全2160件 (2160件中 1-50件目)

手賀沼沿岸には、7月下旬になるとコムクドリ20羽前後が姿が現すエリアがあります。注目したいのがコムクドリ雄の頭部の栗色斑です。竹中(2005)は、2005年日本鳥学会でコムクドリ雄の変異と繁殖行動と題して報告をしています。コムクドリの頭部羽色の追跡調査を行ったところ、頭部の栗色斑は個体の加齢や頭部の栗色の部分が大きくなるといった年齢のindicatorである可能性は低く、頭部の栗色斑の大きさ形態は雄の繁殖行動の特徴を示すflagの役割を果たしている可能性が高いと述べています。2004年までの調査結果によると、頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの方が一夫二妻になる個体が多く、逆に頬斑の面積が広く頭全体をえりまきのようにとりまいているタイプの雄では一夫二妻となる個体は観察されなかったと報告しています。あわせて、雄成鳥の頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの方が営巣への貢献が低く、第一雌に抱卵を任せ、第2雌を得るために時間を割いている可能性があることから雄頭部羽色パターンは子育ての協力の度合いを示すflagの役割を果たしている可能性があると指摘しています。(引用)竹中万紀子.2005.コムクドリ雄の変異と繁殖行動.2005年日本鳥学会口頭報告.pp1.(写真)1枚目、3枚目、5枚目:2023年7月29日、2枚目2025年4月28日、4枚目:2025年4月28日、6枚目:2023年7月31日いずれも手賀沼沿岸で撮影1枚目が頬斑の面積が広く頭全体をえりまきのようにとりまいているタイプの雄2枚目が頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの雄3枚目は頭部栗色斑が最も小さく両頬に斑状に分布するタイプの雄を下方向から見たもの4枚目は、雌で、背が灰褐色、嘴が黒く、中雨覆に白色部があります。5枚目、6枚目は若鳥で、6枚目の個体には頬に栗色部があるので雄の可能性があります
2026.07.26
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柏の葉キャンパス駅近郊で2018年からヒメアマツバメの姿を観察しています。2024年11月を最後に観察記録が途切れていましたか、7月16日2羽を目撃しました。まだ何を食べているかまでを把握できないままです。どんな虫を食べているかについて文献や知見を調べてみました。(フンに含まれていた昆虫破片)高野ほか(2024)は、東京都千代田区および神奈川県真鶴町において2021年秋にヒメアマツバメのフンを採取し、内容を調査し結果を報告し、カメムシ、甲虫、アリが多かったと述べています。以前は、堀田(2012)が「空中を飛びながら、上昇気流に吹き上げられたカやハエ、羽アリなどの飛翔性昆虫を捕る」との報告を目にしていたので、カメムシ、甲虫、アリが多かったとの報告は新鮮でした。(飛翔性昆虫の多さが魅力?)こんぶくろ池公園と周辺では、蛾、蝶、トンボなどの飛翔性昆虫が多いと言われています。くわえて、柏の葉キャンバス駅近郊には、高層住宅が多く風に乗って昆虫が巻き上げられ、外壁の暖かさや明るさに引き寄せられカメムシが多くなるとされています。(引用)堀田昌伸.2012.ヒメアマツバメ 食性と採食行動.Bird Research News Vol.9 No.6.p4-5.髙野丈・守屋博文・神山和夫.2024.ヒメアマツバメのフンに含まれていた昆虫破片.バードリサーチニュース.2024年11月9日.(写真)1枚目:2023年5月30日柏市、2枚目:2020年9月19日柏市で撮影
2026.07.25
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鳥友から書籍をみていたら、北海道のほとんどの地域にホトトギスはいない旨が記されていた。(北海道のホトトギスに関する記述)樋口(1985)が「函館周辺を除く北海道の大部分の地域ではホトトギスが繁殖しない」と報告し、石田(2015)も「夏鳥として全国に渡来するが北海道では南部のみ」と述べています。(北海道におけるホトトギスの観察記録を紐解いてみると)藤巻(2017)が、ホトトギスについて1976~2016年の4月下旬~7月上旬に行った調査結果や文献に報告されているものを整理し報告しています。調査結果によると、「ホトトギスが記録された区画は渡島半島の桧山地方と渡島地方のほか,胆振地方中部の伊達市,室蘭市,登別市,苫小牧市に多く見られ,それ以外の地域では非常に少なかった。調査・観察の記録のある1519区画のうちホトトギスが記録されたのは75区画,4.9%であったが、桧山地方,渡島地方,胆振地方中部に限ってみると、調査・観察の記録のある150区画のうちホトトギスが記録されたのは55 区画(36.7%)であった」と記しています。文献に報告されているものでは、「胆振地方中部ではホトトギスが記録された区画がまとまって見られ、登別市では1992年以降ほぼ毎年声が聞かれているので、胆振地方中部も繁殖期の分布域に含めるべきであろ」と述べ、さらに「後志地方の仁木町銀山も小樽市、北広島市、札幌市、江別市野幌、十勝地方の新得町、帯広市、、根室地方の根室市別当賀、川口、東梅、別海町野付、羅臼町松法、留萌地方の天売島,上川地方の当麻町、、上川町大雪ダム、網走地方の網走市能取で稀に記録されている」、繁殖期における大陸、サハリン、北海道での観察記録は、北緯45~46度と報告しています。(ウグイスがたくさんいるのにホトトギスの分布が拡大しない理由)バードリサーチ(2023)が、全国鳥類繁殖分布調査の整理した結果から、大陸側の分布北限も日本とほぼ同じ緯度まででそれより北には分布しておらず、気温やこれまでの分布の歴史や北海道ではツツドリがウグイスに託卵しておりホトトギスの託卵相手のウグイスと競合していることが影響しているのではないかと報告しています。(引用)樋口広芳.1985.赤い卵の謎.鳥の生活をめぐる17章.p3-21.思索社.石田光史.2015.野鳥図鑑.p119.ナツメ社.バードリサーチ.2023.日本の森の鳥の変化:ホトトギス.https://db3.bird-research.jp/new s/202304-no2/
2026.07.24
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暑い毎日が続ていますが、7月終わりから9月にかけて、蓮田や水路などで姿を見かけるタカブシギ、夏羽個体の摩耗が進んだ個体と遭遇することがあります。体上面に細かい白斑が目立つと覚えている方にとっては珍鳥としてしまう場面があります。その場合に、観察しておきたいポイントを紹介します。夏羽の摩耗が進んだ個体では上面の白斑が擦れて小さくなります。こういった場面で観察しておきたいポイントとして、(1)足の色と長さ、(2)眉斑、(3)嘴があげられます。(1)足の色と長さタカブシギはクサシギより体がやや小さく、足は長くて黄色味が強いのが特徴です。クサシギは足色は普通は緑色がかった黒色です。(2)眉斑タカブシギ夏羽個体は眉斑がぼやけ気味で眼の後方まで続いているのに、クサシギの眉斑は眼の所で止まっています。(3)嘴タカブシギの嘴は細くてまっすぐで短いのに対して、クサシギの方がやや細く長いです。(写真)タカブシギ:1枚目:2021年7月31日稲敷市、2枚目:2018年8月19日稲敷市、クサシギ:3枚目:2019年9月9日稲敷市、4枚目:2021年8月18日柏市で撮影
2026.07.23
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生しました。見守り活動を続けています。(幼鳥が独力でスズメを捕獲)今朝は、幼鳥2羽の姿が林の中にあるのみとなりました。20日に幼鳥が自力で獲物のスズメを捕獲し、枝に移動し解体し食べている姿を観察、今朝も同様で2羽とも自力でスズメを捕獲し、羽根をむしり解体し自ら食べていました。林の中での飛翔術はかなり向上し、スズメの捕獲する回数も多くなってきました。写真1枚目は地面でスズメを押さえつけている光景、2枚目は枝に移動しついばんでいる姿、3枚目から5枚目の写真は、スズメを解体している姿、6枚目は獲物を食べた後の嘴についた肉片をしごいてとっていた姿です。(獲物をねらう姿に精悍さも)7枚目から9枚目の写真は、枝にとまり、飛翔するスズメがいないか待伏せしている姿です。虹彩に黄色味が出てきており、顔つきも精悍さが出てきました。(写真)2026年7月22日撮影(1枚目、6枚目、10枚目は2026年7月20日撮影)
2026.07.22
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真夏の松戸市千駄堀池を訪ね、水辺の鳥の生態を学んできました。(カイツブリが蹴立てて水面を飛ぶ)潜水の名人なのに飛ぶことは大の苦手なのが、カイツブリ。水面を移動して走っているような感じの姿勢をとりました。蹴立てて水面を飛ぶ姿が見られるかと思ったらかなわず。植物を集めて浮き巣を作り、産卵・子育てをしています。ヒナの姿は確認できなかったものの、巣のある方向に戻ってきましたので、次の機会のお楽しみ。(ダイサギの波紋漁法を目撃)葦原の縁に止まっていたダイサギが嘴の先端を水中に入れた状態で細かく開閉させ水面に波紋を起こし、見事に魚を捕獲する波紋漁法を目撃しました。波紋漁法は、コサギ、ゴイサギも行うといった研究者の報告があります。(コサギの足探り漁法、虫の通り道で嘴を開け虫を捕獲)コサギが水面下で足先をゆっくり揺らす行動を行うことが知られています。今朝は浮いていた木片の一角で足を揺らすような仕草としていた個体が1羽、もう1羽は空中にむけて嘴を開きっぱなしにして小さな虫を捕獲する光景も観察出来ました。濱尾ほか(2005)が、コサギは種々の魚類の他、カエル類・甲殻類・昆虫、時としてはトカゲ類、ヘビ類、小型哺乳動物や貝類など様々な生物を食う、餌生物の種類やサイズが異なると採食の方法も異なる。(中略)立って待つ<ゆっくり歩く、空中停飛、足ゆすりなど10種類もの採食行動をとり、微小な動物を含む多様な餌生物を多様な採食方法をもちいて捕らえると記しています。(ハシボソガラスは地上がお好き)ハシボソガラスは、ハシブトガラスに比べて長時間地上を歩きながら餌探しをします。ハシブトガラスが水路で水浴びをしている間も、ハシボソガラスは花畑の中に姿がありました。(引用)濱尾章二・井田俊明・渡辺 浩・樋口広芳.2005.サギ類の餌生物を誘引・撹乱する採食行動 -波紋をつくる漁法を中心に.Strix Vol. 23.pp. 91-104.日本野鳥の会.(写真)2026年7月21日撮影
2026.07.21
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梅雨開けとなり、アジサシ類が飛来している印旛沼沿岸を探索しました。クロハラアジサシ13羽、コアジサシ3羽、アジサシ1羽は捕捉可能な水域を飛翔していました。ただし、成田市側の水域を飛翔しているものについては種類の同定もかなわず、相当数が沼に飛来していると思われます。アップした写真は、距離が離れフィールドスコープでは種の識別はできたものの、証拠写真の域を出ませんのであしからす。それでも、コアジサシの黄色の嘴、アジサシの頭が黒い帽子をかぶった感じ、クロハラアジサシの体下面の黒色がかろうじてわかるものと思います。(参考:アジサシ類の体の大きさ)小型種としてはコアジサシ(全長28cm前後)、クロハラアジサシ(全長23~29cm)中型種のアジサシ(全長30~40cm前後)アジサシ類にほかは、岸辺の葦原で誕生したヒナを連れたカルガモ成鳥、嘴が黄色のマガモエクリプスと思われる個体、電線で囀りを披露していた複数のホオジロを観察できました。(写真)2026年7月20日撮影
2026.07.20
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにササゴイが絶滅危惧Ⅱ類と区分され掲載されています。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、分布域について「個体数は減少傾向にあると考えられている。全国鳥類繁殖分布調査の結果では、記録メッシュ数が1970年代の92メッシュ、1990年代の88メッシュ、2010年代の77メッシュと徐々に減少しており、同じ場所で調査できた調査コースでも1990年代の45コースから2010年代の20コースに減少している。また全国鳥類越冬分布調査の結果でも、記録されたメッシュ数が31メッシュから13メッシュに減少していた」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「ササゴイと同様の場所で採食するコサギやゴイサギなども減少しており、河川改修等による採食環境の悪化、大型のサギ類の増加に伴う競争、コクチバスなどの外来種による食物の減少が考えられる。(中略)カラス類の増加による捕食圧の増加もある」と述べています。(千葉県での観察記録)南房総の海岸部、松戸市江戸川の浅瀬で2010年6月に観察していますが、局地的に観察されるのみとされています。(引用)環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目から4枚目:2026年5月11日都内撮影
2026.07.19
