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2007.12.25
XML
カテゴリ: アメリカ映画
INSOMNIA
Chistopher Nolan
118min
(DISCASにてレンタル)

*0.jpg*00.jpg

10日ほど前にレビュー書いた 『不眠症 オリジナル版 インソムニア』エーリク・ショルビャルグ監督(ノルウェー1997) のアメリカ版リメイク。やはり見てしまいました。ラストがやや違うことを除いて2作の物語の運びは酷似しているけれど、主人公の刑事の何を描こうとしたかが全く違っていた。ノルウェー作品がある特定の人物の有り様を考察し、描こうとしていたのに対して、このアメリカ版リメイク作はもっと平凡な人の心理の葛藤を描いたのみ。それはそれで良いけれど、真犯人とのやりとりも、ラストでの女刑事とのやりとりも、あまりにも平凡。

*1.jpg

アラスカの6月か7月頃なのだろうか?、北極圏で24時間夜も太陽が沈まない。そこで17才の少女が殺されるという事件があり、ロサンゼルス市警から主人公の刑事ドーマーが捜査応援で相棒ハップと2人やってくる。迎えたのはドーマーを名刑事として尊敬する女性刑事エリー。犯人をおびき寄せる捜査で深い霧の中若い警官が脚を撃たれ、主人公ドーマーは追跡中に過って一緒に来た同僚ハップを射殺してしまう。この第二の殺人事件の捜査を任されたのはエリー。映画冒頭で語られるのだからネタバレにならないと思うが、ロスでのある事件に関して内務の監査が入っていて、ドーマーはそれで糾弾されるかも知れないという状況にあり、ドーマーにとってハップは邪魔でもあった。そんな状況でドーマーは自分が撃ったとは言い出せず、擬装工作などを始めてしまう。エリーは捜査を進めるうち段々にドーマーの証言の矛盾に気付き、彼に対して不信を感じ始める。一方ドーマーの誤射を目撃していた少女殺しの真犯人フィンチはドーマーに接触し、少女と仲違いしていたボーイフレンドの高校生を犯人に仕立てるよう取引を提案する。

*2.jpg

どちらの映画も白夜の地で夜も太陽が輝き、そこで主人公の刑事は眠られない。ノルウェーの元作品では彼の性格(人生)のあり方自体が安らぎのないもので、それがこの地での出来事と白夜を絡めて不眠という形に描いているわけだけれど、だからこの不眠(=安らぎの無さ)は実はこの白夜の地に来る前から彼を悩ませ、またこの地を去った後も一生彼に付きまとうものなわけだけれど、リメイクでは監査の不安という状況で同僚を打ち殺してしまい、それを隠したことから不眠が始まる。その根本的差があるから、リメイクの方は全く平平凡凡なドラマとなってしった。リメイクを見て、元作を見て、「リメイクは不必要だった」というレビューを何処かで読んだけれど、その通りだと思う。リメイクはごく普通に他にもあるような映画の新たな上塗りでしかないからだ。さすがにアメリカ映画だから少女の女友達とか真犯人とのやりとりなど解りやすく具体的に説明的ではあるけれど、結果は元作にあった心理のアヤのようなものも消えてしまっている。また元作にあるからリメイクにも残されたロッジの女管理人と主人公の関係などもやや意味不明となってしまっている。この映画の脚本を誉める向きもあるが、それはほとんどそのまま元作の脚本を踏襲したからであって、主題を変えたこの作品のために適切な翻案は不器用で、むしろ非難されるべきものだと思う。やはりリメイクとしては安易なものであったのではないだろうか。

*3.jpg




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Last updated  2008.04.19 22:19:15
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なんだか~  
アメリカ作のリメイク版って、やっぱり難しい
ようですね。判りやすいのは良いけれど・・
時には、自分で感じたいですね、映画を見ながら。

「アパートメント」もそうですが、
東京映画祭で絶賛されたスペイン映画「オープンユアアイズ」を
トム・クルーズが「バニラ・スカイ」として
リメイクしましたが、そちらも散々な出来になっちゃってました。

オリジナルが良いものは、よっぽどの覚悟で臨んでもらいたい
ところですね。
(2007.12.26 17:07:05)

RE:なんだか~  
racquo  さん
Nobubuさん、

リメイクっていうのは、安易に1本の映画が作れるけれど、
新しく1本別の作品を作るよりも、実は難しいのだと思います。
大胆な全く違う作品に翻案する場合も含め、
元作製作者と同等以上の独創性、個性、才能がないと駄目なのだと思います。

この作品で言えば、
殺された少女の友人の女子高生と主人公の関係、
ロッジの女性フロントと主人公の関係、
どちらも元作では主人公を描くのに必要だったものの、
主題を変えてしまったリメイクには必然性がなく、
それなのに元作にあるからそのまま残してしまっています。
こういう部分を見ると、いったいリメイクの脚本家や監督は、
元作のそれら部分の意味を本当に理解していたのかな(?)、
と疑問を感じてしまいます。

(2007.12.26 20:23:48)

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