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2006年10月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
さて、後編です。

「かみぽこ政治学」で
昨年から何度も書いてきているよね。

ここで書いてきたことを
簡単に振り返ってみたいんだけど、
昨年の政局の軸というのは、

「ポスト小泉争い」

だったわけだけれども、


「小泉VS森の主導権争い」

という側面があったわけだね。
(2005年9月27日
「ポスト小泉」の政局を読む(後編):森喜朗は生き残れるか。
2005年11月1日
小泉内閣改造を読む(4):そして、森喜朗と古賀誠。

そして、小泉さんは得意の

「小泉人事」

を使って、ポスト小泉候補たちが
小泉内閣への貢献度を
競う形を作ることで、
小泉さんへの求心力を高めた。


小泉さん主導で
安倍さんや福田さんという
清和会のポスト小泉候補や
その背後にいる
町村さんや中川秀さんなどの

森さんの意向に関係なく
動き出しちゃったら、
自らの派閥領袖としての
政治力が失われてしまうので、
なんとかそれを防ぎたいと
いろいろ動いてみたわけだ。

「安倍温存論」を打ち出してみたり、
「福田さん待望論が国民にある」と
発言してみたりね。

しかし、残念ながら森さんの動きは
うまくいかなかったと思われ、
今年の春以降に森さんは
福田さん寄りだったスタンスを変えて
一挙に安倍支持に転じた。
(2006年5月31日
自民党総裁選(1):森喜朗さん、激怒の真相!?

これは表面的には
自然な流れのように思われたが、
実は小泉VS森の間で
相当な暗闘があったと思われ
とほほ。。。な気分だった森さんは
無神経な山本一太さんの

「チャレンジャーの歌」

に、派閥領袖としての立場を忘れて
完全に切れてしまったなんていう
一幕もあった。

その上、総裁選が本格化してくると
中川秀さんの台頭があった。

中川秀さんは
古賀さんなどの党内の重鎮や、
各派閥との交渉の先頭に立って、
安倍地滑り的勝利の
流れを演出することで
一挙に政治力を拡大した。
(2006年8月26日
「総裁候補の看板」を誰も得ようとしなかったわけ:「ポスト安倍」と「新・キングメーカー」の動きとは。

総裁選での自らの政治力発揮を
もくろんでいたはずの森さんは
最初から最後まで
とうとう何もできないままに
終わってしまい、
多少なりともやけになって
やってしまったのが、

「安倍さんが

『中川経済財政担当大臣、
麻生幹事長起用』

のために、中川さんを説得してほしいと
お願いしにやってきたのをリークした」

という一件だったと思われる。(苦笑)

ただ、森さんがその後、

「派閥会長を辞める」

と言い出したのは、
もうなにもかも投げ出してしまったと
いうわけでもないみたいなんだよね。

森さんはまだまだ政界に
影響力を発揮していきたいと
思っているのだ。

しかし、今のままだと、
清和会のことは中川秀さんが
実質的に全部仕切ってしまって
森さんは、

「森さん、これこれで
決めさせていただきますので」

と、中川秀さんが事後報告するのを

「あ、うん。よきにはからえ」

と、追認するだけの
「裸の王様」のような
存在になってしまう。

その流れをなんとか食い止めて
清和会での主導権を
少しでも取り戻そうというのが、
町村さんを派閥の後継領袖として
自ら指名するということだった。

なぜなら、森さんが会長のままで
中川秀さんと直接対峙することになったら
中川秀さんの思いのままになってしまうが、
もし森さんと中川秀さんの間に、

「新しい派閥会長」

が入ったら、
話は変わってくる。

新しい派閥会長は
総理総裁の座を目指すという
野望もあるだろう。

なにもかも中川秀さんの
言いなりになろうとは
しないのではないか?

そして、その新しい派閥会長を
森さんが指名したという形になれば
森さんが新会長に対して
影響力を発揮することができる。
だから、森さんは
中川秀さんと同期で
ライバル関係にもある
町村信孝さんを
担ぎ出そうと考えた。

これは町村さんにとっても
悪い話ではなかったと思われる。

というのは、
町村さんは中川秀さんと組んで
「ポスト安倍」に浮上してくる
可能性のある政治家、
例えば額賀福志郎さんや
中川昭一さんに
「総裁候補の看板」を
与えないようにしたところまでは
よかったのだけれど、
その後の展開を考えると
ちょっと頭が痛かっただろうからだ。

町村さんが他派のライバルを
とりあえずつぶした後に
まずやるべきことは、

「派閥の掌握」

だったのだけど、
なにしろ町村さんは
人望に欠けるわけで。。。(苦笑)

結局、町村さんが清和会の
次の総理・総裁候補になるには
派閥を掌握する中川秀さんに
頼るしかないわけだ。

しかし、中川秀さんに
なにもかも頼りきりでは
派閥の領袖になろうと
総理総裁になろうと
町村さんは中川秀さんの
言いなりになるしかない。

そんなんじゃおもしろくない。。。(苦笑)

そこで、町村さんが目をつけたのが
森さんだったのだろう。

中川秀さんの力ではなく、
森さんの力を借りて
派閥会長になれれば、
中川秀さんの言いなりに
なる必要はなくなる。

ここで、本来仲が微妙なはずの
森さんと町村さんの利害が
一致したわけだ。(笑)