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アトリ科カワラヒワは、平地林から山地林、農耕地、草地、公園とさまざまな環境で姿を見かけますが、よく見かけるがゆえに見過ごしてしまい、生態や行動をよく知らない方も多いのではないかと思います。中村(1969)は、長野県での調査結果を整理し報告しています。内容は、50年以上たった今もカワラヒワの生態を学ぶバイブル的存在です。特に、個体数に関しては繁殖期後(6月から9月)の成鳥と幼鳥の集合的増加と冬期(11月から3月)の他地域からの流入による増加という特徴的であると記されている点と生活場所が季節変動するという点は、報告の大きな柱となってます。(カワラヒワの個体数群の変化)中村(1969)は、「年間で最大の群形成がみられるのは9~10月であり、この時期は換羽期にあたり河原に集中し草の上で採餌し、換羽のため樹上の休息時間が多い。繁殖後各地に家族群を単位とした小さな群の形成がみられるが、これがしだいに特定の地域に集合して換羽期の大合同群を形成する」と報告しています。(生活場所の季節変動)中村(1969)は、「非繁殖期は河原が主な生活場所であり、秋から草の種子が地上に落ち地上生活,採餌時間の割合が最も高い。繁殖期には村落を営巣地とし樹上生活、空中生活が多くなり、畑地が主な採餌場所で草の上での生活および採餌行動の割り合が多くなる」と記しています。(引用)中村浩志.1969.カワラヒワ個体群の年変動及び生活場所の季節的変化に関する研究.山階鳥研報.第5巻.第6号.p623-639.(柏の葉キャンパス駅近郊で見られたカワラヒワ)16日にカワラヒワ成鳥と若鳥を見かけた件は報告済みですが、3年前から7月半ばから下旬にかけて背後に草地のある電線に成鳥と幼鳥が止まっている姿を見かけています。10羽未満の個体数ですが、同じエリアに成鳥と幼鳥が見られることから、中村(1969)が述べているような家族単位の群れであり、近郊のどこかで大合同群を形成しているのではないかと群れの発見を楽しみにしているところです。(カワラヒワの雌雄、幼鳥の識別ポイント)繁殖期後(6月から9月)の集合的増加で成鳥と幼鳥の割合がどの程度なのか雌雄、幼鳥の識別が必要になります。写真と簡単な識別のポイントを整理してみました。(1)雄成鳥:写真1枚目、2枚目全体的に緑色味が顕著で、翼、尾の黄色部が目立ちます。(2)雌成鳥:写真3枚目、4枚目全体的に緑色味が乏しく上面は褐色味が強い印象です。写真4枚目は下面に縦斑がないので幼鳥から成鳥に移行段階の個体と思われます。(3)幼鳥:写真5枚目から7枚目頭から背は薄い褐色がかっており、体下面に褐色の縦斑があり下尾筒が黄色です。(写真)1枚目:2025年7月8日柏市正連寺、2枚目:2019年7月27日柏市若柴、3枚目:2026年7月16日柏市正連寺、4枚目:2025年9月17日手賀沼沿岸、5枚目から6枚目:2026年7月16日柏市若柴、7枚目:2023年7月27日柏市若柴で撮影
2026.07.18
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生し生育を続けています。成鳥雌雄、幼鳥4羽が林のファミリーですが、林近くの電柱に雌成鳥、営巣木の近くの枝に幼鳥2羽、別の2羽の幼鳥は隣接する施設内の林の中に休んでおり、夕方近くに近郊まで餌の捕獲に出かけてる模様です。(成鳥雌雄の確認時間は圧倒的に雌が占めている)ヒナが誕生して以来、成鳥雌雄の確認時間は、ほとんどが雌です。しかも、雌成鳥の姿は営巣木から直線距離で10m程度離れた電柱の上にあります。幼鳥に接近したオナガ、カラスを追い払う時だけ猛スピードで追い払ってします。(雄成鳥が捕獲し運搬してくる餌はスズメが圧倒的)雄成鳥は営巣した林の外に出かけ、獲物を捕獲して林近くの高圧線に止まりククッと鳴き声を出して雌成鳥を呼び、空中で餌を受け渡しています。餌を受け取った雌は林の一角の枝に止まり、獲物を解体した後巣に運搬します。その後、鳴き声を出して幼鳥を巣に呼び集めています。餌は解体時の確認していますが、現在のところすべてがスズメです。(満腹になった幼鳥は日光浴)幼鳥たちが雌成鳥から巣で餌を受領し、餌にありつきます。先週からは、雌成鳥が獲物をちぎり1羽ずつに与えて解体を教えているようなそぶりを見かけています。その後、満腹になった幼鳥は枝に腹ばいになり日光浴をする姿が見られるようになりました。(幼鳥の風切内側は明るい褐色)成鳥の風切内側は白っぽいのですが、幼鳥が日光浴中に翼を広げると風切内側が明るい褐色でした。あわせて下雨覆に横斑があるのが見えました。斑がないアカハラダカとの違いを勉強しました。(写真)2026年7月17日撮影(8枚目は2026年7月15日撮影)
2026.07.17
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昼前後の空き時間を使って柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を探索してみました。(西口調整池のヒドリガモ雄エクリプス)西口の調整池にはヒドリガモが越夏している姿を観察することができました。額のクリーム色の部分はほとんどなく、頭部、脇が赤味が強く、雨覆が白いことから雄成鳥エクリプスであることがわかります。(雄幼羽は雨覆が白くなく、灰褐色の縁取りがあります)このほか、水草で覆われている水面からカイツブリが顔を出したり、岸辺の遊歩道にはハクセキレイ雄成鳥夏羽が登場し、上空には2羽のヒメアマツバメ、14羽ものツバメが飛翔している姿を目撃しました。ヒメアマツバメは2024年11月以来の1年8か月ぶりの観察でした。腰が白いこと、アマツバメより鎌型のシャープさがないこと、尾が浅い燕尾でした。なお、西口調整池の一角で複数のヒメガマが生息しており、そのそばにヨシゴイが作るような巣と思われるものが組みあげれれていました。(繁殖を終えて小群となったカワラヒワの中に幼鳥を発見)カワラヒワは、繁殖を終えると小群となり開けたところに出てきます。柏の葉キャンパス駅近くの電線に10羽前後のカワラヒワの中に幼鳥の姿を見つけました。頭から背は薄い褐色がかっており、体下面に褐色の縦斑がありました。先週手賀沼沿岸でも同様の個体が存在していましたが、光線の具合で記録画像では下面の縦斑がはっきりしませんでしたがようやくアップできるような画像を記録できました。(東口調整池では草刈りが進行中で今後のシギ・チドリが楽しみ)春以降は草が繁茂していたので観察するには不適でしたが、ようやく草刈りがスタート。湿地でアオサギ、ダイサギが採餌している姿が見られるようになりました。ダイサギの飾り羽の美しさに目を見張りました。(写真)2026年7月16日撮影
2026.07.16
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにアカアシシギが絶滅危惧ⅠA類と区分され掲載されています。たたし、藤井ほか(2026)が「個体数の推移、繁殖生態、渡り経路など不明なことが多い」と指摘しており、「北海道東部の繁殖地は局地的であり、個体数も減少傾向」と報告している点については理解に注意が必要です。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、分布域については「繁殖地である北海道東部の分布域は縮小傾向にある」、生息地については「繁殖地である北海道東部は大きな環境変化はないが、渡りの中継地や越冬地の一つである琉球列島では生息環境である干潟等は減少している」、個体数については「北海道東部の繁殖地は局地的であり、個体数も減少傾向にあると思われる(中略)全国で観察される個体数は、元々が多くはないが減少傾向は見られない」と報告しています。(存続を脅かす要因)環境省(2026)は、「繁殖地である北海道東部以外でも、春秋の渡りの時期には全国の海岸線を利用して移動しているため、移動中の休息場、採餌場は種の存続にとって重要な役割を担っている。また、琉球列島は越冬地にもなっている。しかし、近年シギ・チドリ類が利用できる干潟や水田は減少傾向にあり本種の渡り途中や越冬地でのエネルギー補給に影響が出ていると思われる」と述べています。(霧多布湿原におけるアカアシシギの繁殖調査)藤井ほか(2026)は、「日本国内では、最初にアカアシシギの繁殖が確認されたのは別海町野付半島で、1972年時点では50-100番が繁していると推定された(中略)体系だった調査は実施されておらず国内における繁殖規模や現在の繁殖状況は不明」「2024年6月に実施された野付半島のアカアシシギの繁殖調査で3番と大きく減少」と指摘しています。北海道東部地域の現状を把握するため、霧多布湿原において、2025年6月22日から8月14日までの間に合計7回の調査を実施したと述べています。報告では「6月下旬から8月中旬までの間を通してアカアシシギの生息が確認され、7月26日は成鳥、幼鳥共に最大数となる、39羽、10羽がそれぞれ確認された」、「抱卵期と考えられる6月22日から7月6日にかけて16~32羽が記録された(中略)少なくとも推定20-30番が繁殖していると考えられる。これは現在知られているアカアシシギの営巣数としては、国内最大規模である」と報告しています。(引用)藤井 薫1・樋口 綾・中塚智子・澤 祐介・北沢宗大・貞國利夫・古巻翔平・内田愛実・佐々木紀嘉.2026.霧多布湿原におけるアカアシシギTringa totanusの繁殖調査.釧路市立博物館館報№ 437.p6-9.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)夏羽、幼羽、若鳥1枚目、2枚目(夏羽):2019年3月9日茨城稲敷市3枚目(幼羽):2017年9月18日千葉県習志野市(冬羽に似ていますが背・肩・翼の各羽の羽縁が褐色、足はオレンジ色)4枚目(若鳥):2019年9月9日茨城県稲敷市(喉から胸に密な縦斑があり、腹との境界ははっきりしています)5枚目(幼羽):2017年9月18日千葉県習志野市6枚目:(若鳥)2019年9月9日茨城県稲敷市(翼後縁の白帯がアカアシシギの特徴です)
2026.07.15
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックではヨシゴイに関してこれまでは「準絶滅危惧種」と区分されていたものが「情報不足」(存続基盤が脆弱な種生息状況をはじめとしてカテゴリーを判定するに足る情報が得られない)区分に変更されました。(1)個体数に関する評価環境省(2026)は、個体数に関して「東日本では好適な環境においては引き続き生息が観察されるのに対し、西日本の少なくとも一部では近年繁殖の急減が観察されている。ただし個体数の状況についての具体的なデータはない」、「西日本における繁殖が大幅に減少している。現地の鳥類研究者によると、滋賀県では現在絶滅状態で、県内で年間2〜3例の観察があるがそのすべてが渡りの時期の通過個体と考えられるものだという。生息環境は従来から減少しているものの、絶滅状態になるほどとは思われず、原因は不明」と報告しています。(2)東日本では大幅に減少はないとの評価環境省(2026)は、「繁殖環境は、ヒメガマ、ガマ、フトイ等の限られた種の抽水植物群落」であり、絶滅危惧に移行する要素を満たす、特殊な環境を必要としている種類である点を認めています。しかし、「西日本に比較すると東日本についてはそのような大幅な減少は見られてはいない。全国鳥類繁殖分布調査(2016-2021)によっても、たとえば関東地方で記録された繁殖状況は、1997年〜2002年と2016年〜2021年とであまり大きな変化はない」と記しています。さらに、「一般論として、抽水植物群落は治水や開発などで徐々に減少していると推察できるが、ヨシゴイの生息環境に着目した調査データは存在しないと思われる」と報告しています。(3)水位が高くなった手賀沼流域で起こったことところが、千葉県北西部に所在する手賀沼流域では、1975年以降、ヨシゴイが集団で営巣していたヒメガマ群生地が2010年頃から衰退し始め、その後ヨシゴイの繁殖個体が急激に減少し、2023年6月1日に1羽を観察したのが最後で、2024年には群生地は消滅しました。以降は、手賀沼沿岸で2024年7月、8月、10月に単独個体が目撃された以外には観察記録がない状況が続ています。手賀沼では、ヨシ、ハス、ヒメガマ、ナガエツルノゲイトウ、オオバナミズキンバイが、下手賀沼および手賀川では、かつてはヨシ、マコモ、ヒメガマが、それぞれ繁茂面積の上位を占めていました。しかし、そのうち、ヒメガマは、2001年に北千葉導水路運用が開始されて以降、水位が高くなり流れの強さが生じたことで根が影響を受け消失したと考られます。(引用)環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目:2019年6月2日(成鳥が営巣場所の水辺で餌探しをしていた光景)2枚目:2020年7月12日(成鳥が営巣場所から出てきた光景)3枚目:2020年7月12日(営巣場所)4枚目:2020年7月12日(幼鳥が巣から出てきた光景)5枚目:2019年7月21日(幼鳥が巣から出てきた光景)
2026.07.14
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が4羽誕生し生育を続けています。昨日までは巣立ちをしたものの巣の隣の枝に1羽の幼鳥、巣とは別の木の枝に止まっていた幼鳥が1羽。このうち、1羽の幼鳥が自力で木を移動し昆虫類の捕獲しているように見えました。今まで観察してきた林のツミ幼鳥は、7月下旬頃までは親からの給餌を受け、8月に入るとセミの独力で追いかけて捕獲し解体して食べる光景を見かけるようになります。今回の林ではまだセミの鳴き声が目立ちませんが、そろそろ登場となるものと思い、楽しみです。(セミ以外の昆虫とツミ)森岡ほか(1995)が、セミ以外の昆虫類がいなくなると、渡りをすると報告しています。セミとそれ以外の昆虫類の動きに注目しています。(餌を食べ終わると日光浴)幼鳥たちは餌、特に捕獲した小鳥を食べ終えると、幹に止まり平べっくなり日光浴する個体、枝に止まり翼を広げて日光浴をするもの個体といろいろな姿を披露してくれます。(引用)森岡照明.叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p481-483.文一総合出版.(写真)1枚目から3枚目:2026年7月13日、4枚目:2026年7月12日、5枚目:2022年8月4日、6枚目:2020年8月9日、7枚目、8枚目:2020年8月7日撮影
2026.07.13
