かずやんの旅日誌

かずやんの旅日誌

2021年09月05日
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カテゴリ: バイク旅
8月7日
今朝も4時に目が覚める。
そして今日も外に出てみる。





朝日が畑を美しく照らし、木々が輝く。









差し込む陽光は寝不足の体を優しく温め、今日一日生きる活力を与えてくれる。







「さあ、今日も走ろう」
準備を済ませ北に向け出発した。





今日は北海道で1、2位を争うひまわりの名所「北竜」へと向かう。
途中の道の駅でこの旅何個目かも忘れたすじこおにぎりを食す。
やはりホットシェフのすじこおにぎりは格別だ。





体も心も満ちたところで出発。
北竜まであと少しだ。

北竜といえば、丘一面に広がるひまわり畑で有名だ。
その姿は10km以上離れた場所からでもわかるくらい丘を黄色く染めている。

しかしどうしたことだろう。その黄色が見当たらない。
いつもならここらへんでその色に気づき、感動するものなのだが。
ほどなくしてその理由が判明する。

到着した北竜ひまわり畑。
目に入ってきた光景に私は愕然とした。
ひまわりが、ない。
いつも目が痛いくらい輝きを放つ丘のひまわりが刈り取られているのだ。





隣に目をやると、花が残ってはいるものの、すでに枯れかけておりその首をもたげていた。
唯一綺麗に咲き誇っているひまわり畑は例年の半分以下であり、昔のような華やかさはない。
どうやら畑ごとに植え付けの時期をずらし、いつ訪れてもひまわりを見れるようにしているのだろう。

だがそのおかげで昔のような華やかさはなく、どこにでもあるひまわり畑の光景になってしまっていた。





でも他のひまわり畑のように「人が密集するから切り倒した」なんて事態にならなかっただけでも良しとしなければ。

次訪れるときには、昔のような華やかな姿を取り戻していてほしいものだ。

















ツーリングライダーには、教科書というものが存在する。
それは昭文社が発刊している「ツーリングマップル」だ。
いつ誰がこれを教科書と呼び始めたのか不明であるが、そのボリュームはまさにツーリングライダーの「教科書」と呼ぶにふさわしいものである。
そしてそのツーリングマップルにはそれぞれの地区で担当者がおり、この情報を一手に賄っている。
ここ北海道も担当者がおり、みんなは尊敬の意味も込めて「クマさん」と呼んでいる。

そのクマさんが、旭川の地でライダーの拠点となる場所「ホッカイダーベース」を立ち上げたのだ。
北海道を旅する者としては必ず寄っておかなければならない。
実は私とクマさんは初対面ではない。
あれは11年前の夏の日、今は無きライダーハウス「ログ由縁」に集った旅人で富良野の一大イベント「ふらのへそ祭り」に参加した際に、クマさんもアウトライダーの取材で、編集員の鉄平くんとその場に居合わせたのだ。
クマさんとは共通の友人がおり、その方が私をクマさんに紹介していただき、個人での旅人撮影もしていただいた。

そんなクマさんに11年ぶりに会える。
今までクマさんは拠点を設けず北海道を取材して回っていたので、会えることは奇跡に近かった。
しかし今年からはホッカイダーベースに行けば必ず会うことができる。
久々の再会に胸を躍らせ到着したホッカイダーベース。







そこは北海道とは思えないほど灼熱の中に多くの旅人が集っていた。
この暑さはきっと旅人の熱さもあるんじゃないか。
そう思うほどみなクマさんを中心に盛り上がっていた。
私もクマさんに挨拶し、お互い「おー!久しぶりっ!」と汗だくの腕を交わした。
11年ぶりに会うクマさんは昔と何も変わっておらず元気そのもの。





