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3月に入りはじめて松戸市千駄堀池を訪ねました。今日は水位がいつもより高く、寒がりなカモたちが休息できる葦原が水没しているところがあり、姿が少ないと思いきや、コガモ、オカヨシガモは葦にとまり休息をとり、マガモ、カルガモは岸辺に近い葦原近くに姿がありました。くわえて、オシドリ雄1羽が小島の縁に座り込んでいる姿を発見しました。頬から下に橙色の羽が伸び、正面から見ると髭のような感じにも見え、威風堂々とした風貌でした。このほか、今冬少なかったツグミが10羽以上、芝生の上で採餌する姿を見つけました。胸の模様、上面の色の濃い個体、淡い個体、いろいろな個体を観察。帰り際、水際でハシボソガラスが小さな種子の真ん中に嘴を入れ、バリッと割って食べているシーンを観察しました。器用な嘴の使い方に感心しました。(写真)2025年3月6日撮影
2025.03.06
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昨日、埼玉県吉川市吉川美南の調整池の草地で雄キジ5羽を観察しました。1度だけ2羽が一瞬にらみ合う姿があった以外は、さえずりも争いもなく餌探しに集中していた旨を報告しました。冬にはなわばりの存在はないのかと生態についていくつかの文献を調べてみました。(キジのなわばり存在)雄キジは、縄張り争いでにらみ合い、飛び上がり蹴りあったりする光景を見かけるのでなわばり制があることを前提に我々は観察をしているように思います。ところが、丸(1988)が研究者による報告文献を紹介し「キジ属(馴asjanus)は一般になわばり制がある、という同意があり、その同意に基づいて研究や議論がなされてはいるが防衛行動のようななわばりの存在を明らかにする証拠が示されているわけではない」と指摘しています。(キジの囀りの意味)くわえて、丸(1988)が長野県軽井沢および東京都式根島での繁殖期の雄キジについて、興味深い報告をしています。ケーンケーンという鳴き声はソングシーズンの間は大きく変わらないのに、ヒナの観察され始めた時期には減少し始め、鳴き声を発していた時期は交尾期にだけ出されていたものだったと記しています。さらに、雄同士が拮抗したとき行動は2つのタイプがあり、1つはエリアの境界で相互に争いを行なうもので、「ソングエリア」の占有者と侵入者の間にみられるもの、もうひとつは威嚇行動と逃走行動がともなったものと述べています。このほか、軽井沢および式根島のいずれでも明らかになわばりを持たない雄が存在していた点もあわせて報告しています。(雄キジのさえずりと繁殖行動)林(2002)は、神奈川県横浜市でキジを調査した結果をつぎのように報告しています。「雄キジのさえずり頻度の日間変化を見ると、日の出30分前から日の出4時間30分後まで5時間の1時間あたりの平均さえずり回数は13.7回以上で、それ以降の時刻の7.3回以下と著しい差がある。これは雄キジが早朝5時間のあいだに活発に雌を誘い,ほかの雄に対して自己の存在を示しているものと考えられる」、「雌同伴行動時のさえずりは、その回数が単独行動時に比べて14%に減少した。これは「雌の誘引」の必要性が低下したためと考えられる。この時のさえずりはほかの雄に対する自己の存在を示す「なわばりの防衛」の機能が強くなっているのではないかと推測される」と記されています。雄キジのさえずりは、雌誘引の必要性が低下すると減少し、雌同伴時にはなわばり防衛の機能が強くなっていたと述べています。(冬に雄キジが群れとなっていた件)吉川美南で観察した同じ草地を雄キジ5羽が行動していた点は、冬にはなわばり制を持たないのか、餌の物色が最優先の時期には相互に争わないのかとも思いました。これからの観察で注目したいと思います。(引用)丸武志.1988.キジのなわばりの特徴.Strix第7巻.p149-158.日本野鳥の会.林暁央.2002.雄キジのさえずりと繁殖行動.Strix.第20巻.p31-38.日本野鳥の会.(写真)2020年5月17日手賀沼沿岸、2021年4月11日手賀沼沿岸、2018年4月29日手賀沼沿岸で撮影
2025.03.05
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3月に入りはじめて吉川美南駅西口の調整池を訪ねました。水面にマガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロの姿にくわえて斜面の草地にキジの雄5羽が登場し、肩羽は黒と茶色のうろこ模様に魅了されました。キジは、縄張り争いでにらみ合い、飛び上がり蹴りあったりする光景を見かけますが、1度だけ2羽が一瞬にらみ合う姿があった以外は、争いもなく餌探しに集中していました。文献(*)に雄は単独か群れになることが紹介されていたのを思い出しましたが、目の前で目撃するとは思いませんでした。(*)Kuroda N. 1981. The Japanese Green Pheasant Phasianus (colchicus)versicolor in Japan. World Pheasant Association Journal 6: 60-72.キジの姿があった草地は大人気で、ハシボソガラス、シジュウカラ、ムクドリ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ベニマシコ、ホオジロ、アオジが登場してくれました。(ベニマシコは池近くの葦原の中でフィフィとの鳴き声のみ)気温3℃前後と厳しい寒さを忘れて観察に没頭した時間でした。(写真)2025年3月4日撮影
2025.03.04
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先日、2月17日に三番瀬を訪ねた折、シロチドリ7羽が波打ち際を移動している姿を見つけました。かつて、三番瀬、谷津干潟ともにシギ・チドリの中で最も個体数が多かったのがシロチドリだったのに、今では谷津干潟ではほとんど見かけなくなり、かろうじて三番瀬で姿を見かけるのみです。鳥友からいつ頃から個体数が減少したのか、羽衣の特徴について質問をもらいました。(シロチドリの個体数の変化)吉井(1988)が「日本では北海道、本州、四国、九州、沖縄などで繁殖し周年観察される」と報告しているチドリ類です。しかし、石川・桑原(1983)が、1979年頃から越冬個体数が減少し、春と秋の渡りの時期に個体数が増加するパターンに変化したと報告しています。くわえて、守屋(2014)が、「1974~85年と2000~03年の間の変化率を全国のカウント調査から示した報告では、シロチドリが春期で-75%、秋期で-88%と極端に減少している」記しています。文献の報告によると、個体数を大きく減少させた時期は、1979年頃から越冬個体数が減少し、2000年以降に個体数全体が大きく減少したと読み取れます。(シロチドリの羽衣について)今井(2022)は、シロチドリの羽衣について報告をしています。写真は、私の観察・撮影したものです。(1)成鳥夏羽今井(2022)は「雄成鳥夏羽は頭頂から後頸が橙褐色で前頭と過眼線、胸の斑が黒い(中略)雌成鳥夏羽は頭頂から後頸が褐色で、前頭と過眼線、胸の斑が褐色」と述べています。一枚目の写真は2023年4月24日に三番瀬で観察した個体で、過眼線が黒く、胸の斑も黒いことから雄成鳥夏羽と思われます。(2)成鳥冬羽から夏羽に換羽中の個体二枚目の写真は202年4月24に三番瀬で観察した個体です。過眼線は黒くなく、背と頭の褐色が後頭の白帯で分かれていることなどから雌冬羽が換羽中の個体と思われます。(3)若鳥三枚目の写真は、2000年1月13日に三番瀬で観察した個体です。写真ではわかりずらさがあるものと思いますが、上面に淡色の羽縁が目立ち、全体がバフ色に見えましたので、若鳥と思われました。(引用)吉井正.1988.コンサイス鳥名事典.p278-279.三省堂.石川勉・桑原和之.1983.谷津干潟におけるチドリ類の個体数の変化.Strix第2巻.p19-32.日本野鳥の会.守屋 年史.2014.シロチドリ 個体数の減少.Bird Research News Vol.11 No.1.p2-3.今井 光昌.2022.シギ・チドリ類の年齢・季節による羽衣の変化.連載第28 回 シロチドリ.しろちどり113号.p10-14.日本野鳥の会三重.
