かずやんの旅日誌

かずやんの旅日誌

2021年09月04日
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カテゴリ: バイク旅
8月6日
相も変わらず不眠である。
今日も4時過ぎに目が覚めてしまった。
外はすでに明るくなっており、やはり北海道の日の出は早いと再認識した。
こっそりと外に出て出発準備を進める。
今日は一日富良野と美瑛を周り尽くす予定だ。
6時過ぎ、あたりがもやに包まれている中出発した。
まずは美瑛の丘めぐり。
到着したお気に入りの新栄の丘は霧に包まれており今まで見たことのない景色が広がっていた。







次はクリスマスツリーの木へ。
この頃には徐々にもやも晴れ、美しい丘の景色が姿を見せ始めていた。






ここから気の向くままぶらぶら撮影していく。













しかし今日はなんだか気持ちが乗らない。
いつもはワクワクするはずの景色でも、心が動かされない。
写真にその気持ちが如実に現れていた。
そこで一眼での撮影を中断。
insta360での風景撮影にチェンジする。
午前中いっぱい風景撮影にあてる。



その後少しだけ美瑛~富良野を散策。







上富良野の日の出公園は、まだ少しラベンダーが残っていた。







高台からラベンダーを眺めていると、乾いた排気音を響かせながら、年代物のスポーツスターが入ってきた。
元883乗りの私は、ついつい見てしまう。
するとその方が話しかけてくださった。
なんでもほぼ毎年北海道を旅していて、今年ももう旅を終え帰るところなのだとか。
私も元スポ乗りと話して盛り上がる。
しばらくしてその方は先に出発して行った。
旅先での一期一会。おそらくもう再会することはないだろう。
しかし旅の1ページとして記憶に残り続ける。
これだから旅はやめられない。
と、カッコつけたのはいいが、後日Facebookの「オートバイのある風景」で再会することになる(笑)
縁というのは実に面白い。

そんな出会いもありながら、メルヘンの丘まで戻っきた。





私のブログの表紙に使われている写真はこの場所で撮影したものなのだが、今は電柱が立ってしまい、昔のような写真は撮ることができない。





さらに赤い屋根のある丘も、今は除草されておらず登ることはできない。









時の流れとともに記憶の中だけの景色となる場所が増えていく。

表紙写真↓




赤い屋根のある丘↓




本日の撮影は午前中で切り上げ、北海道に来た目的の一つを達成するためにかなやま湖に向かう。
そういえばかなやま湖に行くのはこれが初めてだ。
そしてこれから向かう金山ダムはもちろん初めて訪れる。
美瑛から2時間近くかかり到着した金山ダムは、山の中にひっそりと存在していた。

ここは去る2018年9月27日。
鹿児島から隼で北海道を旅していたライダーがその命を絶った場所。
彼が一体どのような苦悩を抱えていたか、最後の地になぜここを選んだのか。
それは本人にしか分からない。
ただ、同じ鹿児島出身として、同じライダーとして、同じ北海道を愛する者として、一度手を合わせに来たかったのだ。
ダムの管理棟に向かい、係の方に当時の詳細を伺う。
その詳細をもとにダムから下の公園へと降る。
公園にバイクを停め、鹿児島から持参した芋焼酎を彼が身を投げた場所に振りまく。





北海道は寒くはないですか?
久々の鹿児島の酒は美味しいでしょう。
今はどうか安らかに。
願わくばこれから北海道を旅するライダーたちを見守っていてください。
私は静かに手を合わせるのであった。




「大丈夫ですか?」セコマで休憩している私に1人のライダーが話しかけてきた。
私の顔色がとても悪く見え、思わず声をかけたのだという。
「大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
体の不調は感じていなかった。
ただ朝の撮影からずっと気は晴れないままでいた。
しかしこれは今に始まったことではなく、ここ数ヶ月同じ状態が続いているのだ。
原因は分かっている。ここ1年で多くの人々に裏切られたことだ。
自分では気にしていないつもりであったが、裏切り(それ)は確実に私の心を蝕んでいた。
そんな状態を良しとせず、変わるために急遽決めた北海道ツーリングであったのに、結局何も変わらないままなのであろうか。

少し早いが、宿に戻ることにしよう。





宿に戻っても私の情緒は安定せず、そのことを他の旅人に悟られぬよう聞き手に徹し、富良野2日目の夜は更けていった。





6日目に続く。


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最終更新日  2024年03月05日 06時23分46秒
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