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2008.05.23
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カテゴリ: let me sleep beside you
久しぶりに重なるミリの声と、自分の音。懐かしい感触。

最後に二人の音を重ねたのは、中学の卒業ライブ。あれから、色々あって、、勿論、紘人のことが一番大きいけれど、、あの頃よりは、お互い随分大人になった、、よな?
だけど、今もあの頃と変わらないミリへの想い。少しでも伝わるようにとギターを弾く俺。最後の1音まで。歌い終えると、満足そうに、ぱちぱちと手を叩いてくれるミリ。
いつの間にか、入ってきていた悠斗と楓も拍手してくれる。
「・・なんか感動しちゃった」
「俺も。なんだよ、2人ともうまいな~」
「ミリはともかく、俺のギターは、悠斗のピアノにはかなわない。」
「私の歌だって、楓の陶芸にはかなわない~」

「なんだよ、これ、なんのエール交換?」
みんなで顔を見合わせて、笑った。

終電ギリギリにマンションを出る。楽しかった。ミリも楽しそうに飲んでたし。って、ちょっとふらついてるぞ、おい。
「ミリ、手、つなごう」
って強引に手を繋ぐと、嬉しそうに俺を見上げて寄り添ってくる。
「うん。ケースケの手、おっきくてあったかいから好き~」
こんなもんでよければ、ずっと、一生、ミリのもんなのに。
「なんだよ、しっかり歩けよ。酔っ払いちゃん」
「ん~、気持ちい~。楽しかった~」
「よかったじゃん」
「うん。ケースケと一緒の時なら、酔っ払ってもいいんでしょ?」

「今日はそんなに酔ってないよ~。ねえ、楓も悠斗くんも、いい人だね。それに、すごい仲良しで羨ましい」
「俺達だって仲良しだろ?」
「ん~」
「あれ?なんだよ」
「・・・仲良しっていうか、あの2人はラブラブなんだよね~。そこが羨ましい」

「何言ってんだよ。俺達だってミリ次第ですぐにラブラブになれんのに」
「ふふん」
「・・微妙な返答すんじゃねえよ」
「荷物、持つよ?」
と、俺の持つ大量のショップの袋に手を伸ばすミリ。
「いいよ。ミリに渡したら、ぜったい電車に忘れそうだし」
ミリは、電車では俺によりかかってうとうとしていた。