2025.03.03
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弥生三月に入り、いよいよシギ・チドリのフィールドに通う時期となりました。茨城県浮島、甘田干拓地とその周辺を訪ねました。蓮田エリアでは、タゲリ、コチドリ、タカブシギ、セイタカシギ家族群が餌探しに余念のない光景を目撃できました。うち、タカブシギは眉斑が目立ち、上面に黄褐色のある若鳥と思われる個体でした。このほか、霞ヶ浦で魚を捕獲したミサゴが、水田エリアの電柱にとまり魚をわしわし食していました。その数、合計8羽は壮観でした。その後、訪ねた甘田干拓では、地面を動く小動物を捕食していたチョウゲンボウ、上面の褐色ベースに黒斑が密にあるヒバリ、フィールドのあちこちに姿のあったツグミと見どころ満載でした。(写真)2025年3月2日撮影
2025.03.02
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埼玉県の鳥友からヒバリの初鳴き日の推移について質問をもらいました。研究報告で埼玉県松伏町でのヒバリの初鳴き日は2月の気温が高いほど鳴き始めるのが早くなっているとの内容を目にしたので、隣接する千葉県ではどうかとのことでした。(松伏町でのヒバリの初鳴き)尾上(2020)は、埼玉県松伏町松伏総合公園を中心に調査を行い、2015年からの5年ないし6年間の鳥の初鳴きや渡り鳥の初観測日の推移を気温と比較し報告しています。初鳴日は、2015年2/28、2016年2/6、2017年2/4、2018年3/3、2019年2/4、2020年2/14だったと記しています。さらに、「ツバメ初見日、ヒバリ初鳴日、モズ初鳴日は5年ないし6年間で早期化する傾向が認められ(中略)年平均気温は5年間で上昇傾向がみられた」「年間のヒバリの初鳴日と2月の平均気温には強い負の相関が認められる。このことから、2月の平均気温が高いほどヒバリが鳴き始めるのが早くなっている」と述べています。(千葉県北西部の手賀沼とその周辺地域でのヒバリの初鳴き日)2001年から2024年のヒバリの初鳴き日を整理すると、つぎの通りです。2001/2/11(1)、2002/2/10(1)、2003/2/10(1)、2004/2/11(1)、2005/3/13(1)、2006/2/11(1)、2007/1/4(1)、2008/3/9(1)、2009/2/22(3)、2010/2/21(1)、2011/3/20(2)、2012/3/14(1)、2013/2/10(2)、2014/4/20(1)、2015/2/22(1)、2016/1/1(2)、2017/5/4(2)、2018/3/12(2)、2019/5/11(2)、2020/2/24(1)、2021/3/1(1)、2022/2/26(1)、2023/2/28(1)、2024/2/26(1)日付に注目してみると、最も早い年は2016年1/1で、最も遅かったのは2019/5/11でした。次に月に注目してみると、1月2件、2月13件、3月6件、4月1件、5月2件でした。(埼玉県松伏町と千葉県北西部でのヒバリの初鳴き日の違い)ヒバリは、佐々木(2008)が報告しているように、草原、麦畑、桑畑、河原などに多く、樹林地を避け、建築物も忌避すると考えられています。松伏町総合公園は、建築物はごく僅かで、面積26.5haのうち、広場ゾーン(疎林広場、芝生広場、野原)が6.5haでヒバリの生息適地となっているものと思われます。これに対して、千葉県北西部の手賀沼とその周辺地域では、樹林地や建築物の割合も多いことからヒバリの生息適地が分断されていることや草丈の高い環境などが相まって初鳴き日が遅いのではないかと思います。(引用)尾上 愛実.2020.気温変化が野鳥に与える影響.中央大学第20回高校生地球環境論文賞報告.pp7.(写真)2015年6月6日、2011年6月12日いずれも手賀沼沿岸で撮影
2025.03.01
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茨城県南部に位置する牛久沼沿岸を探索しました。谷田川と西谷田川が小貝川の堆積作用により堰き止められてできあがった言われている平均水深1mの沼です。昼過ぎに到着後、遊歩道を進行し葦原の群生したエリアをまず探索しました。小さな水路沿いで茶色の個体が移動するのを見つけたので確認すると、ヒクイナ。顔から胸が赤く、足と虹彩が紅色が素敵でした。その後、公園の広場で家禽化したサカツラガン4羽の姿や沼の水面に目をやると、コブハクチョウ、マガモ、コガモ、トモエガモ、ヒドリガモ、カイツブリが羽を休めていました。このほか、ユリカモメの群れが公園との境にある杭の上に止まり休んでいました。成鳥が大半でしたが、雨覆に褐色斑がある若鳥の姿もあり、成鳥たちが脇を固めている光景を目にしました。また、葦原の群生しているエリアでクイナのキューイという鳴き声を聞いたり、葦原で葦の中に生息するビワコカタカイガラモドキというカイガラムシの一種を食べていたオオジュリン、ホオジロの姿を見つけました。(写真)2025年2月28日撮影
2025.02.28
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2月終わりから3月にかけては、ススガモの羽衣のいろいろを観察する絶好の機会です。江戸川区葛西臨海公園は、ススガモの姿を比較的近い距離で観察できますので、スズガモを識別する学習の場としておすすめです。スズガモ雄生殖羽は、上面の白地に黒の波状斑、脇には細かい波状斑がありますが遠目に白く見えます。また、雌成鳥は上面が黒褐色で下面が褐色、目先が白色、雌冬羽から夏羽に換羽が始まっている個体は体上面に波状斑に覆われている部分や耳羽に淡色のバッチが出てきているので識別することができます。(写真)すべて2025年2月27日撮影1枚目、2枚目:雄生殖羽、3枚目雌成鳥、4枚目、5枚目雌冬羽から夏羽に換羽が始まっている個体、6枚目雄生殖羽と雌個体、7枚目オカヨシガモ、8枚目コガモ、9枚目ハジロカイツブリ、10枚目、11枚目カンムリカイツブリ、12枚目ユリカモメ、13枚目、14枚目ハクセキレイ13枚目のハクセキレイ、風切の一部がバフ色になっている個体でした。若鳥では頭から上面がバフ色がかった個体を見かけることがあり若鳥かもしれません。
2025.02.27
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利根川・鬼怒川・小貝川に囲まれた守谷市の林間のコースを探索しました。ここは、休耕田跡の湿地にバリアフリーの本格的な木道があり、マイペースで冬鳥たちとの出会いを楽しめます。今日は、葦原などのエリアでベニマシコ、アオジ、耕した耕地で餌探しに余念のないカシラダカなどの小鳥たちとの出会いがありました。その後、昨日訪ねた水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁に立ち寄り、昨日に引き続き、チョウゲンボウ、早春の花ホトケノザ周辺で採餌、休息をしているムナグロ、タヒバリの姿を観察しました。(写真)2025年2月26日撮影
2025.02.26
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。今シーズン、はじめて現地を訪ねました。ヒゲ状斑が頭部が青灰色味のある成鳥雄、体下面が太めの縦斑がある若鳥、齢・性別不明の1羽の合計3個体の姿を見つけました。広大なフィールドを探索すると、あちこちにツグミの姿があり、採餌していたと思うと突然胸を張った姿勢になり背を伸ばして急にストップ。前傾姿勢から歩き出す独特の動きを堪能しました。近くには、地面と同化していたタヒバリの姿も。さらに見渡すと、ひたすら地面で餌探しに余念のない7羽のムナグロの姿を発見しました。ムナグロは、2月にフィジー諸島、マーシャル諸島、マリアナ諸島を飛び立ち、日本にやってくると言われています。その後、繁殖地である北極圏まで渡ることが知られています。いつまで滞在してくるかはわかりませんが、動向を見守りたいと思います。このほか、隣接する川の水面にはカンムリカイツブリ生殖羽、ほとりの葦原にオオジュリン、エナガ、アオジなどの姿を観察しました。(写真)2025年2月25日撮影
2025.02.25
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例年ですと、三郷市の江戸川沿いでコミミズクなどの猛禽類と出会う時期なので午後現地を探索してみました。江戸川の浅瀬では、タゲリ、イカルチドリが餌探しに余念がない様子を観察。その後、グランドであちこちにタゲリ、ツグミ、タヒバリが地面で採餌する様子を目撃しました。ただし、コミミズクの姿は見つからずでした。タゲリは、喉から胸が黒い雄個体、顔にバフ色があり黒色部は淡い第一回冬羽、上面の羽縁がバフ色の若鳥などを合計15羽以上の姿を見つけました。タゲリは水田に姿とのイメージがありますが、厳冬期は河川の浅瀬やグランドで採餌している逞しさを持ち合わせています。また、イカルチドリは2羽の姿があり、コチドリに比べて長い嘴、肉色の足、コチドリほどでないけれど黄色のアイリングがチャーミングでした。このほか、ツグミの翼の赤褐色味が鮮明な個体、そうでない個体、20羽もの群れでグランド上で採餌していたタヒバリの姿を観察しました。(写真)2025年2月24日撮影
2025.02.24
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2月に手賀沼沿岸、オフィス近くの公園、昨日出かけた菅生沼モズが尾をふりながら枝に止まり、小鳥を追尾する行動を見かけました。モズというと、昆虫や爬虫類などを捕食し鉄線の針やとがった枝に串刺しする所謂はやにえの習性を思い浮かべますが、厳冬期はその行動が変化し鳥類を追尾し捕食するのではないかとも思われます。まだ、小鳥を捕獲した現場を観察するには至っていませんが、文献を調べてみました。(モズが襲撃する鳥類)どんな鳥を襲撃した報告があるかと思って文献を調べてみました。神戸市(1981)は、モズについて、「肉食者であるから植物質の餌はほとんど摂らない。冬はわずかに木の実や種子を食べることはあるらしいが、それは例外に近いケース」と報告しています。そして、「モズの餌食になっていた鳥は、ツグミとヒヨドリ」、「ツグミもヒヨドリもともにモズの2倍近い体重である」と報告しています。(モズの攻撃行動について)遠藤・上田(2010)は、モズが追い払う対象によって攻撃行動の強弱を変化させるか、追い払い行動を見せた鳥の種類と攻撃の強さなどを調査した結果を報告しています。「オナガやムクドリ、スズメなどの18 種の鳥に対して132回の追い払い行動がみられた。追い払いの仕方には、対象個体への接近(42%)と接触を伴う攻撃 (58%) があった。攻撃の強さと攻撃対象種の体の大きさとの関係を解析した結果、オナガやキジバト、ヒヨドリといったモズよりも体の大きな他種に対してより接触を伴う攻撃に至る傾向がみられた」と記しています。神戸市(1981)の報告と同様に体の大きな種類に攻撃していたことを述べています。文献に目を通してみて、フィールドでどの程度の頻度で襲撃を試みるのか、成功率はどの程度かなどを注目していきたいと思いました。(引用)神戸市教育委員会.1981.神戸の野鳥観察記.加藤昌宏著.モズの食物.遠藤幸子・上田恵介.2010.モズは大きな鳥に激しく攻撃する.日本鳥学会2010年度大会講演要旨集.p127.(写真)2025年2月15日、同年1月23日、2018年10月29日いずれも手賀沼沿岸で撮影
