
帰国のフライト寸前にケチャを観ることができた。専用の劇場(?)というか屋根の高い小屋のような場所に行った。円形劇場で中央のステージを囲んですり鉢状に観客席がしつらえてあった。ケチャはずっと前から聴きたいと熱望していたので上演前から期待でわくわくして興奮していた。
ケチャダンスは、バリ島伝統舞踊の中で最も有名な舞踊だろう。 通常の舞踊ではガムランを使った音楽に乗って踊るのだが、ケチャは数十人という男性が発声する「チャチャチャ」という特徴的なコーラスに乗って踊られる。

白黒の腰巻(?)をしている人たちがケチャを歌う人たち、一方踊っている人は配役に応じて華麗な衣装を着用している。
ダンスで演じられる物語はインドの叙事詩「ラーマヤナ」の一部分だという。 コーサラ国の王子ラーマは第二王妃のたくらみで妻シータと共に森に追放されてしまう。美しいシータ姫を我が物にしようとしていた魔王ラーバナがシータ姫をとらえ城に監禁してしまうが、ラーマ王子は猿の将軍ハヌマンの協力を得てラーバナを倒しシータ姫を奪い返すという話らしい。(開演前に日本語のプリントが配布された。)


火の上を歩く男性 終演後一緒に記念撮影
ケチャを歌う男性群は地元の人たちのようで、日本でいうなら~神楽保存会のような趣である。しかしその音楽にはものすごいインパクトを受けた。まず完璧アカペラである上、非常に高度・難解・複雑なリズムで到底楽譜なんかには記譜できるようなものではない。口伝で練習し何年も伝えてきているだろう。
いやあ、実に驚いた。合唱の部分、レシタティーボのような部分、掛け声のような部分といろいろな部分があって、場面に応じてたくみに歌い分けられていた。このリズムというのが複雑でそれがいくつも重なり絡み合っていてちょっと真似もできない。音楽的カルチャーショックを受けた。こんな種類の音楽を聴いたことがない。これまでの音楽経験の範疇にない音楽だった。
最後の最後になってケチャの刺激で頭を揺さぶられた。
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