言わずと知れたペ・ヨンジュン氏、最新作です。

しょっぱなからヨンジュン氏のアップで始まります。ファンの方は待ってました！というところでしょうけど、すぐに苦渋の表情だと気づきます。

照明ディレクターのインス（ペ・ヨンジュン）は、仕事中に妻スジン（イム・サンヒョ）が交通事故にあったと連絡を受ける。サムチョクの病院へ駆けつけると、手術室の前に見知らぬ女ソヨン（ソン・イェジン）が不安げな表情を浮かべて座っていた。

事故にあったとき、彼女の夫とインスの妻は同じ車に乗っていた。警察の話や証拠の映像から伴侶の裏切りを知る二人。やり場のない思いを共有しながら、依然として意識の戻らない伴侶の世話をするインスとソヨン。いつしかお互いの存在に癒され心惹かれていくようになる。

同じ過ちを犯すに至る二人の気持ちの変化が最大にして唯一の見所だと思うのですが、さっぱり伝わってきません。とくにインスの内面は謎が多いです。

うまくいかないときはすべてうまくいかない。仕事も家庭も。うまくいきかけたかに思えたら、その先にあるのは取り返しのつかない後悔だけかもしれない。でもじっとしてはいられない。分かりますよ、分かります。

信じてた人に裏切られるのがどんなに辛いか。自分も被害者なのに、どうして人から罵られなきゃならないのか。怒り、悲しみ、憎しみ。それらに押しつぶされそうになるのを救ってくれる相手がこんなに近くにいたら手を伸ばしてみたくもなるでしょう。おまけに若くてキレイだし。

ただ所詮は不倫です。事故った二人は悪くて自分たちは許される。そんな都合よくいくわけがない。

インスってね、ほんとうにただの男なんですよ。ペ・ヨンジュン氏が演じたからこれほど話題になるだけで、無口であまり感情を表さない、どっちかっていうと流れに身を任せるタイプかな。

インスと対照的にソヨン役のイェジンちゃんはよく泣いてましたね。状況的にソヨンのショックが大きいのは理解できます。話題になったベットシーンも美しくコンパクトにまとめられていました。彼女、意外と（？）胸あるのね～。

気の毒なのはヨングク（by冬ソナ）です。ソン・イェジンの夫というオイシイ役どころですが、ずっとベットで意識不明。セリフはデジカメの中でのみ。リュ・スンスさん、いい俳優なのに、もったいない。で、妻の携帯のパスワードは何だったのでしょう？

監督は『八月のクリスマス』などのホ・ジノ氏。田舎のうら寂しい景色など時どき目を見張るほど美しい映像にハッとさせられます。それだけに惜しい。

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