2025.02.23
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茨城県南西部にある菅生沼にでかけました。面積85ha、水深 1 mに満たない沼ですが、毎年ハクチョウが飛来し越冬しています。オオハクチョウ6羽は北帰行し、コハクチョウ111羽が羽をやすめているのみでした。このほか、浅瀬で餌を物色していた8羽のタシギのうち1羽は雨覆の笹の葉模様が少な目で黒い模様が目立つ若鳥と思われる個体でした。このほか、沼に隣接している水路沿いでは、カワセミが枝に止まり何度も小魚を捕獲している姿、餌の昆虫を探して姿を現したキセキレイとセグロセキレイ、遊歩道の地面で種子をついばんでいたカシラダカ、ホオジロの姿を目撃しました。カシラダカは腰の色のベースが赤褐色で鱗模様があるのでホオジロとの識別の手がかりとなります。近くで撮影したかったのですが、三連休初日で複数の市民の方が通行しているのでお預けとなりました。(写真)2025年2月22日撮影
2025.02.22
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今朝も北西の風3m前後の冷たい風が抜き抜けていました。寒さを避けて観察可能な松戸市千駄堀の自然観察舎に直行し暖房がきいた施設から千駄堀池の鳥たちを観察しました。その後、21世紀の森と広場公園内を探索しました。林縁に日陰ではヒッヒッと鳴き声がしたと思ったら植え込みのルリビタキ雄成鳥が登場。このほか、水路で地中のミミズの動く音を耳を傾けて聞いているようなシロハラ、チャチャチャとウグイス似の声が聞こえたと思ったらミソサザイが出現しました。池の水面は北西の風の影響で、カモたちりの姿はなく葦原の中で首をすくめて休んでいるオカヨシガモ、コガモ、マガモの姿がありました。一方、雑食性のオオバンは芝生の上で種子をついばんでいました。(写真)2025年2月21日撮影
2025.02.21
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2月も残すところ一週間余り、水元公園のカモ類、冬の小鳥を観察できる機会もあとわずかとなっています。公園東端のバス停桜土手で下車し、小合溜沿いを探索。エリア内のツグミ、アカハラ、シロハラ、ジョウビタキといったヒタキ類の姿を今一丁寧に観察しようとエリア内を進みました。あちこちにツグミ、シロハラの姿を見かけ、水元大橋から北側のエリアではアカハラの個体数がぐっと多い状況でした。アカハラをじっくり観察していくと、大半の個体が頭部がかなり黒っぽさがあり、羽色も濃い印象で亜種オオアカハラ(千島列島中北部で繁殖している個体)と思われました。(亜種アカハラの頭部の色はオリーブがかった褐色)このほか、小合溜に向かう途中の水路でカワセミと遭遇。何度も水中にダイビングし餌を捕食していました。このほか、小合溜の水面には、ホシハジロ、キンクロハジロ、ヒドリガモの姿があり、キンクロハジロは雄生殖羽、雌非生殖羽、体上面や胸の黒味が目立つ雄幼羽の姿、を見つけました。また、セグロカモメ、ユリカモメが水面で羽を休めていました。(写真)2025年2月20日撮影
2025.02.20
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北西の風が抜き抜ける日でしたが市川市の大町自然公園内は、谷津田のためあまり冷たさを感じずに探索できるフィールドです。大町駅前のパーキングに愛車をとめて公園まで徒歩で移動し、園内を見て回りました。スタート直後、複数のシロハラが葉っぱの堆積したエリアで掘り返して餌を物色している姿を目撃しながら遊歩道を進みました。林縁の薄暗い場所にトラツグミの姿があり頭を下げて何歩か移動したと思ったら、今度は頭をかしげて地中の音を聞いている仕草を披露。その後は、お相撲さんの四股を踏むような動作を披露したり出会いを満喫しました。その後、ミミズを捕食する様子を観察できました。トラツグミの舌は、細長い矢じり状で舌尖の先端は幾つもの針状構造でミミズや柿などの奨果も食べるのに適していると研究者から教えてもらったことがあります。その後、さらに動物園方向に進むと、林縁を複数のルリビタキが登場。成鳥雄生殖羽、雄第二回冬羽、成鳥雌の3羽が登場。このほか、葦原に10羽以上のシジュウカラやメジロもアオジが降り立ち葦の中の虫を捕食している光景を目撃したり楽しい時間を過ごしました。帰り道、公園入口近くの小さな池で餌をねらっていたカワセミを目にしながら帰路につきました。(写真)2025年2月19日撮影
2025.02.19
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昨日の春ような気温から一転し、西北西の風4m前後で気温も低めで真冬に逆戻り。二週間ぶりに吉川美南駅西口にある調整池を探索しました。昨年から月に数回訪ねてみてわかったのですが、今日のような冷たい風が吹いているとカモたちは20羽前後の群れで池に降り立ちますが、短時間で渡去します。近郊の吉川美南第一調整池、中川、越谷レイクタウンの大相模調整池のずれかに退避しているのではないかと思われます。今朝の水面には、マガモ、コガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、オオバンが風を避けて羽を休めていました。うち、マガモに似ていますが、肩羽、風切、下腹、脇が白くペンキをかぶったようになっている1羽の個体を発見しました。全長はハシビロガモと同程度で、嘴は橙色の地に黒い模様があり、頭部全体がこげ茶色、脇は丸みがあるマガモとアヒルの交雑ではないかと思われました。また、ハシビロガモは成鳥雄生殖羽、雄幼羽が第一回生殖羽に換羽中の個体、雌非生殖羽、ホシハジロは胸から腹、脇の一部に褐色の羽がまじる雌1年目冬羽の姿がありました。このほか、複数姿のあったうちのカワウ1羽は頭部が白色となっていて虹彩がエメラルドグリーンの婚姻色個体でした。頭部が一気に白色になるのかと思っていましたが頭頂部分にモヒカン上の羽毛が残っているのを発見しました。帰り道、池の近くに電線にツグミが降り立ち、堤防下の草地で草をついばむヒヨドリの姿が観察し、現地を後にしました。(写真)2025年2月18日撮影
2025.02.18
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中潮で干潮が13時30分前後で潮位が52cmとシギ・チドリの観察には好条件でしたので、船橋市三番瀬を訪ねました。到着して干潟を見渡すと、波打ち際にシロチドリ、ハマシギ、ミユビシギ、ミヤコドリの姿があり餌探しに余念がありませんでした。その後、船橋漁港よりの干潟に移動すると、ダイシャクシギ(下腹から下尾筒が無斑で白い)、ホウロクシギ(下面に褐色味)、ズグロカモメ(嘴が黒く、初列風切に白黒が交互に入っている)、カモメ(背がウミネコより薄く味が黄色)、セグロカモメ(頭に斑がある成鳥冬羽)、シロカモメ(背がセグロカモメに比べて淡い)が干潟で羽を休めていました。くわえて、水面にはススガモ、ウミアイサの姿を観察しました。また、帰り道に芦原に複数のオオジュリン、アオジ、メジロの群れの姿を見つけました。(写真)2025年2月17日撮影
2025.02.17
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ベテランのウォッチャーであればあるほど鳥見をはじめた頃、ウグイスは漂鳥で近距離しか移動しないと教わった方が多いと思います。ところが、1980年代後半から調査・研究により高緯度地方のウグイスほど長距離の渡りをすることが判明したり、高緯度地方の個体は初列風切羽が長い翼を持っていることが判明しています。つまり、2つのタイプのウグイスが生息しているということになります。(高緯度地方のウグイスほど長距離の渡り)濱尾(2007)が分布や渡りなどの知見を整理し報告しています。その中で「ウグイスは冬は暖かい地方の低地に移動する漂鳥とされるが、茨城県筑波山では少なくとも通年生息する個体がいる。バンディングのデータでは秋に山形県飛島から沖縄県石垣島まで移動した例や5月に埼玉県比企丘陵でなわばりをもっていたオスが同じ年の11月に神奈川県横浜市で確認された例がある。高緯度地方のものほど長距離の渡りをしている可能性が考えられる」と報告しています。(高緯度地域の個体群は初列風切羽が長い翼を持っている)梶田(2006)も「積雪の多い高緯度地域に生息するものは冬期他の地域へ移動するため長距離の渡りを行なう事が知られている。これに対し、積雪の少ない本州以南の個体群は基本的に留鳥であり、冬期は山地から低地への小距離移動をする程度であると考えられている」と報告し、渡りをするものと小距離移動をするものが存在している旨を報告しています。さらに「高緯度地域の個体群の方が低緯度地域の個体群よりも飛翔に適した長い翼、特に推進力を生み出す初列風切羽が長い翼を持っている」と記し形態的な違いを指摘しています。(引用)梶田学.2006.日本列島で繁殖するウグイスCetti a d i p h o n eに見られる翼形地理変異.pp1.日本鳥学会発表.濱尾章二.2007.ウグイス 渡り.Bird Research News Vol.4 No.2.p4-5.大沢八州男.2004.飛島(山形県酒田市)における標識調査.pp12004年度第19回日本鳥類標識協会全国大会報告.原 星一.2024.新しい渡り鳥調査手法 ―夜に渡る鳥の識別とカウント―.第4回バードリサーチ賞受賞講演2024.pp1(写真)2009年5月16日栃木県日光市、2022年2月4日都内水元公園で撮影
