
ガイアンのクライミングが午前中に終わってしまって、またしても午後はすることが無い。
シャモニー滞在最後の日に一人ぽっちというのは寂しい。
でもここで感傷的になっているのは私らしく無いと気を取り直し、午後遅くにメール・ド・グラス氷河とドリュを訪ねた。
モンタンベール駅から赤い登山電車で急勾配の線路を登ること30分、メール・ド・グラス氷河駅に着いた。
正面にドリュがあの鋭い三角形で君臨していた。ほんとに目の前だった。雲がかかったり晴れたりして陰影がつき、さらに魅力的だった。まるで 恋人を見つめるように 見とれてしまった。
「そうだ 、
山は私にとって恋人なんだ
」
今更ながらの思いだった。 恋人に会うためなら世界の果てまで行っても咎める無粋な人はいないだろう。
マッターホルンを見て「この山に登りたい」と思ったが、さすがにこの「ドリュに登ろう」という発想は湧いてこない。それほど鋭角的な二等辺三角形であり、雲の上の存在である。でも私はどうしてこんな尖った形の岩稜にばかり心奪われるのだろう。
右に目をやるとメール・ド・グラス氷河が見える。茶色の地面がわだちのように続きはるか奥の方にやっと白い氷河が見えた。さらにもっと奥にグランドジョラスが折りたたんだ屏風のように小さく見える。

氷河がこんなに後退してるなんて!。愕全とした。これまで見た写真の氷河と大きく異なっていた。こんなことがあっていいはずがない。でも50年後にはヨーロッパアルプスの氷河は消滅するとTVで言ってた。なんという酷い環境の変容!!。
そこにいた少女と一緒に写真を撮らせてもらった。フランス語は全くわからないが和やかな雰囲気を感じた。


フランスの少女と 赤い登山電車
おびただしい観光客とともに再び赤い電車に乗ってシャモニーに戻った。最後の日が平和に暮れていった。
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