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読書日和　～Topo di biblioteca～

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2005.04.23

『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。

(10)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91860)

カテゴリ：もう一度観たい・読みたい

十代の自分に戻りたいかと問われたら…？

やっぱり「若さ」は羨ましいし（笑）ある意味自分のことだけを
考えていれば良かったあの身軽さが懐かしいけれど、
それは「今」だから気づけることで、当時はその価値を軽視していたと思う。

学校と家。この二つの世界しか知らず、限られた人間関係の中で
苛立ちや自分への嘘や周りへの諦めや…やたら頭の中でばかり考えて
いたために、異様に疲れていたあの頃。
気の置けない仲間との充実した時間も確かにあったけど、
それはやっぱり過ぎていくものであって、取り戻したいものとは違う。

そう思えるようになった今となっては
あの閉塞的な場所には二度と戻りたくない…☆

　　だけど…。

うん、でもこんなふうに客観的に眺めることの出来る「十代」って
なんでこんなにキラキラして見えるんだろう！

角田光代さんの「神様のタクシー」

ここに登場するハミちゃん、無性に自分の中学校時代を思い出す～。
「校則を破るなぞ言語道断！」なんて頭の固さがかつての自分そっくりで
なんてやな奴だろう～！笑ってしまう。笑うしかない。
でもその一方でスカート丈や前髪の長さ一つ一つに煩かった教師たちを
「馬鹿みたいだ」と思ってもいた。

世界が広がっていることに早く気づくべきだった。

瀬尾まいこさんの「狐フェスティバル」

十代といえば自己との葛藤を描くもの、というような作品が多い中で
登場人物たちが一番生き生き描かれていたのは瀬尾さんの作品でした。
こういう明るさは素直に羨ましい！と思えます。

藤野千夜さんの「春休みの乱」
野中ともそさんの「ハバナとピアノ、光の尾」

…の二編はよくわからなかったの。ごめんなさい。

椰月美智子さんの「イモリのしっぽ」

この「イモリのしっぽ」でした
学校生活の中で大きな比重を占めるといったらやっぱり部活でしょう。
部員の少なさと予算のなさと、でも少人数だからこそ生まれる
部員同士のあ・うんの呼吸がとても懐かしい。
卒業を控え、その居心地のいい場所から出て行かなくてはならない
（でも新しい場所での期待もある）そんな主人公の気持ちがとても
優しく伝わってきます。

島本理生さんの「inside」

島本さんの静かな語り口には鎮静作用があるみたい。
両親の不仲を微妙にその空気から感じ取る主人公。
その不安が無意識のうちにボーイフレンドとの関係にも影響を与えて
しまう…。
そのボーイフレンドの大鳥君がこれまた優しくて良い子なのです。
ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』、読んでみたいなあ。
好きな作家に影響を与えた作品って読んでみたくなります。

川上弘美さんの「一実ちゃんのこと」

嘘か冗談か本当のことなのか、（でもそんなことは大きな問題じゃない）
という匙加減の上手さが「ああ、川上さんだ」と思う。
こういう乾いた明るさは年齢とは関係がなくて、それを元々宿している
人にはどんな深い絶望が襲ってきても自分自身を照らし出せるだろうな、と
根拠もなく信じられる。
余談ながら…柊はかつて『青春の蹉跌』石川達三著で読書感想文を
書いた思い出があります。

　　　　　　　　　　　　　柊の別宅案内　→　

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最終更新日 2005.04.23 10:26:56
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■コメント

十代の自分に戻りたいかと問われたら…？

tuitel さん

＞十代の自分に戻りたいかと問われたら…？

今の自分の考えや記憶、能力を持ったまま、
十代にもどれたら、良いけど。
つまり、時間と状況と体力だけ十代。

もう一回、あの、自意識過剰、右往左往、疲労困憊は
やりたくないな。
恥多き十代。思い出し赤面。 (2005.04.23 10:21:02)

