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2007.12.21
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*** 日本との混血映画を歓迎 ***



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(『パッセンジャー』)


最近日本が絡む逆パターンの多国籍映画を2本見ました。それはフランソワ・ロトゲール監督の 『パッセンジャー』 と諏訪敦彦監督の 『不完全なふたり』 です。前者はフランス出身のカナダの監督が日本人の役者を使って日本(とカナダ)で日本語(と英語と仏語)で撮った映画。後者は日本人の監督がフランス人の役者を使ってフランスでフランス語で撮った映画。日本の絡み方は逆ですが、どちらも同じような形です。

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(『不完全なふたり』撮影風景)


日本は絡んでいないものの、先日見たベルトルッチの 『ドリーマーズ』 も同じような作品です。こちらはイタリア人監督がパリを舞台に、主にフランス人の役者を使って、ほんの少ししか出てきませんがフランス語で、残りはアメリカ人青年を登場させることで彼と英語で話すという形で作られたイギリス映画です。

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(『ドリーマーズ』撮影風景)


ベルトルッチにはこういう作品が多い感じです。名作『ラストタンゴ・イン・パリ』はパリが舞台で、マーロン・ブランドはアメリカ人の役なので一部英語の会話も出てきますが、役者はマリア・シュナイダーやジャン=ピエール・レオ等フランス人を使い、基本はフランス語でした。こういうのには資金繰りの問題も関係しているのでしょう。映画が国内のみでの消費を前提としていれば何語でも自国語で作ればよいのだけれど、そうではないとマイナーな言語では外国資本、とくにアメリカ資本が得にくい。一部の映画マニアを除けば、アメリカ人は基本的に字幕の映画をほとんど見ようとはしませんからね。映画館も フランス語の映画を上映する なんていうのが専門館として別にあったりするらしいです。アカデミー賞に というのがあるのはそんな事情を表している感じです。映画を2つに分けるとアメリカ映画と外国映画ではなく、英語映画と外国語映画なんでしょう。ネットでアメリカ盤VHSを買うときに注意しなければならない点ですね。何の断わりがなくても英語吹替えだったりします。スウェーデンのベルイマンがアメリカ資本でドイツで撮った 『蛇の卵』

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(『ラストタンゴ・イン・パリ』)


同じイタリア人の名監督にミケランジェロ・アントニオーニがいます。『さすらい』は純正イタリア映画のようだけれど、モニカ・ヴィッティを使ったイタリア時代の『情事』、『夜』、 『太陽はひとりぼっち』 『赤い砂漠』 などはイタリアが舞台でイタリア語で作られているけれどフランス資本も入った伊仏合作映画で、ジャンヌ・モローとかアラン・ドロンとかフランス人の俳優が出てます。そしてその後彼はイタリアを出てイギリスで『欲望』を、アメリカで 『砂丘』 を撮る。

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(『欲望』)


この『欲望』と『砂丘』が最初にこの日記を書きはじめるキッカケとなった日本がらみの『パッセンジャー』と『不完全なふたり』と同じタイプですね。『欲望』はイタリア人アントニオーニが、イギリスで、イギリス人俳優使って、英語で撮った作品。『砂丘』はアメリカ、アメリカ人、英語です。この映画が面白いのは、つまりはやはりイタリア人の目で見たイギリスやアメリカが撮られているからです。イギリスやアメリカの人や文化や風土はもちろんイギリス人やアメリカ人が最も良く知っているのでしょうが、その中にいると見えにくい、当たり前と思っていることが、外国人にはかえって良く見えるというのもあるし、仮にそれが誤解でも外国人が持つ自国に対するイメージがその国の人にはわかりますね。

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(『砂丘』)


もともと国内消費を念頭に置いた ミゾグチ オヅ の映画が海外で評価されるのはもちろん良いけれど、こういう混血タイプの映画がもっとどんどん製作されて欲しいものです。『パッセンジャー』も『不完全なふたり』もどちらかと言えば大衆に大ヒットするような普通の作り(?)の映画ではありませんが、日本の観客にヒットするようなもので、日本人を使い、日本で撮った映画なんかが外国人監督に撮られたら、それも大歓迎です。そう言えば古くは(不完全な形ですが)フランスのアラン・レネが広島で撮った 『二十四時間の情事』 なんて映画もありましたね。これは『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督が 『H story』 というちょっと変わったリメイクを作った元作で、この『H story』も混血映画でした(日本が舞台で、役者はフランス人と日本人、言葉は日本語とフランス語、撮影監督はフランス人)。

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(『二十四時間の情事』)





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Last updated  2007.12.22 19:02:44
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