2025.02.16
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立春をすぎても寒い日が続いたり、一昨日の台風並みの強風の日があったりゆったり鳥を探索できないでいましたが、ようやく青空が広がり風も弱めの一日でした。ホームグランド手賀沼沿岸約8キロを探索しました。ミヤマガラスが徐々に移動しながら田んぼを移っていく姿を見つけました。嘴の付け根が石灰化して白くなっているように見え、飛翔する姿はひらひらと蝶が舞うような飛び方が独特でした。その後、群れが電線に一列に並び、羽繕いをするもの、ペアで相互毛づくろいをしてるものなど実にいろいろな仕草を観察しました。沼に接続している水路ではカンムリカイツブリ、コブハクチョウの群れ、ダイサギが水中に入って足で餌を浮き上がらせるような仕草、カワセミが餌探しに余念のない姿を観察しました。このほか、水田エリアでは餌場から帰還したタゲリの群れが水田に降り立ち、座り込んだ姿、近くの畔と葦原を行き来していたホオアカ、ようやく姿を現したツグミとの出会いを楽しみむました。(参考:ミヤマガラスの成鳥、幼鳥)成鳥は嘴のつけ根の毛状の羽が生えていた場所が石灰化したように見えます。また、下嘴のつけ根にも,白い部分があります。これに対して、幼鳥では嘴のつけ根に毛状の羽が生えています。研究者によると、この羽は生後10~15 ヶ月で抜けると教えてもらいました。(写真)2025年2月15日撮影
2025.02.15
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二週間ぶりに柏の葉キャンパス駅近くの調整池を探索して歩きました。ここの自慢は、イカルチドリを比較的近距離で観察できるところです。コチドリと比べてはるかに長めの嘴、不明瞭なアイリング、頭と背の褐色部が後頭の白帯で分かれていること等をしっかり観察できます。このほか、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、コガモ、オオバンが水面を移動している姿、湿地帯で小動物を捕食していたダイサギ、コサギ、草原エリアで餌探しに余念のないツグミ、タヒバリを観察しました。中でもおやっと思ったのが、オカヨシガモ雌雄共に水面に浮かんだまま猫がふみふみするように足を動かして水中の餌が浮かんでくるようにしている仕草です。一般的には水底の藻や種子を食べるために頭を突っ込んで餌をとるといった仕草を観察することが多いのですが、採餌環境によって使い分けしているようです。(写真)2025年2月14日撮影
2025.02.14
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春一番ではないかと思われる強風が抜き抜ける朝となりました。さて、そろそろウグイスの初鳴き(*)が観察される時期を迎えます。最近は、地球温暖化でウグイスの初鳴きが早くなっているとしている方の存在がある一方上田(2023)が「1953年から蓄積されている生物季節の古いデータの中で、1950〜1970年代の宮古島や先島諸島(石垣島、西表島)のウグイスの初鳴きデータを見ると、1月や2月の記録がほとんどです。1980年代になって、3月の記録が混じるようになり、2000年代になるとほとんど3月の記録です。先日、知人からなぜこれらの島の古いデータでは初鳴きが早かったのかと聞かれました。いろいろ考えてみたのですが、結局、納得できる説明は見つかりませんでした」というコメントも存在しています。全国的なウグイスの初鳴き前線、千葉県での初鳴き日、千葉県柏市での初鳴き日の推移に注目してデータを鳥瞰してみます。(ウグイスの初鳴き前線)気象庁(2010)は、ウグイスの初鳴きについて「2月下旬に九州地方、四国地方の一部や関東地方の一部で始まります。3月10日には中国地方、四国地方、近畿地方、東海地方、関東地方、東北地方南部太平洋側を結ぶ地域、3月20日に北陸地方北部から東北地方太平洋側を結ぶ地域に達します。その後、東北地方を北上し4月下旬に北海道地方に達します」と述べ、初鳴きが日本列島を北上していく旨を報告しています。(温暖化と千葉県での初鳴き日)気象庁は、「2000年前後から2010年代前半にかけて世界の平均気温上昇は停滞しましたが、その後は急激に上昇し、2016年から2020年の5年間は、1850年以降で最も高くなったとみられています」と報告しています。気象庁生物季節観測データのうち千葉県(観測地点銚子)の2016年から2020年の5年間の初鳴き日に注目してみます。すると、2016年2/28、2017年3/5、2018年3/11、2019年3/1、2020年2/25という結果で、変動を繰り返していますが、早くなっているとは断言できません。なお、気象庁が公表している1953年から2020年の生物季節観測データのうち、千葉県(調査地点は銚子市)では、最も早かった年は1972年1月12日、最も遅かった年は2014年3月17日でした。(千葉県柏市での初鳴き日)1998年から2024年の間の千葉県柏市での初鳴き日を整理すると次の通りです。1998/4/4、1999/3/28、2001/1/28、2002/3/10、2003/2/9、2004/2/25、2005/3/1、2006/2/19、2007/2/25、2008/3/17、2009/2/11、2010/3/20、2011/3/30、2012/3/14、2013/3/4、2014/3/19、2015/3/15、2016/03/6、2017/03/2、2018/3/11、2019/3/31、2020/3/16、2021/3/1、2022/3/15、2023/2/19、2024/3/27最も早かったのは2001年1/28、最も遅かったのは1998年4/4という結果でした。1月に記録されたのが2001年、2月に記録されたのが2003年、2004年、2006年、2007年、2009年、2023年、3月に記録されたのが1999年、2002年、2005年、2008年、2010年、2011年、2012年、2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年、2024年でした。26年間のうち、3月に記録された年が18年あり、気象庁が平均気温が1850年以降で最も高くなったと評している2016年から2020年に着目すると3月に初鳴きを記録することが多くなっています。(*)初鳴日は、春にうぐいすが「ホーホケキョ」とさえずるのを初めて聞いた日(引用)気象庁.2010.うぐいすの初鳴日www.data.jma.go.jp/sakura/data/uguisu2010.pdf気象庁.生物季節観測累年表.https://www.data.jma.go.jp/sakura/気象庁.地球温暖化と十年規模変動https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/mar_env/knowledge/ohc/hiatus.html(写真)2022年2月4日都内水元公園で撮影
2025.02.13
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土浦市の乙戸沼を訪ねました。約13ヘクタールの敷地の中心に「乙」という形をしていたという沼がある自然公園で秋から翌年春まで水鳥が越冬しているフィールドで市民の皆さんに親しまれています。水面には、コハクチヨウ、コガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、オナガガモ、ミコアイサ、カワウが羽を休めていました。なお、今月に入り姿が目撃されていたニシオジロビタキの姿は見つかりませんでした。コハクチヨウは16羽で、2011年2月に観察した83羽と比べると八分の一と少なめでした。ただし、渡辺ほか(2008)が報告しているコハクチョウによる被食が記録れた外来種ハゴロモモは現在消失しているのでその影響も考えられます。(引用)渡辺朝一・渡辺 央・山本 明・清水幸男.2008.池沼におけるガン・ハクチョウ類の食物としてのマコモの重要性と種による採食方法の違い.日本鳥学会誌第57巻第2号p97–107.(写真)2025年2月12日撮影
2025.02.12
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山野の冬鳥の代表ツグミですが、鳥友たちから昨年から今年にかけて姿をみかけないと聞いています。(ホームグランド手賀沼とその沿岸での観察記録)ホームグランド手賀沼とその周辺地域では11月18日が初認でしたが、その後は12月29日に沿岸で姿を見かけるまで観察のブランクがありました。いつもでしたら、初認以降個体数がふえ、夜間にも鳴きながら移動していくのですが、そのパターンは皆無でした。(千葉県、埼玉県、茨城県、東京都での観察記録、カッコ内は個体数)(*)いずれもはじめて姿を見かけた日千葉県と隣接する都県で見かけた記録を整理すると、つぎの通りです。千葉県松戸市千駄堀12/20(1)、埼玉県吉川市吉川美南12/26(1)、千葉県柏市片山12/29(1)、千葉県印西市1/2(1)、東京都葛飾区1/6(1)、千葉県松戸市樋野口1/16(5)、千葉県柏市柏の葉2/1(2)、東京都清瀬市2/3(1)、埼玉県三郷市2/10(7)(県外の観察記録、*以外は鳥友からの情報による)県外の鳥友から聞き取りした結果を整理したものが次の通りです。北海道稚内市24/10/15、長野県長野市24/10/26、*宮城県大崎市11/28、石川県七尾市24/11/30、長野県軽井沢町24/12/28、石川県羽咋市25/1/6、北海道苫小牧市24/1/7、北海道七飯町24/11/10、岩手県盛岡市24/10/20、山形県飛島10/2、新潟県新潟市北区24/12/28(バードリサーチ季節前線2024から)バードリサーチ(2024)は、9/30までに観察されたのが富山県と秋田県、それ以降東京都、宮城県、熊本県、香川県で観察記録が寄せられたと報告しています。(ツグミの南下ルート)梅垣(2019)は、日本列島を南下するルートが2ルート(*)がある鳥として、ツグミ、タヒバリ、アトリ、ハギマシコ、オオマシコを例示しています。(*)日本海を横断するルートのみをとる種とあわせて日本縦断ルートも存在する2タイプ)ルートを日本地図で見てみると、朝鮮半島から九州地方へのルート、日本海を横断しての能登半島などの北陸地方へのルート、日本海を横断し北海道のルートにくわえて日本を縦断するルートです。平年であれば、前記ルートで日本に渡り、群れで山林で行動した後各地へ分散し、平野から山地の森林、草原、農耕地、都市部に移動し越冬すると言われています。(引用)梅垣佑介.2019.日本周辺の鳥の渡りルート.日本の渡り鳥観察ガイド.p35.文一総合出版.バードリサーチ.2024.季節前線2024.https://www.bird-research.jp/1_katsudo/kisetu/index_kisetu_kekka.html(写真)2025年2月10日埼玉県三郷市、2025年2月8日千葉県松戸市樋野口、2025年2月1日千葉県柏市柏の葉、2025年1月16日千葉県松戸市樋野口