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曇り空で湿度が高い日となりました。今年生まれの幼鳥を巣外で育雛する時期となります。沿岸の複数の谷津田を探索し、若鳥の姿を探すこととしました。上空を複数のサシバが飛翔している姿を見つけたものの、幼鳥との出会いはかなわずでした。その他、水田で餌を探すダイサギ、スズメの成鳥、若鳥、複数のカワラヒワと遭遇しました。スズメは、移動では幼鳥の方が冒険すると聞いているので、成鳥と幼鳥の違いをしっかり見ておきたい時期に入りました。(スズメ幼鳥の冒険については次の機会に紹介します)カワラヒワは、成鳥、下面に縦斑がある若鳥の姿を見つけました。若鳥については撮影がかないませんでしたが、成鳥は体全体が緑色味が強く、翼や尾の黄色が目立つ個体と胸のあたりに黄色味のある個体を1羽見つけました。(サシバの換羽)サシバの初列風切(枚数は10〜11枚)は、翼内側(P1)から先端(P10)に向かい左右対称で1枚ずつ順番に抜け落ちて生え変わるとされています。その仕組みで飛翔能力を低下させないのだと聞いています。しかし、飛翔のサシバの初列風切は左右対称ではありませんでした。(サシバの巣外育雛期)サシバの幼鳥は巣立ち後1週から2週目の個体は、営巣林で成鳥から給餌を受けながら過ごし、3週目になると自力で狩りを行うとされています。その後、10日程度で長距離の移動をスタートさせると聞いています。(写真)2026年7月12日撮影(3枚目は2016年7月16日、5枚目:2025年5月29日、6枚目:2025年10月24日撮影)
2026.07.12
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浮巣で子育てするカイツブリ、巣本体が独立し浮力があるものです。ところが、巣に関して変化が報告されている文献があります。内容の一部を紹介します。風間(2024)は、大阪府岸和田市内のため池群でカイツブリの繁殖調査を1998年から2009年の間に実施し、結果を報告しています。調査では、12年間に79ヶ所で卵もしくはヒナを有する1,228のカイツブリの巣を確認したと報告しています。1228 の巣場所は,(1)抽水植物帯の内縁部の水面、(2)水面に張り出した木陰、(3)開放水面上の3つの営巣カテゴリーに区分でき、(1)が485 巣、(2)が435 巣,(3)が308巣が確認できたと記しています。(営巣していたカテゴリー)営巣カテゴリーのうち、繁殖が成功したのは、開放水面営巣がもっとも高く(257/306、84%)、抽水植物帯の内縁部の水面(236/313、75 %)、水面に張り出した木陰(183/254、72%)の順だったと述べています。さらに、浮巣の状態を確認したところ、すべて何らかの「土台」の上につくられていたこと、抽水植物帯の内縁部の水面ではヨシやガマなどの植物体が土台の過半数を占め、バイクや衣装ダンス、自転車等の粗大ゴミが続き、養魚に使われる人工的な装置がわずかに含まれたと記されています。また、抽水植物帯の内縁部の水面では水没した大枝が土台のほとんどを占めバイクや自転車の粗大ゴミが土台となっているものもあったとしています。さらに、開放水面では人工的な養魚装置が過半数を占め、コカナダモなどの植物体が土台となっていたもの、粗大ゴミもわずかに認められたと報告しています。カイツブリの巣は、古くから「におの浮き巣」と呼ばれ、巣本体が独立し浮力があるものとされていたが、巣の下にも土台となるものが存在していたと述べています。(カイツブリが人為的資源を利用するようになった)さらに、カイツブリの繁殖に必要な条件については、「巣材となる植物質,魚類などの餌生物、カラス類などの捕食者から巣を隠すための遮蔽物の3 つである。従来は,沈水植物などの植物が巣材、河川や水田から水路経由で侵入する小型水生動物が餌生物,抽水植物帯や池縁の木本植物が遮蔽物の役割を果たしていたが改修などによってそれらが減少した結果、巣材は水路や岸から流入するビニールなどの浮遊ゴミを、餌生物は養魚として池内で飼養されるモロコ類やスジエビを、遮蔽物は人が設置したテグスやネットなどの設備などの人為的資源をそれぞれ利用するようになったと結んでいます。(他地域ではどうか)都市近郊で大阪府のように従来とは異なる生態を獲得しつつあるカイツブリ、みなさまの近くで同様のことがないか注視いただたらと思います。(引用)風間 美穂.2024.開放水面に営巣するカイツブリ~人為がもたらす営巣場所の変化~・きしわだ自然資料館研究報告 Bull. Nat. Hist. Mus. Kishiwada, No. 9.p1-12.(写真)1枚目:2022年5月20日手賀沼沿岸、2枚目:2021年7月15日埼玉県川越市、3枚目:2023年6月20日柏市内、4枚目:2024年7月26日柏市内、5枚目:2023年6月13日都内で撮影
2026.07.11
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ゴイサギは、多く図鑑類では水辺のうす暗い林で休み、日が暮れると水田や河川に出かけて採食すると解説されています。このため、ゴイサギ=夜行性と思っている方が多いのではないかと思います。ところが、研究者によって夜間は水田由来のエサ動物を採食し、日中は河川由来の魚類を採食していると報告されています。内容の一部を紹介します。(ゴイサギは日中と夜間で餌場を使い分ける)遠藤(2005)は、遠藤・佐原(2000)が報告している青森県津軽平野での調査結果の一部を紹介し報告しています。報告には「一日のうちでもエサ内容が変わる。夜間はドジョウやフナ類,カエル類といった水田地帯由来のエサ動物を多く採食しており、日中は河川由来のウグイやオイカワなどの魚類の採食が相対的に多くなる傾向が示された。水田地帯由来のエサ動物は、夜行性のものが多く、繁殖行動を行なっている夜間に目立つ」、「エサ動物の活動性といった変動する環境に合わせて、採食場所を切り替えている可能性がある」と記されています。さらに、「複数のエサ場で短時間(10~30分間)の採食を行い、最終的にその中の1箇所で夜を通して採食するという行動が観察されたこともあった。これは、より良いエサ場を選択するためのエサ場間の質の違いを比較するサンプリング行動」と述べています。(引用)遠藤菜緒子・佐原雄二.2000.ゴイサギ(Nycticorax nycticorax)の繁殖期の日周活動と採餌場の利用.日本鳥学会誌.第48巻.p183-196.遠藤菜緒子.2005.ゴイサギ Bird Research News Vol.2 No.8.p4-5.(写真)1枚2018年7月22日都内、2枚目:2020年6月21日茨城県、3枚目:2023年8月30日手賀沼、4枚目:2023年8月4日都内で撮影
2026.07.10
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が誕生し生育を続けています。巣のそばの枝でに止まっている幼鳥は3羽。雄成鳥が空中で雌成鳥に餌を渡し、雌成鳥が巣に餌を運搬してくると巣に一斉に集合し食事の時間になります。(幼鳥のハート形斑)さて、3羽の胸にハート形斑が見えてきました。ハート形斑は、森岡ほか(1995)が腹の「羽軸上に暗褐色の木の葉形軸斑またはハート形斑が2つ連続しており斑から伸びる軸線が基部近くで暗褐色の横斑とつながっている」と報告しているものです。このハート形斑と目の上のバフ色と先1/3に黒っぽい軸線、バフ色の眉斑が幼鳥によって微妙に違いがあるので識別が可能と思っています。(虹彩の色)なお、森岡ほか(1995)に虹彩は「緑灰黄色から汚れた黄色を経て黄色に変わる」と記されています。ところが、今朝観察した幼鳥1羽の虹彩は、角度によって水色がかって見えました。(写真2枚目、3枚目)巣の近くに姿があった別個体では黄色味がかった褐色でした。なお、6日に観察した幼鳥の虹彩の色も水色がかった色でした。(引用)森岡照明.叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p481-483.文一総合出版.(写真)2026年7月9日撮影(6枚目は2026年7月5日撮影)
2026.07.09
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二週間ぶりに野田市のコウノトリの里を訪ねました。朝から昼前後にかけてヤマトとひなたのペアは、近郊の餌場に出かけ13時から14時前後に帰還することが多いので遭遇できるように少し前に現地に到着。(ヤマトのエスコート上手に感心)愛車を駐車場において歩き出した時、クラッタリングが聞こえたので上空を見上げるとコウノトリが頭上に登場し、巣に降り立ちました。様子からヤマトが帰還したものと思います。その後、2羽で羽繕いをした後、ヤマトが巣より一段低い飼育施設の一角にとまり、カタカタカタとクラッタリングを行うとひなたも呼応しカタカタカタと音を出してシンクロ。その後は、ヤマトが首を反らして喉の赤い部分をひなたに見えるように披露、体を上下動させてアピールしていました。ヤマトは一足早く水田に降り立ちました、ひなたもヤマトが止まっていた施設の一角に降り立った後、水田に降り立ちました。ヤマトのアピールは餌を食べようよとのアピールだったようです。(水田とその周辺が支える生き物たち)今日見聞きした範囲でもコウノトリのほか、ホトトギス、コチドリ、サシバ、ヒヨドリ、ツバメ、オオヨシキリ、セッカ、ハクセキレイの姿や声を観察しました。林や葦原で生息しているウグイスに託卵をしているホトトギス、豊富な昆虫類を餌としているコチドリ、ツバメ、オオヨシキリ、セッカ、ハクセキレイが生息できるのも水田とその周辺地域の環境のなせるところです。(写真)2026年7月8日撮影(コウノトリ足環情報:愛称の次は上部、下部の順)ヤマト:右 黄色・黄色、左 黄色・黒、ひなた:右 青・黄色、左 緑・緑2枚目の写真左がヤマト、左がはなた。3枚目から5枚目はヤマト、6枚目はひなたです。
2026.07.08
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先週3日に印旛沼でモズ若鳥と思われる個体を観察しました。手賀沼沿岸では、複数個所でモズが子育てをしているので、同様の個体が手賀沼沿岸にもいないかと探索しました。あわせて、沼の入り江、谷津田などにも立ち寄り夏鳥との出会いを楽しみました。(謎のモズ)7月3日に印旛沼で観察した個体は、写真1枚目、2枚目です。成鳥に比べて色が淡く、上面にうろこ状の模様が見え、初列風切基部が白く、翼は黒色の個体でした。ただし、角度によって上面に白っぽい斑のように見える部分がありました。初列風切が白い種類は、モズ以外ではごくまれなモウコアカモズしか思い当たらず、当日は観察時以降は姿が現れなかったので謎のまま帰宅しました。その後、過去に観察したモズ幼鳥(4-6、枚目)、若鳥(3枚目)の写真を復習してみました。すると、写真4枚目から6枚目の幼鳥と翼の色、模様が似ている印象でした。ただし、上面に見えた白っぽい斑はなく、今後の観察で注視するしかない宿題となりました。(我孫子市側遊歩道で観察した夏鳥)水田の畦でカルガモ成鳥と幼鳥の計9羽が休んでいる光景や入り江の一角の浮巣に姿のあったカイツブリ、岸辺に近い草地で抱卵中と思われたアオサギの姿、複数のツバメの成鳥と若鳥が電線に止まったり、採餌のため飛行をする姿を観察しました。帰り道には、柏市側の複数に谷津田にサシバの姿を観察し、帰路につきました。(写真)2026年7月7日撮影(1枚目、2枚目2026年7月3日印旛沼、3枚目2019年5月11日、4枚目から6枚目は2020年5月10日手賀沼で撮影)
2026.07.07
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7月3日千葉県印旛沼でオシドリ雄成鳥を観察しました。越夏個体の観察は、大塚ほか(2022)が「換羽の時期や越夏個体の存在によって、換羽の時期や様式、繁殖行動、育雛行動などの一端を日本で直接観察できる機会が提供される」と述べているような意味あいを持っています。(越夏するカモの繁殖地は主にユーラシア中央部から北部)大塚ほか(2022)が、「越夏するカモの繁殖地は主にユーラシア中央部から北部」、と報告しているほか、「植物を主食とする種(オシドリ、ヨシガモなど)から雑食傾向の強いキンクロハジロ」が観察されるフィールドは多様な餌環境が存在していると指摘しています。印旛沼のほか印西市内の河川で6月にハシビロガモ、7月にホシハジロを観察したこともあり、いずれも水棲植物、植物の種子が存在している環境でした。今回のオシドリが何を採食していたかは観察にいたりませんでした。(1)オシドリの換羽時期氏原(2015)が述べているように、雄生殖羽ではエクリプス羽を10月頃から生殖羽に換羽をはじめ6月頃まで生殖羽で過ごします。そして7月頃から地味で目立ちにくいエクリプス羽に換羽をはじめ10月頃までエクリプスで過ごします。(2)雄の銀杏羽の抜け落ちる時期と雌と見分けがつかなくなる時期)飼育下のオシドリについて横浜市野毛山動物園と仙台市八木山動物園が、観察した結果をそれぞれホームページに掲載しています。・野毛山動物園の飼育個体は、6月中旬に銀杏羽が落ち、それから数日の間に胸元の羽根も次々に抜け落ちていた。おまけに冠羽も少し抜け落ちと報告されています。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/・八木山動物園の飼育個体では、6月初旬にはメスと対照的にカラフルで特徴的だったオスの羽模様も、7月には一見メスとは見わけがつかない位に地味な色合いになりましたと報告されています。https://www.city.sendai.jp/zoo/sns/blog/20240726_mizudorikannu.html(3)印旛沼のオシドリ雄個体写真1枚目から4枚目が印旛沼で観察した越夏個体です。・生殖羽では後頭に橙色の冠羽がありますが、印旛沼の個体では脱落していました。・嘴は汚れた鈍い印象の赤色でした。・三列風切の1枚である橙色の銀杏羽も脱落しています。・黒に白い帯が目立つ胸の羽根も脱落しています。・肩羽や雨覆にバフ色の羽縁はありませんでした。・雄幼羽から第一回生殖羽で見られる細い脇の淡色斑はありません。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p42-48.誠文堂新光社.大塚 攻・西本悟郎・上野吉雄・佐伯昌彦・住田代志也・渡辺健三・西田雄介・近藤裕介.2022.広島県東広島市七ツ池におけるカモ類の出現記録:特に,希少種メジロガモ,トモエガモの出現及び3 種の越夏や渡りの遅れについて.広島大学総合博物館研究報告.第14巻.p17-24.
