【コンセプト】
シュメール神話に登場する水に関する動物、魚や鳥、
そして予言、正義、博愛、豊穣の女神『ナンシェ』。
彼女の世界、人間への愛をテーマとし、
現代社会への憂いをナンシェの精神でいこうと鼓舞させる香調は
古から多くの土地で栽培されたローズと
神々しく未来へ導いてくれるような肥沃な大地の香り。
【調香師】Cécile Zarokian/セシール・ゼロキアン
(ノーバウンダリーズコレクション/no Boundaries)
【香調】フローラル・ウッディ・パウダリー
トップ:ベルガモット、キャロットシード、カルダモン、ユズ
ミドル:ウォーターフルーツ&フラワー、ローズ、ジャスミン、イランイラン
ラスト:イリス、パウダリーノート、ムスク、パチョリ、サンダルウッド
■感想:私の好み度<60-95>
<スパイシー×ニンジン×フローラル/エレガントサンダルウッドパウダリー>
トップ数秒はメンズフレグランス系の爽やかな柑橘系、ユズ、ベルガモット、カルダモン。
すぐに続くのがキャロットシードの香り?
乾燥したニンジンっぽく??濃縮した甘みと、干草が混ざった匂い。
それにウォーターフルーツ/ウリ系の甘さがしっかりと重なり、
イランイランのエキゾチックなフローラルさに、
ローズニュアンスのパウダリー、イリスの土っぽいパウダリー
そこにパチュリの少しスモーキーな香りが足される…
というのがスプレーから数分で展開。
複雑とはいえ注意深く香りに集中すれば一つ一つ嗅ぎ取ることができるけれど、
この畳み掛けは正直忙しすぎ、急ぎすぎ、せっかち(笑)
(ただ、日によってはスプレー直後からサンダルウッドがとてもエレガントにまぁるい広がり方をし
それから柑橘系へつなぐ、というあべこべな時もあり謎)
数十分して香りが落ち着きはじめると、
サンダルウッドがそれはもうとてもエレガントに香り始め
作品のメイン/本領発揮部分は「ここかっ!」と気づく。
寺院系ではなく、美容サロン系の西洋的なサンダルウッド。
ここにきてフローラルのブレンドのバランスが整いはじめ、
そのなかでもクリーミーなローズ&ジャスミン&イランイランが引き立つ。
イリスのパウダリーノートが強めの日は、とても和風で雅な香りと表情が変わり
湯上がりを思わせる清潔感のあるほどよい温もりのある甘い香り。
これは浴衣姿にもあいます。
現在の香水の多くは合成香料となっていますが
天然香料の動物由来のものムスクやシベットの原料はギョッとするものだけど
その濃度を変えることで真逆のイメージを作り上げられるのと同じように
『ナンシェ』もメインシーンを作り上げるための過程で
どうしても避けられないのがトップだったのかもなぁ…と思ったり。
使い始めの数回はトップのニンジンあたりが苦手で(料理の人参は好き)
ミドル以降からラストは好みど真ん中のパウダリーで、
「トップ抜きでこの香りならいいのに…」と感じていましたが
回数を重ね4-5回あたりになると、苦手意識はすこーし薄れ、諦めで慣れた?のもあり。
■拡散性・持続性
拡散性は普通からやや強め、持続性はやや長めから長め。
■液の色・ボトル
かなり淡いイエロー。
φ10×h55mm[2ml]トルコ製
■季節
通年。
清潔感と穏やかな爽やかさと甘さで高温多湿の日本でも使いやすい。
■年齢
20代後半以降。オフィス。女性向き。
トラディショナルな着こなしや会社の制服などの20代の方だと「お嬢さん」っぽい印象。
初デート、お見合い、初対面の第一印象を香りでも良くしたい場合にも。
流行感も古臭さもなく、永遠にベーシックとされるであろう石鹸系。
同時に香りに疎い人からは『おばあちゃん、おかあさんのおしろいの匂い』とされる可能性も高い。
そんな印象もたしかにあるけど、香水好きなら香りの芸術性を見出すことができるはずです。
■リピート
2mlで試したニシャネ14種類の香りの最後『ナンシェ』。
後半は好きだけどトップが…と一番なやましく、すっごく良い香りと記憶したい作品
15mlがあればほしいのに!(『ナンシェ』のサイズ展開は50・100mlのみ)
YSL【LIBRE EDP/2019】 2024.06.01
YSL【Mon Paris EDP/2016】 2024.05.31
YSL【Black Opium Over Red/2024】 2024.05.30
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