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2005年05月31日
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カテゴリ: カテゴリ未分類

『存在の耐えられない軽さ』 (1988)
THE UNBEARABLE LIGHTNESS OF BEING
製作国 アメリカ
ジャンル ドラマ

存在の耐えられない軽さ(期間限定) ◆20%OFF! ラインちょうちょ.gif

「存在の耐えられない軽さ」って、随分固い題名ですねぇ。 題名だけ聞くと ちょっと引いてしまう。けど、これはミラン・クンデラというチェコの作家が書いた小説の題名なのです。 体制批判と運命のアイロニー(皮肉)がクンデラの持ち味なのだそうですが、そうしたテーマが映画に見えるかな。しかし174分とは 超!長い!。。確かに長いですが、話の運びの面白さで、長すぎとはかんじませんでした。

主人公のトマーシュ(ダニエル・デイ=ルイス)は無類の女好き。彼が ちょっと見つめて微笑むと 女性はすぐに彼の腕の中に転げこんでしまうような男なんですねー。(^^;)脳外科医として次期外科部長と目されるほどで、社会主義国家だろうが上ランクの人物でしょう。 そんな彼に似合いな真の理解者サビーネ(レナ・オリン)と、素朴な男に頼る 女性として熟しきってないテレーザ(ジュリエット・ビノシュ)。 三角関係勃発??っとも思いますが、、不思議と女性二人に友情も芽生えます。  

●”軽さ”と”重さ”
題名の"軽さ"というのは、このトマーシュの女性遍歴に疲れたサビーネが「あなたには生きるということはとても軽い事なのね。わたしにはこんなにも生きることが”重い”のに」という言葉から表されます。 


●トマーシュの主体性
トマーシュは 共産主義を批判する文書を雑誌に寄稿したことで外科医のイスを追われます。 このとき、文書内容の撤回にサインさえすればまた病院に戻る事が出来た。 けれど、彼はサインしなかった。 彼が特別体制への批判の首謀者だからという事ではない。 彼がサインすることを皆は願っている という同僚の言葉に納得が行かなかった。 他のサインをした多くの者達は 自分の行動の正当性が欲しかった。ほら、あのトマーシュだってサインしたんだから、自分は間違ってないんだ。、って。  トマーシュのようにサインを拒んだ事で 仕事を追われ窓拭きやら掃除夫やらに追われた知識人は 好意の目では見られただろうが生活は苦しいのが現実だった。 ”言論の自由”がないのは、国として衰えるでしょうね。 プラハの町は どんどn活気がなくなっていきました。

●ジュリエット・ビノシュとレナ・オリン
「ショコラ」で、熟女な二人をみましたが、今作の二人はなんとも若くて ピッチピチですね。 ビノシュは、今のオドレイ・トトゥのような妖精のような雰囲気がありました。 素朴で純真そうなかわいらしさです。 レナ・オリンは「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督夫人。「ナインス・ゲート」では強烈でした。最近だと「ハリウッド的殺人事件」。「ダークネス」ではアンナ・バキンの母役。しかし、年々あの強烈なお色気は鳴りをひそめてきてますね。

●ダニエル・デイ=ルイス
彼の作品はだいぶ観ましたが、 まだ見てないのではディカプリオを泣かした「ギャング・オブ・ニューヨーク」と、「マイ・ビューティフル・ランドレット(1985) 」のダニエルのホモというのも見てみたいです。彼はいわゆる美形ではないんだけど、男性的で力強くて、なんとも存在感あります。 

●フィリップ・カウフマン監督
原作のストーリー展開とエロティシズムにポイントをおいている。ただし、映画はプラハの春とその後をもっともらしく描いたために、かえってにせものめいてしまい、体制やスターリン主義と関係なく主人公トマシュは軽い男というイメージが強い。



映画があぶり出すクンデラ文学の<実存の個人主義>(映画と原作の危険な関係より)

チェコの作家。詩、小説、劇作家としても活躍。評論も手がけた。ヤナーチェク音楽院の院長を父とし、幼少から音楽に親しむ。プラハの映画大学卒業後、同大学で美学などの講義を行った。55年「最後の5月」を出して詩人としてデビュー。短編などにより作家としての地位を確立した。1918年にオーストリアから独立して以来、チェコでは社会主義が主流であったが、共産党が主導権を握ってからはさらに、教条主義的な社会主義リアリスムスが強要された。スターリン批判及び、62年の共産党大会の決定以降、文学界はやや息を吹き返す。代表作「冗談」(67)はこの時期に書かれた。国際的な評価を受ける。以後 愛と社会主義の問題を追及し続け、「プラハの春」の民主化運動では作家同盟の事務局長を務めた。 運動挫折後75年にフランスに亡命。「生は彼方に」(72)は仏訳されてメディシス賞を受賞。ほかに「笑いと忘却の書」(78)「存在の耐えられない軽さ」(84)がある。

ミラン・クンデラの小説の映画化は、ほかに「受難のジョーク(原題「冗談」)」(67に映画化されるが88まで公開禁止)というのがあります。 クンデラの小説は映画化の心を誘うそうだ。 ストーリー・テリングが巧みで心理描写とエロティシズムの具合がいいそうです。 さらに運命のアイロニー(皮肉)が絡み、そのへんにクンデラの芸術性があり、体制批判メッセージと同じくらい重要。

そして、彼の境遇がまた人気に関係あったらしい。彼はチェコでは発禁処分にならないよう フランスに住み チェコ語でせっせと著作、それらは仏語等に訳されて広く欧米で読まれた。 大いに読者や監督らをひきつけた。 



監督: フィリップ・カウフマン  Philip Kaufman
製作: ソウル・ゼインツ Saul Zaentz
製作総指揮: ベルティル・オルソン Bertil Ohlsson
原作: ミラン・クンデラ
脚本: ジャン=クロード・カリエール Jean-Claude Carriere
フィリップ・カウフマン Philip Kaufman
撮影: スヴェン・ニクヴィスト Sven Nykvist
音楽: レオシュ・ヤナーチェク

出演: ダニエル・デイ=ルイス  Daniel Day-Lewis
ジュリエット・ビノシュ  Juliette Binoche
レナ・オリン  Lena Olin
デレク・デ・リント Derek De Lint
エルランド・ヨセフソン Erland Josephson
パーレル・ランドフスキー
ドナルド・モファット Donald Moffat

 「ライトスタッフ」で一躍有名になったP・カウフマンが69年のチェコ動乱、いわゆる“プラハの春”を題材にして描いた超大作。若者の間に芽生えた民主化要求の波がソ連軍の軍事介入で圧殺されていく中、プレイボーイの医師と二人の女の青春が鮮烈に描かれる。古いニュース・フィルムと本編の画調を完璧に合わせるという離れ技を、ベルイマン作品で鳴らした名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストが見事にやってのけている






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最終更新日  2005年05月31日 22時12分36秒


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