45話

ここはエリアで言えばC-4・・大倉庫に

男子4番小倉 正輝と女子9番高野 晶、女子10番塚本 舞が

潜伏していた・・・。

まだ夜は明けてないので幾分か建物に隠れると言うことは可能だが

やはり昼間に建物・・しかもこのようなでかい倉庫にいたら

尚更危険である。

”ねぇ・・もうすぐここ移動するんだよね?

じゃなんで最初からこんな場所に来たの?”

舞は移動するくらいなら最初から島の東側に比較的多い

森林地帯に隠れていたほうが安全なのではないかと

紙に書いて見せた。

”いや・・・これを取りに来たんだ・・・

そのついでに休憩を取ってるってわけだ”

そう小倉が受け答える。

ちなみに小倉が取りに来たのは工具類とガソリンだった。

「今のうちに休息・・取っときなさい・・明け方には移動するわよ」

晶はさすがに何も会話がないのは不自然だと思い。

発言しても問題のない程度に舞に言った。

「うん・・でも・・・」「でも?」

晶は舞に合図を送った。「ううん・・なんでもない」

”ホントに・・ホントに私達生きて脱出できるの?”

それを見て晶は正輝の方へ目をやる・・。

正輝の親が反政府組織の一員だということは

おそらく本当のことだろうし

首輪の盗聴のことも知っていた。

首輪のはずし方までは分からないと言っていたが

それは言うなれば2つの解釈として捕らえることが出来る。

1、本当は首輪のはずし方を知っていて

最後の最後(例えば私達だけが生き残りになった場合)

の時小倉を優勝者に・・そして私達は首輪を外してまんまと脱出・・

2、本当に首輪の外し方など知らないし

最後の最後で私達を裏切って自分だけが生き延びるのかもしれない。

例え2の方だったとしてもあくまで晶たちは殺し合いなどしたくはないし

小倉のことをまるっきり信用出来なさそうってわけでもない・・

ただ脱出できると言う根拠がないだけなのだ。

残りは17名!

(まぁさっきの銃声で

1人、2人死んだのかもしれないという事を小倉は言っていたが・・)

そろそろ残ってくるのはこのゲームを生きながらえてきた

ゲームに乗ってしまった人間ばかりだ。

自分達が狙われるのも時間の問題なのだ。

その時に対応出来るのはやはり小倉ぐらいだろう・・。

何しろグレネードランチャーと拳銃2丁、ナイフも装備しており

私のポケットには簡易モードでしか動かないが

ガダルカナル探知機がある・・。

津部や関内とも十分対等に戦える装備を持ち合わせているのだ。

「このワルサーはお前が護身用に持ってろ」

そう小倉が言い。もともとは沢近 愛理の支給武器であった。

ワルサーP38を晶に手渡した。

その時だった・・・。

レーダーに晶たち3人の他にひとつの点が映し出された。

それを見た3人は一気に緊張が高まる。

「冗談じゃねぇぞ・・こんなところでグレネードは使えねぇ・・」

そう言い小倉はベレッタを装備した。

その点はこちらに気づいたのかどんどん向かってくる。

「くそ!いいか絶対に死ぬなよ!」

小倉の言葉に2人とも頷く。

「おい!そこにいるのは誰だ?」

・・・・何も反応が無い。

っということは今考えられるうち入り口付近にあるその人影は

今一番出会いたくない生徒

No1,2の津部か関内かのどちらかである可能性が

グンと高まった。

「津部か?・・・それとも関内か?」

しかしその人物はもっとも意外な人物だった。

「へぇ・・・今は高野達といるんだ・・・どうしたのよ・・

あれだけ冷たく私達を追い払って

それでいてより利用価値のある人間を集めて

このゲームを有利に運ぼうとしていた小倉君は・・」

そういってこの島で向かえる2回目の日の出の登場と同時に

映ったシルエットの正体は

女子5番小柴 希莉だった。

「ベレッタとワルサー・・返してほしいんだけど・・」

そう言いながら3人に向けてショットガンの銃口を向けていた。

                 【残り15名】



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