これは、1999年にこの効果を定義したコーネル大学のディヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱した認知バイアスのことです。
「能力の高い人は、自分の能力を過少評価する。逆に能力が低い人は、自分の能力を過大評価しやすい」
たとえば、平均点 5
0点のテストがあったとします。
普通、平均点以上の人は、みんな自己評価が高いはずだと思います。
特に高得点をとった人はうれしいはずです。
反対に平均点以下の人は、意気消沈します。
自己評価は当然低いはずだと考えやすい。
この認識は逆だというのです。
現実を見るとそれがよく分かるというのです。
平均点以上の人は、「自分はまだまだだ。こんなものではない」と思ってさらに努力精進を重ねる。
さらなる成功体験で自信をつけて、もっと点数を伸ばしたくなる。
次の新たな目標を再設定して、そこに到達しようと努力を開始する。
つまり緊張の糸が途切れていない。
大脳でいうと報酬系神経回路のスイッチがオンになっている。
ドパミンやβエンドルフィンが A10
神経系を走り回っているという状態です。
やる気と緊張感が好循環している。
平均点以下の人は、「自分はこんなものだ。これが限界だ。これ以上は無理だ」と思ってそれ以上努力しなくなる。
平均点以下の人は、不十分な結果に発奮するというよりも、あきらめに近い心境になる。
物足りない成績ですから、やらなくてはと思って自分を叱咤激励しても全くやる気が出てこない。
大脳ではドパミン主導の報酬系神経回路の活動が停止されているので無理もありません。
大脳がノルアドレナリン主導の防衛系神経回路に切り替わって駆け回っているのです。
緊張感が弛緩状態に変わり、行動は抑制的に作用している。
いくら自分を鼓舞して、「努力しなければ」と思っても、本音の部分が逃げ腰になっているのです。
成績の悪かった人は、やる気が萎えてしまったということです。
やる気が出ないのは本人のせいにしてしまうのはかわいそうです。
脳の働きが抑制的に働いているだけなのです。
脳の仕組みが理解できたら、報酬系神経回路を活性化することを考える必要があります。
そのためにどうするか。神経質者はマイナス思考、ネガティブ思考が習慣化していますので、行動から変えていくことをお勧めします。
森田理論の「生の欲望」を刺激していくことです。
規則正しい生活と凡事徹底に取り組むことをお勧めいたします。
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