クラシック音楽リスナーの局(tsubone)

クラシック音楽リスナーの局(tsubone)

July 11, 2006
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カテゴリ: 音楽的雑談
いささか旧聞になってしまいましたが,去る6月15日の夜はフルーティストの宮本明恭先生のリサイタルを,東京オペラシティのリサイタルホールで聴いていました.その日の午後は運良く東京に出張があり,アフターファイブにリサイタルを聴きに行きました.

先生は1936年のお生まれと配布されたパンフには書いてありますから,70歳のご高齢ですね.ですが,この年齢ではまだまだフルートは大丈夫で,このくらいのお年でまだまだ現役の演奏家はたくさんいます.もちろん,いまをときめく新進の,というよりは,後進の指導をされている,というご年齢ではあるかもしれません.しかし私は,実は宮本先生というと特別の感慨があるのです.フルートを吹き始めたのが中学2年の暮れでしたが,そのとき,NHKの教育テレビで「フルートとともに」の講師をされているのが,この宮本先生でした.当時は,N響の主席フルート奏者のおひとりでした.その時のテキストの内容は 過去の日記 にあるとおりです.

山野楽器のフルートサロンの頁 を時々見るのですが,演奏会情報をみたら,先生のお名前があったので,懐かしさもあり,午後東京に出る予定もあったために聴きに行ったのでした.

演奏会のチラシはこのとおり,
演奏会チラシ宮本先生
でした.曲目は,
1. F.X. モーツァルト ロンド ホ短調
2. A. ジョリベ    戯れ Capers
3. M.ブルッフ     アヴェ・マリア 作品61 日本初演


5. W.A. モーツァルト アンダンテ ハ長調 K.315
6. F. マルタン    バラード

というプログラムでした.古典から近現代まで幅広い選曲でしたね.

私はリサイタルホールの客席で前から2列目のかぶりつきで拝聴しました.先生の音色はとても柔らかく,また,音が天井のほうから聴こえてくる,そういうとても響きが幅広い演奏です.それでいてダイナミクスがあって,決して音が散ってしまっている,というのではありません.ホール全体が鳴っているんですね.配布されたパンフによれば,当日はSANKYOのフルートで頭部管24K金製,本体総18K金製のものを使用とあります.

この日の演奏では,やはりモーツァルトのアンダンテが印象に残りました.しばらくおさらいしたことのある曲なので,要所をどのように演奏されるのか,細かいところまで聴けてしまう,ということもありますが,やはり親しみやすく聴きやすい曲,ということもありますね.ゆったり目のテンポで優しく歌い上げておられました.

ブルッフの曲は,もともとヴァイオリンまたはチェロのための独奏曲としてかかれたものを,宮本先生ご自身がヴァイオリンパートをフルート用に編曲されたものだそうです.確かに旋律線がフルート用に書かれた曲とは違い,なるほど,と思える演奏でした.

演奏終了後,すぐにロビーにお出になり,お知り合いやお弟子さんだろうと思われる方々とにこやかに談笑されていたのが印象的でした.それにしてもロビーでもお年を感じないほどの軽やかさで,あちらこちらに歩き回りお話される様は,今後まだまだご活躍されそうだと確信できるほどエネルギッシュでした...






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Last updated  July 12, 2006 01:44:07 AM
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