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2006.12.02
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カテゴリ: 洋画

 6代目ボンドのダニエル・クレイグ出演第一作。イオン・プロダクションによるシリーズ全体からすると第21作目。
 ソニーがMGMを買収してから初めて製作された007でもある。
 原題は「CASINO ROYALE」。


粗筋

テロリストらから資金を預かり、その金で投資して増やした後、料金を差し引いてテロリストらに返す、といういわゆる「テロリストのファンドマネージャー」であるル・シッフル。
 そんな彼は、航空会社の株価をテロによって大暴落させ、巨額の金を稼ぐ計画を実施するが、007によって阻止されてしまい、逆に大損してしまう。テロリストから預かった金を返せなくなってしまった。慌てたル・シッフルは、カジノのポーカーで損した分を回収することに。
 その計画を阻止する為、英国情報部はポーカーが得意な007を送り込む。ル・シッフルをポーカーで負かし、更に大損させれば、ル・シッフルは英国情報部の保護を求めるだろう。テロリストらの情報を得られる、と考えたのだ。
 007には財務省の女性担当官ベスパー・リンドが宛がわれ、二人でル・シッフルと対決するのだが……。


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感想

本作は、大人気だった5代目ピアーズ・ブロズナンがシリーズ降板した後に6代目としての出演が決まったダニエル・クレイグによる最初の作品。
 ピアーズ・ブロズナンがあまりにも人気だった為、ほぼ無名のダニエル・クレイグの起用は反発を招き、ダニエル・クレイグに対する批判は凄いものだった。
 が、蓋を開けてみるとダニエル・クレイグのボンドは大絶賛されていて、「ピアーズ・ブロズナン? 誰、それ?」といった感じになってしまっている。
 個人的な意見は、「ま、悪くはないが、大絶賛するほどでも……」である。
 これは、ダニエル・クレイグが悪いというより、プロットそのもの、しいて言えば原作が悪いといえる。
 原作(小説)のカジノ・ロワイヤルでは、007は小説の2/3辺りでル・シッフルとの対決を終え、クライマックスを迎えてしまう。残りの1/3は007とヒロインのベスパー・リンドとの恋愛劇になり、最後の最後でベスパー・リンドが裏切り者だった、というどんでん返しになっている。小説としては、非常にペースが悪いのである。
 本作は、小説をほぼ忠実になぞっている為(1953年に初出版された小説からかなり近代化されてはいるが)、小説のペースの悪さまで忠実になぞってしまっている。さすがに007とべスパーとの恋愛劇は全体の1/3には達していないが。

 これまでの007シリーズは、世界征服を試みるなど「超大物悪党」が多かった。
 今回の悪党ル・シッフルは、テロリストらの資金を運用して資金を増やすという悪徳ファンドマネージャー。これまでの敵と比較して、しょぼい。テロリストらから「預けた金を返せ!」と迫られると青くなるし。しかも、このル・シッフル、最終的にはボンドによって殺されるのではなく、別の悪党によって殺されてしまうのである。
 非常にみっともない悪党といえる。

 プロット的には、分からない部分が多い。
 ル・シッフルは、カジノ・ロワイヤルに向かった時点で既に「投資」に失敗し、顧客のテロリストらに大損させ、テロリストらから終われる身だった。なぜ英国情報部は単にル・シッフルを捕らえ、「テロリストらに関する情報を吐けば、保護してやる」と交渉しなかったのか。狡猾で計算高いル・シッフルは応じていたと思われる。007をカジノに送り込んでル・シッフルに更に損をさせ、ル・シッフルを一層窮地に追い込ませれば取引に応じるだろう、と回りくどいことを考えた理由が分からない。
 あと、ル・シッフルの考え方も分からない。「投資」に損をしたら損をしたで地道にまた投資して増やし、「顧客」に返していればよかったと思われる。カジノで一気に勝って金を回収しよう、となぜ考えたのか。いくら数学の天才とはいえ、カジノで100億円相当の資金を回収するなんて、無謀過ぎる。こんな考えしか持てない奴だったからこそ、ファンドマネージャーとして失敗したのではないのか。
 そもそも、ル・シッフルがそんなに優秀なファンドマネージャーだったら、何もテロリストなど顧客にせず、合法的にやっていた方がより多くの資金を集め、より健全に金を稼げたと思うが。テロリストの資金力なんて、そう大きくはないだろう。仮に多額の資金を動かせたとしても、各国の政府機関によって監視されているだろう。また、本作品のように投資に失敗したら命を狙われる。百害あって一利なし、というほどではないにせよ、合法的にやるほどの旨みはないと思われる。

 本作では、007が穴の開いた椅子に裸で座らされ、ル・シッフルが急所を痛め付ける、という拷問シーンがある。
 これは、原作にもあるシーンなので、そのままなぞったのだろうが、007が急所を痛め付けられて大声を上げている姿は、観ているこっちが惨めに感じた。
 別の拷問方法にできなかったのか。

 本作のボンドガールは、エヴァ・グリーン。
 女優としてはそう悪くないんだが、顔はちょっと……。
 スッピンのシーン(といっても、実際にはスッピンではなく、薄化粧しているのだろうが)では「意外と綺麗だな」と思えるのに、カジノのシーンなど、化粧をして登場すると顔が物凄くきつく見え、全然綺麗に見えなかった。
 本作品ほどボンドガールをどうとも思わなかった007作品も珍しい。
 これだったら劇中の「オーシャンクラブ」の金髪受付嬢の方がずっと綺麗だった。
 キャスティングミス。というか、メーキャップ担当者の選択ミスか。

 本作は、ボンドが007になった時のミッションを描いているとされる。その割には上司のMがブロズナン007と同じ中年女性、というのは奇妙な気がする。それだったらブロズナン007前と同じ男性のMにした方が良かったと思うのだが……。
 あと、本作ではこれまでのシリーズではレギュラーキャラだったQやマネーペニーが登場しなかった。007とQやマネーペニーとのやり取りがなかったのは残念である。
 最後に、オープニングのガンバレルシークエンスが、非常に変則的になっていたのは残念。
 それらに関しては、配給会社MGMを買収したソニーの意向もあったのだろうか。


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Last updated  2006.12.02 20:16:49
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