31話

第十五章  プラン




「ハイ!午後6時になりました。それではこれまでに亡くなった

お友達を紹介したいと思います。それではまず・・・

男子12番津部 拓斗君、続いて男子15番春木 健児君、

女子15番北条 可憐さん・・そして女子13番端羽 亜沙美さん、

女子14番辺見 紗希さん、女子12番西野 由希さんで

以上6名の残り21名となってます。もう半分しか残ってませんから

気を引き締めてゲームに挑んでください。

そして今津部 拓也君はキルスコア芦辺さんと並んで

この21名の中では最大の5人と言う戦果をあげてます。

関内さんもキルスコア3人です。この二人には十分に注意しましょう。

さて次に禁止エリアの発表です。

7時からD-4、9時からI-8、11時からF-9が禁止エリアです。

それでは次の放送は12時です。

皆さん頑張って殺し合いをして下さいね。」そう言って放送は切れた。

女子9番高野 晶はその放送を冷静に聞きチェックをしていた。

エリアで言えばここはC-5辺りの木々が多い場所で

パソコンへ向かってひたすら何かを試みている様だった。

「もう少し・・・もう少し情報があれば・・・」

カタカタとノートパソコンのキーを押す音がかすかに出ていた。

晶はパソコンに関してかなりのエキスパートで大人顔負けと言われる程の

腕前だった。・・・・・今回のゲームで晶はゲームから

脱出しようと考えた。そこでまず自分が出来ることと言えば

パソコンだ・・。それならばこの首輪を管理している

大元へハッキングしてデータを書き換えてしまえば

首輪の効果は無効となりみんなで団結しあいつらのいる

役場へ奇襲を掛けに行く・・・だがそのハッキングの方法が

まるで分からなかった。「私の武器は銃でもナイフでも無い・・・

暗殺用の鋼線 だ・・」それはつまり早めに事を進めないと

強力な武器を持ってるやつに殺されてしまう可能性が非常に高いのだ。

「私は絶対に・・麻衣とこのゲームから脱出してみせる・・・・」

役場の一室で目覚めた時晶はそんな事を思った。

一応、このエリアは民家が集中してるエリアから

かなり離れてるエリアの民家でそこからパソコンを調達し、

自分の携帯からネットに繋いでいたのだった。

政府といえどもこの辺の配慮は甘いようである。

しかしいかんせん政府の大元へはたどり着けない・・・

首輪の情報も手付かずのままであった。

そんな中見張りから戻ってきた女子10番の塚本 麻衣が

茂みから顔をひょっこりと出した。

晶が使ってるパソコンの横には彼女の支給武器の 花火セット

・・・いわゆるハズレ武器があった。

「なんか・・・いい情報手に入った?」

それを聞き晶は首を横に振った。「もう残りは半分なんだよね・・・

あたし達・・・大丈夫よね?・・・うまく脱出して・・家に帰れるよね?」

そう麻衣が口にした。それを聞いた晶はこう言った。

「大丈夫・・・私が・・・私が・・・政府のコンピュータなんて

簡単に支配してみせるから・・・・」

とその時、パソコンからピーっと言う音がし、何か特殊なWebページに

辿りついた。それを見た晶は歓喜が込み上げてきそうだった。

そしてあるページにたどり着くと驚いた。

「・・・・これって・・・」晶は早速その特殊なデータの

読み込みを開始した。ハッキングは成功のようであった。
                                                     【残り21名】



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