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2009.07.02
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カテゴリ: blue night
いつまでもこうしていたい。

大好きだって言えたら。
自分のものにできたら。
息を切らせながら思っている2人。

しかし、深く息をつき、少しずつ呼吸が整うにつれ、横におしやっていたモノが見えてくる。
(碓氷くんには、忘れられない人がいる。私を見てはくれないんだ。彼を惹きつけられるモノも何も持ってはいない)
(蒼夜はまだハタチ。僕になんて興味はもたないだろう。まして千夜の子なんだぞ。強引に迫るわけにもいかない)
お互いに、お互いにとって必要なのは自分ではないのだと、思い込んでいく2人。

(忘れられない一夜を十分楽しんだんだ。そろそろ別れの準備をしなくては)

最初に口を開いたのは、蒼夜だった。
「お母さんが・・」
母の話をすれば、冷静になれる、と蒼夜は思った。放任というよりは、ほったらかし主義で育てられた私に、ただひとつ母親として忠告をしてくれたのが、
『碓氷哲哉には近づくな』
ってことだけだったんだ。
「ん?・・・千夜が・・?」
自分の裸の胸の上に頭を載せ、眠っていると思っていた蒼夜がポツリとつぶやいた言葉に反応する碓氷。
「うん。・・絶対に、碓氷くんには近づいちゃダメって言ってたの」
「そういってたね」
碓氷は蒼夜の長い髪を指に絡めながら話の先を待つ。

「でも、結局こうなっちゃった。・・・何か運命みたいなものあるのかしら?」
口にしてしまう。冗談のようにたずねたが、心の底には切なる願いが。
(『ある』って言ってくれたら・・・、大好きって言ってしまいたい。)
(『ある』って言ったら・・・、僕のものになってくれる?)
なんて続けてしまいそうで、

碓氷も軽く受け流すしかなかった。
(どうだろ?。。か。。やっぱり、、見込みなし)
がっかりする気持ちを抑え付けて、
「なにそれ~??嘘でもいいから( ほんとに 嘘でもいいから)、あるかも、くらい言えないの??冷たいのね~?」
軽く受ける蒼夜。
「そうかな」
「そうよ。・・でも、仕方ないね。碓氷くんには、とっくにいるんだもんね。忘れられない、たった一人の人が」
「・・・」
「否定しないのね」
碓氷は最初の目的を思い出す。愛してない相手でも気持ちいいHはあるってこと。それを理解させることで、蒼夜の体から入ろうとする無謀な恋人探しをやめさせること。そのためには、自分には他に思っている人がいることを、自分は蒼夜を好きでも何でもないことを強調しなくては。
「・・できないな。忘れられない、たった一人の人がいるよ。大切な。」
蒼夜は、絶望的な気持ちで目を閉じる。そして、小さくつぶやく。
「・・羨ましいわ」
碓氷には、「愛する人がいることが」、と聞こえるだろう。
蒼夜がうらやんでいるのは、「その人が」、なのだけれど。


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最終更新日  2009.07.02 14:46:22
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