今回の修理は、「 CASIO MDH-505 MDラジカセ(発売日:不詳(おそらく1999年)) 」だ。ジョグダイヤルを採用し、CD/MD/TAPE/FM/AMを搭載したオールインワンラジカセで、凝ったリモコンが印象的な一台だ。
このシリーズには、MDH-505(本機種)、 MDH-507 、MDH-515の存在を確認している。ただし、ネットを検索しても情報がほとんどない。中身はほぼ一緒だが、外装と電子部品や回路の一部が異なったりしている。
[CASIO MDH-507 MDラジカセ]
■主な故障と原因
■修理
液晶ディスプレス(LCD)の表示が薄く、特定の角度でしか判読が困難な状態。
主基板の広範囲に半田付け部の劣化があり、LCD関連回路を含み、これらを補修したところ通常の液晶濃度に復旧。
FMロッドアンテナのぐら付きは、本体取付け部の破損と判明。
内外にワッシャーをかまして補修し復旧。
TAPEの動作不良(早送り、巻き戻しができないことがある)は、定番のゴムベルト劣化が原因と推測し、これを交換。正常に動作するようになったものの、不定期に「パチッ」とスパイクノイズが再生音に混じる不具合症状が発生。
フレームグランド不良などの原因を疑い、点検したがまったく異常なし。同系機で検証すると不具合は再現する。2日ほど散々試した挙句、既存ゴムベルトに戻すとこの不具合が発生しないことが判明。
これは初めて経験するケースだった。確かにこの機種でTAPEのゴムベルトを交換修理したのは初めてだった。原因の最終切り分けにおいては、代替ゴムベルト(バンコード)とフレームグランドを電気的にショートすると、この不具合が発生しないことを確認した。
これらの結果から、発生メカニズムとしては、(1)バンコードとプーリーの材質の相性から静電気が発生、(2)金属製が多いTAPEシャーシが、本機種ではプラスチック製であることから静電気が帯電、(3)帯電限界に達した静電気が近傍回路に放電してスパイクノイズが混入したと推測した。
結果的には、劣化の少ない既存ゴムベルトに戻し、TAPEメカのクリーニングとグリスアップを入念に行い、復旧を確認した。
因みにTAPEメカは MDH-507と共通で「ASAHI CORP DR-2400」だった。
その他各部を点検・クリーニングして組戻し。動作確認後、のエージングを実施し、作業完了。
【機器修理】KENWOOD MDX-02 MDラジカセ 2021年08月18日 コメント(11)
【機器修理】AIWA XR-H55MD MDミニコンポ 2020年12月14日 コメント(2)
【機器修理】SONY CMT-J3MD MDミニコンポ 2020年02月11日
PR
キーワードサーチ
コメント新着
サイド自由欄