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2011.04.12
テーマ： 連載小説を書いてみようｖ(10166)
カテゴリ： box
「おじゃましま～す」
靴を脱ぎながらついまたそう言って、
「おい」
後ろからケースケにとがめられる。
「ゴメン」
肩をすくめて振り返ると同時に、
「許せねー、おしおき」
ケースケはそういって、スーパーの袋をさっと床に置いてから、私を抱き寄せてキスをした。
「・・・ん」
・・・おしおきどころか、キモチヨクテ・・・
初めの頃は、よく、玄関でのお帰り/ただいまのキスから、そのままこの場で始められたものだった。そのことを思い出して、体がアツクなってくる感覚に、私は、そのまま体ごとゆだねたくなるけれど、
・・・だけど、・・・やっぱり・・・
「ケースケ・・・」
・・・ダメ。
キスのスキマにそういおうとして、でも、その荒さの中にあるアマさにおぼれて言いそびれる私に、ケースケは、熱い唇のスキマから、
「・・・分かってる」
そう言う。だけど、すぐには止められないみたいに、何度も何度も口付けて、荒くなった息を整えながら、
「・・・愛してるよ、美莉」
言いながら最後に特別にアマいキスをくれた。
「私も・・・」
「ごめんな・・・」
そんなこというケースケ。私は、思わず見上げて、言う。
「ごめんは、１００％こっちのセリフでしょ？・・・ごめんね」
哀しく笑って必死な私、を甘く見つめて、ケースケはふっと笑う。
「・・・そんな風に、謝らせることに対しての、ゴメン、なんだよ。・・・ゴメン、美莉が悪いんじゃないんだぞ？俺のエロ欲が悪いんだ。エロ欲を支配できない俺の弱さが悪いんだ。あー、俺、もっとしっかりガマンできるよーになんねーとな。」
「うんうん。そーだよー。ったく、そんなんで、ほんとーーにっ、２連泊とかだいじょーぶなの？？」
冷たい目で聞いてあげると、
「え？や、だいじょーぶだよ。・・てか、１回は、、明日は、、できるんだし。するんだし。うん。うん。」
「・・・・」
じーって疑いの目で見続ける私に、
「だーいじょーぶだよっ」
笑って言ってくるケースケ。
「お願いね」
えらそーに上からそーいってから、足元のスーパーの袋を持ち上げて、キッチンに向かって歩き出す私の背中では、
「お願いねって、、大体美莉が可愛すぎんのだっていけないんだよな・・・」
なんて、ケースケの情けない声が聞こえる。
私はかまわずに、キッチンに向かう。カウンターにとりあえず荷物を置いて、まずお米を計り始めた私に、ケースケが、
「コメ研ぎくらい俺がするから少し休めよ」
って言ってくれる。
「大丈夫だよ。ケースケこそ、ゆっくりしてて？１本舞台やってきたんでしょ～？？」
「じゃあ、一緒にちょっとだけ、ソファでまったりする？」
ケースケの誘いに、私は即答する。
「ヤダ」
「ヤダ？」
「うん。ヤダ。だって、また変なムードになったら困るもん」
「変なって・・・」
不満そうに繰り返すケースケに、くすっと笑って、
「ていうか、私、お腹ぺこぺこなの。だから、ぱぱっと用意しちゃうね。ケースケは、お風呂でも入ってくれば？」
「シャワー楽屋で浴びてきたよ」
「さっとでしょ？ゆっくり浸かってきなよ～。出てきたらご飯できてるから」
「んー、じゃ、お言葉に甘えてそーすっかな。溜めながら入るか」
そーいって、私の耳に軽いキスをしてから、
「気が向いたら、美莉もおいで？」
なんて言って来る。
・・・もーー。
「バカ」
簡単にそーいってやると、
「ちぇーっ」
なんていいながら、お風呂に向かうケースケ。私は、その背中を見送ってから、水を出した。手早くお米を研ぎながら、ケースケの、
『・・・分かってる』
さっきの切ない声が耳に胸に戻ってくる。
・・・ごめんね、ケースケ。私は全部ケースケのものなのに。欲しいときに欲しいだけあげられなくて。
私は水を止めた。
唇を噛んで涙を堪えて飲み下す。それでも堪えきれずに鈍く痛み始める胸。ゆっくりゆっくり深呼吸する。
・・・だいじょーぶ。落ち着こ、私。今を楽しむって決めたでしょ？
ゆっくり深呼吸を重ね落ち着きを取り戻した私の耳には、浴室から水音と、ケースケの上手とはいえない鼻唄が聞こえる。ていうか、上手とは言えなさ過ぎるその声に、思わず笑みがこぼれる。微笑みは、あったかく胸に広がる。ケースケが、はしゃいでる。ガマンするつらさじゃなくて、一緒に過ごせる喜びに。
・・・だったら私も。
できるはずだ。今を楽しむんだ。ケースケと２人で過ごせる、今を。
私はもう一度ケースケの唄に耳を傾ける。そして、しっかりと微笑んでから、ケースケの声に合わせて歌ってみる。
あまりの旋律につられそうになりながらも。
ケースケの、声に、ココロに、ついてくんだ。
信じて、甘えて。
・・・いーよね、ケースケ？
今日のゆる日記は こちら から。
「box」目次 1～ 、 101～ 、 201～