2026.07.06
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アオバズクは、夏季に都市部の公園や社寺林で繁殖するフクロウ科の鳥類です。日本国内では甲虫や蝶を主な餌としており、それらが減少する冬季には東南アジアに渡ると考えられています。しかし、具体的な渡り経路はほとんどわかっていませんでした。先月11日に東北大学が発表されたプレスリリースは、アオバズクの渡りルートを解明した画期的なものです。内容の一部を紹介します。(アオバズクの渡りルート)東北大学が、2024年から2025年にかけて宮城県に生息するアオバズクにGPS記録計を装着し調査したところ、秋にカリマンタン島まで移動し、春には中国を経由して繁殖地に戻ることを突き止めたと旨を同学が発表しました。内容は「アオバズクに2024∼2025 年の一年間装着した GPS 記録計1台を解析したところ、秋の渡りでは 10 月下旬に日本列島を南下したのち、鹿児島県佐多岬~フィリピン・ルソン島の間のフィリピン海上を 1848km にわたって昼夜を問わず飛行し続けていたことが分かりました」、「その後、11 月下旬にインドネシア・カリマンタン島に到達しました。春には、3 月下旬にカリマンタン島を出発した後、海南島に到達するまで南シナ海上を 1500km 近く飛行しました。その後、中国大陸部を北上して東シナ海を渡り、4 月下旬に前年と同一の繁殖地に帰還しました」というものです。(過去のアオバズクについての標識調査)竹田山原楽(2026)は、「1961年から2023年にかけて実施された鳥類標識調査における、アオバズクの放鳥記録と再回収記録を整理すると、63年間で放鳥された747羽のうち、1000km以上離れた場所で再回収された例はいずれもフィリピンのルソン島が関与していました(計4例:「日本国内→ルソン島」の移動が3例、「ルソン島→北朝鮮」の移動が1例)」と報告し、「今回のGPSデータで特筆すべきは、春の北上ルートが秋の南下ルートと大きく異なる点です」と記しています。(清棲が報告している国外の分布)清棲(1952)が国外の繁殖地として、報告しているのはつぎのとおりです。韓国中部以南(1883/8-/11)、京畿道海城(1927/10)、京畿道水原(1909/6)、京畿道金村(1889/5、1913/5、1914/7)、慶尚南道釜山(1884/5-6、1885/11、1886/6)、済州島(1929/11)、台湾台北(1896/12)、台湾台中(1931/12)、台湾台東(1911/3、1908/5、1917/2、1925/1、1928/3)、台湾紅頭嶼(1929/4、1933/7)、台湾火焼島(1933/7)をあげています。冬季は中華民国南部、比津實諸島(パラワン島、ルソン島、ミンダナオ島、フガ島、キュヨ島、カラヤン島、カミグイン島、ミンドロ島、パシラン島、マスペート島に渡来すると述べています。竹田山原楽(2026)の調査でルソン島から北朝鮮への移動や日本国内からルソン島の移動が明らかになり、清棲(1952)が越冬地としてあげている島との往来が裏付けられたことになります。(アオバズクの翼形態と飛行でのエネルギー効率)竹田山原楽(2026)が「フクロウ類のなかでも特に細長い翼を持ちますが、こうした翼形態は翼面荷重を下げエネルギー効率の良い飛行を可能にします」と述べており、1500~1800kmの海上移動を可能にしているひとつの要因と考えられます。(引用)清棲幸保.1952.日本鳥類大図鑑.第2巻.p433.大日本雄弁会講談社.国立大学法人東北大学.2026.海を越えるフクロウ類:アオバズクの渡り経路を解明 ―世界最長の海上移動と、その先に待つ大規模プランテーション―.プレスリリース.2026年6月11日.竹田山原楽.2026.海を越えるフクロウの旅 アオバズクの渡り経路解明.バードリサーチニュース 2026年6月29日.(写真)1枚目:;2022年6月22日、2枚目:2016年7月2日、3枚目:2020年7月19日、4枚目:2017年7月19日いずれも千葉県で撮影
2026.07.05
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が誕生し生育を続けています。26日の第二綿羽に包まれた幼鳥を観察し、合計4羽の幼鳥が誕生しているのがわかりました。昨日の観察で2羽が巣から離れ近くの枝に移動し巣立ちとなり、2羽は巣の中にいるのを目撃しました。ただし、巣立ちした幼鳥も成鳥から餌をもらうと巣に戻り、休んでいます。巣の厚みは4羽が腹ばいとなって休んでいても体が隠れるので外敵が襲来しにくいようです。(幼鳥の羽衣のいろいろ)ヒナ(幼鳥)は、白いふわふわとした第一綿羽に包まれています。1週間程度で第二綿羽に換わります。頭頂、背、翼などがバフ色を帯びています。誕生後2週間ほどで幼羽が現れます。4週ほどで生えそろいます。写真1枚目の個体は、頭頂、背や腹に綿羽が残っています。2枚目の個体は、頭頂に綿羽が残っていますが、上面は幼羽となっており、背や腹には綿羽がありません。3枚目、4枚目の写真は、2羽ともほぼ幼羽となっている個体です。風切基部に白いパッチが現れ、羽先がバフ色に見えます。なお、パッチの出方は個体により差があります。(雄成鳥は空中で獲物の小鳥を雌成鳥に渡す)6月には雄成鳥が獲物をぶらさげて林に帰還し、枝で雌成鳥に餌を渡していました。しかし、帰還の度、オナガが執拗に襲いかかったり、追尾するのに飽き飽きしたようで、7月に入ってはほぼ毎回空中で餌の受け渡しが行われています。森岡ほか(1995)が報告しているように、空中で餌の受け渡しをするワシタカ類としてチュウヒ類をあげ、雄のところに雌がむかえに飛んでいくと雄は獲物を落とすと記しています。今朝の観察では、雌が下方向から接近し雄の足のそばに接近するという離れ業でした。(引用)森岡照明.叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p439.文一総合出版.(写真)2026年7月4日撮影(3枚目、8枚目は2026年7月3日撮影)
2026.07.04
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7月に入るとヌマアジサシの1種クロハラアジサシが姿を見せる頃なので、印旛沼沿岸を探索しました。気温は23℃前後なのに湿度が高く遊歩道で風が抜けるところ、風が抜けないところでは体感温度に雲泥の差。(お目立てのクロハラアジサシは沼の水面遠くを飛翔)広大な水面を探索していくと、対岸の成田市松崎先から酒直先の水面に体下面が黒色のクロハラアジサシがひらひらと飛翔する姿を見つけました。そばに黄色の嘴でクロハラアジサシに比べてサイズが小さめのコアジサシも飛翔。そのあと、カワウの群れが止まる近くの杭に2種とも降り立ちました。体のサイズ、嘴や足の色の違いを観察できました。写真5枚目がクロハラアジサシとコアジサシが杭に止まった光景、写真6枚目がクロハラアジサシが飛翔している姿、写真7枚目は手賀沼に2020年8月飛来した時の画像です。参考としてアップしました。(オシドリ雄成鳥の姿を発見)クロハラアジサシを観察していた折、船着き場にオシドリ雄成鳥の姿を見つけました。頬から下に橙色の羽が残っており、嘴は真冬の紅色が色あせた感じで、銀杏羽はありませんでした。また、肩羽、雨覆にはバフ色の羽縁はなく、成鳥であることがわかりました。(その他の鳥たち)岸辺近くの船の上に頭部と胸部が茶化していたカルガモ、遊歩道近くの土砂置き場の上を悠々とキジ雄成鳥が移動する姿、沼の水面の杭にとまり、餌の魚を平らげていたミサゴ、テリトリーに侵入してきたオオヨシキリを追い払ったモズ若鳥と思われる個体、葦原で自慢の喉を披露していたホオジロの姿を堪能しました。この他、ヨシゴイが葦原の上を飛翔する姿もありました。(写真)2026年7月3日撮影
2026.07.03
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昨日、柏市のオフィス近くのお宅の一角でカビチョウが出現し囀っていました。柏市ではこれまで侵入の観察報告がなかったのではじめての観察です。川上(2003)が、中国南部を中心に自然分布する種と述べ、中国、東南アジアで非常に人気のある飼い鳥と記し、1980年代から九州北部、関東地方、福島県などで野生化し、分布は拡大中と報告しているチメドリ科の鳥類です。地上で昆虫、果実を食べるウグイス、ホオジロなどの在来種を圧迫する懸念があります。(ガビチョウの観察記録)国立環境研究所作成の侵入生物データベースを調べてみると、「江戸時代から輸入の記録があるが、野外では1980年代に北九州で観察されたのが最初である。関東では1990年に山梨で最初に観察された」と報告されていました。令和7(2025年)度環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況のアンケートの結果もあわせて閲覧してみました。関東地方での侵入記録を確認してみると、つぎの通りでした。関東地方では、神奈川県、東京都、埼玉県で侵入した市区町村が大半を占めているのに対し、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県では限られた市町村で侵入している結果でした。ガビチョウは、下層植生の発達した環境を好みますので、そうした環境があるところでは侵入しているところが多いのてはないかと思われます。(*)低木や草本(草)、シダ植物などの総称です。(関東地方の侵入している市区町村)茨城県2023年(土浦市、笠間市、常陸大宮市のみ)栃木県2023年(佐野市、鹿沼市、小山市、真岡市、那須塩原市、市貝町は2023年宇都宮市、足利市、大田原市は2024年)群馬県2023年(前橋市、桐生市、東吾妻町は2024年)埼玉県2023年(川越市、熊谷市、本庄市、東松山市、狭山市、鴻巣市、深谷市、上尾市、朝霞市、桶川市、北本市、富士見市、日高市、伊奈町、毛呂山町、越生町、滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉身町、鳩山町、ときがわ町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、美里町、神川町、寄居町は2023年、さいたま市、秩父市、飯能市、戸田市、入間市は2024年)千葉県2023年(野田市、佐倉市、我孫子市、四街道市、一宮町、袖ケ浦市のみ)東京都2023年(目黒区、杉並区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、立川市、武蔵野市、府中市、調布市、町田市、東村山市、国分寺市、国立市、あきる野市は2023年、八王子市、東大和市、多摩市、瑞穂町は2024年)神奈川県2023年(川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大井町、山北町、箱根町、愛川町、清川村は2023年、横浜市、相模原市は2024年)(高山帯にも生息域を広げている)昨年山梨県が、2024年に中央アルプス国定公園の高山帯で本種の鳴き声を初めて記録し、中央アルプスの亜高山帯の複数個所でもガビチョウのさえずりを確認したとの発表をしています。富士山、アルプスなどの高山帯での侵入が注目されます)(引用)川上和人.2003.私たち、中国から来ました-森林性移入鳥類の現状-.自然科学のとびら.第9巻第2号.p12-13.山梨県プレスリリース 令和 7 年 12 月 15 日特定外来種ガビチョウが生息域を高山帯へ広げていることを確認.pp1環境省国立環境研究所 侵入生物データベース令和7(2025)年度環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」 https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx(写真)2026年3月6日茨城県で撮影
2026.07.02
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今日から7月。野鳥たちの子育ても終盤にさしかかっています。谷津田のサシバ、トビ、手賀沼の水鳥などを探索して歩きました。スタート地点では、コブハクチョウ、カルガモ、カワウの姿を観察。コブハクチョウは片脚だけを背中に乗せて休んでいた個体を1羽見つけました。水の抵抗をさけて移動する知恵なのでしょうか、また、カルガモは胸が茶化し、嘴先端の黄色部がより濃い印象のある個体でした。(絶滅危惧種チュウサギを支える谷津田)2026年3月に発表された第5次レッドデータブックに準準絶滅危惧と区分されたチュウサギが複数姿を観察できるのが谷津田とその周辺の水田です。今朝は、水田の畦をゆっくり歩きながら餌探しに集中していて観察している私の姿はまったく眼中にない様子。動きを観察していると、ドジョウと思われる獲物を丸のみしている光景を観察できました。谷津田にはカナヘビ、トカゲも生息していてこちらもチュウサギの大切な餌です。(サシバの繁殖ステージのいろいろ)複数の谷津田を訪ね、サシバを観察。最初に訪ねた谷津田では、風切羽が脱落している成鳥が鳴きながら 飛翔する姿を見つけました。左右対称に抜けて生え変わると言わりています、そのあと、立ち寄った谷津田では、電柱に止まり水田をじっと凝視していたと思ったら水田に降り立ちヤマカガシと思われる餌を捕食。(谷津田の一角または村落の屋根などで繁殖するセグロセキレイ)電線にセキレイが降り立ち、姿を確認すると耳羽が黒色で上面が黒色のセグロセキレイ雄成鳥でした。セグロセキレイの1回の繁殖には約二か月半が費やされると言われており、まだ家族生活を営んでいる雄個体ではないかと思われました。(写真)2026年7月1日撮影
2026.07.01