「新しい清和会(森派)への飛躍を目指さないとならない。
今は『絶頂期』だが、それに甘えてはいけない」
「誰を(総裁候補として)育てていけばいいのか、
そういうことを考えずに前進はない」

と、ここから森さんはド迫力の動きで
自らの退任と町村さんの会長就任の流れを
一挙に作った。

できれば、時機を見て
復活の機会を探っていただろう
福田康夫さんサイドの

「せめて来夏の参院選まで会長を続けてほしい」

も、聞く耳持たず
はねつけたわけだ。

さて、このにわかに誕生した感じの
森・町村連合の動きを
中川秀さんはどう見ていたか。

うん。。。

まあ、とりあえずは
静観というところかな。

中川秀さんにとっては、
森さんとは基本的に
固い絆の関係だし、
町村さんとも総裁選では
組んで動いてきたわけだから。

静かなる戦いがスタートしたといっても
表立って事を荒立てることはないと。

また、森・町村連合の動きは
中川秀さんにとって、
清和会内で唯一の不安材料だった
福田康夫さんの復活の芽を
完全に摘み取ってしまうという
メリットもあったからね。

ただ、中川秀さんは
しっかり町村新会長を
けん制するのは忘れていない。

「別に、派閥会長がそのまま総裁候補になる時代ではない。
私もいずれ派に帰る。その時は私が君らの面倒をみる」

この発言は、中川秀さんが
マスコミにしっかり流れるように
意図的に仕掛けたと思うけれども、
これは中川秀直という政治家が
煮ても焼いても食えないと
いうことをはっきり示しているね。

これ、実によく考えられた
「政治的発言」だと思う。

中川秀さんは、
女性スキャンダルに苦しんだ
過去があるので、
自分が総理総裁候補になることには
慎重だと思うけれども
いずれにせよ、
自分が派閥に戻った時には
会長が総裁候補に自動的に
なることはありませんよと、
安倍さんが総理総裁になったように、
もっと若手から総裁候補を
出すかもしれませんし、
もしかしたら、
派閥の外からかもしれませんよと
(中川酒さんとかいるしね。。。)
町村さんに聞こえるように
わざわざ流したんだよね。

うん。。。

まあ、要するに
北朝鮮核実験のせいで
すっかり隠れてしまってるけど、(苦笑)
ここにきて、
安倍内閣発足後の
国内政局の役者が揃い、
その構図も出来上がった感じだね。

安倍内閣というのは、
小泉内閣の時のような

「改革派VS抵抗勢力」

のような、
派手なドンパチはないけど、
表立ってみんな協力して
やっているようにみえて、
実はいろんな
暗闘があるということだね。

新・キングメーカーを目指したい
中川秀直さんを中心にして

(1)「実質的な権力を掌握したい安倍・塩崎連合」VS
「権力の二重構造を目指したい中川秀」。

(2)「清和会を掌握したい森・町村連合」VS
「清和会でも権力の二重構造を目指したい中川秀」

という2つの対立構図があると。

しかし、ややこしいのは、
(1)に関しては、実は
「中川秀・町村連合」が組まれていて、
「ポスト安倍第1ラウンド」として

「塩崎官房長官VS町村清和会会長」

の暗闘もあると思われる。

なんせ、官房長官と清和会会長は
いまや総理総裁に最も近い
2大ポストと言えるからね。

あと、今後の政局を見るための
1つのポイントを提示しとくと、
町村さんが清和会会長として
特に経済財政政策について
どういう考え方を出していくかだね。

町村さんの考え方は、
外交と教育について以外は
あんまり聞いたことがないよね。

町村さんは通産省出身で、
尾身財務相の後輩でもあるから、
基本的に

「行革優先路線」

であると思われるけれども、同時に、

「財務省→塩爺→(小泉)→町村ライン」

も、いまだ生きているとも思われるから
安倍内閣で排除された財務省は
町村さんに近づくと思うんだよね。

町村さんが政局運営上、
財務省よりのスタンスを
取ったほうがいいと
判断する局面も
あるかもしれない。

そして、中川秀さんがそれに同調する形で
行革優先路線を修正することになると
政局は一挙に動くと思うんだよね。

まあでも、これはあるとしても
来年の参院選後でしょう。

とりあえず、今のところは
頭の隅にでも置いといてもらえると
うれしいです、はい。

しかし思うんだけど、
なんか小泉さんの時に比べて
暗いよね。(苦笑)

まず、塩崎さんと町村さんって言われても
どちらも今ひとつ政治家として
華に欠けるんで盛り上がらんよね。。。(苦笑)

それと、ここで名前を挙げた人たち
みんな表面的には仲良くしてるのに、
実はスキあらば
足を引っ張ってやろうって感じで
ほんとやってることが暗いんだよね。

なんか、うひょひょ。。。とかいう
表現もあんまり使えないというかね。(苦笑)

小泉さんの時代の
みんなが公衆の面前で
罵倒しあうってのは
ええ大人がなんだかなって
感じだったけれども
ある意味、なんか明るかった
ようにも思えて、
私は懐かしく感じるんだけどね。

次回、「かみぽこ政治学」は
そんな小泉政治5年間を
総括してみたいと
思ってるんだけどね。

うひょひょ。。。

それでは、またね。





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最終更新日  2006年10月25日 00時13分50秒


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