それでも、降りると元気になって、公園を歩きたがるから公園を抜けて帰る。夜は樹の匂いが増して、さらに癒される。噴水の前で立ち止まる、ミリ。
「ケースケがプロポーズしてくれた場所だ~、ね?」
「なんだよ、返事くれるのか?」
黙り込むミリに慌てて、
「いや、いい。いい返事しか聞きたくないから」
「ねえ、もしもさ~、本当にその時がきたら、ちゃんと、もっと素敵なのするんだよね?」
「プロポーズのこと?」
「そう」
「もちろん。ミリがさせてくれるなら、最高のプロポーズするよ。でも、とりあえずは、俺の愛、受け入れてくれないと」
答えずに、噴水の縁に上がって歩き出すミリ。
「危ないって、滑るから。ほら」
見上げて手を差し出して言う。
「あは、ヒロトも同じこと言ってたよ。大丈夫だよ。ほんと、兄弟そろって過保護じゃない?」
「同じこと言うの当たり前だろ?大体、ミリは危なっかしすぎるんだよ。」
ミリは縁をゆっくり歩きながら、
「・・大丈夫なのに。・・心配しすぎなんだよ。2人して私を甘やかしすぎっ」
「同じようにミリを愛してる。同じように心配してる。同じように甘やかす。いけないか?」
ミリは立ち止まり、月を見上げ、少し考えてから、
「ヒロトが生きてたら。私たちが、こうしてここにいることもなかったんだよね?」
ヒロト。と俺は、小さく、思い出す。
「そうだな。紘人がいたら、俺は今も、ミリから遠く離れようとばかりしてただろうからな」
そしてきっと、こんなに深く、誰かを愛することもなかっただろう。ミリは、ヒロトに守られて幸せなままでいただろうけど。
「・・だけどミリ、ヒロトはもういない。・・だから、死ぬまでは俺といろよ」
「死ぬまでは・・?」
「そう。死んでから、もう一度、ヒロトか俺か迷えば?この世では、俺以上に、ミリが愛せる奴も、ミリを愛せる奴も、いないはずだから。だから、な?」
「それってプロポーズみたい。この前のより随分いいね」
と、悪戯っぽく言ってから、
「おっと」
よろけるミリ。ほら、言わんこっちゃない。俺は駆け寄って、また手を伸ばす。ミリは、一旦は俺の手に伸ばしかけた手を、躊躇うようにゆっくりと引っ込めて、ゆるく握ってから、
「ケースケ。・・私が、このままずっと、ケースケの愛をうけとれなかったら、いつか、ケースケは、その手で、私以外の誰かの手をつかんで、その腕で、その誰かを抱きしめて、その目でその人を甘く見つめて、そして、、その人のために、最高のプロポーズするのかな?」
それだけ言って縁から飛び降り、俺に背中を向けるミリ。胸が締め付けられる。それが、答えなのか?
「ミリ。それ、、って。。それが、お前の答えなのか?」
ミリは、背中を向けたまま首を振り、
「ううん。私ね、今、胸がぎゅってなってる。そう考えるだけで辛い。そんなのは、ぜ~ったい、ヤだ!っていうのが答えだな」
え・・?
戸惑う俺を置き去りに、
「家まで競走~!」
って走り出すミリ。
「ちょ、待てよ、ミリ。」
足、速ぇ~。なんだよ、酔っ払ってんじゃないのかよ。大量のショップ袋を持ち直して走り出す俺には追いつけなかった。

マンションに着き、エレベーターで、2人とも、はあはあ息を整える。部屋によれよれと辿り着くと、汗が噴出す。あち~っ。ベランダの窓を開けると吹き込む風。気持ちい~っ。
リビングの床にへたりこむミリ。肩で息をしたまま、俯いてる。
「だいじょぶか?無茶しやがって」
顔を上げて、微笑むミリ。
「私、もう酔ってないでしょ?」
「だな。酔ってる人間はあんなに速く走れない」
ミリは満足そうに肯いて、
「電車でうとうとしたら完全に酔い醒めちゃった。あ~、汗かいた。シャワー、先浴びるね」

俺は1人になり、さっきの噴水でのミリの言葉を思う。
一体、何考えてんだ?ミリ。全然読めないよ、俺。

ミリと入れ替わりに俺もシャワーを浴びる。
出るとミリは、パソコンの前に座ってペリエを飲みながら、キーを叩いていた。
相変わらずの挙動不審。
でも、なんだかもう気にしても仕方ないって気がしてきてる。
俺はそんなミリを横目に、ベランダに出る。涼しい風が気持ちいい。
しばらくそうしていると、後ろからミリが、
「ねえ、ケースケ、続き言ってもい?」
俺は振り向く。
「何?」
「さっきの話の続き」
「・・やだぞ、お前以外の誰か、なんて話は」
そう言う俺を無視して、ミリは、
「ケースケは、きっと、、ケースケならきっと、誰とでもうまくいくと思うんだ。そんなに優しくて、かっこよくて、愛情がいっぱいあるんだもん。私はチビだし、美人じゃないし、ケースケの恋人になったら、ずっとずっと不安で仕方ないって思ってきたの」
俺はため息をつく。何言うんだよ、ミリ。聞きたくないっていう意思表示のつもりで、ミリに背中を向ける。
「でも、」
と、続けるミリ。でも・・・?
「それでも、私は、ケースケじゃなくちゃダメ・・なの」