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流山市市野谷調整池とおおたかの森駅周辺を探索しました。先日、鳥友からイワツバメと思われる鳥が駅上空を飛翔していたとニュースをもらい、遠足気分で現地を訪ねました。また、帰り道、柏駅近くで誕生したチョウゲンボウの様子を見に立ち寄りました。(市野谷調整池について)当初は、雨水を貯めて坂川に放流する下水道調整池として整備される計画だったものが、貴重な水鳥の飛来もあり、環境影響を軽微にする保全の要素を取り入れ、ヨシやガマなどの水生植物を植えるなどの整備が行われたところです。面積は33,120㎡(約3.3ha)です。(市野谷調整池は子育てする夏鳥でにぎやか)遊歩道沿いを探索していくと、水路にはカルガモ親子、キジ雄成鳥、葦原に複数にオオヨシキリ、空中で採餌したり泥玉を採取している複数のツバメ、電線で盛んに囀っていたホオジロの姿を観察しました。(オオヨシキリ幼鳥を観察)成鳥が葦原に止まってギョウギョウシと囀る姿を見かける方は多いと思いますが、幼鳥の姿を観察する機会はなかなかないもの。ここでは、葦原に複数のオオヨシキリ幼鳥が登場。嘴の淡色部が広く、ピンク色、まだ眉斑は見えておらず、目の上がに白っくなっていました。(柏駅前のチョウゲンボウ)前回18日に訪ねた折には、幼鳥3羽の姿を観察しました。今回は、2羽が巣から離れた施設屋上に設置されている太陽光パネルの一角にありました。(写真)2026年6月30日撮影(オオヨシキリ成鳥は2026年5月31日吉川市で撮影)
2026.06.30
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春先に渡ってきたツバメは、葦原に小規模のねぐらを作り、4月に入ると住宅街に集まり、人家などの建築物に造巣、営巣し産卵しています。その後、6月以降では規模の大きなねぐらを作るようになります。幼鳥の割合が7月以降増加していく傾向にあることを報告している文献もあり、ねぐらの規模、成鳥と幼鳥の割合を把握し、成鳥と幼鳥が時期をずらして渡っているのかを把握できたらと思います。(集団ねぐらが作られる環境)環境省(1991)は、7月から9月にかけて形成されるつばめの大規模ねぐらの調査結果を整理し報告しています。報告によると、個体数が10000羽以上の大規模な集団ねぐらは、ツバメがねぐらをとる範囲は数10~数100m四方のせまい範囲であるにもかかわらず,面積が10000㎡以上のヨシ原でのみ確認されたと記しています。なお、個体数1000羽以下の比較的小さな集団ねぐらが、関東平野南部に多数確認されたとも述べています。また、集団ねぐらのほとんどが、平野部にあるヨシ類を優占種とする湿性草地で確認され、ガマ類やカヤツリグサ類などが優占する植生はあまり利用していない、湿性草地は、利根川や多摩川などの比較的大規模な河川の中流から下流域、霞ケ浦のような湖の岸などに成立しているものが多い結果だったと記しています。(集団ねぐらにおけるツバメ成鳥と幼鳥)小林ほか(1992)は、1982年から1991年の間で山口県および広島県で行ったツバメの集団ねぐらを調査した結果を報告しています。報告では「ねぐらの利用は早いところで5月下旬から、多くは6月初旬にはじまり10月中、下旬ごろまで続き、ピークは7月中旬から9月初旬」と報告しています。あわせて、期間調査期間内のでの幼鳥の割合は6.3%、6月前期は幼鳥比は39.1%、6月後期には幼鳥比69.9%と幼烏の割合が多くなり、7月前期(70.8%)、7月後期(74.2%)、8月前期(85.4%)、8月後期(89.0%)、9月前期95.0%期、9月後期(98.2%)と幼鳥の割合が増加したと述べています。ツバメの成鳥は幼烏よりも早く、8月から越冬地への渡去をはじめ、9月にはほとんどの個体が渡去し、幼烏群は遅れて9月に渡去のピークがあると思われ、成鳥と幼鳥が別々に時期をずらして越冬地へ渡ることを示唆されると述べています。(手賀沼沿岸でのねぐら)我孫子野鳥を守る会(1974-2026)で手賀沼沿岸とその周辺地域での観察記録を振り返ると、4月から5月に手賀沼の水域を飛び交う姿を見かけ、7月に入ると水田地帯で20~30羽前後の群れか飛翔します。その後、8月半ば前後に柏市大井新田から戸張新田にかけての葦原にツバメの群れが集合するようになります。我孫子野鳥を守る会の観察記録によると、個体数の報告のあるデータでは2021年8月19日の約2000羽が最も多いものでした。なお、成鳥と若鳥の割合についての継続的な観察記録は見当たらず、小林ほか(1992)が報告している季節がすすむにしたがって幼鳥の割合が増える点の評価については、情報が不足しています。ただし、観察記録を見て個別に見ていくと、1995年9月15日我孫子市内若鳥100羽、1996年9月15日若鳥50羽、1998年7月10日柏市内巣立ち直後の幼鳥22羽、2005年8月13日柏市内幼鳥27羽、2008年7月26日柏市内幼鳥70羽、2020年6月18日柏市内幼鳥10羽、2021年7月18日柏市内7羽、2022年6月30日柏市内若鳥1羽、2022年7月17日柏市内若鳥28羽、2022年7月20日柏市内若鳥40羽、2021年8月5日柏市内若鳥12羽、2023年8月8日柏市内12羽といった報告があり、季節がすすむにしたがって幼鳥の個体数が多い傾向にあることは読み取れます。(成鳥と幼鳥の特徴)小林ほか(1992)が「成鳥は額とのどは赤褐色、虹彩は赤っぽい茶色、翼と尾を含め上面はすべて青色光沢のある黒色、尾は長い燕尾で特に両最外側が長く先が細い。これに対して幼鳥は額と喉は黄褐色やこれに薄茶色の混じったものなどがみられ、成鳥よりもかなり淡い。虹彩は赤色味の乏しい暗灰褐色で、翼と尾をふくめた上面は灰黒色で金属光沢は目立たない。尾が成鳥に比べてかなり短かく、また先がやや太い」と報告しています。(引用)我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.no1-n311.1974年11・12月号-2026年7-8月号.環境省自然環境局.1991.ツバメの集団ねぐらの現状と動向.pp4小林繁樹・武下雅文・村本和之.ツバメHZrzmdbrustjcaの集団ねぐらにおける成鳥幼烏比の季節変化.Strix第11巻.p219-224.日本野鳥の会.(写真)1枚目成鳥:2020柏市2020年5月17日柏市若柴、2枚目成鳥:2023年5月18日柏市若柴、3枚目幼鳥(巣立ち直後):2023年6月15日柏市岩井、4枚目幼鳥:2019年6月16日柏市柳戸で撮影
2026.06.29
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先月まで見守りをしてきた林とは別に6月20日にツミが営巣し、第二綿羽につつまれた幼鳥の姿が見られるようになっています。雄成鳥は林の外に出かけ獲物を捕獲し帰還した後、雌成鳥に渡す光景が頻繁となっています。(ツミとオナガの敵対関係)ところが、ツミとオナガの関係が今まで見てきたものと全く違いがあるのに気がつきました。ツミの巣の周囲にオナガは巣を作り、ツミがカラスを追い払ってくれる防衛行動をとるとされています。ところが、目の前で展開されるのは、雌が雄からの餌を受け取った瞬間からオナガがその近くにジェージェーと鳴きながら接近し、巣に移動しようとするとそれを妨害する行動が見られます。見かねたツミは、巣の近くと周囲からオナガを追い払う行動を何度となく展開しています。くわえて、オナガが巣に瞬間的に降り立ったところをツミ雌が反撃し、追い払うといった光景も目撃しました。(見張りをする電柱と羽繕いをする電柱の使い分け)今日は、巣の幼鳥の様子を一望できる高さの電柱のてっぺんに止まり、オナガが巣に接近しようとすると猛スピードで追い払いを行っていました。追い払いが完了すると、今度は別の電柱に移動する姿を観察しました。すると今度は、翼、尾羽を広げて羽繕いをはじめました。高さの違う電柱を用途により、使い分けしているようでした。(写真)2026年6月28日撮影
2026.06.28
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この時期は、野鳥たちの繁殖期に入っており、雌雄が卵やヒナの子育てを行う姿を目のあたりにします。一夫一妻が多いと言われている野鳥ですが、種類によっては配偶システムを調べてみるとさまざまなものが存在しており、餌の関係や個体同士の競争、行動圏の関係で変化することを報告している文献が存在します。(同一種で4タイプの配偶様式)浦野(1992)が配偶システムについて知見を整理し報告しています。中でも興味を持ったのが、ヨーロッパカヤクグリの同一個体群の中に一夫一妻、一妻多夫、多夫多妻の4つのタイプの配偶様式が見られ、餌の分布や個体の競争能力などの行動圏面積により変化することがわかっていると記している点です。鳥類の子育てをめぐる雌雄の関係について、繁殖の基本にある子育て、多様な配偶システムなどの視点で整理し述べています。そして、「配偶が可能な個体がこれから繁殖しようとする異性と出会わなければ複婚は成立しない。(中略)配偶可能な個体の性比も重要となる。実行性比が雄に偏れば一夫多妻が、雌に偏れば一妻多夫が生じやすくなる」と結んでいます。(配偶様式のタイプ)一夫一妻以外の配偶様式を持つ種類を整理したものを紹介します。(1)一夫多妻西海(2007)が、一夫多妻のオオヨシキリについて「オスの20~30%が2~3羽のメスとつがう半面,なわばりを持っても1羽のメスともつがえないオスが15%前後いる。同一なわばり内で複数のメスが別々に順次営巣する」、「4月中に渡来したオスは一夫多妻になる傾向が強く、5月中ごろ以降に渡来したオスはメスを1羽も得られないことが多い」と報告しています。(2)連続的一夫多妻上田(2006)は、連続的一夫多妻のセッカについて知見を整理し、報告しています。「オスは繁殖期間中に次々と巣をつくっていき、多いときには20個もの巣をつくる」、「一つの巣ごとにメスを誘っては交尾し,卵やヒナの世話をメスにまかせ、次のメスを誘う巣づくりに励む.これまで知られている限りでは一夫十一妻になった例があるが、一夫多妻になれるのは全体の4割程度」と記しています。(3)日本の戦国時代の勢力圏拡大のような婚姻形態斎藤(2016)は、ミソサザイについて知見を整理し報告しています。「配偶システムは一夫一婦かまたは一夫多妻。最多で一夫四妻まであることが羽田・小堺(1971)の志賀高原の亜高山帯針葉樹林帯で行われた研究で報告されている。また。つがった雌の数とオスの行動圏には正の相関関係があり、つがうメスが増える毎にオスは行動圏を拡張させていくことが明らかとなっている」と述べています。(4)番いでいる期間が短い特殊な一夫多妻制のタマシギ米田(2015)が「オスも何回かメスを変えて繁殖するため、私は一妻多夫とは言えないのではないかと思っています。むしろ産卵前3~4日から産卵中の4日間はずっと番いで過ごすことからこの期間は厳密な一夫一妻制の繁殖生態をしていると言えます。他の一夫一妻制の生態を持っている種類の場合でも、次の年には番い相手を変える鳥はたくさんいます。タマシギについて言えば番いの期間が非常に短いこと、抱卵や育雛をオスだけが行うことがほかの一夫一妻制の鳥と大きく違う所です」と報告しています。(引用)浦野栄一郎.1992.鳥の配偶システムと子育て.週刊朝日百科.動物たちの地球.鳥類Ⅱ(5)通巻第836号.p158-160.朝日新聞.上田恵介.2006.セッカ Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.西海功.2007.オオヨシキリ Bird Research News Vol.4 No.8.p4-5.米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥類研究所HP 読み物コーナー.2015年8月6日掲載.斎藤武馬.2016.ミソサザイ Bird Research News Vol.13No.7.p1-2.山階鳥類研究所.2023.山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書.ヤマケイ文庫.p146-148.(写真)1枚目:2025年6月2日稲敷市、2枚目:2016年7月10日稲敷市、3枚目:2022年5月26日長野県、4枚目:2023年2月22日都内で撮影
2026.06.27
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先月まで見守りをしてきた林ては別に6月20日にツミの営巣と成鳥雌の姿を観察できました。その様子をリポートします。(第二綿羽につつまれた幼鳥)その後、行動を観察してきた結果、23日に巣の中にヒナが動いているのを発見し、24日に訪ねた際には第二綿羽(*)となっている幼鳥の姿を観察しました。なお、綿羽に包まれた幼鳥は2羽以上動いているのが見えますが、待機時間が長くなると親鳥の育児放棄を招くため短時間としているので確認にいたらず。(*)幼鳥の第一綿羽の個体は一週間ほどで第ニ綿羽に生え変わり、頭頂、背、翼など上面がややバフ色を帯びるとされています。幼鳥は、孵化後2週間程度で幼羽が生え始め約4週齢で生え揃うと言われています。観察できた幼鳥は孵化後10日以上経過しているのではないかと思われます。(成鳥ペアの給餌)雄成鳥が獲物を捕獲し雌成鳥に受け渡しを行い、雌が巣から離れた木に止まり解体した後、巣に運搬しちぎって与えています。植田(1992)が報告しているように、ヒナがふ化するまでははば一定し1日に約3羽の獲物を運んでいると思われますが、育雛期では獲物の運搬回数が増加していきます。ただし、ヒナ(幼鳥)の数は運搬回数には影響を与えていない模様です。今朝、雄成鳥が雌に渡した羽はスズメの先端に白色がある雨覆と思われるもの(写真7枚目)、外弁が茶色に見える次列風切と思われるものでした。獲物は、季節が進行していくと変化していきますので地面にも注目していくのも楽しい時間です。(雌はヒナへの給餌が終わった後の羽繕い、巣とヒナへの警戒)幼鳥への給餌が終わると、雌成鳥は巣から離れた電柱に止まり羽繕いを行っています。しかし、その視線は常に雌の方向を凝視し、巣に接近するオナガ、カラスなど姿がないか見守っています。また、雄成鳥は林全体を見渡せる高圧線に止まり、特にカラスが接近すると猛スピードで追い払う行動をとっています。(写真)2026年6月26日撮影(引用)植田睦之.1992.ツミが繁殖期に捕獲する獲物数の推定.Strix.第11巻.p131-136.日本野鳥の会.
