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2009.10.04
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カテゴリ: box
碓氷→蒼夜 :道、順調だったよ。あと5分くらいかな。

碓氷くんのメールに、慌てて髪をとかし、
バッグに必要なモノを集めて入れる。

間に合った~。

部屋を見回して、忘れ物がないか確かめて、電気を消し、階下に下りた。

と、まだリビングから聞こえてくる話し声。

私は、足音を潜めて、、

・・このままこっそり出てっちゃおうかな~

なんて思ったときに、ドアが開いて、水野くんが出てきた。


「あ」

お互いに、同じ声が出る。
水野くんは、さっきのワンピから着替えた私を見て、言う。
「あれ?何で着替えたんだよ、こんな時間に・・」
言いながら、手に持ったバッグに気づき、
「あ~っ!まさか、今から?」
「うん。もう、そこまで来てるって」
「あの、バカっ。何時だと思ってんだ。ソヨ、行っちゃだめだよ~。こんな時間に」
「え~っ」
「ダメだったらダメ。」
「絶対いくもんっ」

「どうしたの?」
水野くんはにがり顔で、
「今から、テツヤのとこに行くって言うんだよ」
「え?一人で?」
「ううん。稽古の帰りに迎えに来るって、もうそろそろタクシーで着くの」

「じゃあ、いいじゃない、行かせてあげなさいよ。蒼夜だって、もうオトナなんだから」
「千夜~、君、心配じゃないの?」
「あのね~。ハタチの恋してる女の子に、しかも、始まったばかりのこの時期に何いったって聞かないわよ~。それに、私は蒼夜を信用してるわ。蒼夜に向き合ってる碓氷くんもね」
そういって母はこちらを向いて、
「行ってらっしゃい。碓氷くんによろしくね。」
って行ってしまう。
「千夜・・」
頼りにしてた味方をあっけなく失って、がっかりしてる水野くん。可愛そうな背中に、さすがに、申し訳なくなって、
「・・・行っちゃダメ??」
って聞くと、水野くんは、こちらを向いて、
「ダメって言っても行くんだろ~?」
って頼りなく聞いてくる。
「・・だって、会えるの久しぶりなの。。でも、、水野くんがダメっていうなら」
水野くんは、少し期待したような目で、
「行くのやめてくれる?」
って。私は、微笑んで、
「うん」
「ほんとに~?」
すっごい喜んでるとこ悪いけど、
「でも」
水野くんは、不吉な目で私を見て、
「でも?」
「その代わり、私の部屋に泊まってもらうね」
「ちょっ、ソヨ、君、テツヤと、、それじゃ、この家の中で。。?それは、それは、、、もっとヤだな。ってか、ダメだよ。絶対、ダメっ」
ふふ。パニクると面白い水野くん。俄かパパながら、なんとか、威厳を保とうとあれこれ言ってくるけど、私の対応次第で、すぐにひよってダメパパになる。それが分かってるから、どうしても、こんな風にイジメたくなっちゃうんだよね。
何も答えずに、上目遣いにジーっと見てると、
「もう、いいよ。行って~」
あきらめたように言う水野くん。ごめんね。
にっこり笑って、
「ありがと~」
って言ってると、電話が鳴った。碓氷くんだ。
「もしもし?」
「着いたよ」
「わかった、すぐ出るね~」
私は、水野くんに目でだけ謝って、靴を履いて外に出る。
門の前には止まったタクシー。碓氷くんは降りて車のドアの横に待っててくれた。

ほんとは駆け寄って抱きつきたいとこだけど、
さすがにガマン。
相手は、、オトナだしね。

ゆっくり歩いてって、にっこり笑う。
「お待たせ~」
「こっちこそ。いっつも待たせてる。ゴメンな」
そんな言葉だけで、抱きしめられたみたいに心があったかくなれる。
「ううん」
首を振る私。
愛おしそうな瞳で私を見てくれる碓氷くん。
碓氷くんだって、私のこと抱きしめたいのガマンしてるの、分かる。
でも、さすがに、タクシーの運転手さんがいるしね。

・・・?

「どうしたの?」
私は思わず尋ねる。だって、あんまりにも見つめられてるから。
碓氷くんは、優しく微笑んで、
「いや・・」
って言いながら、何かを確かめるように私の頬に手を添える。私は、その手をとって、
「いこっ」
碓氷くんは、
「ああ」
私の肩を促してタクシーに乗った。


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最終更新日  2009.10.04 01:03:43
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