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2016.01.02
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 年末にやっていたNHK特集のシリーズ「新・映像の世紀」がすさまじくて。前のシリーズは20年前に放送して当時も高い評価を受け、近代史の参考資料として学校で見た人も多いのではないかと思います。

 今作では新たに見つかった映像や資料などを基に、また、視点を「現代の紛争や国際問題の原因の過去の因果関係」として構成されていて、別の意味で映像をより深く興味深く見ることが出来ます。

 で第3話の「時代は独裁者を求めた」はそれを象徴する内容でした。どうしても戦後の世界的価値観でアドルフヒトラーがすべて悪い、すべての元凶のような絶対悪としてとらえがちですが、当たり前ですけどヒトラー1人で世界を混乱に陥れたのではない、それどころか彼は「民主的手続き」によって政権を奪い、当時第一次世界大戦の敗戦不況で疲弊していたドイツ経済を立て直し、現代の社会システムの根幹ともなる週休2日制や労働時間規制、社員食堂といったものを普及させた政治家でもあり、何より国民の89%という圧倒的な支持を受けていた、そして、後に戦争をするアメリカの経済界などもお得意様として彼を支援し、また、リンドバーグやフォードといった有名人も支持していたり・・・

 しかし、その後のユダヤ人迫害の映像はすさまじく。同時にユダヤ人を迫害していたのはドイツだけではなく、世界中で同様のことが行われていて。

 そのほかにもドイツ占領から解放されたとたん、フランス市民が率先して差別や迫害に協力、加担する残酷な映像、また、ファシズムに敵対する共産党政権もまたすさまじい民衆殺戮を行う様子など「今の時代から見ると狂気」としか思えない行動が日常化している。

 しかしこれは同じ人類の歴史であり、当時も今も、世界中どの民族でも起こり得る、それこそ社会的に不安定になると民衆が自ら強力な独裁者を求め、思考を放棄し権力者ににゆだねてしまう。強力な支持を受けるようになった独裁者を批判することすら許されなくなる・・・

 同じことは地球の裏側の日本でも起きていて、その映像でも南京陥落を祝う日本人の祝賀イベントを読売新聞が協賛していたり、プロパガンダ映画にディズニーや日本でも後に有名な清純派女優、原節子が協力していたり。いろんな角度から「狂気は皆が権力に媚び作り上げた」ことを表していました。このドキュメントを見ると、日本国内でも昨今たまに見かけるヘイトデモや民族、宗教差別的スピーチをとても笑うことが出来ない、当時にも全く同じことが行われていたことに背筋が寒くなる思いです。

 番組の最期に戦後、ユダヤ人捕虜収容所の惨劇を強制的にドイツ人に見せる行為をおこなって。数々の死体の山、骨と皮ばかりになったユダヤ人の捕虜・・・女性は気を失い、男性は顔を背け、“知らなかったんだ”という声が、人びとから上がった。すると、開放された収容者たちは、怒りをあらわにこう叫んだ。いいや、あなたたちは知っていた。

 番組内ではそれこそ見るに堪えない悲惨な映像も取り上げられていましたが、これは皆が知っておく、見ておくべき映像だと思いました。誰でも、どこでも起こり得る「うちの民族は優秀」なんて言葉が消し飛ぶような、それこそ今、イスラム国が行っている行為を野蛮だとして非難できないような歴史をどの民族も過去に持っている、人類共通の狂気として。



 この言葉は実に未来を予見している言葉だと思います。






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最終更新日  2016.01.02 15:33:52
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