思考が止まる。今、なんて。。?
振り向こうとする、俺の背中に、ミリが抱きついて腕を回す。
「ケースケ、愛してる。」
「ミリ・・?」
「私、ケースケを愛してるの。もう、迷わない。ケースケと一緒にいたい」
「・・ミリ、酔ってる?」
「さっき酔ってないって認めたでしょ?」
「熱ある?」
「ないってば」
俺はミリの手を緩めさせて、体は離さないまま振り向く。見上げるミリに、
「じゃあ、、本気でいってるのか?」
「うん」
「なんで・・?なんで、急に・・?」
ミリは困ったように微笑んで、
「なんでだろ・・?私、色んな人に励まされた。楓と色々話せた。それに、もちろん、ケースケがずっとそばにいてくれた。私のそばで、見守ってくれていた。、、愛して、愛されることが、、怖いことじゃないってゆっくりと分かっていけたの。そして、何より、ケースケだったから。私は、ケースケじゃないと、、ダメなの」
「ミリ」
「ねえ、・・・だめ?」
俺の気持ちなんて分かりきっているはずなのに、それでも、不安げに問いかける瞳を見るともう、何を考えるよりも前に、俺はミリに口づけていた。最初はそっと、そして、確かめるように何度も何度も何度も。散々キスをしてから、唇を離して、やっと答える。
「ダメじゃない。ダメなはずないだろ?愛してるよ、ミリ。」
もう一度しっかり抱き寄せて、キスをする。
あぁ、もう無理。ガマン限界。
唇も、指も、手も、体も、、俺の全てがミリを求めてる。
「なあ、ミリ」
俺は、少し荒くなった息を無理に静めながら、囁く。
「え?」
「前に言ったこと覚えてる?俺、覚悟しとけって言ったはずだけど」
「?」
首をかしげるミリを、俺は膝を折って抱き上げ、ベッドに運びながら言う。
「今夜は、寝かせないぞ」
「あ、ちょっ、ケースケっ」
ミリは足をバタバタさせたけど、そんなの抵抗のうちに入らない。
ベッドに寝かせ、覆いかぶさる俺。不安げに見上げるミリの瞳。
「怖い?」
囁くように聞くと、首を少し振るミリ。でも少し唇が震えている。俺は、微笑んでもう一度聞く。
「本当は?」
ミリは、ほっとしたように、表情を緩め、
「少しだけ。。」
可愛い可愛いミリ。
「愛してるよ、ミリ」
耳元に口を近づけ囁くように告げ、優しくキスをする。何度も何度も。ミリの体から、少しずつ力が、緊張が、抜けて行く。俺は、確かめるように、聞く。
「まだ怖い?」
首を振り、
「・・・でも、、恥ずかしい・・よ」
消えそうな声で言うミリに、
「優しくするから。恥ずかしいなら、目つぶっとけ」
と囁いて、耳から順にキスを降らせていく。
「ぁ、、ケースケ・・・」
小さく吐き出して、ミリは、静かに目を閉じた。

・・・

本当のことを言えば、俺だって、結構、緊張してた。
なんていったって2年以上してなかったし。
しかも、相手は、好きで好きで仕方ない、ミリ。
愛してる相手とするのは初めてだったから。
ミリがどう感じるか、ちゃんと気持ちよくさせられてるか、そればかりが気になった。
最中にこんなに相手のこと考えるなんてことなかった。
これまで多くの女としてきた経験なんて、なんの役にも立たなかった。

・・だけど、ちゃんと、最後まで、したよ。
ミリの一つ一つを確かめるように、丁寧に。。。
あぁ、もう、俺、このまま死んでもいいって思った。
終わった後、ミリを抱き寄せ、夢のような時間を思い出す俺。
俺、もうこれから、何回ミリにキスしてもいいんだよな?Hも?
うっあ~、俺、やっぱミリ好きだ。
愛してる。
もっかいミリの目を見てそれを言いたくなる。
すぐにでももっかいミリの中に入りたくなる。
でも、体を離して、ミリの顔を覗き込んで、俺の動きは止まる。

なんでって、ミリが、、泣いてたから。

えええっ~。
やばい、泣かせちゃった??なんで??


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最終更新日  2008.05.23 00:22:46
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