2025.02.11
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2024年秋から2025年2月までツグミ、タヒバリといった小鳥たちの姿をあまり見かけないまま経過しています。どこか食べ物の条件の良いところにとどまっているのか、繁殖地での繁殖が芳しくなく個体数が激減しているのかと気をもんでいます。そこで平年、ツグミ、タヒバリの個体数が多い江戸川河川敷をJR三郷駅から常磐道までの往復8kmの間を探索してみました。目論見は大当たりで、スタート直後から河川敷の一角でツグミが地中からミミズを引っ張り出している光景を目撃。このほかにも複数の個体がグランドに佇み、じっと睨んでいたかと思うと土をアタックすると見事にミミズを口にこわえていました。ミミズの動きが探知できているような素振りでした。また、見かける個体の羽色は、じつにいろいろで上面の赤褐色か強いもの、赤褐色の弱いもの、下面が黒褐色斑の個体、淡褐色の個体を見かけました。ツグミ、タヒバリのほかは、江戸川の中洲で羽を休めていたダイサギ、河川敷の通路で羽を休めていたノスリの姿を観察できました。(写真)2025年2月10日撮影
2025.02.10
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湖沼の鳥を探索しに出かける予定でしたが、北北西の5mをこえる冷たい風が吹き抜けていたので変更し、成田市坂田ヶ池から栄町房総のむらのエリアを探索しました。池には、カルガモとマガモの交雑個体1羽(頬が赤褐色で、胸が赤茶色、三列風切が淡褐色、脇の羽縁はぼやっとした印象)、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、カイツブリの姿がありました。また。岸辺に近い木の枝にはカワセミが枝に止まり小魚を捕獲している光景を目撃しました。このほか、林の斜面でトラツグミが立ち止まって首をかしげて地面の方向に耳を傾けているような素振りを見せたと思ったら、ミミズらしきものを引き抜いているような光景を見かけました。(写真)2025年2月9日撮影(トラツグミは2023年2月23日撮影)
2025.02.09
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西北西の風5m以上が吹き抜ける中、松戸市の川の一里塚を訪ねました。イタカアワダチソウ、イノコズチなどがあるエリアは、冷たい風が吹き抜けていたのでベニマシコの鳴き声が聞こえるものの姿は観察できず。土手があり、風が避けられるスポットに移動すると、ヨシガモ、ヒトリガモが地面の青草をついばんでいたり、ジョウビタキが小枝に止まり愛嬌をふりまき、複数のカワラヒワが木の枝に降り立った後地面に降りて種子をついばんでいる姿を発見しました。翼を広げたときの初列風切、次列風切の黒と黄のコントラストの鮮やかさには目を奪われました。その後、土手斜面を複数移動する鳥影を見つけました。姿を観察すると、ツグミでした。平年ですと、11月に飛来し3月終わり頃まで姿を見かけるのですが、今冬はまったく見かけず心配でしたが姿をかけてホッとしました。(写真)2025年2月8日撮影
2025.02.08
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3日に埼玉県と東京都の境にある公園でニシオジロビタキを観察してきましたが、鳥友から茨城県南部の公園でも1月以来ニシオジロビタキの姿があるとニュースをもらい出かけてきました。公園の面積が約23haと広大な公園内の一角にその姿がありました。ただし、ジョウビタキ雌が縄張りとしているエリアにニシオジロビタキが滞在しているので、頻繁にジョウビタキに追尾されている姿を目撃しました。下嘴が黒くなく肉色であること、上尾筒の色が尾と同じ黒褐色、三列風切先端の斑の色はバフ色であり、第一回冬羽でした。近くには、樹液を吸いに複数りメジロが飛来する姿、隣接する池の水面には、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、オオバンの姿、池の近くにシメが登場。(写真)2025年2月7日撮影
2025.02.07
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西よりの冷たい風が抜き抜ける朝となりました。比較的比較的風の影響を受けにくい茨城県つくば市高崎自然の森に出かけました。到着直後から複数のルリビタキが登場しました。眉斑は嘴の付け根から白い部分が出始めた第三回冬羽と思われる個体、眉斑は嘴の付け根から白い部分が伸びていた4年目または5年目の個体、眉斑がほとんどない個体といろいろな個体を観察。このほか、地面で採餌に余念のないシロハラ、20分以上食べ続けた後、満腹になったのか地面で静止した状態で休んでいた光景を目撃しました。その後、森の近郊にある小川沿いを探索していたら、複数のジョウビタキが登場。近くのヤブと木に1990年代以降に個体数が激減しているカシラダカの姿が見つけました。あわせて、複数のアオジが水路沿いのヤブを移動し餌探しをしている姿を見つけたり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2025年2月6日撮影
2025.02.06
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吉川美南駅西口と東口の調整池を探索しました。住宅街に隣接している西口の調整池では、葦原に個体数は多くはないものの、スズメ目の鳥類の姿を見かけます。今朝は、オオジュリン、ホオジロ、スズメの姿があり、3種の個体数の合計は30羽以上。オオジュリンは頭上が褐色で顎線が目立つ成鳥雌個体と思われました。また、ホオジロは、耳羽と頭が褐色の成鳥雌冬羽でした。このほか、池の一角にある葦原の中から全身が淡褐色で黒斑のあるキジ雌が登場。池の水面には、マガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロが羽を休め、ダイサギ、コサギが浅瀬で餌探しに余念のない姿がありました。ホシハジロは体上面と脇が灰色の雌冬羽、キンクロハジロは 虹彩が濁った黄褐色で眼先が換羽し始めている雌第一回冬羽と思われました。また、東口に移動しようとした時、カラスに追尾され住宅のテレビアンテナにチョウゲンボウが降り立ちました。(写真)2025年2月5日撮影
2025.02.05
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鳥友から埼玉県と東京都の境にある公園に滞在しているニシオジロビタキについて識別について質問をもらいました。内容は、大雨覆羽毛の先端に淡色があることから1年目冬の個体と報告している記事を見た。その他、上尾筒羽毛は淡色羽縁のある灰黒褐色で、腰の羽毛と同系色と記されていたとのものでした。(大雨覆羽毛の先端に淡色の点について)出口・大西(2021)が2020年福井県で観察した個体について「大雨覆羽の先端にバフ色の小斑が認められた」と報告している内容がその根拠と思われます。(ニシオジロビタキと同定するために)今村(2014)は、2014年に茨城県取手市で観察したニシオジロビタキについての形態などについて報告しています。(1)取手市で観察した個体の特徴について観察した個体の特徴について、「頭部から腰にかけて一様に灰褐色、上尾筒は黒褐色で各羽の羽縁は灰褐色、(中略)尾は上尾筒と同様黒褐色で、中央尾羽とその外側各1 枚を除く尾羽の基部に白斑があった。白斑は,最も大きいもので尾羽の2/3 程度の長さがあった。上尾筒と尾は,光の当たり方によって褐色味が強く見えることがあった。小雨覆は灰褐色であった。大雨覆と中雨覆および風切は濃褐色で各羽には幅の狭い淡褐色の羽縁があり,大雨覆と三列風切の先端には淡褐色の斑が認められた。下面は淡いバフ色で,喉はやや白っぽく見えた.汚白色の囲眼羽があり、嘴の形はやや扁平で短く、上嘴は暗肉色で、下嘴は肉色,脚は黒色」と報告しています。(2)ニシオジロビタキと同定した理由について「下嘴が黒くなく肉色であること、上尾筒の色が尾と同じ黒褐色である点で異なっていた。下嘴が肉色で、上尾筒が黒褐色であるという特徴は、Jännes (1996)が示したニシオジロビタキの特徴とも一致していた。また本個体は,三列風切の羽縁が狭く,先端の斑がくさび形であったが,この特徴はCederrothet al.( 1999)のニシオジロビタキの記載に一致していた」と同定した理由を述べています。(3)第一回冬羽の特徴について近似種のオジロビタキと識別するための特徴についてつぎのように述べています。a.ニシオジロビタキの下嘴が先端を除き淡色であること(下嘴全体が黒い場合もある。オジロビタキの下嘴が基部を除きほとんど黒い)b.上尾筒の色は尾羽と同じような黒褐色であるか、黒色でも光沢がないこと(オジロビタキの最長上尾筒の羽毛が光沢のある黒色で尾羽よりも黒味が強い)c.ニシオジロビタキは三列風切の羽縁があっても狭く<先端の斑の色はバフ色でくさび形をしている(オジロビタキの三列風切の羽縁は幅が広く,先端の斑の色とあわせて白っぽい色)d.胸と脇はバフ色で,喉は幅広く淡色である(オジロビタキの胸と脇は灰色~灰褐色味を帯びており、喉はパッチ状に白い)e.上面の色は、暖かみのある褐色(オジロビタキの上面の色は灰色味のある褐色)(2月3日に観察した個体について)昨日2月3日に撮影したうちの4枚をアップします。一枚目の写真では下嘴が先端を除いて淡色(肉色)なのがわかります。また、上尾筒の羽毛が尾羽と同様に黒褐色で、三列風切先端の斑がバフ色なのがおわかりいただけると思います。二枚目の写真では三列風切先端の斑がバフ色なのが一層わかっていただけると思います。三枚目の写真では、上面の色が温かみのある褐色なのがわかります。四枚目の写真では、胸と脇の色がバフ色で喉が幅広く淡色な点がわかります。
