街角と人間ウォッチング
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今から六年前、友人から一冊の文庫本を紹介された。すべてはそこから始まった。年百冊以上の本を読み出した。昨年ある福祉関係の資格試験を受験した。まったく経験のない分野だった。動機は故郷で独り暮らしの高齢の母が初期の認知症を患ったことによる。高齢者の独り暮らしは食事もバランスを欠き、他者とのコミュニケーションも少なくなりがちだ。母の場合は風邪をひいてまともに食事をとらず体力が衰え、タイミングよく認知症の症状がでたようだ。幻覚に悩まされ辛かったようだ。いまはそうした方々が入所しているホームのお世話になっている。認知症の勉強と住居環境を学ぶ中でどうせならと思って受験を決めた。効果効用というのは専門用語の登場するテキストを忍耐強く難なく読み切れたことだ。一冊の本とは、浅田次郎の壬生義士伝だ。剣の使い手で学問にも通じる主人公は貧しく明日食べるものにも事欠く。彼が新撰組に入隊するのは家族が食べるためだった。ひたすらそのことのために生き抜く。
January 24, 2010
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