2026.06.26
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ヤマケイ文庫「山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書」の読書会に参加したメンバーから、タマシギについて質問をもらいました。内容は、その婚姻形態についてでした。(質問内容)山階(2023)にタマシギに関して「雌はつがいになって3~4日はずっと雄と一緒に行動し離れることはありません。ところが4個の卵を産み終えるすぐに雄からもそのからも離れていき戻ってくることはありません」と記されている。それは観察データにもとづくものなのかとの内容でした。(鳥類の繁殖形態)米田(2015)は、鳥類の繁殖形態についての知見を整理し報告しています。( )内は鳥類の中での比率その報告によると、(1)一夫一妻90%以上、(2)一夫多妻約2%(資源防衛型ハーレム(メス防衛)型、レック型)、(3)一妻多夫1%以下(資源防衛型 共同的一妻多夫型)、(4)多夫多妻(十数種)、(5)托卵(約3%、種内托卵 真正托卵)、(5)共同繁殖(数百種)(1)一夫一妻:世界の鳥類1万種のうち90%以上は一夫一妻で、オスとメス1羽ずつで番を作り子育てを分担します。(2)一夫多妻:1羽のオスが数羽のメスと番いを作り、子育てはオスはほとんどしないものも多いですが、分担する場合もあります。オオヨシキリ、セッカが含まれます。(3)一妻多夫:1羽のメスが複数のオスと番いを作り子育ては主にオスが行いますが、メスが分担する場合もあります。クイナ類、ミフウズラ類、レンカク類、ヒレアシシギ類がここに含まれます。(4)多夫多妻:複数のオスと複数のメスが一つの共同繁殖群を作り、一つの巣に共同産卵する場合や複数の巣を作る場合もあります。メスが主に子育てをして、オスは縄張りを守りますが、雛の世話をすることもあります。(5)托卵:ほかの鳥の巣に卵を産んで雛を育ててもらう形態です。(6)共同繁殖:自分の子供ではないヒナの世話をそのヒナの親と一緒にする形態です。(タマシギの一夫多妻の変わった生態)山階(2023)が記している内容は、米田(2015)に報告されている滋賀県琵琶湖のほとりと愛媛県の瀬戸内海沿岸での調査結果にもとづく報告です。報告では、「産卵を始める3~4日前から産卵期の前半まではいつもオスとメスが一緒に行動し、巣から離れる時も必ず連れ立って飛んでいき、後半になるとオスは巣に留まって抱卵をしますが、メスはどこかに飛んでいくことが多く」、「4個の卵を産み終えるとメスはその巣から離れてしまい、その後巣に戻ってくることはなく、オスは1羽だけでヒナが孵化するまでずっと抱卵を続けました。この結果オスとメスが一緒にいる期間は約1週間だけで、その後はバラバラになって暮すことが分かりました」と記されています。さらに、「個体識別して観察をすると、メスは「コーンコーン」と聞こえる良く通る大きな声で鳴きながらオスを求めて飛び回ります。オスと番いになったメスは約1週間はそのオスと一緒にいますが、そのあとはまた次のオスを求めて飛び回ります。(中略)1羽のメスは少なくとも4羽のオスと7回以上番いになった」と述べています。興味深いのは、米田(2015)が「オスも何回かメスを変えて繁殖するため、私は一妻多夫とは言えないのではないかと思っています。むしろ産卵前3~4日から産卵中の4日間はずっと番いで過ごすことからこの期間は厳密な一夫一妻制の繁殖生態をしていると言えます。他の一夫一妻制の生態を持っている種類の場合でも、次の年には番い相手を変える鳥はたくさんいます。タマシギについて言えば番いの期間が非常に短いこと、抱卵や育雛をオスだけが行うことがほかの一夫一妻制の鳥と大きく違う所です」と報告している点です。多くの図鑑がタマシギに関して一夫多妻で繁殖との解説をしていますが、番いでいる期間が短い特殊に一夫多妻制の鳥類と表現すべきものです。(引用)米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥類研究所HP 読み物コーナー.2015年8月6日掲載.山階鳥類研究所.2023.山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書.ヤマケイ文庫.p146-148.(写真)2023年2月22日都内水元公園で撮影した雄成鳥頭央線があり、目の周囲に勾玉模様が見られ、下面の白色が肩まで食い込んています。頭の色はこげ茶のように見えたので頭の色が淡い若鳥との違いがあります。
2026.06.25
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6月に入り、はじめて野田市のコウノトリの里を訪ねました。大ゲージに飼育されている「カナタ」「ミライ」がクラッタリング(*)するので上空を見上げたらヤマトとひなたが北北西方向から帰還しました。(*)上下の嘴を叩き合わせて「カタカタカタ」とカスタネットのような音を出します。パートナー同士での意思疎通で行うことが多いようですが、コウノトリの里では野外で暮らすペアとコミュニケーションをとるのによく使っています。帰還した後、飼育施設の一角に止まり羽繕いをし、向かい合ってクラッタリングを披露。写真右側の個体が雌のひなた(足環:右 青・黄色、左 緑・緑)、左が雄のヤマト右 黄色・黄色、左 黄色・黒)です。その後、水田に降り立ち、2羽ともに餌を物色。その後、林でサシバ2羽が登場し、1羽が鳴き声をあげ1羽が中に入っていきました。このペアのほかに南側の林上空にもサシバペアが登場。このほか、電線に止まっていたツバメ成鳥と若鳥が一斉に道路に降り立ち、日光浴を開始。気持ちのよさで悶絶するような表情を見せていた若鳥、巣材を物色していた幼鳥、その近くの水田で巣補強用の泥玉を採取していた成鳥の姿を観察しました。(写真)2026年6月24日撮影(足環情報:愛称の次は上部、下部の順)ヤマト:右 黄色・黄色、左 黄色・黒、ひなた:右 青・黄色、左 緑・緑
2026.06.24
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鳥友で鳥類に関する書籍・文献を読みあう読書会を開催しました。今回は、6月19日に記した記した婚姻色が現れるカワウについて学習を鳥友と一緒に読書会を開きました。読書会で用いたのは、バードリサーチがデータを提供している加藤かなえさんのカワウのほんです。(以下、加藤(2014)と記します)(1)カワウの繁殖羽について加藤(2014)は、羽色に関して「繁殖期の成鳥は,頭から首の部分と腿の部分に白色の細い羽毛が生じる。皮膚の裸出部は黄色から黒ずんだ色に変わり、目の下には紅色の斑紋がでる」と述べています。婚姻色について整理したものを提供した折、カワウの婚姻色について触れたのはこの目の下の紅色の斑紋です。写真1枚目:頭部全体に白色の羽毛が生じていて、目の下に紅色の斑紋があります。写真2枚目:後頭に白い羽毛が生じていて、目の下に紅色の斑紋があります。写真3枚目:頭部全体に白い羽毛が生じていますが、目の下には紅色の斑紋はありません。写真4枚目:目の下に紅色の斑紋がある個体です。写真5枚目:目の下に紅色の斑紋がない個体です。(2)喉の皮膚裸出部分の斑点とその色、目の下に現れる婚姻色が見られる期間)加藤(2014)は、目の下の婚姻色が見られる期間について、次のように報告しています。「喉の黄色い皮膚裸出部には黒い斑点がプチプチ出てきて、黄色と黒が混ざり合って全体としては暗いオリーブ色に見えるようになります。運が良ければ、エメラルドグリーンの目の下に出る鮮やかな赤い斑点の婚姻色を見ることができるかもしれません。福田道雄さんの観察によると、この赤い色は10日間くらいで消えてしまうそうです。頭部から頸部にかかる部分と腿の外側の白い糸状の羽も1~2 ヶ月の内にどんどんと擦り切れるように抜けていき、ヒナが孵ってしばらくすると繁殖羽の鮮やかな時期は終わります」と述べています。(3)白髪鵜(しらがう)の現れ方繁殖期には頭部が白くなり足の付け根に白斑が出ます。現れるタイミングについて加藤(2014)は、「営巣に先立って現れます。頭部と同時か、もしくはやや早く腿の外側も白くなります。この白い部分は、普通の羽とは異なり糸状の細長い形をしていてそれが黒い」と述べています。(4)巣に座っているカワウの姿勢でわかることカワウが巣に座っている姿勢を観察していると、ただ座っている、抱卵している、ヒナを抱いていることがわかることを加藤(2014)が紹介しています。抱卵している時には尾羽を上げており、小さなヒナを抱いている時は背中と翼に注目すると少し膨らんで見えると記しています。(5)その他冊子に整理されている内容ヒトとカワウの関わり、カワウの分類、形態、採食、繁殖、移動、生態系における位置と役割、過去の個体数と個体数の変動について、季節的増減について、カワウによる被害、個体群管理、人との繋がりと多岐にわたる記事が満載です。(引用)加藤かなえ.2014.カワウのほん.pp131.バードリサーチ.(写真)1枚目:2023年3月27日手賀沼、2枚目、3枚目:2021年11月23日水元公園、4枚目、5枚目:2026年3月14日吉川市で撮影
2026.06.23
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朝の天気予報では、北の風が入るが蒸し暑い日になるとの予報でした。ところが印旛沼にヨシゴイや夏鳥を探索しに出かけ現地に到着すると肌寒さを感じました。北の風が入れば、気温は上がらないはずと昔の気象予報で学んだ通りでした。(ヨシゴイの姿は限られたものを観察したのみ)お目当てのヨシゴイの姿は、抽水植物帯(根を水底の土に張って茎や葉の一部が水面上に突き出ている植物が群生している中を茎につかりながら移動していました。かつて、ヨシゴイを目当てに撮影者が集中した葦原では複数のヨシゴイの鳴き声はするものの、飛翔する姿は限られた個体のみでした。2022年まではほぼ同一時期に8個体程度が葦原の上を頻繁に行き来する姿を目撃しましたが、75%程度減といった状況です。(オオヨシキリは抱卵真っ最中)オオヨシキリは、西海(20007)が報告しているように最初のメス(第一雌)がなわばり内に入るとオスはさえずりをやめメイトガードを行ないます。今日観察していたエリアでは葦原に止まっていたオオヨシキリ雄のうち盛んに囀っていた個体よりさえずっていない個体の方が多い印象があったのはそういった影響かもしれません。アップした写真でおわかりの通り、雄個体では眉斑が目の後方まで続いています。(セグロセキレイはどこで繁殖しているの)吉高機場近くで、セグロセキレイと思われる個体が嘴に虫をくわえて降り立ち、その後巣にむかって移動していきました。倒れた草の下や倒木の下、橋桁、建物の隙間などに巣をつくると聞いています。セグロセキレイの抱卵は14日前後、ヒナ誕生後は3週間程度親鳥から給餌を受けると言われていますので、まさに育雛期なのだと思います。(引用)西海功.2007.オオヨシキリ Bird Research News Vol.4 No.8.p4-5.(写真)2026年6月22日撮影
2026.06.22
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昨日、5月12日に観察したのを最後に渡去し行方不明だったツミの姿を目撃したことをリポートしました。今朝は朝まで雨が降っていたものの、やみ間がありこんな日はツミの日光浴を観察できる可能性が高くなります。同時に初列風切の状態を確認できる絶好のチャンスでもあるのでうきうきしながら現地に向かいました。複数のオナガが鳴きながらツミを追尾している姿を目にしたので、落ち着くまで林の一角で待機していると、電柱の上に雌成鳥が止まり、望んでいた通りの日光浴を披露してくれました。今朝観察した限りでは、換羽ははじまっていないようでした。(初列風切の状態)ツミの初列風切は11枚あります。初列風切は内側から外側にむかって数えます。研究者はP1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10、P11と表しています。(ツミの複数の換羽様式を持つ)産卵前の時期は、ツミの羽の状態を注目する絶好の時期です。森岡ほか(1995)が「ツミは年一回完全換羽する、5月頃から体羽から換羽を開始し少し遅れて風切の換羽が続く、雌は雄より早く抱卵を開始すると同時に換羽」と報告していることを考えると、換羽がどのようにスタートするかを観察できるチャンスと考えられるからです。井関ほか(2012)は、ツミに関して一般的なタカ科とは異なる換羽をしている、ハヤブサ科と同じタイプの換羽パターンであったと考えられたと報告をしています。報告では、「換羽の開始時期が早く、渡る前に越冬地で一部を換羽しているという共通点」があり、「P1 のみ換羽した個体(愛媛・繁殖 1 個体)、P1 は不明だが P2~P4 が換羽した個体(沖縄・繁殖 1 個体)、P6 のみ旧羽の個体(福岡・渡り 1 個体)、P6,7 のみ旧羽の個体(福岡・渡り 1 個体)など計 6 個体である。これらの個体が同一の換羽をしているとすると、P1 からP5(内から外)に向って順番に換羽するとともに、P10 から P6(外から内)に向って換羽している」「6月末にもかかわらず初列風切羽根を 1枚しか換羽していない、秋の渡り時期に換羽が終了していないといった換羽の時期が遅いという特徴を持っている」と記しています。前記に加え、初列風切を最内側のP1から最外側のP10へと順番に換羽する標準的な換羽様式の個体が存在していることから複数の換羽様式を持っていると考えられたと記しています。なお、前記報告後、井関ほか(2021)が「換羽様式は全容解明には至っておらず,更なる調査が必要」と指摘し、「換羽における性別,時期別,地理別の違いの有無を調べるために統計解析を行った。これらの解析により,ツミの独特な換羽様式が得られた」と報告しています。(写真)1枚目から4枚目は2026年6月21日撮影、6枚目から8枚目は観察地は違いますが、羽の状態に関する資料として添付します。(引用)森岡照明.叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p480-486.文一総合出版.伊関文隆・佐藤達夫・三上かつら・片岡宣彦・梶田学. 2012.ツミは複数の換羽様式を持つ非常に稀な鳥だった-ツミには2つのグループがある?.日本鳥学会2012年度大会報告資料.pp1
2026.06.21
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今季、観察を続きて来た林のツミ、5月12日に観察したのを最後に渡去し、行方不明でした。今朝、林から1km弱離れた林でツミ雌成鳥が鳴きながら移動しているのを見つけました。個体を観察していると、肩羽、次列大雨覆の内側羽と三列風切に白い羽央が見えましたが、先月まで観察していた雌とは白い羽央の現れ方が違うので同一個体ではないと思われました。林の中を見ていくと、一角にツミのものと思われる造巣中の巣を発見しました。巣の中には巣に敷くものと思われる青葉のついた枝が認められました。近くの枝で雌成鳥が胸から腹の羽根を膨らませる(膨羽・ぼうう)行動が見られました。(膨羽について)リラックスしている時に一時的に胸のあたり全体を膨らませたと思うと腹のあたりに空気を入れるように膨羽行動。羽と羽の間に空気の層を作り、体温が逃げないようにするのに膨らませるものです。なお、鳥類がずっと膨らませているのは病的な現象です。平年のこの時期はヒナが誕生し雌雄ペアがひっきりなしに餌を運搬する時期ですが、今朝個体は造巣または産卵に失敗し場所を変えて造巣したものと思います。その様子をしっそりと見守りたいと思います。(写真)2026年6月20日撮影
2026.06.20
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カワウについていくつかの図鑑で「繁殖羽に見られる婚姻色では頭部が白くなり、足の付け根に白斑が出る」と解説されているが、先日研究者から聞いた話しでは繁殖時期の一時期に嘴、目先、足など露出部に現れる鮮やかな色のことを指すとの内容でした。どちらが正しいのでしょうかと質問をもらいました。(図鑑類によって違う婚姻色の意味)統一された定義がないので、図鑑により婚姻色は繁殖期になると現れる特有の色と記されていまるものとくちばし、目先、足などの露出部に現れる特に鮮やかな色のことと記しているものがあります。前者の記述は永井(2014)、石田(2015)や叶内(2020)は繁殖羽に見られる色ということで記され、後者の記述は、遠藤(2005)をはじめ藤岡(2006)、海老原(2009)、平野(2011)、益子(2014)が繁殖期または求愛期、つがい形成期に嘴と虹彩、目先の裸出部の色が変わることを報告しています。このうち、海老原(2009)は、「一般的に動物に関する「婚姻色」とは、魚、両生類、腿虫類などで繁殖期に現れる平常時とは違う色べ紋様のことを言いますが、野鳥の場合は、夏羽の中でも繁殖直前4繁殖中の一時季、くちばし、目先、足などの露出部に現れる特に鮮やかな色のことを言います」とより具体的に報告しています。(サギの婚姻色)海老原(2009)は、サギ科の婚姻色について、次のように記しています。なお、夏羽の中の一時季に婚姻色が現われると述べています。ゴイサギ 虹彩:赤みが強い。目先:赤緑色。足:鮮紅色・濃紫赤色。ササゴイ 目先:青。足:赤み。アマサギ アイリング:赤み。目先:赤紫色。くちばし:朱赤色。足:朱赤色。ダイサギ(亜種チュウダイサギ)虹彩:赤橙色。目先:コバルトブルー。足:赤み、濃いピンク色。チュウサギ虹彩:赤橙色。目先:黄緑色。足:少し赤み。コサギ 虹彩:青緑色。目先:赤。足指:赤。アオサギ 目先:赤。くちばし:赤みの強いピンク。足:赤みの強いピンク。(カワウの婚姻色)カワウ成鳥繁殖羽は、頭から首の部分と腿の部分に白色の羽毛があります。くわえて、繁殖期の成鳥では皮膚の裸出部が黄色から黒ずんだ色に変化し、目の下に紅色の斑紋がでます。これも婚姻色と範疇です。(キジバトの婚姻色)キジバトでは1月以降春先にかけて目の周りの赤い裸出部分が大きくなる個体を見かけます。(写真)サギ科の鳥については、基本的な海老原(2009)が整理している内容にそって写真をアップしています。1枚目:ゴイサギ、2025年5月20日埼玉県越谷市、2枚目:ササゴイ、2015年7月4日東京都、3枚目:アマサギ、2023年5月28日埼玉県越谷市、4枚目:アオサギ、2022年3月30日千葉県、5枚目:ダイサギ、千葉県習志野市、6枚目:ダイサギ、埼玉県吉川市、7枚目:2026年6月16日手賀沼沿岸、8枚目:コサギ、埼玉県越谷市、9枚目:2016年7月12日東京都江戸川区、10枚目:カワウ、手賀沼沿岸、11枚目:カワウ、2026年3月14日埼玉県吉川市、12枚目:キジバト、柏市で撮影上記のうち、ダイサギは目先がコバルトブルーで足がピンク色の個体(5枚目)、目先はコバルトブルーなのに足は黒色(6枚目)の2枚、コサギについては婚姻色が現れる時期に開きがあるので8枚目の個体は5月末、9枚目の個体は7月半ばに見られた個体の2枚をアップしました。このほか、カワウは、頭部が白くなり、足の付け根に白斑があり、目の下に赤い裸出部分が大きい個体(11枚目)、目の下に赤い裸出部分のみ(12枚目)の個体の写真をアップしました。(引用)高野伸二.1980.野鳥識別ハンドブック.pp327.遠藤菜緒子.2005.ゴイサギ Bird Research News Vol.2 No.8.p4-5.藤岡正博.2006.フィールドワーカーが語る野生生物 サギ類.pp9.かながわ野生生物リハビリテーター養成フォローアップ講座 資料.海老原美夫.サギ類の婚姻色を楽しむ.日本野鳥の会埼玉県支部報しらこばと.2009年5月号.no301.p2-3.益子美由希.2014.チュウサギ Bird Research News Vol.11 No.3.p4-5.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.pp399.文一総合出版.石田光史.2015.野鳥図鑑.pp399.ナツメ社.叶内拓哉.2020.山渓ハンディ図鑑日本の野鳥.pp655.山と渓谷社.