場の明るい空気に私も癒される。







そして次々と入れ替わる旅人。
出発前に写真に収めるクマさんも大忙しだ。
そんな中私はホッカイダーグッズを大人買い。









アイスコーヒーと奥尻のハイシャーベットをいただく。
パッケージは懐かしのうにまるだ。





しっかりクールダウンできたが、心は熱いまま。
こんな楽しい時間は久しぶりだ。
この機会と場を作ってくれたクマさんに感謝しつつ出発した。






「すみません、写真お願いしてもいいですか?」
美瑛で風景を撮影していた私に女性が声をかけた。
このコロナ禍ですっかり聞くことのなくなっていたセリフだ。
持参したエタノールで手指消毒を行い、快く引き受ける。
女性同士の2人旅。楽しそうな雰囲気がこちらまで伝わってくる。
そんな私も先程のホッカイダーベースで気分が高揚したままである。
不思議なもので、気分が高揚すると自然といい写真が撮れる。















女性たちを見送り撮影を続けるものの、急にあたりに雷鳴が響き渡る。
視線を上げると巨大な積乱雲がまさにその頭を天に向かって伸ばしている最中であった。



即撤収。美瑛のガソリンスタンドに避難する。
美瑛の雨は大したことないが、上富良野は土砂降りのようだ。





スタンドの店主のご厚意で、雨が上がるまで雨宿りさせていただく。





30分ほどしただろうか。先ほどまであった押しつぶしてきそうな積乱雲は去り青空が顔をのぞかせた。
私は宿に向けアクセルを開けた。



「よし、全員揃ったね。」
宿主のトシさんが宿泊者を確認する。
いつもは宿で夕食の時間なのだが、今日はトシさんの提案で皆で外食することに。
トシさんの車に乗り込み富良野市内へ。





到着した「野良窯」





ここは普段昼営業のみなのだが、今回は特別にディナーを提供してくれることに。
こんな貴重な機会を与えてくれたトシさんと野良窯のご夫妻に感謝したい。
野良窯の主人は陶芸家でもあり、とても美しい作品を作られている。





中には鹿児島の川辺焼きのように透かし彫りの作品もあり、とても美しく。
そして奥様はミュージシャンであり、CDも出している。
カントリー調の楽しくなる音楽だ。
そんなご夫妻の作る料理はどれも絶品で、お昼を食べ損ねていた私の体に染み渡る味だった。







そして食事後はご主人の提案でじゃんけん大会が開かれ、ご主人の作られたマグカップなど様々な景品を出してくださった。
なお私は晩酌セットを頂いた。
後で宿のみんなでいただこう。
最高な時間を過ごさせていただき、野良窯のご夫妻に感謝の言葉を伝えトシさんの車に乗り込んだ。



「北の国からのロケ地ってどこにいけば見れるんですか?」
トシさんの車の中で、野良窯のマグカップを獲得した方がみなに尋ねる。
「それなら麓郷とプリンスホテルと・・・。」
トシさんがちらっと車の時計に目をやる。
「今から行きますか。」
トシさんの粋な計らいで、夜のニングルテラスに行くことになった。
昼のニングルテラスは何度も訪れたことがあるのだが、夜に行くのは私も初めてだ。
というか、夜まで営業していたのを知らなかった。
ほどなくしてプリンスホテル到着。





夜の白樺の森に、白熱灯のような優しい色合いのイルミネーションが浮かぶ。





なんて優しい時間なんだ。
夜の闇に包まれながらも、それぞれの建物から優しい光が浮かんでいる。
その光がまさに妖精を思い浮かべるように神秘的で美しい。
これぞ真のニングルテラスと言っても過言ではないだろう。
美しい光景に心奪われつつ、みんなで森のろうそく屋へ。





北の国からファンならこのお店は外せないところだろう。
アロマキャンドルの香りが心を落ち着かせてくれる。





ろうそくはどれも可愛く美しい。
香りがあまりにもいいため、何を使っているのか尋ねると、カラマツから摂れたものだそうだ。
マツということで松やにのような香りを想像しがちだが、これは全く違い心が落ち着く。
いつかこのアロマでキャンドルを作ってみたいものだ。
帰ったら手始めにラベンダーで作ってみよう。
新たなものづくりの情熱が湧き、富良野3連泊目の夜は更けていくのであった。



7日目に続く。


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最終更新日  2022年12月13日 11時34分32秒
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