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2007.03.18
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
22.パフューム ある人殺しの物語

■製作年・国:2006年、ドイツ・フランス・スペイン
■上映時間:147分
■鑑賞日:3月17日 渋谷TOEI2(渋谷)
■公式HP: ここをクリックして下さい
□監督・脚本・音楽:トム・ティクヴァ
□製作・脚本:ベルント・アイヒンガー
□脚本:アンドリュー・バーキン
□音楽:ジョニー・クリメック、ラインホルト・ハイル
□演奏:サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
□ナレーション:ジョン・ハート
キャスト

◆ベン・ウィショー(ジャン=バティスト・グルヌイユ)パリ一鼻が利くと称した天才調香師
◆レイチェル・ハード=ウッド(ローラ)グルヌイユの「標的」となった美女
◆アラン・リックマン(リシ)ローラの父でローラを溺愛しグルヌイユの毒牙から守るのに必死に
◆ダスティン・ホフマン(ジュゼッペ・バルディーニ)橋の上に店を構える落ち目の調香師
◆カロリーネ・フェルフルト(プラム売りの少女)グルヌイユが香りに目覚めるきっかけとなった少女

【この映画について】
この映画は「香り」を映像でいかに伝えるかがテーマである。冒頭の市場のシーンから魚の強烈な匂いの迫力に圧倒される。
その市場の物売りの母から産み落とされた、体臭を持たない男が香りに恋い焦がれるこの物語は、1985年に発表され世界的ベストセラーとなったパトリック・ジュースキントの小説が原作。
すぐさまスピールバーグ監督も巻き込んだ映画化権の争奪戦となったものの原作者が拒み続け、ようやくトム・ティクヴァ監督と、無名の新人ながら類い稀な才能を持つ「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」でキースを演じたベン・ウィショーを主役に得て映画版が完成した。群衆が人間の本能を呼び覚まされるラストシーン、官能をくすぐる香りにはあっと言わせられる。
ベン・ウィショーを支える「脇役」としてダスティン・ホフマンが香りの調合を教えるイタリア人調香師を演じ、「ハリー・ポッター」シリーズでスネイプス先生を演じるアラン・リックマンが娘を溺愛する父役で出演しているのも見逃せない。
【ストーリー(ネタバレなし)】
1738年7月17日、パリの魚市場で産み落とされたグルヌイユは、母に死産と決め付けられて魚のはらわたの上に無造作に産み落としほったらかされた。しかし泣き声を聞いた周囲の人たちによって母は子殺しとして逮捕され絞首刑となる。つまりグルヌイユは生まれながらに両親を知らずに育つ事になった。
その彼は少年時代から驚異的な嗅覚を持っていた。皮なめし職人の下に売られたグルヌイユは青年に成長したある日、プラム売りの赤毛の少女が発する至福の香りに出会うが、夢中になるあまり彼女を誤って殺してしまう。
死と共に香りも消えてしまうことを知った彼は、香りを永遠にとどめておく方法を探るためイタリア人調香師バルディーニに弟子入りし、香水の調合方法を習う。グルヌイユの独創的なアイデアでバルディーニの店はたちまちパリ中の噂となり大繁盛するが、彼はさらなる技を求めて職人の街グラースへ向かう。途中、自分自身に体臭がないことに気づき衝撃を受けるが、やがて運命の香りと再会する。
グラースで彼は究極の香水を作る為の方法を編み出したが、それは女性の生きた肉体そのものを必要とするのだった。そして、遂にかれは...
さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。
1.彼がバルディーニから教わった究極の香水作りのある方法とは?
2.孤独な彼が女性を相手に編み出した香水の採取方法とは?
3.彼の香水作りは徐々にエスカレートするが、その方法が地域に及ぼした恐怖とは?
4.彼が遂に作った「世界がひれ伏す」香りとは?果してその香りに世界はひれ伏したのか?
等を中心に、香りを表現した映像美をぜひ映画館でご覧下さい。

【鑑賞後の感想】
「香りを映像で表現する」という難しいテーマに挑んだこの作品だが、香りや臭いを映像で伝える事はどんなにテクノロジーが発達した現代文明においても成し遂げられていない。

