barry Foster
ヘレナ・ミシェル Helena Michell

ケンブリッジ大学へ進学した青年モーリスは、上流階級のクライブという男とホモ・セクシャルの関係になる。やがてクライブは卒業を迎え、弁護士になるため、モーリスとの関係を清算するが……。同性愛の世界を耽美的な映像で描き、美少年大好きな女の子たちに拍手をもって迎えられた青春ロマン。








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最終更新日  2005年05月27日 11時10分30秒


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