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2004.09.10
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カテゴリ: 映画・邦画
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【この映画について】
この映画については今年のカンヌ映画祭で14歳の柳楽優弥(やぎらゆうや)が主演男優賞に輝いて一気に脚光を浴びた。
それまでは失礼だけどまさに「誰も知らない」状態だったなかでの授賞だった。この授賞には誰もが驚かされてこの授賞の報を聞いてこの映画への期待度が一気に高まった。このカンヌでのグランプリ作品は今話題を振りまいている「華氏911」である。 この作品はカンヌ映画祭ではとても評価が高くて他の賞こそ逃したが各方面で絶賛された。
1988年に実際に起きた事件を題材に映画用に脚色して今回の作品は成立した。映画では商店街のロケは高円寺で大部分が行われたようだ。
【ストーリー(ネタバレなし)】
この作品は1988年に起こった「西巣鴨事件」を題材にして作られた。1988年といえば今から16年前だが私は当時も東京に住んでいながらこの事件についての記憶は全くない。
作品では冒頭で、母親役の(YOU)と明(柳楽優弥)が新たに引っ越してきたアパートの大家さんに挨拶に向かい2人で入居すると告げる。しかし実際には明を含めて2男2女の家族構成で父親は全て違うが、他に小さい子供が3人いると入居しづらいので敢えて隠した。残りの3人は何と引越しのトラックに積まれたトランクの中に隠れていた。そこで母親はすかさず入居にあたっては外出は厳禁、ベランダには洗濯機を使うときだけ出る、大声は出さないなどのルールを言い渡した。一番上の明(12歳)が母不在の間の面倒見をすることになっていて、食事の買出しもすべて行っていた。
母親は夜の仕事をしていて常に帰るのは遅い時間で、時にはフラッと仕事と称しながら数ヶ月も不在になることがる。そんな際には母親が現金書留で送金して明がその中から家賃を払ったり公共料金を払ったり食事を買ったりしていた。しかし母は一端は帰るが今回は明に再び「お母さんは好きな人が出来た」と告げてX’Masには帰ると言い残して秋に家から出て行った。
母がその際に残していった現金は徐々に少なくなり、途中で現金書留が送られるが底を尽き始める。普段から良く行くコンビニ店で残り物の食事を分けてもらったりして何とか凌いできた。だが子供達は就学年齢に達していながらも母親の勝手で学校に通わせてもらえない。外出もそうした理由で日中はひっそりと家にこもり週末とかに近くの公園でたまに洗濯に行ったりする程度だ。
電気料金も未納で遂に止められた子供達は食事にも困り、コンビニで買うそばやカップ麺にお店でお湯を注いでもらって凌いできた。そんな変化の無い日々を過ごした明はコンビニで知り合った同級生のこどもたちと家で、買って来たファミコンで遊んでいる時が一番楽しかった。だがそんな楽しい日々も続かずに、徐々に友達は万引きを強制したりするようになりそれを拒んで関係は切れる。そんな寂しさを紛らわせるようにやはり孤独な友達の居ない女子中学生と話をするうちに少しづつ異性と打ち解ける。その女子中学生を家に呼んで久し振りに子供同士の楽しい一時を過ごした兄妹たち。明は経済的に困っている状況をこの中学生に話すと「私が何とかして来る」と言い残してメールで見知らぬおじさんとカラオケをして1万円を稼いできたが、そんな行為に嫌気をさして差し出したお金を受け取らなかった。
ますます少なくなるお金を何とかしようとアルバイトを申し出たりするが12歳ではなんともならずに、母の書留に書いてある住所を頼りに電話をするがお金が無い為に直ぐ切れてしまう。X'MASには戻ると言っていた言葉を下の子供は無邪気に信じるが、母が帰ってくる気配はない。
だがそんな困窮生活にも徐々に終わりが見え始めてきた。末妹が室内で不慮の事故で亡くなってしまうがその時明はゲーセンで遊んでいて家には居なかった。冷たくなってしまった妹をみて戸惑う兄弟等は女子中学生も交えてどうするか話し合う。そこで出した結論は、明がこの妹に語っていた約束であり夢があったことを想いだして一つの行動に女子中学生とともに乗り出した。

【鑑賞後の感想】
この映画の登場人物は母親のYOUと4人の兄妹とそれに少し絡む女子中学生。あとはコンビニの店員たち。その中でも母親のYOUは前半に登場シーンが限られて、その後は子供達の変化や成長がテーマになっていく。
この配役の子供達もYOUもはっきり言って誰一人として役者として実績がある訳ではないが、子役もYOUも皆がとてもその役柄をよく理解してとても自然に演技しているのに好感をもてた。これは聴く所によると是枝監督が特に台本を作らずに、各シーンの撮影前に監督からそれらのシーンの内容を細かく伝えて殆どアドリブに近い感じで自然に演技をしてきたそうだ。
こうした趣向は普通は映画制作には異彩を放つ手法だと思う、こうした方法で経験の少ない役者達の個性を逆に上手く引き出したのは流石だ。
作品にはセリフは余り多くないし音楽もほとんどバックには流れないが、都会の雑踏や生活の音がその役割を果していて映像としては都会の重さや虚無感が伝わってきた。
柳楽はこの映画の公開前に「王様のブランチ」にYOUと共に出演していたがとてもシャイな少年で殆ど無口でYOUが殆ど喋っていたが、YOUはお喋りは当然慣れているから楽しかった。柳楽は次の映画が象に乗る話でタイに言ってきたと話していたが、次作はどんな役柄を演じてくれるのか今から楽しみだ。





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Last updated  2005.09.02 07:30:34
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