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2007.05.27
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カテゴリ: 邦画

 今敏監督作。
 大友克洋が企画に参加している。


粗筋

イマイチ売れていないアイドルグループ・チャム。このままでは駄目だと感じたメンバーの未麻は、アイドルから脱して女優の道を歩むことに。
 この判断には、元アイドルでもある女性マネージャーが反対する。しかし、未麻は戸惑いを感じながらも押し切る。
 アイドルを脱する以上、濡れ場も要求される。未麻はそれに抵抗を感じながらも持ち込まれてくる仕事をこなしていく。
 一方、チャムは、皮肉にも未麻が脱退してから人気が上向くように。未麻は、アイドル路線から抜けなかった元の仲間が成功しているのに、ちょい役でしか活動できない自身の判断が正しかったのか、と悩むようになる。
 そんなところ、インターネットで自身のサイトがあることを知る。パソコンに疎かった彼女は、そんなサイトの存在すら知らなかったが……。内容を見てびっくり。まるで自分が作成したかのように、彼女の日常生活が正確に描かれていたのだ。そのサイトでは、自分はアイドルであり、女優なんかではない、と主張していた。一体誰が作成しているのか、と未麻は不思議に思う。
 そんな中、未麻の周辺で殺害事件が多発する。未麻は、もしかして自分が無意識の内に殺害しているのでは、と怯える。なぜなら、被害者はどれも未麻の「脱アイドル化」に手を貸した者ばかりだったからだ。
 未麻は次第に気力を失い、「自分」が本日何をしたかを問題のサイトで確認する、という精神状態に追い込まれることに……。


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感想

真相は、以下の通り:
 未麻の女性マネージャーは、売れなかった元アイドル。彼女は、自身が実現できなかった夢を、未麻に託そうと考えていたが、未麻はアイドルから女優に転進。アイドル時代では有り得ない塗れ場シーンにも挑戦することに。
「未麻はあくまでもアイドル」という思考から抜け出せない女性マネージャーは、それが許せない。未麻の脱アイドル化に関わる者を、未麻の熱狂的なファンを利用して次々殺害。
 そうしている内に、女性マネージャーは自身こそ「アイドルで、本来の姿である未麻」だと思うようになり(サイトは彼女が作っていた)、「女優を目指している未麻は偽者」と見なして、未麻を始末しようとする……。

 アニメ、というと子供向けの代物だと思いがちだが、本作は完全に大人向け。
 当時としては珍しいヘアヌードもあるし。
 アニメではなく、実写で出来るのでは、と思ってしまう一方、本作の内容通りでは主役を説得力ある形で演じられる女優はいないので、アニメにしたのは正解だった、とも思ってしまう。

 本作は、芸能界で活動する人物の苦悩を描いている。
 濡れ場なんてやりたくないのに、持ち込まれた仕事である以上、断れない。公の場では笑顔で応じながら、自宅ではあまりの惨めさに泣いている。
 元仲間が徐々に人気が上昇しているのも、惨めさを後押し。
 しかし、どんなに惨めに感じていても、どんなに嫌でも、もう後戻りはできない。
 本作はその辺りの心情を上手く描いている。
 実際の女優らもこうなのかね、と思ってしまう。

 サスペンス作品としてもよく出来た作品である。
 真相が明らかにされるまでは、未麻が手を下したとしか思えないし。
 真相が明かされた時点で、様々な「証拠」が目の前にぶら下がっていたことが明らかになる。
 女性マネージャーが、元アイドルで、未麻の女優転進に強く反対していたこと。女性マネージャーがパソコンに詳しかったこと。未麻の行動や日常生活をほぼ完全に把握できたこと……。
 そうしたミステリー作品だとは思っていなかったので、驚きが増した。

 本作は、1990年代後半に公開された作品。
 けっして古い作品ではない筈なのに、時代を感じてしまう。
 未麻はインターネットやホームページについて全く知らなかったが、現在では有り得ない。今は、アイドルが積極的にネットを活用している。
 アイドルも、現在は突然結婚したり、妊娠していることを表明したりする。「アイドルは清純でなければならない」とは誰も考えていない。
 また、女優も、「濡れ場を経験しなければ大成しない」という訳ではない。現在の若手女優は、アイドル並みの清純的なイメージを維持したまま女優として大成している。ある意味、こうした若手女優こそ昔の意味での「アイドル」のような。
 未麻も、現在だったらさほど悩むことなく女優に転進できたかも。というか、アイドルグループを脱退せずに女優もやる、ということもできただろう。
 本作は、1980年代のアイドル像がまだ残っている一方で、21世紀の技術革新も垣間見える1990年代後半だからこそ製作できた映画といえる。これより前だとネットは存在していないので説得力がないし、これより後だったら「アイドルの描き方が古過ぎ」と酷評されていただろう。

 本作は、「絵が割りと綺麗」と感じる部分と、「なぜ絵がこんなに汚いの?」と感じる部分がある。まるで担当者が異なっていたかのように。
 全体的な色調は、タイトルを意識してか、ブルー調に仕上がっている。


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Last updated  2007.05.27 15:19:06
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