2025.02.04
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昨年12月から埼玉県と東京都の境にある公園に滞在しているニシオジロビタキを観察しに出かけました。公園内にはケヤキ・クスノキ・コナラ・エゴノキ・ウツギ・ヤマハギなどの樹木とクマザサや各種の野草が植えられ、武蔵野の雑木林が再現されています。湿地帯や池があり、水鳥、小鳥たちとの出会いが楽しめます。昼前に到着した時点では、ニシオジロビタキの姿はみつからず、湿地帯と池の遊歩道を探索し、マガモ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、クイナ、バンといった水鳥、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、メジロなどの小鳥たちとの出会いを楽しみました。お目当てのニシオジロビタキの登場は、午後1時すぎでした。キリリと鳴き声が聞こえたと思ったら、近くの枝に止まる姿を発見しました。下嘴が肉色で嘴先端だけ黒色で、基部から先端にかけて細くなるな印象がありました。(オジロビタキは嘴は黒色で基部から先端はほぼ同じ太さで先端が細い)(写真)2025年2月3日撮影
2025.02.03
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2024年から2025年冬は、ツグミをほとんど見かけない状況が続いています。ほおじろ(2025)が千葉県内で「ツグミのいない冬」と題して会員の多くが姿を見かけていないていないことを報告しています。昨日、柏市柏の葉でツグミ2羽を目撃しましたが、平年のツグミの個体数はどの程度なのかを文献で調べてみました。すると、佐藤ほか(2012)がツグミのセンサスと環境調査の実施した結果した結果を報告しているのを見つけました。(平年のツグミの個体数について)佐藤ほか(2012)に「11月1日からの日数が70~120日の間(1~2月中)にピークが観察された。ピーク以外の時期の個体数は、いずれの地区や年度においても0~5羽/5ha 程度であったが,ピーク時の個体数は年度によって大きく変動し、5羽/5ha未満の年から40羽/5ha近い年までと幅広かった」、「11月1日から約50日(12月下旬)で、林冠等と地上部(林床や草地等)の利用が半々となり、2月以降はほぼ全個体が地上部を利用するような傾向があった」、「関東平野で越冬するツグミに関しては、越冬後期(2~3月)には主に林床や草地,裸地を利用することが確認された」と記されていました。(昨日の柏の葉公園で個体数)昨日、柏市柏の葉公園でツグミ成鳥と第一回冬羽を各1羽観察しました。2羽/45ha(0.2羽/5ha)と表現することができ、前記の多い年の40羽/5ha近い個体数と比較するとかなり少ないデータとなります。(柏の葉のツグミは既に林床と裸地を利用)柏の葉では林冠(森林の頂部で枝葉の茂った部分)ではなく、林床(林のち地表部分)にその姿がありましたから佐藤ほか(2012)が報告している越冬後期の状態に該当します。平均気温が極端に上昇していること、秋の降水量が増加していることによって果実の結実に大きな影響を与え、日本に越冬のために飛来する小鳥たちに影響を与えているのではないかと指摘している声を耳にします。(引用)佐藤伸彦・藤田旭美・曾根恵海.2012.関東地方の平野部で越冬するツグミの垂直的な利用位置の季節変化.自然教育園報告第43号.p57-64.ほおじろ.2025.千葉県 鳥の世界で起きていること 冬の巻.日本野鳥の会千葉県.第526号.2025年2月号.p3.(写真)2025年2月1日柏の葉公園で撮影
2025.02.02
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昨日、柏の葉公園でツグミの姿を目撃したとニュースをもらい、現地に出かけました。途中渋滞がひどいので柏の葉キャンパス駅近郊の湿地に立ち寄り、イカルチドリのコチドリより長い嘴、前頭の黒色、うっすらとある黄色のアイリングを観察。タシギは合計13羽もの姿があり、嘴を泥の中に突っ込んで餌探しをしているもの、頭と嘴を水中に入れて餌を探す個体と実にいろいろな姿がありました。このほか、オオヨシガモ、ハシビロガモも羽を休めていました。その後、柏の葉公園へ移動。45ha(東京ドーム8個分)公園内を見て回りました。ツグミの姿は、ちば県民プラザ近くとサッカースタジアム近くに各1羽ずつ。平年では10羽前後のツグミが地面で餌探しをしている光景と比べると少な目。ガリガリに痩せているのではないかと思っていたら、案外ぷっくりした体形で安心しました。このほか、公園内で頭頂から上面が真っ黒なハクセキレイ成鳥生殖羽の姿を見つけました。昨年秋以降、同様の個体をよく見かけます。(写真)2025年2月1日撮影
2025.02.01
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朝から北西の5m前後の風が吹き抜けていて昼前でも体感温度は5℃前後(気温10℃)のため、寒さを避けて観察可能な松戸市千駄堀の自然観察舎に直行しました。暖房がきいた施設から千駄堀池の鳥たちとの出会いを楽しむことができました。#千駄堀のカモオールスターズ頭部の褐色、体の灰色がシックなオカヨシガモ、光沢のある緑色が素敵なマガモ雄、胸から腹にかけての斑が大きめな雌、チョコレート色で長い首が特徴のオナガガモ、葦原の中で羽をやすめるコガモ、水面を移動するオオバンを目撃しました。到着当初は、カモ類は背中の羽毛に嘴を入れて保温効果を高めているようでした。#千駄堀の冬鳥自然観察舎からは斜面林の木に止まっていたノスリの姿、眼下の池にカワセミ、草の上にホオジロが降り立ち姿を披露してくれました。その後、公園内を探索。厳寒の中でもバシャバシャと水浴びをしているハシブトガラス、水浴びはせず芝生の上を移動し餌探しをしていたハシボソガラスを観察しました。さらに、複数のペアが地面を移動し餌探しをしていたハクセキレイ、同じ場所にかつて河川の中流域に生息していたセグロセキレイの姿があったり、頭が青灰色のシロハラ雄、大雨覆先端がバフ白色で頭が青灰色がかっていたシロハラ第一回冬羽と出会うことができました。(写真)2025年1月31日撮影(シロハラ第一回冬羽のみ2020年12月23日撮影)
2025.01.31
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松戸駅から一番近い江戸川沿いに川の一里塚があります。葦原、アワダチソウが群生しているエリアは、冬鳥たちと出会えるのでお気に入りのところです。現地に到着した10時すぎは、小鳥たちの動きはないのでひたすら陽だまりで待機。その近くのセイタカアワダチソウ、イノコズチなどがあるエリア周辺に注目。もう少しでお昼という頃、ようやく水路沿いの藪の中からピッポとベニマシコの鳴き声が聞こえ、成鳥雄1羽、第一回冬羽1羽が登場。雄の撮影はかないませんでしたが、第一回冬羽の背、胸から腹にかけての黒い縦斑、翼帯のバフ色を観察できました。このほか、眼先が広く黒いアオジ雄成鳥、頭が緑がかったアオジ雌、待機している私の周囲に何度も様子を見に来たジョウビタキ雌を目撃できました。(写真)2025年1月30日撮影
2025.01.30
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ハシビロガモは、氏原巨雄・氏原道昭(2015)が報告しているように「水面に平たく幅広い嘴を浸して進み、取り込んだ水からプランクトンを漉し取る。群れで円を描くように泳ぎ、渦をつくってプランクトンを集める採餌法をよく行う」カモ科の鳥類です。ところが、1月22日吉川美南でハシビロガモが嘴を水中に突っ込み獲物を食べているような光景を目撃しました。今までは小さなサイズの水生生物を摂っていると理解していたのですが、眼の前の光景はそれとは違いがありました。その後、ハシビロガモの食性などを文献で調べてみました。その結果、嶋田(1992)が、千葉県市川市行徳鳥獣保護区でハシビロガモによる小魚の捕食を観察したことを報告しています。その内容では「水面付近を泳ぐ小魚の群れの動きにあわせて、首を水面と平行にのばしながら移動した。さらに川岸へ近づくと、激しく移動しながら首を非常にすばやく動かして1匹1匹つまむように捕まえた」と述べています。また、松原(1996)は、過去にハシビロガモの胃内容物から小型の魚が検出された事例があるとし、かなり大型のサイズの生物まで採餌できる可能性があると指摘しています。そして、常にハシビロガモが動物プランクトンなどの微小な甲殻類を主な餌としているのではないと述べています。さらに、「多くのカモ類が主に利用している水生生物を餌として利用できる能力も維持している。嘴のろ過機構を発達させたハシビロガモはフラミンゴのようにその食性を特殊化したのではなく、むしろ利用可能な餌の幅を広げたと理解するべき」と報告しています。(引用)嶋田哲郎.1992.ハシビロガモAnascjypeatαによる小魚の捕食.Strixl第11巻.p343-344.日本野鳥の会.松原健二.1996.ハシビロガモの嘴の形態と食性および生息地選択性との関係.我孫子市鳥の博物館調査研究報告第5巻.p52-54.氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p103.誠文堂新光社.(写真)一枚目:2025年1月22日吉川市吉川美南で撮影二枚目:2024年10月29日吉川市吉川第一調整池で撮影三枚目:2024年9月26日成田市坂田ケ池で撮影四枚目:2019年12月28日成田市坂田ケ池で撮影
2025.01.29
