今回の修理は、「 Panasonic RQ-SX15
携帯カセットプレーヤー(発売日:1996/2)」だ。この年のグッドデザイン賞を受賞している。ガム型充電池に加え、オプションの乾電池BOXを増設することで、36時間連続再生を可能にした、再生専用モデルだ。
[Panasonic RQ-SX15 携帯カセットプレーヤー]
■主な故障と原因
■修理
修理依頼をいただいた機体だ。ただし、必要な交換部品の大半がメーカー供給終了となっているので、修理は非常に困難だ。
キャビネット(外装)を取り外すと、早々に「ギア押えバネ保持部品(黒色のワッシャー状の部品)」の劣化破損を確認した。中心部から外周部にまで、亀裂が生じている。原因は、環境応力による ストレス・クラック と推測する。接着剤や熱溶着による安定した修理が困難なため、交換以外に確実な修理方法がない。
因みに同部品はメーカーによる単品部品割り当てがなく、メカブロックとして一体供給される。ただし、このメカブロックの供給は、既に終了している(2015/1/16時点)。
一方、モーター部品を外すと、劣化したゴムベルト(ポリウレタン製)が現れた。この AR10系メカでは、2種のベルト(RDV0037とRDV0044またはRDV0038)が各1本、計2本使用されている。いずれのベルトも劣化により、使用の用に耐えない状態だ。原因は、材質の 加水分解 と推測する。
ベルトRDV0044及びRDV0038(代替)のメーカー部品供給は終了している(2015/1/16時点)。RDV0037は在庫があるようだが、両方がないと復旧はできない。幸い当方に在庫があったため、交換ができた。
ただし、当方が在庫していた最後の1本だ。これらのベルトは約0.5-0.6mm角と細いため、 バンコード丸ベルト(φ1mmから)で代替できない。検討課題である。
さて、先の 「ギア押えバネ保持部品」は、故障した別機種の正常品を移植した。
ついでにとご要望があったので、ピンチローラーも交換した。「ピンチローラー+アーム」を一体とし、部品供給されていた。左右で部品が異なる。
また、ヘッドブロック(RXQ0445またはRXQ0636(共用))として、一体で部品供給もされているが、両者とも、メーカー部品供給が終了している(2015/1/16時点)。
このAR10系メカは、全体に動作音が大きい。メカの稼動部や駆動部にシリコーングリスを塗布することで、若干は動作音を軽減できる。
その他各部を点検・クリーニングして組戻し。動作確認後、エージングを実施し、作業完了。
--- 分解清掃修理した や や を出品中 ---
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