結果から言えば私はこの映画の映像は香りや臭いを映像から嗅ぎ取る事に「視覚的には成功」したとある程度は言える。グルヌイユが魚臭の漂う中で「無造作」に母に産み落とされたシーンは、見ているだけで「魚臭さ」が伝わってくるような映像だった。こうした映像は他にもグラースへ向かう途中のラヴェンダー畑の映像美などからも香水の香りが漂ってくるようだった。
ストーリー的にはクライマックス・シーンとも言えるグルヌイユが処刑される寸前の群集が叫び声を挙げるシーンから、彼の最後を暗示するシーンまでの流れは賛否両論あるだろう。ネタバレになるので詳しくは書かないが、あのシーンは彼の作り出した香水が世間をひれ伏させたということを強調する意味での映画的見せ場だと思った。
グルヌイユを演じたベン・ウィショ-は派手さは無いが憂いを感じさせる表情がこの役にははまっていた。
【自己採点】(100点満点)
71点。 工夫された映像への評価を加えた。

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Last updated  2007.03.20 22:48:14
コメント(7) | コメントを書く


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Re:映画『パフューム ある人殺しの物語』を観て(03/18)  
river♪  さん
とても詳細なレポートですね。凄いです。
冒頭の魚市場のシーンは強烈でしたね。香りというよりもこれは臭いだと思いました。香りと臭いの境界線は人によって変わってくるのでしょうけど。
とにかく不思議な映画でした。 (2007.03.23 08:47:08)

とても不思議な映画  
コメントありがとうございました。
本当にスクリーンからも香りが漂ってきそうな映像でしたね。
最後のシーンは人々が愛の香りの前にひれ伏すという意味でしょうけれど、特に印象的ではなかったように思います。目に見えない香りを表現するのはやはりとても難しいということですね。

どこかで見たことがあると思っていたら、スネイプ先生でしたか。。。 (2007.03.23 14:07:47)

“香り”の映画  
きーさく  さん
冒頭の魚市場のアラなどの悪臭漂う場面から、究極の香水まで、舞台設定や役者の演技でうまく香りを表現したと思います。

またグルヌイユの興味が香りだけで、そのために重大な事態を引き起こしても罪の意識なし、というのは恐ろしく感じました。 (2007.03.25 10:51:09)

香りと映像  
ひつじ草星  さん
 ステキな書き込み有難うございました。
冒頭の魚の香りと、美しい香り・・・映像と香りって難しいところによく挑戦しましたよね。
 またグルヌイユの性格形成にも興味を持ちました。 (2007.03.25 17:42:58)

Re:映画『パフューム ある人殺しの物語』を観て(03/18)  
kintyre  さん
>river♪さん、こんばんは
冒頭の魚市場でのいかにも悪臭が漂っていそうな中で、陰に隠れて出産するシーンは強烈でしたね。香りと臭いが入り混じりながらも、ストーリーのテンポは良かったですね。
>パイナップルリリーさん、こんばんは
この作品の映画化に際しては、臭いや香りを如何にして映像で伝えるかの目途がたったから映画化したのでしょうね。
ラスト・シーンの集団ヌードは、ああいう映像は始めてみました。スネイプ先生、彼が出るとどうしても「悪役」のイメージが沸いてきてしまいます。
>きーさくさん、こんばんは
悪臭と香水の香りという両極端な臭いを映像で苦心しながらも見事に表現していたとおもいます。
彼には体臭がなかったことと、両親の存在を知らずに育った事がテーマのような気がしました。
>ひつじ草星さん、こんばんは
魚の悪臭、香水の香り、体臭、ラヴェンダー畑といった異なる香りや臭いを見事に映像で表現したことは凄いことですね。
グルヌイユの性格は生まれながらにして両親の存在を知らず、その後も施設を転々としたことが原因でしょうね。 (2007.03.25 21:29:10)

こんばんは。  
hyoutan2005 さん
はじめまして。
TBありがとうございました。
香りの映像化・・・と言う新しい挑戦は、とても新鮮な驚きでした。視覚と聴覚、そして映像で得られるその二つの感覚の情報から「香り」や「匂い」を確かに感じ取ることができたような気がします。
ストーリーも、様々に解釈できるところがいいですね。 (2007.03.27 00:45:09)

Re:映画『パフューム ある人殺しの物語』を観て(03/18)  
kintyre  さん
>hyoutan2005さん、こんにちは
香りの映像化という映画にとって最大の試練を見事にこなしていたと私は評価しました。ご指摘の通り新鮮な驚きを私も感じました。
ストーリーとしては主演のベン・ウィショーはセリフの少ない難しい役でしたが合格点は与えられるでしょうね。
(2007.04.01 11:57:32)

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