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昨日、都内水元公園でホンセイインコの亜種ワカケホンセイインコを観察しました。国内での初記録と近年生息している個体群の情報などを文献で確認してみました。(国内初記録と生息地と食性)松永・藤井(2018)は、文献に報告されている知見を整理し報告しています。それによると、1969年に東京都で初記録され、北は新潟県の粟島から南は宮崎県のえびの市まで広がり、特に愛知県の名古屋市、大阪府、東京都などの都市周辺部では集団で生息していることが記録されたと述べています。その後は、東京都、神奈川県、埼玉県の1000 羽を超える個体群と千葉県、群馬県にそれぞれ100 羽に満たない個体群が生息しているのみと記しています。食性を明らかにするために一般者からの情報や調査によって蓄積してきたデータを取りまとめて、「花蜜、種子、果実、葉芽など一年を通して幅広く植物質の餌を採餌していることが分かった」と述べています。注目されるのは、「冬季は種子や果実などの栄養分が高い餌が乏しいこともあり、2 月に早咲きのカンヒザクラが開花するころには、局地的に分布するカンヒザクラの花蜜を求めて集中的に飛来する本種の情報が多く寄せられた」、「様々な種類のサクラの花が時期をずらしながら開花するが、本種はその開花の時期に合わせてサクラに集まっていること」「冬季にカキノキの実を食べている情報が寄せられていることからも、これらの残された果実も餌の少ない冬季を越せる要因になっている」と報告している点です。(ねぐらについて)松永・藤井(2018)は、ワカケホンセイインコのねぐらの環境に注目し、考察し報告しています。それによると、同じオウム目の鳥が集まっており、捕食者対策を行っていることが考えられた。ただし、捕食者カラスとねぐらを共にしていることもあったと述べています。(雌雄の識別)藤井(2011)がオスは頸に黒色とピンク色の輪がありのども黒い。通常この特徴はオスだけであるため雌雄の識別点となるが、幼鳥は頸の輪が見られないため,頸の輪が無いから雌であるという識別はできないと述べています。三枚目、四枚目の写真の個体は、頚の輪はないのですが、雌と決めかねています。(引用)藤井 幹.2011.ホンセイインコ.Bird Research News Vol.8 No.6.p4-5.松永聡美・藤井 幹.2018.東京都周辺における外来種ワカケホンセイインコの食性.FBN研究報 vol.5.p13-16.生物技術者連絡会(FBN).松永聡美・藤井 幹.2018.ワカケホンセイインコのねぐら環境の報告.日本鳥学会2018年大会ポスター発表.(写真)4枚目とも2025年1月27日撮影
2025.01.28
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水元公園に今冬、まだ姿を目撃していないツグミを探しに出かけました。いつもの公園東端のバス停桜土手で下車し、小合溜沿いを探索しました。スタート直後、ツグミが芝生の上で餌を物色している姿、水元大橋手前で1羽、観察舎に向かう途中の芝生広場に1羽を目撃しました。小合溜の水面には、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ユリカモメといった水鳥たちが羽を休めていました。また、遊歩道、湿地帯ではアカハラ、セグロセキレイ、タヒバリが餌探しに余念がない姿を観察しました。このほか、水生植物園近くでキャラ、キャラと独特の鳴き声がしたので待機していたら、全身黄緑色で尾が長く、赤くて太い嘴が特徴のホンセイインコの亜種ワカケホンセイインコ2羽を見つけました。1960年代に都内南西部で定着して以来、出没しています。インコを観察し、帰路につき水元大橋をすぎたエリアにユリカモメ30羽余りが水際で羽を休めている姿があり、そのうち1羽のお腹の色がピンク色なのに気が付きました。帰宅後、獣医師の鳥友に聞くと、ユリカモメが餌としている甲殻類や魚が取り入れたアスタキサンチン(*)がユリカモメの体内の蓄積しピンク色となったと教えてもらいました。(*)アスタキサンチンを作るプランクト赤色がアスタキサンチンです。 アスタキサンチンを作るプランクトンをオキアミなどが食べ、オキアミをエビ、カニや魚類が食べ、体にアスタキサンチンを取り入れています。鳥類もアスタキサンチンを作ることは出来ませんが、ユリカモメがアスタキサンチンを含む餌を摂取することにより 体にアスタキサンチンをサンチンを含む餌を摂取することにより、体にアスタキサンチンを蓄積し赤色となっているそうです。(写真)2025年1月27日撮影
2025.01.27
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昨日、筑波山でハギマシコを観察をしてきた旨を報告しました。鳥友からハギマシコの越冬環境と後頭から後頚が白い点について質問をもらいました。(越冬環境について)私がハギマシコとはじめて遭遇したのは、1978年冬の千葉県銚子市愛宕山の跡地の斜面で種子をついはんでいた群れでした。(その後は公園、地球の丸く見える丘展望館)現在では姿は見られなくなりましたかが懐かしい思い出です。さて、ハギマシコが越冬する環境については、バードリサーチ(2020)が、2006年から寄せられている観察情報を整理し報告しています。それによると、ハギマシコが観察さけた環境では、森林(樹林・植林・雑木林)が31%、水田・畑が20%、岩場が16%、牧草地が11%、海岸が8%、その他が14%と述べています。注目されるのは、大きな群れは水田・畑、岩場で目撃されることが多かったとしながらも樹林にいて地面で採餌していたという点です。(昨日見かけたハギマシコの後頭から後頚が白っぽい個体)観察した13羽のうち、2羽は 後頭から後頚が白く、頭部は灰黒色でした。ただし、前頚から胸の色は白くは見えませんでした。叶内(2011)は、石川県輪島市で撮影した成鳥夏羽雄、成鳥夏羽雌の写真を掲載し、雄については「後頭から後頚、頚側は白っぽく、前頚から胸の斑は亜種ハギマシコより白っぽい」、雌については「全体に淡黒褐色で各羽の羽縁は白っぽい。後頚は亜種ハギマシコより白っぽい」と報告しています。さらに、亜種について「ハギマシコは北アメリカでほぼ9亜種が繁殖し、ユーラシア大陸には亜種5種が繁殖している」と述べています。しかし、亜種の外観上の違いなどについては記述がなく、その違いは不明です。ハギマシコの後頭から後頚の白い点については、松岡・阿部(1972)が1970年8月に大雪山系で観察した個体について「この時期のハギマシコの成長雄の嘴は、基部がわずかに肉色であるのを除き大部分は黒色で後頸の白色部が非常に顕著」と報告しています。北アメリカのハギマシコは、National Geographic(1986)がハイガシラハギマシコ(Leucosticte tephrocotis)の前頚から後頚が白い個体を掲載しています。ハギマシコ(Leucosticte arctoa)と比べると背の色がこげ茶、前頭がより黒く、前頚から後頚の色は似ているものの、違う羽色に見えます。いくつかの文献に目をとおしてみた結果では、松岡・阿部(1972)が成鳥個体と報告している個体に近似しているという結果でした。(引用)松岡 茂・阿部 卓.1972.大雪山系でハギマシコ繁殖か.山階鳥類研究所報告.第6巻.5-6号 p.569-571.National Geographic Society.1985.Second printing.p438-439.叶内拓哉.2011.日本の野鳥.p594-595.山と渓谷社.(写真)2025年1月25日筑波山にて撮影
2025.01.26
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今冬、はじめて茨城県筑波山に出かけました。山頂の斜面でカヤクグリ4羽、ハギマシコ13羽が種子をつばむ姿を観察できました。カヤクグリは耳羽の部分が茶色と白色の軸斑模様があり、喉から腹部が灰黒色。うち1羽の次列風切がグレーの個体でした。個体識別をするうえで手がかりとなるか確認中。また、ハギマシコは、微妙に羽衣に違いがありました。中雨覆、大雨覆、腹、脇がバラ色が目立つ雄成鳥冬羽、頭部が黒く、中雨覆、大雨覆、腹、脇がバラ色の雄成鳥冬羽、雄より淡くバラ色部分が狭い成鳥雌、写真には記録が叶わなかった全体的に褐色の第一回冬羽個体と実にいろいろな特徴を観察できました。(写真)2025年1月25日撮影
2025.01.25
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2月24日まで国立科学博物館でウグイスの谷渡り鳴きの新仮説についてパネル展示が行われています。その内容は、2024年10月にZoological Science誌でオンライン公開されたものです。国立科学博物館(以下、科博と略)のプレスリリースの一部を紹介します。科博(2024)は、「ウグイスの雄は『ピルルルルルケッキョケッキョ……』などと聞こえる、長く続く『谷渡り鳴き』をすることがあります(谷を渡るときの鳴き声というのは俗説)。この音声は人と遭遇したときなどに発せられることから、捕食者の存在を同種他個体に知らせる「警報」であると長く信じられてきました。しかし、科学的に検証されたことはありませんでした(以下、略)(研究でわかったこと)科博(2024)は、新潟県妙高市、上越市で2017年4月から8月に調査を行い、谷渡り鳴きの回数となわばり内に雌がいるかを記録した結果を報告しています。報告では、「雌がいない4月から5月の初めには谷渡り鳴きはあまり行われず、雌が渡来する5月中旬から繁殖期を通じて谷渡り鳴きが活発に行われる」「雄のなわばりのうち、雌の存在が確認されたなわばりでは雌が確認されなかったなわばりよりも谷渡り鳴きが活発に行われ」と述べています。また、空間的パターンに注目し調査した結果について「営巣中の雌は雄のなわばりのうち巣の周辺のみを行動範囲としますが、雄は巣からはるかに遠いところであっても雌(未婚の非営巣雌と思われる個体)がいると谷渡り鳴きを行いました」と記しています。そして、結論として「よく知られたウグイスの谷渡り鳴きについて、警報ではなく雌へのアピールであることを示唆する成果が得られました」と結んでいます。(引用)国立科学博物館.2024.ウグイスの谷渡り鳴きの新仮説~谷渡り鳴きは警報ではなく雌へのアピールである~.プレスリリース.2024年10月29日.pp5.(写真)2枚とも2022年2月4日都内水元公園で撮影
2025.01.24
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新年になりホオアカと出会えていないので、沼の一角にある葦原で待機しました。ホオアカは、葦原に止まって周囲を見渡し人を含む外敵の存在がないことを確認し水田に移動し餌とする昆虫、植物の種子などを捕食します。2005年以降、冬期に姿を観察するようになり、今シーズンで20年を迎えました。今日は合計4羽の姿を見つけ、近くにホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリンといったホオジロ類、その足元で昆虫類や種子を探して移動するクイナの姿を観察しました。このほか、複数のモズ雌雄が電線にとまり牽制する姿、亜種オオカワラヒワの姿、水田の小動物を狙うチョウゲンボウが電柱に止まっている姿、帰り道、近くの公園内の池でカワセミが小魚を捕食する姿を観察し、現地を後にしました。(写真)2025年1月23日撮影