2026.06.19
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2001年に姿を見かけてから25年目となったチョウゲンボウ、巣立ちとなり営巣場所近郊を飛び交う幼鳥2羽、営巣場所の反対側や対角線上の建物への移動が精一杯の幼鳥1羽と行動範囲に違い出ています。(幼鳥による行動の違い)一枚目の写真は、到着直後に見かけた近距離の移動が精一杯な幼鳥がテレビアンテナに止まっていた光景、二枚目は親鳥が餌をぶらさげて巣の方向に帰還する姿を見つけるといち早く営巣場所に戻り翼を広げて親鳥に猛アピールしていた光景、三枚目は近郊を飛翔していた2羽の幼鳥が営巣場所に戻り3兄弟が勢ぞろいした光景です。(外敵カラスの接近に身を潜める姿勢)短距離の移動が精一杯の幼鳥にとっては近くにカラスが接近してくると、身を低くして潜むような素振りを見せていました。(行動が活発な幼鳥は高層マンションのベランダのフェンスで餌を食べる)親鳥並みの飛翔が可能となっている幼鳥は、営巣場所から離れた建物最上階で獲物を受けとりどこで食べるのかと注視していたら、マンションのフェンスに止まり翼でバランスをとりながら餌をついばみ始め、食べ終わるとご満悦の表情のように見えました。その後、短腕の翼を羽ばたかせて移動し違うマンションの屋上階に移動。(写真)2026年6月18日撮影
2026.06.18
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ヨシゴイの雌雄について、どんなポイントを確認したらよいかと質問をもらいました。いくつかの文献に記されている内容を整理してみました。(ヨシゴイの特徴についての記述について)1980年頃までは高野(1980)が「雄の頭上は黒く雌では暗黄褐色、雌の下面には褐色の縦斑(中略)、幼鳥は下面に黒褐色の縦斑がある」と述べているような解説が多かったものの、以降は頭上の色、前頭から胸にかけての縦斑に関する記述がされているものを見かけるようになっています。桐原(2000)は「雄は頭上が黒い。(中略)前頭から胸にかけて黒い縦斑が数本見られるが中央の1本しか見られない個体が多い」、雌については「頭上は赤褐色。前頭から胸にかけて5本の淡褐色の縦斑が入る」と記しています。叶内(2011)は、成鳥雄は「額から後頭は青みのある黒色。頭から後頭は褐色。(中略)「喉から体前頚の中央に暗色の縦斑が1本ある」、成鳥雌は「全体に淡色で前頭の黒い部分はないかあっても縦斑となる」「頚の茶色の線は中央と両側に2本の計5本。成鳥雄は1本か複数あっても中央以外は淡い」と記しています。永井(2014)は、雄成鳥の頭上はキャップ状で暗色、頭上は濃紺色、雌成鳥は頭の暗色部が前頭に及ばない。後頭部のみ青黒色と記しています。(ヨシゴイの雌雄識別のポイント)(1)雄成鳥について複数の図鑑に雄成鳥の頭上は黒い点を指摘しています。(2)雌成鳥について複数の図鑑が雌成鳥の頭上は褐色または全体に淡色または前頭の黒い部分はないことを指摘しています。(写真で頭上の色に着目すると)・写真1枚目から3枚目:頭上が黒く、頭から後頭が褐色であり、雄成鳥と思われます。・写真3枚目から5枚目:頭上の暗色部が前頭に及ばず後頭部のみ青黒色であり、雌成鳥と思われます。4枚目と5枚目は先日6月13日に上州で観察した個体です。(写真で前頭から胸にかけての縦斑に注目すると)・写真6枚目、7枚目:前頭から胸にかけて5本の縦斑が入っており、雌成鳥と思われます。・写真8枚目:前頭から胸にかけて中央に1本縦斑が入っており、雄成鳥と思われます。(雄成鳥の繁殖期の嘴基部の色)佐原(2013)が「繁殖期にクチバシ基部が特にオスでは顕著に赤くなる」と報告しています。写真9枚目、10枚目の写真がそれに該当するものです。(写真)1枚目:2021年6月5日印旛沼、2枚目:2013年7月13日埼玉県越谷市、3枚目:2024年6月13日群馬県、4枚目、5枚目、6枚目:2026年6月13日群馬県、7枚目:2025年7月7日群馬県、8枚目:2024年8月13日群馬県、9枚目、10枚目:2025年7月7日群馬県、(引用)高野伸二.1980.野鳥識別ハンドブック.p51-53.(財)日本野鳥の会.桐原政志.2000.日本の鳥550水辺の鳥.p71-71.文一総合出版.叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑.日本の野鳥.p196-197.山と渓谷社.佐原雄二.2013.ヨシゴイ Bird Research News Vol.10 No.1.p4-5.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.258.文一総合出版.p258
2026.06.17
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朝から青空が広がる梅雨の一日、手賀沼沿岸の谷津田を訪ね、サシバの登場を待ちました。沼西端から東端の水面を探索した後、複数の谷津田を一ヶ所ずつ見て回りました。(サシバペアによる繁殖ステージの違い)一ヶ所目の谷津田では、雌雄ペアと雄成鳥の姿を目撃しました。雌雄ペアの雄(写真6枚目、7枚目)は、谷津田を見渡せる木のてっぺんと餌場の水田を一望できる電柱に止まり餌を待伏せ、雌(写真8枚目、9枚目)は雄とは別の木のてっぺんに止まり近くを旋回しているトビに警戒しながら水田の小動物の動きを見ているようでした。ペアで採餌に出ている場合、ヒナが誕生している可能性が高いと言われています。前回も同様の行動てしたのでヒナが誕生しているとしたら20日齢程度経過しているものと思います。なお、雌個体後頭に点々とした白斑が認められました。後頭に白いパッチがあるのは雄個体が多いと聞いていますが、雌にも小さな白斑があるのだと再認識しました。二ヶ所目の谷津田では道路沿いの電柱に、頭が灰色で眉斑がなく、胸が褐色の雄と思われる個体が止まっていました。こちらは、雌は登場せずでした。(水鳥たちの姿)手賀沼の水面には水鳥の姿はカワウ以外にはありませんでしたが、水田にはコブハクチョウ、水路脇にカワウが小魚の動きを凝視する姿、水田ではアオサギと背中に細く長く伸びた蓑毛が素敵なチュウサギの姿を見つけました。繁殖期だけに見られる蓑毛は、細毛でありそれをサケと呼んだことがサギの名の由来となったと聞いたことがあります。(小鳥たちの姿)ある谷津田の電線には、複数の亜種カワラヒワの姿を見つけました。全体的に黄緑色が目立ち、冬に見かけていた亜種オオカワラヒワの頭から後頸にかけての灰色とは違うのを改めて観察しました。このほか、沼の遊歩道脇の電柱には複数のホオジロ雄成鳥の姿があり、縄張りの見張りをする姿を見かけました。(写真)2026年6月16日撮影
2026.06.16
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手賀沼沿岸と周辺地域では、ホトトギスの鳴き声は聞くのにカッコウの鳴き声は聞かない。元々いないエリアなのか、それとも減少したのかと質問をもらいました。(結論)・手賀沼沿岸では、2017年6月12日の記録を最後に鳴き声が記録されていません。周辺地域の観察記録を確認してみても我孫子市北部に広がる水田地帯である北新田で5月から7月に鳴き声が観察されていますが、こちらも2021年6月9日を最後に観察記録が途切れています。北新田では、大部分が水田であり託卵相手であるモズ、オオヨシキリの個体数が限られていること、台風などで増水すると水田が冠水してしまう年もあること、餌の毛虫が少ないことなどが影響しているのではないかと考えられます。(明治以降の手賀沼沿岸の観察記録)我孫子市(1995)が明治時代以降の鳥類の観察記録を整理し報告しています。ホトトギス目について、カッコウ、ツツドリ、ホトトギスの記録が認められたのは1970年代以降と述べています。(全国のカッコウの分布)全国の繁殖期におけるカッコウに関する分布調査では、1978年までは千葉県北西部で繁殖の可能性があるとの報告がありましたが、1997年から2002年、2016年から2021年では観察記録が限られたもののみとなっています。草原や開けた林、牧草地を好むと言われているカッコウですが、千葉県では他地域と比べるとそれらが少ないことによるのではないかと思われます。(近隣の都県でのカッコウの動向)朝日新聞デジタル(2019/5/17)が掲載した日本野鳥の会埼玉の記録によると、1996年に開催した計80回の探鳥会でカッコウの出現回数は12回、出現率は15%だったものが、2011年は0回だったと記されています。東京都(2020)では、1970年代から1990年にかけて急減したものが2010年以降分布を拡大、神奈川県(2022)では箱根仙石原などに限られているが、相模原市、大和市にも定着する傾向がある、茨城県(2021)では、分布が2005年38から2016-2021年で14メッシュと63%減となったと報告されています。(引用)我孫子市.1995.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.pp168.東京都.2020.レッドデータブック.p447-506.神奈川県.2022.神奈川県鳥獣生息分布調査報告書.茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p7.(写真)1枚目:2017年7月19日栃木県奥日光、2枚目:2018年6月2日栃木県戦場ヶ原で撮影
2026.06.15
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5月18日にコチドリの3羽のヒナをはじめて見つけ、その後の様子を観察しています。昨日、成鳥1羽と幼鳥3羽の姿があり、採餌したと思うと親子で上空を飛翔したり、幼鳥が初めて水浴びをしている光景を目撃しました。今朝、訪ねると親子とも姿がなく、畑地を後にした可能性が高いと思われました。一番大きい幼鳥が37日齢、最も小さい幼鳥で29日齢での誕生地からの出発となりました。(幼鳥の水浴び)ダイナミックに翼を広げ、全身でばしゃばしゃと水浴びする光景と思っていたら、幼鳥のそれは餌をたいらげた後に水たまりに移動し静かに腰を下ろす動作でした。最終的には下面がすべて水たまりの中に浸るようなものでした。(秋の渡り)笠原(2020)が述べているように、秋の渡りは日本の繁殖地を出発した後、中国や台湾を経由してフィリピンに南下し、ルソン島、ミンドロ島、ミンダナオ島と広い範囲で越冬していると言われています。また、繁殖地から越冬地までは32日から136日、距離3100kmから4220kmあまりです。どのあたりを経由して越冬地に向かうのか興味のあるところです。成鳥がピッピッピッと鳴き、幼鳥を励ましながら移動していくのかと想像を巡らせています。(写真)2026年6月13日撮影
2026.06.14
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上州自慢の遊水地にヨシゴイ、渡良瀬の一角で子育てをしていたトラフズクの様子を観察に出かけました。ヨシゴイの飛来地は、ガマやカヤツリグサに注目し待機しているとヨシゴイが舞い降りてくれるフィールドです。このほか、オオバン、バンの造巣し抱卵していると思われる個体、日光浴をしていた個体を見かけました。(ヨシゴイの羽衣)頭上が黒っぽく、前頚から胸にかけて黒い縦斑が数本あった成鳥雄、上面に縦斑があり、前頚から胸らかけて黒い縦斑があった若鳥雄と思われる個体を観察できました。写真は、すべて成鳥と思われる個体です。抽水植物の茎につかまりながら忍者のように移動する姿、遊水地の隣りのある水田に降り立ち餌探しをしていた光景など時間を忘れて観察に没頭した時間でした。(トラフズク親子)渡良瀬のトラフズクは、成鳥2羽、誕生した幼鳥4羽のうち1羽の姿を観察できました。成鳥は下面の縦斑が太い印象のある雌と思われる個体と雄と思われる個体の姿がありました。圧巻だったのが地面に降り立ったカラスが接近してきた折、トラフズク幼鳥がその方向に視線を向けたと思ったら嘴を開けて鳴き声を出した模様でした。声は風にかき消されて聞き取りができず、次回の宿題となりました。(写真)2026年6月13日撮影
2026.06.13
