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2008.09.05
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カテゴリ: blue night
「相手が誰でもいいなら、今夜は僕と付き合わないか?」

あまりにも唐突で不躾な男の誘いに、蒼夜は、遠慮なく胡散臭いものを見る目で、
「は?」
と言ってやる。男は気にした様子もなく、ソヨの方に一歩踏み出し、
「どっちみち、顔も知らないような相手と待ち合わせなんだろ?」
図星だけどむっとする蒼夜。
「どうしてそんなこと・・」
「人違いで声をかけてるのが何よりの証拠じゃないか」
「・・・」

「別に責めてるわけじゃないけど、こんな時間に知らない男と待ち合わせなんて、ろくなことにならない。暇なら、僕とつきあえよ」
「ほっといてください」
「いや、間違えられたのも何かの縁だ。さ、その相手が来る前に行こう」
強引に腕をとる男に、
「ちょっとっ。あなたこそどんな人かわからないじゃないですか」
男は口元をひねって笑って、
「少なくとも、こんな時間にそんな風に待ち合わせする、シンゴ?ってヤツよりは安全だよ」
といってサングラスを完全に外した。
「あ」
「見覚えある?」
テレビや映画で見る顔だ。蒼夜はすぐにそれが俳優の碓氷だと認識する。個人的な事情からも、蒼夜は、ウスイのことをよく知っていた。その偶然に驚きながら、つい、

なんて呼んでしまう。
「そう、、、って、あれ、くんづけ、、て感じ?」
碓氷の反応に、蒼夜は、彼のほうは私のことなんて、分かるはずないんだっけ、こんな小娘に初対面でくんづけされたら、いい気はしないよね、、と、言い直す。
「いえ、、碓氷さん、ですね」
「そういうこと。僕にはそれなりの知名度と地位がある。素人のましてや君のような幼い子を相手にめったなことはしないよ」

ムッとする蒼夜に気づかず、碓氷は、
「今日は少し、落ち込んでるんだ。ちょっとだけお茶に付き合ってくれよ」
「お茶、、ですか?」
「何?気に入らない?まったく感心しないな。キミ、未成年だろ?」
「失礼なっ、ちゃんと成人です」
「いくつ?」
「20、、、ですけど」
碓氷は面白いものを見つけたような顔をして笑う。
「未成年みたいなもんじゃないか」
「でも、お酒くらい飲めます~。こんな時間からお茶なんて、サマにならないわ。ちゃんと大人扱いしてください」
「はいはい。それにしても無鉄砲なお嬢さんだな。じゃあ、バーにでも行きますか」
2人は並んで歩き出した。予定は違っちゃったけど、いいや、、歩きながら、蒼夜は思う。こんな偶然利用しない手はない。蒼夜には、ずっと長い間、是非、碓氷に会って聞いてみたいことがあった。もちろん、私が誰だか気づいてくれれば、の話だけれど。。。

蒼夜にメールでシンゴ、と名乗っていたもちろん偽名の男は5分後にその場所に到着するが、蒼夜を見つけることはなかった。


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最終更新日  2008.09.06 22:10:32
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