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とりあえず、の、目次作りました。 こちら からご利用ください。＾＾
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靴を脱ぎながらついまたそう言って、
「おい」
後ろからケースケにとがめられる。
「ゴメン」
肩をすくめて振り返ると同時に、
「許せねー、おしおき」
ケースケはそういって、スーパーの袋をさっと床に置いてから、私を抱き寄せてキスをした。
「・・・ん」
・・・おしおきどころか、キモチヨクテ・・・
初めの頃は、よく、玄関でのお帰り/ただいまのキスから、そのままこの場で始められたものだった。そのことを思い出して、体がアツクなってくる感覚に、私は、そのまま体ごとゆだねたくなるけれど、
・・・だけど、・・・やっぱり・・・
「ケースケ・・・」
・・・ダメ。
キスのスキマにそういおうとして、でも、その荒さの中にあるアマさにおぼれて言いそびれる私に、ケースケは、熱い唇のスキマから、
「・・・分かってる」
そう言う。だけど、すぐには止められないみたいに、何度も何度も口付けて、荒くなった息を整えながら、
「・・・愛してるよ、美莉」
言いながら最後に特別にアマいキスをくれた。
「私も・・・」
「ごめんな・・・」
そんなこというケースケ。私は、思わず見上げて、言う。
「ごめんは、１００％こっちのセリフでしょ？・・・ごめんね」
哀しく笑って必死な私、を甘く見つめて、ケースケはふっと笑う。
「・・・そんな風に、謝らせることに対しての、ゴメン、なんだよ。・・・ゴメン、美莉が悪いんじゃないんだぞ？俺のエロ欲が悪いんだ。エロ欲を支配できない俺の弱さが悪いんだ。あー、俺、もっとしっかりガマンできるよーになんねーとな。」
「うんうん。そーだよー。ったく、そんなんで、ほんとーーにっ、２連泊とかだいじょーぶなの？？」
冷たい目で聞いてあげると、
「え？や、だいじょーぶだよ。・・てか、１回は、、明日は、、できるんだし。するんだし。うん。うん。」
「・・・・」
じーって疑いの目で見続ける私に、
「だーいじょーぶだよっ」
笑って言ってくるケースケ。
「お願いね」
えらそーに上からそーいってから、足元のスーパーの袋を持ち上げて、キッチンに向かって歩き出す私の背中では、
「お願いねって、、大体美莉が可愛すぎんのだっていけないんだよな・・・」
なんて、ケースケの情けない声が聞こえる。
私はかまわずに、キッチンに向かう。カウンターにとりあえず荷物を置いて、まずお米を計り始めた私に、ケースケが、
「コメ研ぎくらい俺がするから少し休めよ」
って言ってくれる。
「大丈夫だよ。ケースケこそ、ゆっくりしてて？１本舞台やってきたんでしょ～？？」
「じゃあ、一緒にちょっとだけ、ソファでまったりする？」
ケースケの誘いに、私は即答する。
「ヤダ」
「ヤダ？」
「うん。ヤダ。だって、また変なムードになったら困るもん」
「変なって・・・」
不満そうに繰り返すケースケに、くすっと笑って、
「ていうか、私、お腹ぺこぺこなの。だから、ぱぱっと用意しちゃうね。ケースケは、お風呂でも入ってくれば？」
「シャワー楽屋で浴びてきたよ」
「さっとでしょ？ゆっくり浸かってきなよ～。出てきたらご飯できてるから」
「んー、じゃ、お言葉に甘えてそーすっかな。溜めながら入るか」
そーいって、私の耳に軽いキスをしてから、
「気が向いたら、美莉もおいで？」
なんて言って来る。
・・・もーー。
「バカ」
簡単にそーいってやると、
「ちぇーっ」
なんていいながら、お風呂に向かうケースケ。私は、その背中を見送ってから、水を出した。手早くお米を研ぎながら、ケースケの、
『・・・分かってる』
さっきの切ない声が耳に胸に戻ってくる。
・・・ごめんね、ケースケ。私は全部ケースケのものなのに。欲しいときに欲しいだけあげられなくて。
私は水を止めた。
唇を噛んで涙を堪えて飲み下す。それでも堪えきれずに鈍く痛み始める胸。ゆっくりゆっくり深呼吸する。
・・・だいじょーぶ。落ち着こ、私。今を楽しむって決めたでしょ？
ゆっくり深呼吸を重ね落ち着きを取り戻した私の耳には、浴室から水音と、ケースケの上手とはいえない鼻唄が聞こえる。ていうか、上手とは言えなさ過ぎるその声に、思わず笑みがこぼれる。微笑みは、あったかく胸に広がる。ケースケが、はしゃいでる。ガマンするつらさじゃなくて、一緒に過ごせる喜びに。
・・・だったら私も。
できるはずだ。今を楽しむんだ。ケースケと２人で過ごせる、今を。
私はもう一度ケースケの唄に耳を傾ける。そして、しっかりと微笑んでから、ケースケの声に合わせて歌ってみる。
あまりの旋律につられそうになりながらも。
ケースケの、声に、ココロに、ついてくんだ。
信じて、甘えて。
・・・いーよね、ケースケ？
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