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2001年に姿を見かけてから25年目となりました。今朝、様子を見に出かけましたら巣がある換気口から3羽の幼鳥が顔を出し、成鳥雌雄各1羽、若鳥1羽の合計6羽のチョウゲンボウの姿を観察できました。イトーヨーカ堂柏店が2024年11月に閉店してからは、残ったテナント店が入っているので幸い取り壊されずに建物は残っています。チョウゲンボウのペアからすれば人間の都合など関係のないことなので、今シーズンも春に姿を見せ、産卵、ヒナ誕生となりました。換気口から顔を出したヒナの様子を観察すると、頭上に綿羽が残っているのみなので22日齢前後と思われました。綿羽が脱落すると巣から外に出て、31日齢前後で巣立ちを迎えます。来週から再来週には巣立ちとなるものと思います。幼鳥にくわえて、若鳥と思われる個体が何度も巣のそばに降り立ち、羽づくろいを披露。尾に灰色味がないので若鳥雌ではと思われました。(写真)2026年6月12日撮影
2026.06.12
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今シーズン、出会えていない絶滅危惧種アマサギを求めて、千葉県流山市、野田市、埼玉県吉川市、松伏町を探索。流山市内でツミ雄成鳥が捕獲してきた小鳥の羽をむしり雌とヒナのもとに運搬する直前の姿を目撃してからスタートとなりました。(アマサギ探索の途中で遭遇したアカハラツバメ)埼玉県側を探索しましたが、アマサギの姿はみつけられず。それでも、途中の電線にツバメ4羽が止まり、うち1羽が胸から脇と下尾筒が赤褐色の亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)でした。この他、アオサギも観察。(背の亜麻色の飾り羽が素敵なアマサギ)その後、千葉県野田市と流山市の境にある水田地帯でようやくアマサギの姿を見つけました。ゆっくり歩きながら餌を探していました。バッタ類が元来の主食で、水田でオタマジャクシやカエルを採ると聞いていますのでそれらを探していたものと思います。観察した個体は、頭と背がオレンジ色で、嘴に婚姻色の赤みが残っている夏羽でした。背にはうっすらと亜麻色の飾り羽があり、風になびいて素敵でした。(写真)2026年6月11日撮影
2026.06.11
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水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。前回は強風で成鳥の巣への出入りや巣から幼鳥が顔を出す光景も確認できずじまいだったので、様子を見に出かけました。(幼鳥の様子)複数個所の巣から顔を出したのは、頭上に産毛のある幼鳥1羽のみでした。このほか、巣立ちして巣から離れて餌探しをしていた幼鳥が2羽、成鳥3羽を観察しました。なお、他の巣への成鳥の出入りや幼鳥が顔を出すのは観察できませんでした。(チョウゲンボウの生育)チョウゲンボウのヒナは、日齢8日前後で尾羽が生え、翼に羽鞘が現れて、耳孔が開くと言われています。12日齢前後で立ち上がって餌をとることが可能となり、綿羽が灰白色となると聞いています。22日齢前後で綿羽が脱落し、27日齢前後で巣の外で活動するようになり、31日齢前後で巣立ちを迎えると言われています。巣から離れて活動していた幼鳥は31日齢を過ぎている個体、巣から顔を出していた個体は、頭上以外の綿羽はなかったので22日齢前後と思われました。(幼鳥の雌雄について)森岡ほか(1995)が尾の黒褐色の横帯で雌雄が識別できることを述べています。その内容は、「上面の黒褐色の横帯は雌成鳥より幅が広く、上面全体がより暗色に見える。多くの個体で黒褐色横帯は赤褐色(橙褐色)の横帯より横幅が広い」、「雄幼鳥は茶褐色の横帯より黒褐色横帯の方が幅が広い」というものです。アップした写真のうち2枚目、3枚目の幼鳥は、上面の黒色横帯の幅が広く見えたので雌と思われました。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.図鑑 日本のワシタカ類.p617.文一総合出版.(写真)2026年6月10日撮影
2026.06.10
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坊主頭と黄色の虹彩が特徴のフクロウ科アオバズクについて、成鳥はヒナの成長とともに与える餌の内容を変化させていると書籍で読んだが、もう少し詳しく知りたいと質問をもらいました。(とりあげていた書籍)mililie(2025)は、研究者の報告や知見、ニュース報道などで取り上げられていた鳥類について報告しています。アオバズクについて、ヒナの成長とともに与える食べ物を変えていることがわかったと述べています。この記事の元となったのが、溝田ほか(2020)が報告している論文です。内容の一部を紹介します。溝田ほか(2020)は、兵庫県神戸市で昆虫類の翅や頭胸などの残し餌を回収しその種類を同定し、アオバズク成鳥がヒナに給餌した結果を整理し報告しています。回収した残し餌1,452 個体のうち、コウチュウ目のオオクロコガネの回収個体数は最も多く、その値は269個体(18.5%)であった.次いでコウチュウ目のノコギリカミキリが216 個体(14.9%)、コウチュウ目ドウガネブイブイが 114 個体(7.9%)、チョウ目モモスズメが74 個体(5.1%)コウチュウ目クワカミキリが 56個体(3.9%)、チョウ目のアケビコノハが 51個体(3.5%)、コウチュウ目クロシデムシ41個体(2.8%)、マルオクコガネが39 個体(2.7%),オオコフキコガネ Melolontha frater が34 個体(2.3%)、およびコフキコガネが 33 個体(2.3%)の順だったと述べています。(主要給餌生物と育雛期の進行での餌の変化)溝田ほか(2020は、「育雛期に回収した残し餌は多様な餌種で構成されていた」、「育雛期におけるアオバズクの主要な給餌生物がコウチュウ目およびチョウ目」と記し、「コウチュウ目およびチョウ目の個体数の割合は,コウチュウ目では、アオバズクの育雛期の進行に伴って増加したのに対しチョウ目では減少」と報告しています。さらに、興味深いのは育雛後期では、チョウ目からコウチュウ目へ推移したと報告し、さらに「コウチュウ目の頭部、胸部、および腹部といった体部位のうち、硬い外骨格に覆われた頭部および胸部を除去し、柔軟な外骨格を有する腹部のみを特異的に給餌」、「アオバズクは、育雛期間を通して,チョウ目あるいはコウチュウ目の腹部を選択的に給餌し、ヒナに柔軟な外骨格のみを与えていると推察された.実際に、アオバズクの成鳥の胃内容物において、コウチュウ目の頭部および胸部が確認されているにもかかわらず、それらをヒナに与えなかった」と述べている点です。前記のうち、注目されるのは、消化器官が未発達なヒナに柔軟な外骨格を有する腹部を与えていた点、成鳥がコウチュウ目の頭部や胸部を食べているのに、それをヒナに与えなかった点です。mililie(2025)が「甲虫類でも特に硬い部分を取り外し腹部のみを与える。ヒナが食べやすいように下処理して食べさせている」と記しているのは、前記報告を読者向けにわかりやすく表現したものです。(引用)溝田浩美・布野隆之・大谷 剛.2020.育雛期間の進行に伴うアオバズク Ninox scutulata japonica の給餌内容の変化.日本鳥学会誌第69巻.第2号.p223-234.mililie.2025.子供の食事に気を遣う、夏に見られる小さなフクロウ.身近な鳥の素顔名鑑.p122.SBクリエイティブ.(写真)1枚目:2017年7月15日千葉県、2枚目:2016年7月2日茨城県、3枚目:2022年7月9日茨城県、4枚目:2020年6月27日茨城県で観察・撮影2枚目、4枚目は下面の斑が太く濃いことから雄個体、3枚目は下面の斑が褐色に見えることから雌個体ではと思われます。
2026.06.09
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鳥友から今シーズンのホトトギスの渡来について質問をもらいました。今シーズンと過去の初認日の推移を整理してみました。(2026年ホトトギスの初認)5月28日に手賀沼沿岸で鳴きながら移動するのを目撃しました。ほぼ平年並みの初認でした。(過去の手賀沼とその沿岸でのホトトギスの初認)柏市と手賀沼とその周辺地域の初鳴き日に関して推移を整理してみました。(1998年から2025年の初鳴き日:2000、2005は観察できず)・5/20までに観察した年:2008/5/18、2013/5/17・5/21-/31までに観察した年:1999/5/24、2001/5/23、2002/5/22、2003/5/28、2010/5/21、2014/5/31、2021/5/24、2024/5/27、2026/05/28・6/1-6/10までに観察した年:1998/6/4、2006/6/4、2011/6/3、2023/6/1・6/15以降に観察した年:2007/7/9、2009/6/18、2017/7/2(ホトトギスの初鳴き日の年変動)バードリサーチ(2020)は、ウグイス、ツバメ、オオヨシキリ、カッコウ、ホトトギスといった春の鳥類について初認の進み方や年変動に異なるパターンがあると報告しています。報告では「初認の遅いものほど年変動が小さくなる傾向がありました。気温の年変動が大きい 春早い時期の鳥の初認もそれに応じるように年変動が大きくなり、遅い初認の鳥たちは小さくなるのだと思われます」と述べています。くわえて、ホトトギスについては年による変動が大きいと記しています。(ホトトギスと森林率)バードリサーチ(2023)が「農地・住宅地などの森林でない低標高の場所で、ホトトギスの分布が拡がっていた」と述べ、ホトトギスが託卵するウグイスについて「森林率が50%以下の調査地では、ウグイスの個体数が増加している場所が多かったのに対して、50%より高い場所では減少している場所が多い」とその背景について記しています。オフィスのある柏市の森林率は約10%、千葉県の森林率は28.8%、日本の森林率は67%ですから森林率の低い柏市ではウグイスが増加し、ホトトギスの飛来数はもっと増えるはずです。手賀沼沿岸に注目すると、2001年に開発総面積約49haの宅地造成があり、谷が住宅地となりました。雑木林が消失し、一時的にウグイスの繁殖可能な環境となり、2005年から2008年の間で記録できた件数が増加しました。しかし、宅地増加と共に藪が減少し、ウグイスの生息場所が減ったためホトトギスの観察件数が減少しました。(写真)ホトトギス:2023年10月13日松戸市で撮影ウグイス:2022年2月4日都内で撮影(引用)バードリサーチ.2020.種や時期により違う初認のパターン.バードリサーチニュース 2020年5月.バードリサーチ.2023.日本の森の鳥の変化:ホトトギス.バードリサーチニュース 2023年4月.
2026.06.08
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オフィスの最寄り駅周辺にイソヒヨドリペアの様子を見に出かけました。前回(5月27日)は成鳥雌雄が給餌していましたが、今朝は雌が餌を捕獲し帰還後、何度も換気口の中に入っていきました。餌はヤモリが一回、ブユのような虫が数回でした。(写真6枚目、7枚目を参照)伊澤・松井(2011)が「鱗翅目幼虫、ゴキブリ類が多く、甲虫目、コオロギやバッタなどの直翅目、ミミズ類、ムカデ、ヤモリ、アオカナヘビ、カエル、クワやガジュマルの実」と報告しています。ヒナの成長伴う餌の変化も注目していきたいと思います。(雄成鳥の嘴の長い個体とそうでない個体)観察した雄成鳥2羽のうち1羽は嘴の長さが長く、上嘴が下嘴よりも長く先端が下方向に垂れている個体でした。(5月13日に観察した個体と同一と思われます)1枚目、2枚目の写真の個体が嘴の長さが長い個体、3枚目の個体は別のビルの屋上階に止まっていた雄成鳥です。なお、嘴の長さが普通のイソヒヨドリ雄成鳥の個体の写真を4枚目にアップしました。(雄成鳥のお尻フリフリダンス)嘴の長い個体が駅舎の屋根で餌を捕獲した際に、極楽鳥のようにお尻を振りダンスをする仕草を披露。求愛ダンスを踊ることは目撃したことがありますが、餌捕獲でご満悦での動きははじめて目撃しました。写真5枚目がその光景の一部です。(引用)伊澤雅・松井 晋.2011.ヒヨドリ Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.(写真)2026年6月7日撮影(4枚目は2025年5月2日撮影)
2026.06.07
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