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2007.12.24
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MonteCarlo.JPG24heuresAFFICHE.jpg

先日見たローラン・ブーニク監督のフランス映画 『秘密は誰かに話すもの』(aka『ブラウン夫人のひめごと』) の原作本であるツヴァイクの『女の二十四時間』(50年前の角川文庫では『哀愁のモンテ・カルロ』)を読みました。どういう原作を脚色してああいう映画になったのかが知りたかったからです。読書もフランス文学が中心の自分なのでツヴァイクはほとんど読んだことがなかったので、そんな意味でも良い機会だと思いました。ちなみにツヴァイクというとボクにとってはR・シュトラウスのオペラ『無口な女』の脚本家としてなので、そんな興味もありました。(註:この小説を原作とした1952年イギリス映画 24 Hours of A Woman's Life の日本公開タイトルが「哀愁のモンテ・カルロ」。)

映画は2001年に主人公の老人が若い女性に過去を語るという外枠があり、母親の駆け落ちというその語られる1936年の老人の少年時代の物語がまた枠になっていて、そんな少年を慰めるためにブラウン夫人が語る1913年の彼女の過去の物語がいちばん中に収まるという、二重の枠構造をしていました。原作小説の方は第一次世界大戦10年前(1904年頃)のリビエラのホテルが舞台で、リヨンの工場主の夫と12才と13才の2人の娘と泊まっていたアンリエット夫人が知り合ったばかりの若いフランス人男性と駆け落ちをしてしまう。ホテルの相客たちの間で激しい議論となりアンリエット夫人を非難する声が多い中、彼女に理解を示した語り手(これは若いツヴァイクといっても良いのでしょう)に67才のC夫人が25年前のことを打ち明けるという枠構造になっていました。その内容は映画でほぼ忠実に再現されていたものの、やはり映画にはなりにくい部分が小説にはある。

物語は賭博狂で身を持ち崩して自殺せんとするポーランド貴族出身の青年を、C夫人(映画ではブラウン夫人)が賭博癖を捨てさせ、救おうとして失敗する彼女の24時間。そこにはそれまでそういうことを既に捨てていた夫人(未亡人)が愛の激情に走る姿があり、それが彼女の情念として彼女の口から小説の語り手に語られる。また賭博をする青年の「手」の様子、彼の内面がすべて両の手に集約して表現されている、そういう手に彼女が魅了される。こういうのは文章では描写できるものの映像化は難しいと思います。この映画の問題点は客観的視点から筋だけを追ってしまったことにあると感じました。ブラウン夫人が主観的に語っている物語として映像化できればもっと良かったのだと思います。

以下は余談、文庫本に関してです。ネットで探して、ヤフオクで50年前の角川文庫を買いました。この文庫本、1ページの版組が縦43文字×20行(=860文字)。旧字、例えば「体」は「體」、「号」は「號」、「発」は「發」など画数の多いごちゃごちゃした漢字は多いけれど、文字の小ささは読むに問題なし。紙質は雑でさすがに50年の歳月で黄ばんではいるものの、読むのに何の不都合も不快感もない。紙が薄く、表紙も厚めの綺麗なカバーはなく昔ながらの帯とパラフィン紙。約100ページなんですが、厚さは4ミリしかなく、重量も軽い。文庫本っていうのはこれで良いのではないでしょうかね?。最近の文庫は文字が大きくなり、手元にあるのを数えたら縦38文字×15行=570文字で、先の860文字の約2/3。紙も厚くて100ページで5~6ミリ。綺麗なカバーも付いてるから当然重量も重い。価格を高くするのは必要ならやむを得ないけれど、軽くて、薄くて、読めれば良い、スペースも取らない、そういう省エネ形式、これが文庫本の本来の姿だと思います。

更に余談。上に「38文字×15行=570文字」なんて式を書いてしまって、自分は理科系ではないのだけれど抵抗を感じます。本当は以下のように単位を正確にしたいところです。

38文字/行 × 15行 =570文字




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Last updated  2007.12.27 21:07:52
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