PR
カレンダー
カテゴリ
フリーページ
コメント新着
box193 美莉
です。
*
楽屋を出、少し迷ったが、病院に向かう前に、いったんマンションに戻ることにした。やっぱり、久々の再会。昨日から着っぱなしのくたびれた服装じゃ様になんない。
タクシーの中では、ずっと、美莉のこと考えていた。これまでの美莉のこと。そして、今夜話すべきこと。そして、これからの美莉のこと。そんなことずっと。
マンション前でタクシーを降り、それでもずっと美莉のこと考え続けていても、エントランス、エレベータ、廊下、と、毎日の習慣を体が自然にたどっていく。
部屋の前にたどり着いたとき、鍵を取ろうとポケットを探る右手が思わず止まった。ドアの左手、洋間に当たる部屋の窓に、
・・・電気がついている?
俺は、消し忘れか、と頭の中を探るけれど、夕べ、美莉の父さんとこの部屋を出たときには、しっかりと消灯、施錠したことは間違いない。
・・・もしかして。美莉?
逸る気持ちを抑えられず、ノブに手をかけると、鍵がかかっていなくて。慌ててドアを開けながら、同時に思う。
・・・ったく、無用心だな。いつもあれだけ、言ってるのに。家にいても鍵はかけろって。
・・・ていうか、鍵。。
そうだよ、鍵。
美莉は、今、合鍵を持ってはいない。
昨日、返しにきたじゃないか。だから、この部屋の鍵をもう持っていない。
当たり前な事実に思い当たり、一気に、逸る気持ちが冷める。
・・・ったく、じゃあ、誰だよっ。
誰だよ、なんて、思うよりも、前に、考え付いているその誰か。
・・・母さんか。
だって、鍵は、実家の仏壇に置いてきたんだから。
・・・また、なんかイヤミいいに来たわけ?
軽くため息をつきながら、靴を脱いだ時、奥のドアが開いて、
「おかえり」
と女の声がした。母さんにしては若すぎる。
眉を寄せ、目を向けた、その先にいたのは・・・。
←2コクリでよろしくお願いします。いつもありがとうございます。
◎初めての方・目次ご利用の方は こちら
へ(4/28更新)◎
今日のゆる日記の方は、 こちら
です。バカップルにご注意ください
ふぉろみー?
box307 ~悠斗~ 2012.09.27
box306 ~悠斗~ 2012.09.23
box305 ~悠斗~ 2012.09.20