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Re:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

machirun さん

これって作家さんが豪勢ですね☆　それだけでも読んでみたいかも（ミーハー；）

十代かぁ・・・。今の中身で戻れるのなら戻ってみたいかもしれないかな。　
「あの時は・・」とか思えるのは「そこ」を通り過ぎたからこそですもんね。　「あの時・・」と思う回数が年齢を重ねるほど多くなることを考えると、あの小さな世界でピリピリしながら元気にやっていた頃はそれはそれで良かったのでしょうね。・・まぁ、これも今だから思えるんですけどね。笑。　 (2005.04.23 20:05:12)

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Re:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

☆なほまる★ さん

あの時、やり直せるならこうしたのに・・・　というのはあるけど、
そうしたら、どうなっていくのだろうと思うと恐ろしさもあります。
「スライディング・ドア」のように並行して見られるなら、確認してから試してみたい（笑
(2005.04.23 21:49:36)

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Re:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

秋0713 さん

私はちょうど、今日島本理生さんの『シルエット』を読み終えたばかりで、この作品は以前から気になってたので、島本さんの作品も入ってるので尚更気になりました。

角田さんの現実味ありそうですね。
私も高校の時は特に私学だったんで、スカート丈や、靴下まで指定など、校則うるさかったです。

短編だと、おもしろいのと、どうしてもわからないの、ちょっと理解できないのってありますよね。

私はけっこう短編好きなのでよく読むのですが、けっこう期待してた作家さんの作品ほどはずれる時あります。 (2005.04.23 22:57:01)

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Re:十代の自分に戻りたいかと問われたら…？(04/23)

柊♪ さん

tuitelさんへ

＞今の自分の考えや記憶、能力を持ったまま、
＞十代にもどれたら、良いけど。
＞つまり、時間と状況と体力だけ十代。

あはは、それは柊も欲しい！ものです。
時間と体力、欲しいなあ…（しみじみ）
赤面しちゃうような思い出、柊にもいっぱいあります☆ (2005.04.24 17:07:17)

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Re[1]:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

柊♪ さん

machirunさんへ

＞「あの時は・・」とか思えるのは「そこ」を通り過ぎたからこそですもんね。　「あの時・・」と思う回数が年齢を重ねるほど多くなることを考えると、あの小さな世界でピリピリしながら元気にやっていた頃はそれはそれで良かったのでしょうね。

そうですね。
もし、今十代真っ盛り～の人たちがこの作品集を読んだら
どんな風に感じるんだろうって思いながら読んだりもしました。
共感でしょうか、それとも感傷的過ぎると感じるのかしら？？
聞いてみたいです（笑） (2005.04.24 17:09:33)

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Re[1]:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

柊♪ さん

☆なほまる★さんへ

＞「スライディング・ドア」のように並行して見られるなら、確認してから試してみたい（笑

「スライディング・ドア」、不思議な映画でしたね。
あれ？柊は結末を忘れてしまってる～^^;
(2005.04.24 17:11:00)

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Re[1]:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

柊♪ さん

秋0713さんへ

＞私はけっこう短編好きなのでよく読むのですが、けっこう期待してた作家さんの作品ほどはずれる時あります。

ありますね、そういうこと☆
今まで読んだことなかった作家さんの作品に、はっとさせられたりします。
今回は椰月さんの小説に出会えたのが柊には収穫でした♪
角田さん、瀬尾さん、島本さんは期待通りって感じでした(*^^*) (2005.04.24 17:13:39)

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Re:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

はるる！さん

「若い」ってことは、それに気がつかないくらい、色んなものに夢中になれる季節なのかも知れませんね。 (2005.04.28 12:16:56)

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Re[1]:『TeenAge』角田光代ほか著　読みました。(04/23)

柊♪ さん

はるる！さんへ

＞「若い」ってことは、それに気がつかないくらい、色んなものに夢中になれる季節なのかも知れませんね。

そうですね…もっといろんなことに気づけていたら、
もっと一分一秒大事に過ごしていたかも…！？
(2005.04.28 18:16:23)

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