2025.01.23
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吉川美南駅西口の調整池と近郊の江戸川沿いを猛禽類との出会うべく探索しました。吉川美南の調整池に到着すると全体に赤いベニマシコ成鳥雄、橙色の第一回冬羽が登場し楽しませてもらいました。くわえて、アオジ10羽前後が葦原と堤防沿いに登場。目先の黒い雄、若鳥、雌と思われる個体を見つけました。池の水面には、マガモ、コガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、水面を活発に移動しているカワセミとの出会いを楽しみました。その後、江戸川沿いのフィールドに場所を移し、猛禽類の姿を探索しました。目立つひげ状斑と外側初列風切が黒色で無斑のチョウゲンボウ雄が何度もホバリングして地面に降下し獲物を捕獲する光景や虹彩が黄色っぽいノスリ若鳥と思われる個体が杭に止まって周囲を見渡している姿を観察しました。向かい風を利用して巧みにホバリングするチョウゲンボウは、通りがかった市民の方も見入っていて人気を集めていました。(写真)2025年1月22日撮影
2025.01.22
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昨日、成田市坂田ケ池でトモエガモ、コガモが遊歩道に落ちているドングリの実を食べている光景を目撃しました。印旛沼に羽を休めているトモエガモがどこを餌場としているのかは把握できていませんでしたが、ようやくその一部が把握できました。バードリサーチ(2022)が「トモエガモの食物は、陸上や水中の植物と種子、米や大豆などの穀物、昆虫、そして林内のドングリなどと多様なので、日本での越冬中にもさまざまな環境を餌場に利用しているのかもしれません」と記しています。印旛沼でトモエガモの大群がみられるようになった2021年以来利根川流域、水田地帯を探索すると、下総神崎から佐原の間の利根川では、トモエガモの大群が水面で羽を休めていいる光景を目撃しています。その時は、印旛沼にトモエガモの大群を観察してからで、同程度の群れでした。夜行性がゆえトモエガモの餌場がどこであるかは、なかなか特定しにくいのですが、印旛沼沿岸の水田地帯、隣接する茨城県側の水田、利根川が存在がトモエガモの大群を支えているのかもしれないと思っています。(引用)神山和夫.2022.バードリサーチニュース 2022年11月.https://db3.bird-research.jp/news/202211-no1.(写真)1枚目から3枚目:2025年1月20日撮影4枚目:2025年1月2日印西市で撮影5枚目;2023年12月13日印西市で撮影
2025.01.21
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成田市坂田ヶ池から栄町房総のむらのエリアを冬鳥を探索しました。林では大きな波状飛行をしながらキョッと鳴きながら枝に止まったアカゲラ、林の中からヒッヒッと鳴きながら植え込みに登場したルリビタキ(尾だけ青く雄第一回冬羽と思われました)と遭遇したエリアからスタートとなりました。坂田ヶ池に移動すると水面には、ハシビロガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、マガモが羽を休めていました。このうち、トモエガモとコガモは地面を移動して落ちているドングリの実をついばむ光景を目撃しました。その後、池の縁で枝に止まって水面を移動する魚を狙ってカワセミが何度もダイビングする光景や地面で餌探しに余念のないシロハラを観察しました。トモエガモ雄生殖羽の華麗な羽衣、肩羽の先端が尖っている雌の特徴などをじっくり観察できました。(写真)2025年1月20日撮影
2025.01.20
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昨日1月18日茨城県神栖市神之池でサカツラガンの家禽化個体を2羽観察しました。鳥友から家禽化したガン類のルーツについて質問をもらいました。従来は、ルーツは約3500年前のエジプトに端を発するとされてきましたが、近年の調査によりガン類の家禽化個体のルーツは約7000年前にあったことが判明しています。(1)日本の家禽日本の代表的な家禽は、カモ科のアヒルとガチョウです。アヒルはマガモを、ガチョウはサカツラガン、ハイイロガンを家禽化したものです。(2)家禽のルーツについて北海道大学ほか(2022)は、7000年前の中国長江下流域の遺跡から出土したガン類の骨を調査し結果を報告しています。「組織学的分析によってガン類の骨には越冬地に渡ってきたものとは考えにくい幼鳥の骨が含まれ(中略)成鳥にも渡りを経験していないと考えられる個体が含まれることがわかりました。また、在地性のガン類は渡りをしていたガン類とは異なる食性をしていたことがわかりました」と報告しています。江田ほか(2022)は、「約7000年前にガン類が飼育されており家禽化の初期段階にあった」と結論づけています。上記により、家禽化されたガン類の歴史が約3500年前のエジプトに端を発すると考えられてきたが、従来の考え方を大幅に遡りガン類の歴史がよリ長かったことを示していると結んでいます。(サカツラガン家禽化個体)神之池で観察した個体は、頭から頸まで色がはっきり分かれていました。嘴基部にこぷ状の出っ張りがあり、嘴の色は一羽が真っ黒、別の一羽は黒い部分が多いが基部に黄色がありました。野生のサカツラガンは嘴は黒く、基部の羽毛は細い白帯となっていますが、帰還化個体にはこれらの特徴はありません。(ハイイロガン家禽化個体)全体に灰色味があることと下面にも灰色味があり、脇に縞模様がありました。(若鳥では脇に縞模様がないことから成鳥と思われました)野生のハイイロガンは嘴と足はピンク色ですが、家禽化個体では一羽は野生のものと同様に嘴、足はピンク色、もう一羽は嘴のベースが黄色で黒く汚れたように見えました。(引用)北海道大学・筑波大学・東京大学.2022.プレースリリース.世界最古の家禽はガチョウ.約7000年前の中国の遺跡からガン類の家禽化の証拠を複数発見.pp5.(写真)一枚目、二枚目:サカツラガン家禽化個体、2025年1月18日茨城県神栖市神之池三枚目、四枚目:ハイイロガン家禽化個体、2024年10月31日茨城県常総市菅生沼
2025.01.19
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神栖市神之池は、広さ73ha、幅2キロ、一周5キロの遊歩道が整備されている池です。1400~1200年前に砂州の間の凹地で地表水と湧水によって池が成長したのがルーツとされています。秋から翌年春までの間、カモ科、カイツブリ科、クイナ科、カモメ科の鳥たちが羽を休めるフィールドです。昼過ぎに到着して水面の探索をスタートすると、家禽化したサカツラガン2羽が西端から東端の水面を大移動。嘴が黒色で喉の下に肉だれが垂れ下がる個体と嘴のベースが橙色で黒い模様のある個体の2羽でした。大きな体が水面を移動すると、他のカモたちはすーとエスケープ。このほか、緑と赤紫のナポレオン帽のような形状をした頭のヨシガモ雄、マガモ雄とマガモとカルガモの交雑個体(嘴の先端が黄色で全体は明るい羽衣の個体)、ホシハジロ雌雄、キンクロハジロ、ミコアイサ、ハジロカイツブリ(頭の黒色部が眼より下まであります)、岸辺の芝生を移動しながら餌探しに余念のないオオバン若鳥の群れ、水面で羽を休めていたセグロカモメ、自分で羽の中に空気の層をつくり見た目がふっくらしたスズメ沿岸の木に止まっていたり、冬鳥との出会いを楽しみました。(写真)2025年1月18日撮影
2025.01.18
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北西の風5m前後が吹き抜けて気温8℃よりも体感はもっと低く感じる中、8日にオシドリを見かけたこともあり、千駄堀池を訪ねました。到着した9時すぎは池の水面は波立ちカモの姿は認められずでしたが、11時頃、葦原の中からマガモ、オカヨシガモが登場し、マガモ5羽と一緒にオシドリ1羽が登場。脇の羽の淡色斑が丸く、嘴先端部が黒っぽくその他の部分は角度によっては橙、赤色に見えていました。脇の羽の斑が丸いことから雌個体と思われました。このほか、オカヨシガモ、コガモ、キンクロハジロ(*)、オオバン、コサギ、カワウ、ハクセキレイの姿を観察しました。あわせて、水面ではマガモ雌雄がしばらく向かい合っていたと思ったらペアリングをスタート。雄が首を嘴でくわえてマウントし雌を水中に沈めるまでの場面を目撃。(*)キンクロハジロは、上面に黒みがあり、腹部と脇などに細かい褐色の斑が並ぶ幼羽が残り、雄第一回冬羽と思われました。(写真)2025年1月17日撮影
2025.01.17
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松戸駅から一番近い江戸川沿いに川の一里塚があります。葦原、アワダチソウが群生しているエリアは、冬鳥たちと出会えるフィールドです。昼過ぎに現地に到着すると、水路沿いの藪の中からピッポとベニマシコの鳴き声が聞こえます。ところがなかなか姿を現してくれないのでひたすら待機。待機している間に、芝や青草を食べるヒドリガモ、オオバンの群れ、木々の枝を鳴きながら移動するエナガの小群、上空からケッケッと声が聞こえると枝に複数のツグミが降り立ちました。外側大雨覆先端に羽縁がバフ色の幼羽が残る雌第一回冬羽、風切と雨覆が赤茶色の成鳥雄の姿、近くに眉斑(*)が認められるアカハラの姿も見つけました。その後、ベニマシコが成鳥雄と雌がセイタカアワダチソウのスポットに登場。このほか、オジロビタキのように尾を頻繁に上げていたジョウビタキ雌、12枚の尾羽を広げて披露してくれたカワラヒワ雄、頭部が灰色で全体的に色の淡い雌、地面に落ちている種子をついばむのに余念のないホオジロ、アオジと出会えました。(*)アカハラの眉斑雌第一回冬羽では、眉斑が不明瞭な個体を見かけたことがありますが、雄では初めて観察しました。近似種のマミチャジナイは目の上下に眉斑があります。(写真)2025年1月16日撮影
2025.01.16
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